マン・バイト 蒼空猟域 5巻

 ついに最終巻。マン・バイトの大繁殖の事を世間に知らしめるべく沙と優が向かったのは…月刊ムー編集部。 えーw

「それでは本当に?あなた方が? “天空の目”事件の時に目撃された? ”フライング・ヒューマン“だと? そう?言うのですね?」

 疑問符の多い喋りだなw

「私たちはーー真実をお伝えにーー来ました」

 ノストラダムスの超演算能力を未来ではなく、過去に伸ばしてマン・バイトの素性と目的を推測する。

 マン・バイトの母艦とは宇宙に適応した完全生物。生身で宇宙を亜光速で飛び回り、寿命があるのかすら怪しい…。

「そして奴らの目的はたった二つ 喰うことと増えることじゃ 生物の目的としては正しかろうて ふふふ」

 そして大繁殖を乗り切るために『ムー』から広めてほしい、と渡した映像は…マン・バイトの食べ方!?

 …マン・バイトはその肉をわさと人類に分け与える事で進化を促していました。 それによって人類を少しずつ、彼らにとって都合の良い“良い食品”に作り変えていた、と。

 その過程でマン・バイトと戦える能力を得る者も現れた。マン・バイトを食べれば”力“を得る。

「もし…ある日怪物が空から来て…何らかの事情であなたの目の前に幸運にも死んだ…奴らの“死体”があったなら…忘れないで あなたはいちどだけ”選ぶ“チャンスを手にしたことになります 生か死か? “人”か…”それ以外の何か“かを」

 怪物が現れたその時にどうするか考えておけ、と。 人でなくなっても生きのびるかどうかを。

「だ だがどうしてこの情報を“うち”に?」

「あら あなた方の方がそれは詳しいのではないでしょうか? ”パニックを引き起こしかねない重大な事実は、いきなり公的機関からは公表しない…“ まず初めに“都市伝説”として 噂として世間に広める… これをあなた方に託すのは その”情報“の“意味”を理解してくださるから… これが”真実“だからてす」

 …いつも自身で言ってる事だから反論できねぇw

 ともかく『ムー』に資料を託し、去っていく二人。

 彼らはマン・バイトの予想を超えたポテンシャルを持ってしまった人類。特に優は次代を生み出す能力をもつ、ということでマン・バイトの女王…母艦と同等の存在になり得る!

 大繁殖で生まれる女王候補たちを倒し、母艦までも破壊する事で大繁殖…人類虐殺を阻止する…!

 その為にはより強くならなければなりません。マン・バイトを喰い、じわじわと人でなくなっていく優。それは内面も同じ。小型が全世界規模で人間を襲い始めた時も

「ああーーー始まったのか」としか思わないくらいに。

 しかし優は更に強くならなければならない。ファータが持っていった“目”の反重力器官…”竜の心臓“を…いや“竜の心臓を食ったファータの心臓”を手に入れなければならない。

「おそらくそれたけが現状 唯一奴らの母艦を倒す 倒せる”鍵“になるはずじゃ」

 悩む優。しかしファータは“竜の心臓”無理矢理取り込み、大繁殖の襲撃を機に動き出します。

 優と”教授“はファータを探し、沙とノストラダムスはマン・バイト・イーターの仲間を集めて母艦を叩きに宇宙へ。

 ファータは優の通っていた高校の現れました。優と確実に出会って逆に優の心臓を取り込む為に!

 人とは思えぬ巨体を曝すファータ。優との戦いが始まります。

「もっとあなたと話をしてみたくったよ ファータ だってもしかしてどこかであなたともわかりあえるかもと思っていたから… だけどもうだめだね だってもう始まってしまったもの」

 超スピードのバトルの末、手足を絡め取られ、心臓を抜かれてしまう優!心臓を飲み込もうとするファータを追いかけるように口の中に飛び込む優。

「体がっ!熱いっ! このまま…じゃっ…溶かされちゃうっ!」

 掴んだ己の心臓を胸の中へ掴み戻す! 再生し、再度繋がる心臓。

「変…なの 取られた心臓を…自分で くっ…くっつけちゃう…人間なんている?」

 ファータに心臓を探して体内を進む。

 心臓を守っていたのは…ガーゴイル! ファータは守ってくれていたガーゴイルまで食ったのか!?

 普通に結婚して子供がほしかった、と嘆くファータ…の幻かわ見える優。これはファータの記憶か。

「女王になればきっと叶う! 400年前 私が…初めに見た夢! おかあさんに なるんだよ」

 円盤であっても産みたかったのか…。

「たとえあなたがどうてあれ 私にだって叶えたい願いがっ! あるんだからっ!」

 ファータの腹を食い破って出てくる優。咥えてるのは…ファータの心臓か。

 少々様子がおかしい…戦闘の余波で傷つき、死にかけている友達に近づき…

「知ってるひと! お友…達!」

「ごめんなさい 私…もう名前も思い出せなくなってきちゃった」

 明らかに精神のバランスを欠いています。人と人でないものの間を揺れ動いているのか。

 自身の血を飲ませると友人は息を吹き返す…もう無茶苦茶ですね。

「聞こえるようにしました 私の声 最後にどうなったかだけは伝わるように…」

 そのまま一気に宇宙まで飛び上がる。

 母艦との戦いでズタズタになっているマン・バイト・イーターたちを一人で助ける勢い。母艦の攻撃で上半身だけになっていた沙も優にかかるとすぐに再生を始める。

「ふふふ はははは! 見よっ!天空の口が災いを吐き出す時! 黄金のイヴがアダムを生み出す!」

 母艦と対峙する二人。

「予言者と44人の騎士が 最後にその瞳に映せしものは…」

 溢れ出す光。周りのマン・バイト・イーターも溶け出す。

「映せしものは 光…」

 残ったのは沙と優。既に違う生き物となった二人は地上に興味もなく、そのまま外宇宙へと飛び出して。

 …その食料たるマン・バイトを求めて。

 その全てを見た友人はは生き残った岡部ミミたちに経緯を伝え、そして母艦を失ったマン・バイトたちは程なく人類に駆逐され…。

 奇跡的に勝利を収めた人類は、結局また軍備を整え戦争を始めようとしています。

「“マン・バイトなどいようがいまいが人類は遠からず滅亡する” いつも仲間の”教授“がそう言っていたよ…」

「だけどもし本当に突然 ある朝それが訪れたとしても… あの二人が夜空のどこかを飛び続けているのだと思うと それだこで あの二人を生み出せたというだけでこの救いようのない人類にも…存在した意味があったんじゃないかってーーそんな風に思えるからーー それはどれほど悲しくても 美しいことのように思うんです」

 超存在が宇宙に旅立って終わり、という「幼年期の終わり」を思い起こさせるラストでした。…あちらは人類どころか地球そのものがなくなってますが。

 長谷川先生、好き放題描かれたということで…そりゃ「ムー」編集部にガチ超能力者が直接訪問するとか、そうないよ?w

 どれだけネタが分かるか勝負みたいなところは楽しんで読むことが出来ましたw

 さて、「クロスボーン・ガンダム」の方も終わり、久しぶりに長谷川先生連載がない状態な訳ですが…さあ次は?w

 まだ枯れるにゃ早いですよ先生!

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