同人女アパート建ててみた 1巻

 同じ事を好きな奴を集めてワイワイやったら絶対楽しい。ましてやそれが同好の士の少ないオタク関連ならなおさら。なので同人誌やってる女性の為だけのアパート造ってみました!…ちょっと無謀じゃね?

 というやろうと思ってもなかなか出来ない建築、不動産経営に手を出した「同人女アパート建ててみた」です。

 オタク女子を集めた賃貸物件の話としては「海月姫」などありましたが、更に特化した物件をハコから作る、というのは…。

 夏コミ打ち上げの飲み会に興ずる女性たち。次のイベントはどうするか、の話で盛り上がっていますが。

「A子さんは?」

「実は…半年ほど同人活動お休みしようかと考えてて…」

 慌てる仲間たち。「け…けっこん?」と一番高い可能性も指摘されますが、さにあらず。

「同人女アパートを建てようと思ってるの…!」

 学生時代、オタク仲間に声をかける勇気がなく、ひとり携帯小説サイトに二次小説投稿していたA子。

「スカイプとかじゃなく同じ空間で皆でリアタイや原稿合宿できたらすっごい楽しいだろうな…って それでアパート建てよ!って」

 半年はアパートの事にかかりきりになるだろう、という事での休業宣言でした。

 実家のアパートのリフォームで融資額は五千万! 内装にもいろいろこだわり、共有スペースにはホームシアターを設置するアイデアを友人からもらったりして、ついに完成!

 仲間からの評判は上々なのですが…

「入居者ゼロもあり得ます」

 不動産屋さんの予想は厳しい。駅から少々遠目の物件で単身者女性限定で家賃10万の設定では…付加価値を見出すオタクくらいしか来ない!

「もしこの2月3月に入居申し込みがなかった場合 家賃収入ゼロで月々約25万のローンを返済するごとになります」

 A子の本職はごく普通の銀行員。自身の収入で賄える額ではない…。

 再来年には近くに大型ショッピングモールが建設される予定なので、その需要を考慮すれば行けない家賃ではない。ですが新築のうちに満室を目指すなら7万9千が限度…。

 実際入居希望者は現れず、A子は誰もいないアパートにひとり住んでいる。

 流石に秋の物件探しシーズンに家賃を落として普通の募集をしようと思う、と折れかけるA子。

「ここで退いちゃっていいんですか!?」

 同人仲間のうさぎちゃんがハッパかけます。こんないい物件が埋まらないのは宣伝が足りないからだ、と。

「ツイッターで宣伝してるんですか?」

 現Xですね。うさぎちゃん自身が宣伝画像作ってくれて、早速ツイート。しかしリツイートは400程。イマイチ…。

 もうひとりの同人誌仲間、おこめさんが思いついたのは夏コミでチラシを配ること!

「入居者募集のチラシを配ってるヤツなんて一度も見たことない…」

「大丈夫ですってー! 怒られたら回収しましょ♡」

 一般的にも向け物件への変更は9月1日から。それまでに入居者が集まらなければ…。

 しかし資料請求は増えましたが契約までは行かず。県外からのオファーが多いので当たり前といえば当たり前。 …考えてみればコミケで宣伝したんだから無理もないw

 9月1日。不動産屋で一般向け物件への変更を宣言しようとしたその時、おこめさんから電話。

「じゃツイッター見て 今すぐ」

 アパートのチラシがフォロワー10万の神絵師…インフルエンサーのアカウントで紹介されていました。リツイート1万!

 直後に不動産屋にも問い合わせが。

「即日入居されたいそうです」

 同人女アパート、何とかスタートです。めでたいのですが、ここでポイント高いのが不動産屋の社長さん。

 同じ条件で行こうとするA子に

「わかりました では…家賃だけは下げましょう!」

 家賃8万に下げ、一度満室にしてショッピングモールが開業してから家賃を上げよう、とA子を説得してしまいましたw

 これで結果的にA子も助かる訳で、全てをうまく行かせるための最善の一手です。まさにこれぞプロの仕事。

 これで入居者が集まってくる、今度はその入居者たちにドラマの視点が移動して行く事になります。画力はあってもズボラ過ぎて締め切りを守れないイラストレーター、推しが一緒だった友達が別ジャンルに行ってしまって虚脱状態の作家など…。

 ポストが8個、A子も住んでいるので入居者は最大7人入る事になりますね。どんな拗らせ女子が来るのやらw

 今まであまり見なかった、資金面を結構あからさまに描いた作品ですね。月々の返済額とか具体的に出してくるのはリアリティと共に、なんだか身につまされるものを感じますw

 貯金がこれだけだから家賃収入無ければ来年までにこれだけ減って…とか不動産経営してる人たちはずっとこんな事考えてるんですかね…。私は耐えられないかもしれないw

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