黄泉のツガイ  6巻

「もうおまえの居場所は東村には無ぇ」

 ユルに言い放つ新郷。「山賊」をユルのところに送り込んでいたのも「祈祷師」ヤマさんであり、東村は村ぐるみでユルを騙し、命を狙っていた…。こっち側に来るならできる限り望みの物を用意してやる、と誘います。

 ただ普通に生きていければいい、とユル。父と母、アサ。

「俺はただ普通に皆で笑って暮らしたいだけなんだよ」

「おぬし ユルの両親を斬ったな?」

 被せるようにイワンに問う右樣。離れた場所なんですが、流れるような場面転換の妙ですね。

「さぁ? たくさん斬ってるから誰が誰やら」

 最低の返しをするイワン。これでイワン本人かそのツガイ(大小)を殺さず確保する必要が出てきました。左右樣がかかります。

 デラさんは行方不明状態(デラさん視点)のユルを探しに別行動、「山賊」の生き残りと出くわします。

「仕事だからと目を瞑ってきたが俺はここらで方針転換だ」

 東村と袂を分かってユルを守るつもりのデラさん。

「四百年ぶりの双子だぞ 『解』と『封』がそろえば俺たち東村が天下を取れるんだぞ!」

「ガキ二人の人生犠牲にして得られる天下でふんぞり返ってるおっさんにはなりたくないんだよ 俺は」

 いいですね。プライドにかけての反抗。

 結局、ここで争っても仕方がない、との判断で一時休戦。ユル捜索に向かいます。

 その頃、左右様と格闘してるイワン、二刀のデカい方、大凶が呟く。

「イワン 何か 来た やばいのが 来た」

「もし ちと訊ねるがここは新郷貨物の事務所かな?」

 …単独で新郷が潜んている建物に突入する…影森の当主、ゴンゾウさん?

 誤魔化そうとするチンピラをぶん殴り、強引に進む!

「相手してやるから仲間全員呼び出しな」

 腕に付けているムカデのようなツガイ…以外にも大量にツガイを連れている!ツガイ使いも襲いかかるがまるで相手にならない!

「何組連れてんだよこのじじい…」

 ゴンゾウのツガイは「百鬼夜行」。ツガイというのはそれぞれ相性があり、複数と契約しようとするとツガイ同士でケンカしてしまったりするそうで。そこでツガイ同士の仲を保ち、相性を良好にするのが「百鬼夜行」。

 …簡単に言うと野良ツガイを何も考えずバンバン契約していくことが可能!という…バケモンですねw

 右樣談「まるで影森屋敷が丸ごと移動しとるような気配じゃのう!」ですから。

 てことは影森屋敷の守りは薄くなっている訳で…。

 屋敷に残っているアサにアキオが話しかけます。

「アキオさん 後ろに何か隠してません?」

 バールのようなものを持って近づいてくるアキオ…殴りかかろうとするアキオの腕が…ちぎられる!

「来ないでって言ったでしょうアキオさん ここからはこっちのテリトリーですよ」

 …愛ちゃん! アサは愛ちゃんのチョウチンが変化したものでした。

 アキオが…新郷側のスパイ?

「アサちゃんは今屋敷にいない 残念だなアキオ」

「そっか…御館様だけしゃなくアサちゃんも今の屋敷にいないのか」

「じゃあここ更地にしてアサちゃんが逃げ隠れできる場所を無くしてしまおうかな」

 現れる超巨体のツガイ「ヤマノカミ」!

ジンさんの愛ちゃんでも呑み込めない…どうしょうもない!

「いいね〜ガチバトル あたしも混ぜてよ」

 ガブちゃん!

「どうせハッタリとかなんとか余計な事ぐるぐる考えてるんでしょ 安心しな こっちは本物だよクソアキオ!!」

 ガブちゃんのツガイならデカいツガイも噛み千切ってしまえる!

「アサはもうどこにも行くとこ無いんだ!!!」

「こいつらそれすらも奪おうとしてる!! 許せる訳無いでしょーが!!!」

 あくまでアサの為に怒っている。悪ぶっててもいい娘ですねガブちゃん。

 アキオを噛み殺そうとするガブリエルを止めるナマハゲ…いや「なみもはぎ」。ナツキのツガイです。

「勝手にアサの気持ち代弁して先走っちゃダメ」

 なみもはぎの定番セリフ「泣く子はいないか」は誰に向けた言葉か。

 最終的にアキオはタヌキのキン◯マに囚われるというw最悪な結末を迎える事になります。

 さて、ではアサはどこにいるかというと…ゴンゾウさんと一緒。つまりアサが解放したツガイをゴンゾウさんが全部取り込み、おまけにフユキもいるのでツガイ「閻魔帳」でツガイから情報取り放題…とw

「こいつら最悪の組み合わせだ!!!」

 …そのとおりw

 さて、いつも通りw隙をみて逆転し、新郷を人質に取ったユル。

「おっさんの命が惜しかったら人質の子供たちを解放しろ」

 逆に脅迫してますw

 新郷のツガイ「風神雷神」を出されてまた抑えられてしまいますが、その直後デラたちが踏み込み…アスマのツガイ「夜桜」がユルを抱えて脱出。

「せっかく捕まえたユル君をまた敵の手に渡したくないでしょう?よそに移動させてもらいました」

 しれっと宣うアスマ。どうにも胡散臭い…それもそのはず、どっちかというとアスマはユルの味方でした。

「アスマは新郷ハヤトをぶち殺したい程憎んでいる」

 夜桜が話します。母の代からの恨みがあるし、「解」と「封」を手に入れてもろくな事に使わないとか。

 アスマは影森のスパイのような役目で従っていたようですね。デラさんにもジンから共闘のオファーはしていまして…。

「もーちょっと綿密に作戦を立てねーのか?」

「密に打ち合わせをして敵に勘付かれたくない あとは現場の流れで」

「流れで」

 ものすごいアバウトな作戦でしたが流石プロ、急場で連携は大したものです。

 このまま左右様のバックアップに回ろうとするユル。しかし昔ダンジとよく使っていた狼煙を見つけ。

「…ダンジが助けを求めてる」

 ダンジは片割れである偽アサと繋がり、人質の女の子、アザミの位置を掴んでいました。どちらに行くか悩むユル。

「東村で使われてる狼煙で『助けて』って…下界で狼煙使う人なんて限られてるから兄様かと思って来たのに」

「ちっ!!」とクソデカい舌打ちしながら突入してきたのは…本物の方のアサ! いちばん偽アサと相性が悪いのがw

「…ごめん…こわい方が来た…」

 東村も影森も二人の父母の行方に関しては掴んでいない様子。でも新郷もそこまでのことを単独で、秘密裏にやれるとは思えないんだけど…新郷のバックがいるんでしょうか?

 影森のやり口が相当えげつないので、あんな顔してゴンゾウさんが裏から手を回している可能性もないではないですが…。

 ツガイの間て結構明確に相性があるのは面白いですね。しかも割と物理的なのがw 物理法則にかなり従っているところからみて、ツガイって一般人に見えないだけで物理的な実体はあるんですね。霊とかよりは実体に近いんでしょうか。

 宙に浮いたりはするんですけどねw

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