ONE PIECE 108巻

 ルルシア王国が”消滅“した影響か、全世界に物理的に震動が襲います。一瞬で大きく陸地が失われた反動でしょうか。

 エッグヘッドにはバスターコールを超える戦力が集まり、「海獣兵器」と「パシフィスタ」で守りを固めた島と海軍の睨み合いになっていました。

「ーーまさかあんたがパンクのおっさんを消しに来るとは」

「“空白の100年”の研究は…庇いきれねェよ戦桃丸君 わっしは社畜だよ」

 海軍大将黄猿 ボルサリーノとエッグヘッド立て篭もり側の戦桃丸です。 二人は知り合いのようですが…。

 表向きは「麦わらの一味がDr.ベガパンクを人質にエッグヘッドに立て籠もったので、海軍を動員しての救出作戦」。

 実際は「”オハラの真実“に迫ったベガパンクとそれを知り得る者たちをまとめて始末」。 …手段を選んでないな、世界政府。

 秘密裏に“五老星”ジェイガルシア・サターン聖まで出張ってきている辺り、世界政府側は完全に本気です。

「もしもし あたい”ヨーク“!! ひどいじゃない!!何であたいも殺す事にしたの!?「ステラ」の裏切りを教えてあげたのに!!」

 裏切り者、ベガパンク“ヨーク”から「権力の間」五老星への念話。 あれ?ルフィたち撃退したの?

 抗議するヨークに五老星が口を挟みます。

 「マザーフレイム」…ルルシアを消し去ったアレ…の製造を条件にヨークの生命を保証する、と。

「あたいと研究所は傷つけないと約束して」

「わかった」

「あたいを天竜人にして!!」

「そうしよう」

「交渉成立!! ーーだったら今すぐ!! あたいを助けてェ〜〜!!!”麦わらのルフィ“に殺される〜〜!!!」

「こいつら全員叩き潰して〜!!!」

 画面外で麦わらの一味に脅されていたw 裏の事情を探る為とはいえ大胆だなw

「守る物は3つだ…『ヨークの身柄』 その脳である『パンクレコード』 マザーフレイムを生む『融合炉』!! それ以外は失っていい…!!」

 サターン聖が言い切ります。人間の命など“虫”だと思え、と。

 逃げ出す算段をするルフィたち。全員でサニー号に乗り込み、巨大ロボット「ベガフォース01」で飛び出し、更にサニー号の”クー・ド・バースト“で一気に包囲を抜ける!目指すは巨人の島、エルバフ! ルフィとウソップは喜んで踊ってますw

 ドームを解放する為に、ヨークが変更したコードをステラたちが解読している間に船を確保に向かうルフィ。父くまの記憶を覗いたボニーも一緒です。

「うん…もうベガパンクは殺さねェ」

「よかったよ 夜泣いてたよな お前」

「泣いてねェ!!」

 …ただ海軍がそれを放っておくわけもありません。

「“八咫鏡”」

 ピカピカの実の能力で一気に島内に入り込む黄猿。目指すは戦桃丸!

「誰か来た!!! 強ェのが!!!」

 ルフィが気付いたのは見聞色の覇気の力か。

「…すまん戦桃丸!!その戦いは酷すぎる!! 逃げても責めぬぞ!!!」

 …戦桃丸を見出したのは黄猿…ボルサリーノがベガパンクの護衛をしていたとき。村から追い出された戦桃丸を拾い、ボルサリーノ自ら鍛え上げた…。

 師弟の戦いは師ボルサリーノに軍配が上がり、光たる彼はバリア素通しで研究層まで…!

「傷つけちゃいけねェ物……!!”融合炉““パンクレコード””ヨーク“…!! そして…本当は“親友”…と」

「消さなくちゃならねぇもの…”Dr.ベガパンク“」

 …ベガパンクをどうにかして生かしたいようですが…。

 黄猿を止めに来たのは…ルフィ!

「行儀が悪いね」

「黄猿!! おれ達は2年前の100倍強ェぞ」

 弾き飛ばされるルフィ!そのまま光線でベガフォース01が破壊される! あっという間にステラに迫る黄猿を後ろから掴む巨大な手!

「あ〜熱かった よくも下まで飛ばしてくれたな 2回もバリア通って死ぬかと思った…!!」

 ついに出した“ニカ”!!パワーでは黄猿を遥かに凌ぐが、黄猿はピカピカの実の力と老獪な技術でのらりくらりと逃げる!

 地上ではパシフィスタの威権が戦桃丸→黄猿→ベガパンクと二転三転して混乱していたのですが…。

「止まれ…『パシフィスタ』

 サターン聖がエッグヘッドに上陸し、再度命令を上書き。五老星はパシフィスタ威権最上位…!

