何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!? 12巻

「何が不思議だ?奴はまだわしの家臣やぞ ここでハゲを出せたからこそ詰まずに次へ進めるのだ」

 クマに光秀出陣の説明をする信長。

「お前…この川中島で上手いこと光秀を亡き者にして本能寺の変を起こさせないつもりじゃ…」

「なめんなアホクマッ! んな姑息な真似誰がするかよ」

 光秀参戦だけで二千回やり直したとか。

 土佐。長宗我部元親の元に信長の全権代理としてある光秀。

「変わりゆく上様に身を賭してお仕えしたい心と 夢の為無限の血大地に流す魔王の統治を止めたい心」

 二つの意志のどちらに従うべきか、光秀は悩み続けていました。もうどうしたらいいかんからないくらいに。

 …そこへ単身四国まで渡ってきた信長。小舟でw 死にかけでw

「みつひでぇ… お前…謀反とか考えてんだろ?」

 直撃にも程があるw

 結局、信長の覇道はこの乱世を治める為に必須と考え従ったが、その犠牲は光秀の覚悟を超える程のものだった…。

「このままいずれ“魔王”の覇道で現世が地獄と化すなら この光秀”人“として必ずや上様を滅するでしょう」

 要するに信長そのものが根本的に信用ならん、とw

 で、信長の取った策が

「論より証拠 わしゃあめっちや忙しいからして 元親ァ…お前を爆速で四国の王にしてやるわぁぁぁ!!」

 “長宗我部が四国制覇するまで手は出さない”という約束を、自分が噛む事で信用させよう、という魂胆w

 実際四国は長宗我部一色となり、川中島にも明智の友軍として参戦。

 明智、長宗我部連合軍の参戦で川中島平野部の乱戦は一時終息。

 ここでクマは気づきます。

 元親を四国の王にしたことで信長は光秀の信頼を得た。今まで一度も得られなかった光秀の信頼を。

「つまり…光秀はもう謀反を起こさない お前は遂に本能寺の変を改変できたんだ…!」

 しかし

「この戦が終わったらわしから離叛するんだな」

「はい 裏切りまする」

 当然のように。”魔王を討つ為“とはいえ一度見据えた天下。己のものとする野心芽生えればもう戻れない。

「恩義を重んじるのが明智光秀ならば 野心抱くのもまた明智光秀という男 受けとめてやるわ マルっと全部ッ ぶつけて来いやぁぁあ!!」

 思うままに為してよい、と許された光秀、今までにないいい笑顔してます。もう謀叛は起こすまい。少なくともこの川中島では。

「「いずれ 天下分け目の戦にて」」

 さて、先の事は先の事として今目の前にいる敵は上杉謙信。

 その謙信包囲網を作るための一員、武田勝頼。海津城に籠る勝頼には謙信も調略をかけていましたが靡くことなく。

「上杉謙信ッ 片腹痛し!」

 武田が参戦するまでは信長が繰り返し見てきた通り。しかし今回、信長がつまずいて一瞬勝頼の視界に入る、という些細な違いから勝頼が発奮、それを受けて謙信本隊が勝頼目指して動き出す、という誤算!

「見縊っていたことを謝罪しよう うぬとも戦がしてみたい!」

 …ほんとこの謙信、歯ごたえある戦がてきれば何でもいいのかw

 問題はこれが8万回の繰り返しの中にもなかったイレギュラーだということ。信長にはこれに対する対策がない!

「凌ぐしか…逃げ続けるしかない…その時が来るまでッッ!」

 あっという間に包囲される織田軍。信長にはまだアテがあるようですが…。

「その時ってのは…アレのこと…だよな」

「このビンチを救いに伊達軍が来るんだよな!!?」

「“否” 伊達軍共には既に何も期待しておらぬ」

 クマの期待を切って捨てる信長。伊達は梵天丸、竺丸のどちらを後継に立てるかで川中島決戦まで揉めており、戦場に現れても指揮系統が一本化せず全く役に立たず…。

 信長が待っているのは確実にこの時間、この場所に発生する濃霧。乱戦中に霧が発生すれば同士討ちを避けるため、上杉も軍を退かざるを得ない…。

「さすればこの風雲急は去る…我が勝利の軌道に戻せるのだッッ!!」

 そのための時間を稼ぎたいが手勢が足りない…上杉の苛烈な攻め!

 しかしそこに助けに現れたのは…お遥?帰蝶と共に米沢に留まっていたはず…。

「マジで伊達が上杉兵と戦っているッッ 本当にこの強固な陣形をあの伊達共が…!?」

 ”梵天丸派“の左月斎と“竺丸派”の遠藤が肩を並べて戦っている…?

「心配いりません! もう…大丈夫なんです」

 お遥の断言。そして梵天丸、竺丸ふたりの宣言。

「次代を巡る家中争いは今日までとする 何故ならーー伊達家次期当主は我等二人」

「即ち 二君制なり」

 …きっかけは帰蝶からお遥への言葉。

「お遥なら変えられる もしも私が知り得ないあの子達をあなたが知っていたのなら」

 …前のループの事?帰蝶さん何を知っている?

 それはとりあえず後の事。お遥は二人に発破をかけます。

「…私にはわかります お二人の未来は憎しみ合うだけではないと 大人が作った争いに何も言えないなら… 資格がないと思うなら 今日から変わればいい 道は自らが決める…決められるんです!!」

 覚悟を決めた二人は元服。梵天丸は政宗、竺丸は政道と名を改め、一体となった伊達軍は上杉の囲みを破壊する力となります…!

 バタフライエフェクトで始まったイレギュラーはまた別のバタフライエフェクトによって収束しました。目論見通り霧がかかった事で両軍は撤退。仕切り直し…。

「この状況で善光寺砦がもし落ちれば上杉家は窮地に立たされん」

 流石の戦上手、謙信は冷静に戦況を見極めています。

「どうやら楽しい時は終わりだーー越後へ帰還する」

 戦は終結、かと思われました。

「遂にここまでたどり着いた…次が最後よ」

「乾坤一擲ーーわし自身の大博打を以て 長きに亘る戦に決着をつけん」

 信長、ここで謙信と完全決着をつけるつもりです。これで東を勢力下とし、光秀との決戦に臨むつもりでしょう。

 ですが…光秀がわだかまりなく信長に向かってくる、という事は物語的には光秀とケリが付いてしまっている事になるんですよね…。

 このままだと関ヶ原がクライマックスになり得ない?

 本能寺を難なく乗り越える事はないと思います。もうひとつ壁がなければならないんですが…将軍義昭が暗躍する?

 いやもしかして帰蝶さんラスボス? 何か感づいてるっぽいし… どうなる関ヶ原!?

 

コメントを残す