バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ 9巻

 日本刀を佩いた男の名はディーチャー·キング。彼は水平線の向こうの竜巻のような雲を指差します。あれこそが海王“達”の戦場跡だと。

「…あの積乱雲(くも)から向こうの海域ではよ…“海王”を自称する怪物や魔物どもが 我こそ唯一絶対の“海王”だとバチバチの喧嘩を繰り広げているんだぜ」

「…今 お前は…“海王”が何人も居る…と言ったのかッッ」

 そう、真の“海王”を決める為の戦い。ならそこにいる“海王”どもを全員ぶった斬ってしまえば自分が“海王”…!

「そうすりゃよ…本名に恥じぬ肩書きが手に入るってモンよ♡」

 流れで烈さんの名を尋ねるキング。

「わたしの名はーー烈ッ海王ッッ」

 あー、名乗っちゃうよな烈さん。キングがキレるのがわかっていても…。

「“海王”を名乗るなら 俺は今此処でアンタを斬るぜ…!」

 剣気だけで斬られた錯覚を起こさせるキングと、それでも反撃を決める烈さん!一瞬の緊張感溢れるやりとりの末に…。

「つまり海王ってのはお前の本名なんだな だったら俺と同じじゃねェか!!」

「よォ〜くワカるぜその気持ち! 俺ら似た者同士今夜は飲み明かそうや!」

 切り替え早いなw 烈さんの“海王”も称号なんですが、さすがにこれ以上ややこしくなっても仕方ないと思ったのかそこは喋らずw

 “海王”の戦場跡へ連れ立って向かう事にした二人。ゴブリンもしっかり密航w

 途中、“白鯨殺しのメルヴィル”率いる海賊船を何故か乗っ取り、立派な船での航海に。

 その時キングが披露した剣技。振り降ろした刀を逆手に持ち替え、瞬時に二の太刀を斬り上げる…つまりは“燕返し”!

「…わたしは知っている!」

「…この男 まさかーー佐々木…小次郎かッッ!?」

 結果的にキングは佐々木小次郎ではありませんでした。まぁだいぶ日本人離れした外見なんでそれは予想できたんですがw

 冥王城前で出会った移動商店の魚人。キングはそこで「最高の一振り」を求めました。

「王(キング)の名と釣り合うたった一振りが欲しいだけだ」

 しかしキングか手に取ったのは鞘から抜けない剣。

「…剣にしては長い…まるで物干し竿だな」

 キングが構える…殺気と共に抜き放たれる!

「…フッ どうやらお客様はその剣に選ばれたようですな」

「…いや 俺がこの剣を選んだッ!!!」

 そしてキングはこの刀から「ササ…キ…コジ…ロー」という悲嘆に暮れたような言葉を聞いていました。

「佐々木小次郎ッ “物干し竿”の元の持ち主の名だッ!」

 小次郎が決闘の末敗死した経緯を語る烈さん。

「死んだ主人を思慕うが故に堅く鞘を閉ざしたってワケか だが今はコイツも俺を主人と認めてくれたワケだな♡」

 人間だけじゃなく器物も地球から転移してきているんですね。特殊な物だけかな?

 嵐の壁を抜けた船。“海王”の戦いで小さな岩礁と貸した島に到着。

 そこにあったのはフジツボだらけの銛と…巨大な海妖精…セイレーン! その歌は人を幻惑する!

 歌を聞いたのは烈さんとキングの二人。

「思い出せ…わたしを斃したのは誰であったか…! …そうッ 史上最高の剣豪…宮本武蔵ッッ その武蔵と並び立つと言われた宿命の好敵手ーー …貴様も異世界に来ていたかッ 神速の剣“巌流”ーー佐々木小次郎ッッ」

 武蔵に敗けた烈海王…同様の立場の小次郎なら相手に取って不足はない…!

 銛を拾う烈さん、“物干し竿”を構えるキング…セイレーンの前で睨み合う!

「とんでもねェ事になっちまった…! あの二人…戦るぞ…ッ」

 “海王”には人間じゃない者も多い様です。…拳法って対、人型想定のはずだけど…いけます?烈さんw

 …あんまり関係ないんですが、「バキ」系の女性キャラって可愛くないですねw

 今回のセイレーンもそうなんですが、妖しい程に美しくなければいけないはずなんですが…どうにも魅力を感じない。梢江ちゃんとかもそうですね。あんまり美少女とは思えない。

 石川賢先生とかもそうだったんですが、男性キャラとかクリーチャーは凄いのに女性キャラはそれほど…というタイプの方がときどきいらっしゃいます。ゲイカルチャーとかは関連ないっぽいし…。石川センセなんかエロシーンも(全くエロくないけど)ガッツリ描いてますから。

 思うに、バトルとか男同士の鎬の削り合いを描くのが楽しすぎて女の子を疎かにしている…のですかねw 商業的には明らかにマイナスなんですが、それなりに安定した人気を取れてしまうのも特徴のひとつでしょうか。

 そつなく上手いより特徴を伸ばして一点突破か。それが個性に昇華するのなら充分使える武器になるのですね。

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