すだちの魔王城 6巻

「『無駄死に』?『恥』? だから『忘れる』? ふざけないでください!! 消していいわけないでしょう!?どんなに寂しくて辛い記憶でもッ…!! 遺された僕らは『ありがとう』って彼らの記憶を抱えて前に進むんだ…!!!」

 父の姿、王子の話、棒きれ一本持って旅立ったアッシュ…それらに支えられてムラビトは国王の前に立つ。そのムラビトを抑えて前に出るアッシュ。

 『国王』に手を出すなど『勇者』に固執していたアッシュに出来るはすがない、と嘲る国王パヌルゴス。ヒーローを悪に落とすマネなどアッシュには出来ない、と。

「違う」

 アッシュが国王を殴らなかったのは、国王が彼に向ける憎悪の裏に「王子に与えたかったモノ」が見えたから。

「多少イカレちまってても『親』ってモンに恵まれなかった俺から見たアンタは…『心から子供を愛してる父親』だったんだ」

 だが我が子の存在を忘れようとするなら…欝憤は晴らしたいが直接殴れば国王は死んでしまう。 だから…。

「今から『一人目の存在』…国民にバラさせてもらうぜ」

「よせ…よせええええええええ」

 エグディキスが羽ばたき、城の天井をぶち抜いて飛ぶ!

「アッシュさん…アレ…死んでません」

 ムラビトが感じたのは魔王の能力故か。

 ドラゴンは魔道具にされた状態でも完全には死なず、徐々に回復していました。そして装着者が『全て消し去りたい』と望んだ時…ドラゴンの意志と同調した時、ドラゴンの自我が覚醒、国王の意識を乗っ取ってしまいました。

「シャリテ聞こえるか?見てたらやる事わかるよな!? リラ『飛ばせ』 11年ぶりのドラゴン退治だ」

 アッシュが仮面を着け、勇者として立ち向かいます。

「起きろクソジジイ〜〜!!」

 …ちょっと勇者ロールやりきれてないですがw

 シャリテの防護魔法で国民を護りながらアッシュがドラゴンに斬りかかる!

 核を破壊しなければこのドラゴンは倒せない、しかしその核とは国王のこと…。

 ドラゴンの体内で微睡む国王。

 …一人目はしぶとかったが結局首を食いちぎって殺した。覚えられる「首」が無くなったおかげですぐ忘れてもらえた。恥もさらさずに済んだ。感謝してくれパヌルゴス。

「ああ…そうじゃな よかった…」

「『覚えていて』と約束したじゃありませんか 『それでも親か!!』『クソ親父!!』」

 叫んだのは思い出の王子か眼の前のアッシュか。

「…ぬしは覚えておるか? その『顔』を」

 さあ眠れ 全て忘れろ

「…『アルトリウス』 あの子の名は『アルトリウス』じや」

 目を覚ます。送りたかった『アーサー』の名は付けられなくて。離れて育った息子は最期に笑って戦いに行った。

「覚えていてください 私を」

 捕らえられた身体を起き上がらせる。

「…ああ もう忘れぬ『ありがとう』 我が最愛の息子…アルトリウス」

「核はここじゃ!! 斬れ!!!」

 叫ぶ声に合わせ、勇者の剣が走る!

 ドラゴンは爆散!国王は…アッシュに掴み出され。

「なんで助けたって?…決まってんだろ まだ休暇もらってねぇからだよ クソジジイ」

 事件は「サプライズイベントの失敗」として処理。 勇者降臨祭のシメ、「スペシャルパーティー」は遅れて開催されました。

 このパーティーは勇者アーサーと第一王女アンドレイア姫の婚約発表会…つまりアッシュの王位継承発表の場となるはずでしたが…。

 国王代行としてアンドレイア姫が放った言葉は

「本日を以て 我が名パヌルゴスの勅命により 勇者アーサーに期限不問の休暇を与える!!」

 同時に王国の全権限をアンドレイアに与える! つまり国王は退位、新女王にアンドレイアか即位する!

「勇者がいなければ頼りにならない王家なら 悪いのは王です」

「女王アンドレイアが宣言します 其方ら国民は私が守る 女王こそが『勇者』より勝る守護者として!!」

 勇者の激務を知っている兵士たちから騎士、侍従たちまで徐々に賛同が広がり…

「お休みください勇者様!!」

 アーサー…アッシュの顔に笑いがこぼれます。

「必ず戻る それが勇者の責任で 俺が『なりたい』と選んだ道だ だから…その時まで」

「フツーの男の子に戻ります! …なんてね」

 アッシュはムラビトたちと共にサイショ村に戻れる事になりました。

 …目を覚ました国王の元にガラの悪い男がすだちの香りの入浴剤を無理矢理置いて行ったそうです。

「先に湯を 湯を沸かせ」

 さて、一件落着しましたが、謎は残っています。王国を襲ったドラゴンを見てマオとジャバラが口を揃えて言います。

「ああ 間違いない 魔王軍(わたしたち)はこいつを知らない」

 …人類と魔王軍以外の勢力がある?

 エボルシオンの調査では国王が装備していた魔道具『瞳』及び『エクディキス』の出どころは不明。

「『一体 国王は誰から魔道具を買った?』『装備(エクディキス)を製作したのは誰だ?』 『道具屋協会』の威信にかけて危険な違法業者を野放しにはせん」

 勇者が休暇中であるため、リラが調査に出掛けます。途中サイショ村に立ち寄ってすだち屋を見定めたり。

「うわッ ホントに店!?品揃え少なッレイアウト悪ッ貧乏臭ひどッ」

 小姑かw

 最後、マダム·シンメトリーが違法道具屋を追い詰めましたが返り討ちに遭ったかのようなシーンもあって…大丈夫かマダム!?

 第三勢力も大事ですが、すだち屋的にはアキードが思ったより相当重めのアーサーファンでw「勇者に最初に利用された店」すだち屋を買収したい、と言い出した方が直近の問題です。勇者の印象を下げないように…交流会に★5として参加する、という話に。 …これ自体は当初からの目標だな…問題を1本化した、という意味ではムラビトグッジョブ?w

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