ウェルベルム -言葉の戦争- 5巻

 新能力「道を開く」。あらかじめ想定したルート上の障害物を全て取り除いて進む事が出来る…それが例え銃弾でも!

 この強力な能力で所たち千里兇団を翻弄するケイジ。銃や手榴弾まで持ち出す所にコトハのボウガンが命中してしまいます。

「ケイジさんが危なかったので」

 キョウの夢のために戦う、と叫ぶ所に、それは思考停止だ、と止めるケイジ。

「自分の人生の決定権を他人に渡しちゃだめだよ…」

「…君は若いな…残酷だなぁ… 流されて生きる方が楽な人間に辛い選択を突き付けてくる…まぶしいなぁ…」

 事切れる所。ケイジにパスワードが移ると共に「心を開く」の能力の開示が。

 ターゲットの本音を引き出す能力。存在的にのぞんでいることを打ち明けさせたり行動させたりできる。逆に本人の意に反した行動を取らせることはできない…。

 …「キョウを止めたい」も所の本音だった…洗脳能力ではなかった! キョウを止める決意を新たにするケイジ。

 そのキョウはホテル屋上で沖と対戦しておましたが…まるで相手にならない! キョウに向けて撃ったボウガンは当たらない、動詞能力を使おうとしてもMPがセロになっている…!

 吾妻官房長官にヘリで連れてきた梨々花を見せつけ…。

「最後のチャンスをやろう 我々との交渉の席に着け」

「独立国『千里』の建国を認め…全国民に移住の権利を与えろ 経済的支援を惜しむな 傷ついた者たちが家族として共に暮らす事を認めろ」

 「願いを叶える力」で国を作る気はないようですね…じゃあ何に使うんだ?

 テロリストに情は無用、とばかりに狙撃班がキョウを狙いますが…当たる訳ありません。

 逆に官房長官を撃って…。

「お前たちは最後のチャンスを無下にしたーーこれをもって千里兇団は国家に宣戦布告する」

 仕込んでおいたスマートウォッチに表示された「のばす」のメモでMPを回復し、キョウに殴りかかる! …が、しかし伸ばした身体能力で避けたはずの銃弾が当たってしまい、倒れる沖!

「沖 司…残念だが…死んでもらう」

 銃を構えるキョウ。

「開け」

 キョウの真上で開くガソリン入りカプセル。

「…来たな…入間…ケイジ…!!」

 「道を開く」でキョウを吹き飛ばすケイジ。人体には効果がないが服などには効く!

 …応用力高いな!

「…キョウの動詞…『切る』だ…!」

 瀕死の沖の言葉。投擲物は「空を切り」、MPは「1を切る」ということか。

「本当に 忘れてしまったんだな… 俺はかつてお前と共にウェルベルムを戦っていたのに…」

 …とんでもないこと言い出しました。

 曰く、ウェルベルムの開催はこれで4回目。第2回の勝者がキョウ。そして第3回でキョウとケイジが組んでケイジを勝者とした。

 しかし第3回ウェルベルムはなかったことになった…「支配人」によって!

 第2回勝者たるキョウは母親にたかるヤクザの消滅を願ったが、ヤクザと共依存していた母親はキョウと無理心中しようとし、彼は弾みで母親を殺してしまう。

 少年院で出会ったのが「壊す」の動詞を持った少年、入間ケイジ。彼も「家族関係を壊す」事で家族での殺し合いを誘発してしまった罪を引き受けて自首…。

 似た者同士の二人はウェルベルムを勝ち抜き、弱者が自由に暮らせる「独立国」を作る事を目的として協力関係となる。

「俺たちを苦しめたウェルベルムを逆に利用してやろう…」

 だがケイジはキョウを裏切った。

「ーーそう…お前が叶えた願いはー…第3回ウェルベルムの完全リセットだった…!」

 第3回をまるごとなかったことにする事で時間が巻き戻り、死んだ者も蘇った。ケイジの家族関係が壊れた事実も、キョウと出会った事実もなくなった…。

「俺はお前に見捨てられたんだ!たった一人の友達に! 俺たちの友情は!永遠だと信じていたのに!!」

 記憶を取り戻したケイジ。その視点ではまた少し状況が違っていました。

 敵対者の生命を奪う事も躊躇しないキョウの明らかな暴走に恐怖を覚えたケイジ。

「そもそも俺と出会ったせいでこいつは暴走したんじゃないか? 俺とこいつは出会わない方がよかったんじゃないか?」

 そう考えたケイジは「ウェルベルムのリセット」を報酬として選んだ。

「全部…俺のせいなのか…? 俺がキョウという怪物を造ったーー…?」

 そもそもキョウに記憶が戻ったのは何故か。副支配人「大文字」なる男がキョウに接触し、記憶を取り戻させていました。

「取引をしましょう 私は入間ケイジの第3回ウェルベルムの存在と共に失われた記憶が欲しい」

 大文字の力をでも取り戻せなかったケイジの記憶。その中に「ウェルベルムの現支配人の秘密」がある、と。

「私が現支配人に勝利するためには彼の記憶が必須なのですよ」

 ケイジの記憶を蘇らせたならキョウをウェルベルムの次期支配人にする、と約束して大文字は消えていきました…。

 ケイジの記憶を取り戻すためにプレッシャーをかけ続けるキョウ。

「選べ 吾妻梨々花を助けるか 沖 司を助けるか」

 最終的に梨々花をヘリから突き落とし、沖を撃つ!

 自分の無力感と敗北感に打ちひしがれるケイジ。

「よし…全部終わったら特別に吾妻と沖は生き返らせてやるよ… 俺が支配人になるんだ、そのくらい可能だろう それで全部チャラだ な?俺って優しいだろ?」

 …決定的にどこかがズレているキョウ…。

 倒れているケイジの横に転がってくるスマートウォッチ。「開く」で埋められたメモ画面。

「敗北は終わりじゃねーよ…」

 沖の言葉を思い出す。

「このままじゃダメだ 俺はまだ自分の責任と向き合ってないーー…」

「沖は敗北したけれど俺にチャンスを繋いだ 俺は敗北したけれどそのチャンスを受け取って、立ち上がれはいいーー… 敗北は終わりじゃない」

 立ち上がるケイジ。

「キョウ ごめんな」

「お前が怪物になったその責任は…俺にある」

「今度は逃げない 全てを賭けてお前を止める そしてウェルベルムの謎を解いてーー…全部取り戻す!」

 ほぼ1年、時間を巻き戻すとか規模が大きくなって来ましたね。動詞能力自体が物理法則を超えてるんで、無茶具合ではそう変わらないのかも知れませんが…。

 ウェルベルムを仕掛けている黒幕が「支配人」のようです。一体、その目的は何なのか? 副支配人の方は多分「ウェルベルムを乗っ取って好き勝手したい」だけなのでわかりやすいんですがw

 ケイジの過去が明らかになり、またその過去に向き合う覚悟も出来たようですね。ザ·主人公な挫折と復活。「道を開く」の能力も相応しい!

 物語の行き先も見えてきた様に思います。願わくばキョウにも救いがある終わり方でありますように…。

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