あかね噺 9巻

「いい味出てるじゃねぇか この高座 あかねの落語の」

「飲み干したからおかわりも温めろってことでしょ お内儀さんが手に持ってるアレ 見えるでしょう」

「「銚子の替り目だ」」

 志ぐまの評価とあかねのオチが重なる。

 人情噺をものにして芸の幅を更に拡げたあかね、会場は大ウケです。

 そして最後の審査。あかねの得点は…92点。ひかるの得点が93点。

「勝者はっ…阿良川ひかる!!」

 龍若の分析では、明暗を分けたのは配信!あかねは序盤、固さがとれなくて客を掴み損ねていた…。

「一度客を掴み損ねるとむっちゃムズい 目の前のお客さんは掴み直せても画面の向こうまでは掴み直せんかったか」

 四人会の出場権を得たのはひかる。

 阿良川あかねに勝つ為に落語家になった、とかつて宣言したひかる。

「やめないよね 落語」

 ひかるに尋ねるあかね。答えるひかる。

「さっきの得点 配信以外の点はあなたの方が上だった 大丈夫 やめたりしないよ その代わり覚悟してね 今度はぐうの音も出ないくらい負かすから」

 ライバル宣言ですね。ぜんまいと嘉一も乗ってきてわいわい騒ぐ。楽しそうですねw

 しかしその帰り道、あかねはひとり涙を流すのでした。

「勝ちたかった おっ父のネタで 絶対勝ちたかった」

 気落ちしてるあかねに「志ぐま一門の祭り」というビッグイベントが待っていました。名人は住んでいる町の名前で呼ばれていた事があり、志ぐまの二ツ名は「天神町」。その縁で天神町とコラボした祭り「志喜彩祭」を行っているのでした。

 そこで何をやるかというと、もちろん高座もやるんですが…

「祭りに活気をもたらすのは何か…そう!出店だ!!」

 …という訳で志ぐま一門の弟子対抗の出店売り上げ勝負が祭の名物となっていましたw

 ぐりこは焼きそば。こぐまはりんご飴。享二なんか居酒屋”海“の二人を引っ張って来て焼き鳥!ガチ過ぎるw あ、まいける兄さんは見世物小屋…ホストクラブ?よくわからんものw あかねはぐりこの手伝いですね。

 勝負の行方は…まぁどうでもいいやw

 志ぐま師匠まで法被に褌ではっちゃけて、バカやることの覚悟と効果をあかねが実感した事が大事。やるときゃやるのが志ぐま一門w

 そんな祭りの中、ぐりこは目の前の事実を認める事になります。

「兄さん 俺の腕はあかねより下てす」

 目覚ましい進歩を遂げるあかねに背中を見せられる兄弟子でありたい…。

 まいけるに相談し、新しい道を進もうとするぐりこ。まいけるもまた自分の道を進もうとします。

「俺もボチボチ向き合うかな 真打昇進」

 享二もこぐまも越えるべき障害と向き合う時期が来ている様子。あかねも魁生に追いつく為にも一日でも早く“二ツ目”になる!と決意を新たに。

 二ツ目昇進の条件のひとつ「阿良川四天王からの推薦」をもらえる可能性のある最後の一人、”怒髪天“阿良川秦全。そこへの繋がりを探す内に、その秦全が父志ん太と高座を共にしていたチラシを見つけます。思わぬ繋がり。更にそのチラシに載っていたのが超速で真打昇進、最年少で“大看板”の称号を得た気鋭の落語家”今昔亭ちょう朝“。

 朝がおの師匠でもあるこの男になら顔が繋げる…。

 同じく師匠、三明亭円相から「標となり得る男」ちょう朝に会え、と言われたからしと共に弥栄亭のトリに現れたちょう朝に対面!

 しかし頼みを聞くにはサイコロ勝負で勝て、と言い出す…大分破天荒なタイプかw

「私が思うに 君と同じタイプの落語家だよ ちょう朝君は」

 …八正師匠、本気ですか?

 “志ぐまの芸”とは言うものの、これ自体は現在の志ぐまはやっていないようで。一生には継承できなくて志ん太がかなり近いところにいた…、あかねの”替り目“がその一端…。志ぐまが“人情噺の名手”と呼ばれている以上、その延長上にあるものだと思いますが…現在は出来ないのか?なんで?

 この”志“の継承があかねの最終目標になるのでしょうね。果たしてどんなものなのか?

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