真の安らぎはこの世になく -シン·仮面ライダーSHOCKER SIDE- 3巻

「最近のAIは猫を認識したりブロック崩しで人間に勝ったりするそうだ フフ…事実だとすれば…実に…クフッ…革新的な… ダァーハハハハ!!! ダメだ我慢できんッ!!! 猫だのブロック崩しだのッ!!恐るべき次元の低さ!!!」

 米国大統領との会食の後帰り道で大笑いするウルフソン。それもそのはず、ウルフソンの両脇に座っている双子の「天使たち」こそがSHOCKER米国支部が開発したAI「カイ」の端末だったのですから。人と見紛う反応をするAIを目の前にすれば既存のAI技術などちゃんちゃらおかしいでしょう。

「カイが人類を『アライメント』する準備を整えたわ」

「つまり…カイは…アイを超えたと…?」

 アライメントとは超高度AIを使い、人々の行動を望ましい形に「整列」する技術。

 ネットを介した情報操作で心理誘導を行い、マクロレベルで社会を意のままに操る…ということのようですね。

 現実でもビッグデータを活用した情報提供に民衆が従うなら、徐々にデータが主になっていってある意味データが人類を支配する形になるのではないか?なんて話もあります。どこまで信憑性があるのかわかりませんが。

 カイは未来シミュレーターとして先進国の選挙結果をほぼ的中させており、これを応用することで選挙結果や社会運動を自由に操作出来るようになる…。

「分かりますか日本の皆様! カイの力のみで世界はすでにSHOCKERのものなのです!」

 イワンたちとのリモート会議で言い放つウルフソン。イワンの「どんな幸福を目指すつもりか」の問いに

「人類がAIによる支配を受け入れること それこそが私の幸福であり 戦争や格差といった人類の宿痾を根絶する唯一の方法です…!」

 …しかしそれはアイの目指す幸福とは相容れないものでした。

「ウルフソンの願いは人類の堕落へ続いています カイをこれ以上野放しにするのは得策ではありません」

 ケイが独自に動く決意をし、最初にやった事は…サソリを張り飛ばす!w

 スマホを通してカイの思考誘導にかかり始めていたサソリを元に戻すための「喝」だったのですが…。

「今のサソリ樣には必要な刺激です」

 ただ、サソリさん何だかぶっ叩かれて喜んでいる…やべぇ本物だこの人w

 てかそんなカイ…天使たちの一番近くにいるウルフソンが何の影響も受けていない訳もなく…実はすっかり天使たちに手懐けられていました。

「私たちのしもべになることがおじさまの幸福 でしょ?」

「お手」

「ワンッ!」

 ウルフどころか犬だな…。

 そのカイにとって足りない情報の代表がプラーナ。日本支部のこの新技術は予測が困難。だからアメリカへ招待し、データを収集しよう…!

 ケイも日本支部の極秘情報の多くが既にカイの手に渡っていると考え、アメリカへ直接乗り込んでのカイの破壊をイワンに提案。

 期せずして双方の思惑が一致し、イチローたち実働部隊がアメリカへ。緑川博士とルリ子もブレーンとして同行します。

「心配しないで ちゃんとあなた達を助けるから だって私は用意周到なの」

 アメリカに到着すると、途端に自動車が突っ込んで来る! たまたま入ったダイナーで銃乱射事件に巻き込まれる!

「言うなればこれはカイによって仕組まれた計画的な『不運』 車のドライバーも銃乱射事件の犯人も我々の周囲で問題を起こすようアライメントされています もっとも本人たちにはその自覚はありませんが」

 心理誘導でここまでの事が出来るのか…。

 ウルフソンの会社「ビッグビジョン」の作ったハイテク都市ビジョン・シティ。AIによってあらゆる情報が収集され住民すべてが管理される街。 イチローたちはこの街の最深部「真実の間」へ誘い込まれます。

「人間はAIに支配され絶滅する!そして世界は人類以降(AH)の時代を迎えるのだ!」

 首から上が完全に機械にすげ替えられた強化人間をけしかけるウルフソン。 …この時点でウルフソンはほぼ自由意志を持っていません。カイから送られてくる情報を喋っているだけ、という…世にも情けない悪役ですが、これこそが彼の考える「人類の幸福」な状態なのかも知れません。

 強化人間に襲いかかるサソリ。しかしまるで攻撃が当たらない!

「未来を予測されているのです サソリ様が意思決定するより早く彼らは動きを予測しています」

 「真実の間」とは部屋中に埋め込まれたセンサーで内部の全てを観る部屋。

「その気になれば細胞一つ一つの動きまで観測できるから ネットを使った情報収集とは別次元の未来予測とアライメントが実現するの」

 つまり戦闘力云々ではなく全てが見切られる…?

 対してケイの策は…サソリ、クモ、ケイの3人がかりで戦い…いきなりケイがサソリを殴るw

 サソリとクモがカイの裏をかくことは不可能に近い。ならば思考がシールドされているケイが介入すれば?

「つまり…私がお二人の行動に介入し続ければ未来予測は困難になります」

 相手の予想外の行動を取って意表をつく、って事で…それってセクシーコマンドーではw

 天使たちは思考が読めないケイに対応するため、後衛…緑川博士やルリ子への射撃を敢行。

「動きを精密に予測できないなら…こちらの思い通りに誘導すればいいだけのこと…!」

 イチローが防ぎきれない跳弾を弾きにいったケイ。その隙にサソリが攻撃され…。

「生命というのは結局の所…肉で出来た機械 キーを打つように肉体を狙い通り打てば コマンドを受け取ったソフトウェアのように脳は変化する」

 しゃがみ込むサソリ。

「ここはどこ…? 助けて『サソリ』…!」

 まるで別人のようになってしまったサソリ。耐え難い過去から逃げるために作られた人格こそが『サソリ』だったのか。

 このまま「ただのヒト」になってしまうのか?

 腕に続いて頭の中まで弄られてしまったサソリ。どんどんボロボロになって行きます…。

 これで弱くなって「シン・仮面ライダー」でサソリがすぐ殺られてしまった理由付けになってしまったら…嫌だなぁ。

 カイは最終的に破壊されるのでしょうが、これほぼクラウドになってる気がするんですが…破壊しきれるのか? 形態としてはアイより大分進歩しているんじゃないですかね?

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