
放送開始から50年を数えんとするアニメ「マジンガーZ」。巨大なロボットに人が乗って戦う、というブレイクスルーを生み出したまさにスーパーロボットの元祖にして、未だに新作が作られ続けているというオバケコンテンツです。
そのマジンガーで流行りのデスゲームやってしまおう、というのが本作「破獄のマジンガー」。ちと安易かな?と思わないでもないですが、「マジンガーZ」自体が放送当時から「ロボットプロレス」なんて揶揄されてたそうですし(当時はジャイアント馬場、アントニオ猪木に代表されるプロレスブームの真っ最中)、流行を取り入れるのはしぶとく生き延びる条件なのかも知れません。
パイロットスーツに身を包んだ一人の男。目を覚ますといきなり目の前に巨大な拳が迫る!
殴り飛ばされる!と思った瞬間…殴られたのは男が乗っているロボットの顔!
気付けば同じ様な顔のロボット…マジンガーが大勢殴り合っているど真ん中。
「どういう事だ ウジャウジャ同じ顔をした奴等ばっかし なんだ!ここは一体ドコだ!! コイツ等はなんだ!何をやってんだ! 俺はなんでこんなトコに!? 俺は…俺は一体どうしたっていうんだ!!」
この数ページ、見開きでマジンガー同士がガッツンガッツン殴り合っているんですが、最初電子コミックでこのシーン読んだ時はスマホの画面だったのでかなり小さめでw
…まぁおま環と言われればそれまでなんですが、今回大判の単行本で改めて読んでみて、その迫力の違いに感動しました。 画面が大きく取れる、という面では神の本にもまだまだアドバンテージがありますね。
パニクる男に通信が入ります。
「お前の目の前に今『42』と表示されたカウンターがある あと42分 戦っても良い!逃げ隠れても良い!生き残ればお前は助かる!!」
「なんで俺に助言を!?」
「何も解らぬままに死ぬのはイヤだろうと思ってな」
縁があったらまた会おう、と通信の主は戦場へ消えて行きます。
尚も動けない男の前で女…もとい女性型マジンガーを複数で襲うマジンガーたち。女性にはきちんと女性型マジンガーが与えられているらしい…律儀かw てか女性型ロボットを男性型ロボットが襲うって結構倒錯してるなぁw
男を見つけますが、動けない様子を見て取って「死んだフリ」でやり過ごそうとしている類と判断する男性型マジンガーたち。
「見てぇなら見させてやりゃ良い ジャマしねえみてぇだしな そしてコイツの後はその”死んだフリ男“だ」
「誰が…死んだフリ男だあぁ!!」
ブチ切れて動き出す男。周りのマジンガー達をあっという間に破壊し、リーダー格のマジンガーと組み合います!
「俺はお前らみたいな性根の捻じくれ曲がった奴等が大キライなんだ」と叫ぶ男が。
「キライだってんならどうするよ」
「そんな事は知れた事 真っすぐただすまでだーーー!!」
リーダー格の頭に頭突きをかます!
…マジンガーって頭にコクピットがあって、額の辺りちょうどキャノピーなんですが…。
案の定、両者キャノピーが割れ、互いのパイロットの姿があらわに。
「よく聞け!憶えとけ!! 俺はガキでもなけりゃ死んだフリ男でもない! ”鉄“と書いてくろがね! 鉄シレンだ!!」
「上等だ!テメェは俺が必ずぶっ殺してやるぜ!! この人喰い狼ロウガがなーー!!」
パイロットにも大分衝撃が来ていると思うんですが、元気だな二人ともw ダイナミック作品のキャラはこのくらい屁でもないかw
そこでちょうどカウンターがゼロに。一瞬でブラックアウトーー。
シレンたちはマジンガーを降りた日常場面等もなく、次々とデスゲームに巻き込まれて行きます。まさにコンピュータゲームの中にいるかのように。住む場所も時代すら違いそうなパイロットを集めているのもゲームっぽさを強調していますね。
また本作の特徴として、マジンガーにデフォルトの武器が一切ない事が挙げられます。あの「歩く武器庫」とも称されるマジンガーZの武器がひとつも!
なので最初シレンたちは殴る蹴るの格闘のみで戦う事になります。
まぁ割と早い段階で「腕につけるアタッチメントを探して戦え」というミッションが入るんですが。チェーンつき錨とかガトリングとか皆がつける中でシレンだけが全て拒否!
「それに死ぬ気もなければ殺す気もない!! 誰かに踊らされたまま殺し合うなんてゴメンだってんだ!!」
最終的にシレンは腕をグルグル回して遠心力でジョイントをぶっちぎり、同時に肩パーツを爆発させる事で加速して相手にぶつける、という…大車輪ロケットパンチだろそれ!?
デスゲームの渦中で「誰も殺さない」立ち回りを続けるシレン。
業を煮やしたのか、次のミッションは「最初から武器を装備しての一対一 勝者のみ生存を許す」というものに。
シレンの相手は…最初に声をかけてくれたあの人。剣を携えたマジンガー!
「この”剣鬼“真紅郎に剣を抜かせたお前なら 俺を見事にここから解放してくれるかもしれんな」
何度も繰り返されるデスゲームに絶望した真紅郎はただ全力で戦い、その結果の死を求めるのみの状態になっていました。
「真紅郎さん! 俺の拳!いや覚悟は!どんな地獄だろうと砕き!そして突らぬく!!」
シレンのマジンガーに装備された武器とは…ロケットパンチ! 不殺を突ら抜く鋼の拳!
真紅郎の剣を折り、機体のどてっ腹を撃ち抜くパンチ!
「早く逃げよう!真紅郎さん! そろそろ機体(コイツ)ヤバイ!!」
機体で戦えなければミッション終了だ、と真紅郎を直接助け出そうとするシレン。
「ふざけんな!テメェだったのか!!ナメたマネしやかって…!!」
シレンの顔を見た瞬間激昂する真紅郎。
「全てはテメェのーー」
真紅郎をデスゲームに誘い込んだのはシレンと同じ顔をした者のようです。
正義感に溢れ、デスゲームに真っ向から反対して殺さずにミッションを達成しようとするシレンの姿と真紅郎の敵は、あまりにも正反対です。その正体は一体? ループして来ているシレン本人? 顔が同じだけの別人?
そもそもこのデスゲームは現実? バーチャルな世界に人間を無理矢理繋げてプレイさせてる? 何だかソレっぽい描写もときどきあるし…。
まだストーリーの全体像が見えないですねぇ。シレンはどうしたらこのゲームを抜けられるのか。 …それとも抜けなくていいのか?
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