あかね噺 10巻

 ギャンブラー、今昔亭ちょう朝。

「ちょう朝君 出番前にサイコロを振ってなかったかい? 彼はその時出た賽の目で演るネタを決めるんだ」

 八正師匠の解説。つまりちょう朝は高座に上がる直前にランダムに演目を決めたはずなんですが…博打の噺「看板の一」を客を巻き込み一気に展開する!

「客席の空気を捉える落語界随一の”読み“と 場の流れを掴み一気に掌握する“豪腕”を武器に博打に興じる高座の上の”勝負師“ 天遊博徒 今昔亭ちょう朝」

 打ち上げ飲み会の場(ちょう朝のおごり!もちろんあかねはジュースですがw)、

「師匠に稽古をつけて欲しいんです!!」

 切り出すあかね。同席したからしも入り、

「俺の流儀 わかってるよな?」

 丁半博打で自分に勝ったら稽古をつける、とちょう朝。チップ代わりのトランプをやり取りしますが…。

「持ち札全部“丁”で」

「私…分かっちゃいましたから 師匠のからくり だって相手は今昔亭ちょう朝だから”丁“!!」

 いくら丁ばかり出るからってそれはどうなんだあかねちゃん…。

「もうよくないですか? 振らなくても結果は決まってるでしょ」

 からしも別ルートで気付いたようです。

 そう、ちょう朝が使っていたのは特殊サイ。目が2、4、6の3種類しかない…あぁ、「カイジ」地下チンチロで大槻が使ってたイカサマサイ! あっちは1,2、3しかなくて高確率で一二三の目が出るヤツでしたが、こっちは必ず丁の目になるヤツです!

 ヒリつく勝負でこそ人の本質は炙り出される、と持論を展開するちょう朝。

「少ない情報から勝ち筋を見つけられる冷静さと頭 理屈はバカだが進退の懸かった場でテメェの意見に全賭け出来る度胸 どっちも俺の好みの気質だ!!」

 二人に稽古をつける約束をするちょう朝。同時に朝がおの二ツ目昇進の準備の為の勉強会を手伝う事に。

 月一ペースで開かれる勉強会、披露目までに会場の落語喫茶を札止めにしろ、がちょう朝からのミッション。キャパ50人ですが宣伝はしちゃいけない、何故なら「前座は修行の身 その芸は商品未満」だから。もちろんSNSでの告知もNG。

 なので最初の勉強会は客数4人。

「4人もいる」

「0じゃない 0じゃないなら次に繋がる」

 これが現在位置。それは認めて進むしかない。魁生は二ツ目昇進早々この会場を満席にした。

「私の落語で」

「俺の計略で」

「「この会場を札止めにする!!」」

 …で、あかねの思いついた策が着ぐるみ着ての(あかね…狸 からし…狐 朝がお…馬)らくご動物園w 落語には動物が多数出てくるから! 割と動物のチョイスが合ってるのが笑えるw

「でもここまで突き抜ければ逆に…アリ?」

 あのからしが判断に迷ってるw

 なんとこれ当たりまして、客数は確実に上がっていく。

 あかねは狸の着ぐるみで「狸札」のネタやったり。

「男に比べて高く明るい女性の声は動物系の演目がよく映える!! 今じゃあガンガンネタ下ろししてますよ!! 動物系の演目をね!」

「そりゃ似合うか アイツ狸っぽいし あぁ…よく“化ける”」

 激励に来た禄郎がオトします。 …おあとがよろしいようで。

 志ぐま門下もあかねに触発され、それぞれに奮闘しています。 ぐりこは芸の幅を拡げる為、大阪…上方へ修業に。出囃子ひとつから違う土地で新しい芸を探します。

 こぐまは持ち前の知識を活かし、既に演者のいない古い演目「擬宝珠」を掘り起こし脚光を浴びます。

「知識は外付けの自信だ 不安を埋める支えになる 役に立たないなら役に立つまで極めればいい」

 かつて志ん太に言われた言葉。演ずる度胸を得る道はいくつもある。

「変わりたくても人はそう簡単に変われない ならせめて胸を張って言いたい 積み重ねてきた知識が 僕の武器だと」

 その志ん太…あかねの父。普通の会社員をやってる彼にちょう朝から電話が入ります。ちょう朝と現阿良川四天王の一人、大看板阿良川泰全、そして志ん太に繋がりがあるようで…。

 志ぐま門下4人はもちろん、からしやひかるも着実に力を付けてきています。己の”仁“に沿った修業をやっと始めたwあかね、これからの成長が楽しみですね。

 ここまで顔出しを避けていた志ん太が徐々に出てくるようになってきました。おそらくあかねが父、桜咲徹ではなく落語家、阿良川志ん太と向き合う展開の為の助走であろうと思いますが…「弱さを認める落語家」である志ん太と天才型のあかね…どう落とし所を設けるんでしょうね?

コメントを残す