
「相手にとって不足無し!」
初めて自ら勇者を名乗ったアバンに堂々と勝負を挑む地獄の騎士バルトス。その6本の腕はそれぞれ剣の達人の死骸から奪ったもの。バルトスはその能力を鍛錬によって更に高めてきた!
彼の凄まじい技量に構えを変えるアバン。
「…どうした勇者?」
「いえ 一瞬の気の迷いです」
ハドラーとの決戦のために力の温存を考えていたアバンですが、バルトスの剣技はとても抑えて対応できるものではない…また純粋に己の全力をぶつけてみたい!
「それが敵に対しても正々堂々挑んできてくれたあなたへの礼儀です!」
凄まじい剣技の応酬!
「…足りん!足りん!足りん足りん足りん! 腕が6本では…足りんっ…!!」
全ての剣を見切る勢いのアバン! 見る間に成長していく彼に対しバルトスは剣を両手持ち3本に絞りカウンターの構え。
不動地獄剣!! 相手の剣を一刀で受け、2本で同時に反撃を入れる完璧なスタイル!
対するアバンは大きく剣を振り上げ…大地斬の構え! …ただの剛剣なら一撃で弾かれ、二撃目三撃目を食らうのみ!
「あいにく私には手が2本しかありませんからね できることはこれしかない!」
アバンが突っ込む!
「こちらの攻略法はひとつ! 二、三撃目まて束ねるほどの超威力を込めて押し切ること! それ以外にないっ!」
重ねて受けるバルトスの三刀をまるごと吹き飛ばすアバン!
覚悟を決めたバルトスに、しかしアバンは剣を収め。
バルトスが首にかけていた星の飾りを見て
「それは明らかに子供が作ったもの… まさかとは思ったのですがあなたにも家族が と …一瞬そう考えたら…斬れなくなりました…!」
それ故に、邪気を断ち確実にバルトスの息の根を止める空裂斬を使わずわざわざ力勝負に持ち込んだのか。
「…ワシの…負けだ! 力だけじゃなく…心においても!」
あぁ…「ダイ大」でも描かれた、後のヒュンケルに繋がるエピソードです。これ自体は非常によいシーンなのに悲劇に繋がってしまうのは…辛いですね。
魔王と共に滅ぶであろう自分が後に残す息子ヒュンケルの事をアバンに託し、アバンを通すバルトス。
仲間との信頼の元に命を賭けて勇者を進ませてきたアバンたち。力と恐怖で配下に犠牲を強いた魔王軍。その魂の差で我らは勇者に敗れるのではないか…。崩折れるバルトス。
魔王の間。待ち構えていたハドラーは己のために戦った配下たちを「不甲斐ない」と斬って捨て、
「…勇者よ …オレの部下になれ そうすれば世界の半分を与えてやるぞ」
アバンは人間という種族の枠を超えた存在だ。自分と同じように!
突然変異的に強く生まれた自分は支配する側の者である、と主張するハドラー。自分が魔の者たちを、アバンが人間を支配することで地上のすべてを手に入れよう…そう提案します。
…魔王を名乗る者のこれまでに受けた仕打ちと孤独を思わせる言葉ですね。神に見捨てられた魔界でただ一人、地上を目指し戦いを始めた男。
対して幾多の人々との繋がりが自分を育て、強くしてくれたと述懐する勇者。力の支配を真向から否定します。
「私も今この場で理解したぞ おまえとは決して相容れない…!!」
始まった最後の決戦、勇者対魔王!
“魔界の神”が密かに見守る中、初手から猛攻を続けるアバン。人間と魔族の根本的な体力、魔法力の差を埋める為、ハドラーの回復力を超えるダメージを重ねて一気にとどめを喰らわせようとしている…あの未完の奥義を!
…ついに決まるアバンストラッシュ!しかしハドラーにとどめは刺せない!
そして追いつめられると覚醒するハドラー!魔界の底で地上の魔王を目指し始めた頃の決意を思い出した! 凄まじい反撃!
「オレの魔王としての決意を思い出させてくれた! たとえ我が物にならずともそれだけで! おまえには何にも代えられぬ価値があったァッ!」
その纏う火炎呪文はまさに地獄の炎…獄炎の魔王!
…しかしアバンの狙いは別にありました。彼の目的はハドラーの超回復能力を測ること。その結果、ハドラーは全力の攻撃を放った直後には肉体の治癒が止まる事が分かった…つまり奴が渾身の一撃を放った直後にアバンストラッシュを叩き込めば…!
だがそれにはハドラーの必殺の攻撃を受け切った上で反撃せねばならない! もうそんな力は…。
その時光り始めるアバンの”カールの護り“。フローラ姫からもらったこのアイテムの効果か、ロカとレイラ、マトリフの姿が見える…。瀕死の重傷のはずの彼等の魂をだけが飛んできたのか。
「立てよ親友! オレの…オレたちの誇り!」
「…ええ やってみせます必ず! だから…ほんの少しでいい あなたの力と! マトリフの技と! レイラの心を! この一瞬! 私に分けてください!」
立ち上がるアバン。まさに皆の心を力にする勇者の姿。
ハドラーは獄炎の拳で勝負をかける!
「一撃で決着をつけてくれるわ!」
…アバンは剣を捨て、無防備に立つ!
「バカめ!勝負を捨てよったかああーーっ!」
しかし、叩き込まれた拳にはほとんど手応えがない!
そう、これは殺気闘気をゼロとし己を無とすることで、攻撃で受けるダメージを最小限にとどめてカウンターを決める…!
後に「ダイ大」でヒュンケルが受け継ぎ、実践する技。
後にアバンがつけた名は…アバン流究極奥義 無刀陣!!
剣を拾い、逆手に持って斬りかかる!
「この一撃に! 仲間たちの想いすべてを込めて!」
アバンストラッシュ!!
魔王ハドラーとの決戦のほぽ最後まで一気に描かれました。
…いや、無刀陣まで拾うとは思いませんでしたw 「アバンの書」に記述があったとは言えヒュンケルをして習得は無理(てか自分には無理)と言わしめた幻の技!
フューレを倒したときの「ダメージを最小限に攻撃を受け流す技」を元に編み出した技ですが、個人的にロカが使った武峰・豪破一刀も元にある気がします。カール一刀流がアバンの剣の基本に生きている…と考えると最高にエモいじゃないですか。
さあ、もう描くべきことはほぽ描き切りました。次巻で完結でしょう。あとはヒュンケルとどうケリをつけるのか…と最後にはポップと出会って終わりなんじゃないでしょうか。
最後まで「結末がわかっていても興奮」させてもらいましょう!
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