
「新九郎殿はーーぬいのことはどう思われますか?」
だしぬけに聞いてきた小笠原政清。なんでも将軍義尚から結婚させる気がないなら御所に出仕させないか、と下知…まで行かないな、雑談みたいなものがあったらしい。
魑魅魍魎うごめく御所にあの暢気なぬいちゃんを行かせる気にならず、婿を選んでいる最中だと…まぁ嘘ついた訳です。
既成事実を作るために新九郎に声をかけたのですが…備前守家に出入りしているうちにすっかり家来衆と仲良く…いや餌付けしたぬいw
太郎からもぬいが来るようになって家内が明るくなった、と言われ。
「皆 ぬい殿を家族みたいに思ってるんだ」
家との馴染み具合も見て新九郎も覚悟を決めます。
「私の妻になってはいただけないですか」
「はい!」
「やはりだめですか」
「いえ ですからなります」
「えっ!?」
これだけで二人の性格が把握できそうなやりとり。さらにぬいが
「四角い部屋を丸く掃きます」
と自らの欠点を言えば
「それは心配無用 隅の方は私が掃きます」
と新九郎が返す。いい組み合わせなんじゃないですかw
阻むものもない二人はトントン拍子で祝言を上げ、めでたく夫婦となります。
借金も精算し嫁ももらい、小さくまとまりつつある備前守家と対照的に荒れていく室町幕府。官僚団の奉行衆と将軍親衛軍、奉公方が対立し、最終的には御所内での刃傷沙汰にまで発展しました。現将軍義尚と大御所義政の対立にも原因が求められるこの事件、義政の出家…事実上の引退まで至ります。
「もういい 室町殿(よしひさ)の好きにさせよ」
こう…やり口がキツい割に熱意が足りない、周りにとっては結構迷惑な指導者義政のあっけない幕引きでした。
対して強硬姿勢に味をしめ始めた義尚。幕府崩壊の足音は徐々に大きくなっていきます。
小競り合いに巻き込まれ、新九郎の所領も脅かされたり、預かっていた分を返還する事になったり。
「東荏原の私の所領ーー買ってはいただけないか」
盛頼に領地の買い取りをオファーしたり。京で出仕しながら領地経営は無理である、との判断ですね。
「京に近い場所に代替地を求めたいと考えております」
幕府も簡単に代替地の用意はできんぞ、と心配する父盛定。
「その場合はどこかの荘園でも奪い取って事後承諾してもらいますか」
…まるっきり乱世の発想です。新九郎本人も驚いていますが、こうでもせねば生き残れない、と無意識に考えている、ということでしょうか。
義政が出家前にひとつ、判断を下していました。堀越公方、政知の嫡子、寿王を京の寺に入れよ、と。それはつまり男子のいない将軍義尚に何かあったときのスペアとして寿王を置く、という事。
「このままであればーー寿王が将軍になる目がある…さすれば余は大御所として京に戻れる」
いやそれはどうでしょう。
ともかく腐っていた政知に運が向いてきました。
「寿王は京に上るって?」 「じゃあもう公方家はーー伊豆はこの茶々丸の物だね!」
庶子茶々丸の地位も確定。なんとなく細川政元と同じ危うさを感じるこの子供、新九郎の未来に深く関わってくる事になります。
同じ頃、関東。太田道灌の派手な動きに敵も味方も眉を顰めていたところ。道灌の主家扇谷上杉は関東管領山内への謀反を疑われる段階にまでなっていました。実際道灌は定正に兵を上げるようハッパをかけており…。
「お聞き下さい 次の乱は扇谷と山内の間で起きるのでござるよ」
自身の父、道真相手とはいえ断定口調で言い切ってしまう。才気溢れるが故の先走りでしょうか。ですが才気だけでは人は動かない。急進すぎる道灌を恐怖した定正は道灌を風呂に入れ、丸腰になったところを刺客に襲わせ…。
「当方滅亡!当方滅亡の道でござるぞ!!」
「滅亡するのは道灌殿のみ!」
太田道灌、横死。関東を席巻し、新九郎にも大きな影響を与えた梟雄の、戦国を待たぬ早過ぎる死でした。
歴史的には様々な意味を持ちますが、当面物語に関係するところとしては駿河、今川新五郎の後ろ盾が大きく減じた事。新九郎のつけ込みどころとなります。
新九郎が活躍の場を京から静岡〜関東へ移すお膳立てが揃いつつあります。強硬な手段に対する心理的抵抗も落ちている感じw
上が頼りにならないので自分でなんとかするしかない…戦国大名の基本思想ですが、そっちへ近づいていってますね。
第一話冒頭のシーンが見えてきた…かな?
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