 一般兵は見ることすら許されない…目があった瞬間殺されてしまう!しかも巨大化して虫みたいな足も生えて…人間がどうか怪しいぞサターン聖!

 そのバケモノにボニーは刀を突き立てる!

「お前が…父を殺したんだサターン…!!」

「”くま“か…あいつは生まれながらに奴隷階級… かつて世界に対して大罪を犯した一族の末裔…!! 絶滅種…“バッカニア族”の生き残り…!!」

 …ソルベ王国に生まれたバーソロミュー・くま。バッカニア族だということで父母とともに4歳で天竜人の奴隷にされていました。両親はすぐ殺され、数年後彼の姿はゴッドバレーにありました。

 そう、”ゴッドバレー事件“の当事者だったのです、バーソロミュー・くまは。

 資源のある島を囲い込み、そこに住む人間を天竜人の人間狩りゲームの駒として殺戮する、という狂気のゲーム。これに巻き込まれたくまやイワンコフ(!)が外へ情報を発信し、ロジャー海賊団やロックス海賊団を引っ張り込んで大混乱に陥った…これが「ゴッドバレー事件」の真相でした。

 この戦いでカイドウは“ウオウオの実:モデル青龍”を手に入れ、くまは”ニキュニキュの実“を食べ、生涯の友イワンコフと将来の妻ジニーを得る事になります。

 天上金支払いのためにとんでもない差別政策を施行した王に反抗して捕らえられたくまを「革命軍」が助け出し、イワンコフの引きで彼はそのまま革命軍に参加することに。しかし共に参加したジニーが天竜人に攫われます。

 …彼女は数年後、くまの元に戻ってきます。自然光で体に青い宝石のようなものが浮き出す奇病“青玉鱗”に罹り、死体となって…!その上彼女は娘、ボニーを残していました。

「ジニー 安心してくれ… この子はおれが育てる」

 ここまででも相当の悲劇なんですが、更にボニーも同じ病気に罹ります。10歳になるまでは生きられないだろう…と言われながら。

 革命軍を離れ、ボニーと共に暮らす道を選ぶくま。しかしソルベ王国はまたも差別政策を強行…怒り狂ったくまは今度こそ王家を打倒、ソルベ国王となります。

 …が、世界政府を後ろ盾に戻ってきた先王はくまを王位を簒奪した大悪党として報道、先王の軍は退けたもののくま自身は逃亡するしかなく、海賊にして”暴君“バーソロミュー・くまの汚名が知れ渡る事に。

 それでもボニーの病気を治す手段を探すくま。ついにDr.ベガパンクと巡り会い、治療の目処がつきます。

「こんな人間がおるのか!!」

「おれも今そう思っていた…!!」

 金はかかるが、くまの血液とクローン兵を作る許可をくれれば手術費はゼロでいい、と切り出すベガパンク。

 既に世界政府お抱えの科学者だったベガパンクですが、ボニーに関しては政府に秘密で進める予定…だったのですが結局バレ、サターン聖からボニー治療について条件を出されてしまいます。

 一つ、バーソロミュー・くまは“王下七武海”に加盟すること。ちょうどジンベエが七武海を抜けたところだったそうで。

 もう一つはくま自身が海軍の兵器となること。自身を改造して万に一つも世界政府に楯突くことがないようにする。

 3つ目は更に最終的には一切の「思考」と「自我」を捨てろ、と。

 これが犯罪者の娘の命を救う条件だ、と。

 承諾するわけないと思いましたが

「ありがとう ボニーの病気が治るなら おれはどんな運命でも受け入れる…!!」

 これを笑って言う…聖人すぎるだろ、くま!!

 その上裏切りの可能性を最小限にするために、術後はくまはボニーに会ってはいけない…鬼か。

 ボニーが手術を受ける日…つまりくまが彼女に最後に会う日。

「ありがとうボニー 生まれてきてくれて!!」

 ボニーには意味がわからない別れの言葉。これを残して去っていきます。

 …(泣)

 元国王にして革命軍所属の王下七武海、しかも自分のクローンを軍に提供している…という、何考えてるのかわからない経歴に見事に説明がつきました。優しすぎる男には”死んだ方がいい世界“は辛過ぎたようです。

 彼が血も涙もないように見えるならそれはきっと世界の方が間違っているのでしょう。

 …またその元凶たる五老星、魔法陣とかこれまで全く出て来てない技術を使ってきていますね。空白の100年の前に由来するものなんでしょうか?サターン聖の変身も今まで同じようなものが出て来ていない気がします。悪魔の実の変身ともちょっと違うし。何だろう?

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