暗号学園のいろは 7巻

 最終巻です。キャラクターと情報と仕掛けの洪水が最後まで押し流します!

「徐さん 今何周目?」

 チームいろはにメタバース攻略情報を渡す徐綿菓子。その情報はワープゾーンを駆使して地下250階までを周回して集めたものでした。

「『死んで覚える』はビデオゲームのいろはのいでしょう?」

 しかしそれはメタバースにログインすることで受けるダメージを周回分受けることでもあります。

「おっ…徐さん! 暗号バトルを申し込む! ボクが勝ったら今すぐ退役(ログアウト)して!」

 綿菓子の体を慮ってゲームを降ろさせようとするいろは。星座を五十音にあてはめた暗号で…。

「理想のチアがアンヴィシャスなら理想の暗号兵はあなただよ 地下(いま)だって星のように見上げてる たからお長い徐さん あなたみたいになれるチャンスを頂戴 あなたの戦略(ゆめ)を引き継がせて」

 暗号学園で最初に綿菓子が出題した星の暗号に絡めた星座の暗号。「享楽に夢をつなげる」の意味も添えて。

「今思いついたような適当な嘘をーーつけばいいのにその愚直さ 確かに私が悪い見本になってしまったようですね」

 『暗号を解いた上で』負けを認め、綿菓子がログアウトしていきます。ある意味1巻からの伏線回収ですかねw

 そして問題の250階、法廷フロア。いろはの過去、野盗に捕まり、チア部の男子を銃殺する様子を応援させられた…事実を「民間人殺害の事後従犯」の罪状で告発されます。 …なんかおかしくない?と思わないでもないですが、法廷戦術によって議論がネジ曲がるのはままあること…かなぁ?

 いろは本人が洗いざらい話してしまったので弁護の余地がない。悩む縁沙。しかしこのままいろはを守っても彼を救えない、と気づく。

「被告人が有罪とされるなら私は 一緒に死にます ひとりじゃ死なせないしひとりじゃ生きさせません」

「判決ーー被告人を無期限の執行猶予とする! 身元引受人は被告人と生涯添い遂げるように!」

 AIがバグったw まあ実質無罪を勝ち取ったので良しとしますか。縁ちゃん責任取りなさいよw

 地下499階。円卓フロアに揃った13人。

「スタート地点がバラバラだった割には最終的にはいいようにならされて ほぼ同着でケツが揃うとは座りが悪いわね」

 享楽もツッコミますがまぁそれは創作の都合と言うことでw

 地下500階に進めるのは二人だけ。その二人を選ぶためのゲームが「円卓電卓フラッシュ暗算」!

 三桁の自然数を順番に言い合い、16番目のプレイヤーがそこまての合計値を答える。誤答したら退室。一度出た数字を言っても退室。これを…ずっと踊りながら行う。

 …最後の条件で相当面白い絵面になりましたが、ゲームとしてはかなりキツい。

 それでも残ったのはやはりこの二人。いろは坂いろはと東洲斎享楽!

 最終階、地下500階死体置場フロア。暗号皇帝になれば何をしても人が死ぬ。それを忘れないように、という意味か。

「さて、骸骨ゆえにってわけじゃないけど私達の決着はこれでつけたいの」

 享楽が出してきたのは「自己紹介Xワード」改め「ぶっ違え哨戒戦争」。

 要するに暗号学園初日で作ったXワードで相手の紹介を作れ、と。「私達の出会いを思えばこれしかないってラストゲームでしょう?」とか言ってます。 …ずっと気にしてたんですね。プライド高ぇな享楽さんw

「これ 作られたX間違うとるって言い張れば勝てへんけ?」

「そこも含めてプライドなんだよ」

 まさに相手の全てを飲み込まなければ勝てない究極の勝負。

 享楽の方が先に完成。「とてもあざやか」がヨコのカギに残っていたり、一方「重要な一文字」というカギで「い」(いろはのい)を入れていたり、完璧と言っていい出来!

「…ボクのもできたから一応見てくれる?」

 いろはが出したXは…出鱈目?いやこれはシーザー暗号!

「えっと…自己紹介ならともかく 友達の内心を書くんだからぼかさなきゃって思って…」

「企みを暴くためではなく 偽りで塗り固めるためでもない 真実を守るために暗号を行使するとはね」

 負けを認める享楽。

「敵と呼んだ私をそれでも友達と言ってくれた 決まり手はそれだけでも十分なのよ いろりん」

 初めていろはを愛称で呼び、初めての笑顔をみせながら東洲斎享楽は退室していきます。

「戦災の暗号資産 500億モルグの発掘者は暗号皇帝いろは坂いろはくーん!」

 メタバースの最奥に待っていたのは…洞ヶ峠凍。

「始めようぜいろは 最後のワンポイントレッスン」

 『凍が世界の戦争を二倍に増やした』のココロは…精度100%の嘘発見器を販売した事、でした。

「結果 世界の戦争は二倍に増えた みんなが正直ならなんにも問題なかったのに」

 みんな嘘ばかりだから戦時でも平時でも悲劇は起こされる。A組のほぼ全員にある悲惨な過去がその証拠。

「戦争をなくしても悲劇はなくなんねーんだよ ゆえに重要なのはダイヤルをひねるがごとく戦争を持続的にコントロールすることだ」

「…だから『終わらせる』じゃなくて『停める』なんだね」

 最悪のテロリストの正体は、現実を見続けて心が軋みを上げながらも夢を追う、究極のリアリストにして夢想家でした。

 対してひと呼吸していろはの答え。

「平和をコントロールすれば?」

「なれるよそうすれば 戦争(たたかわ)なくてもヒーローに」

 虚を突かれて狼狽える凍。たしかにできる、時間も予算も人数ももっとかかるが、でも今更黒幕の自分にそんなこと…。

「最後のなんて言わないで 正直なんかじゃなくていいから いろはの果てまで聞かせてよ 理想(ゆめ)のあるホラ話を」

「一緒に戦争 なくそうぜ!」

「…どこの馬鹿だ そんなお寒いセリフを大きな声で言ったのは」

 差し出したいろはの手が凍の手を掴む。凍の手袋が地球型だったりするのは…メタファーでしょうかね。

 3年後…『初代』暗号皇帝東洲斎享楽の元、暗号学園は500億モルグを元手に世界に戦争を停める活動を…逃げたないろはw

 とりあえず「戦場の踊り子」は助け出され、勿忘草和音の名を与えられて暗号学園に。 …良かった。

 現場で一兵卒バリバリやってるいろはは塹壕学園の卒業生と共同作戦を。

「夜鳴鶯アンヴィシャス! そっちは?」

「暗号学園のいろは!」

 暗号資産を使い切っても、目標に到達できなくてもまったく諦めない暗号学園の強さは、この1年のあれやこれやで培われた絆の強さでもあるんでしょう。 …こいつらなら資産とかなくても結構いいところ行くんじゃないかな…w

 「化物語」もコミカライズは終了したし「新本格魔法少女りすか」も終了。「いろは」も終わると西尾維新先生関連漫画がついに無くなる事になりますね。 仕事量的には冗談みたいな涼介をこなしている西尾先生なので、仕事の総量としてはこのくらあでは変わらない気がしますが…やっぱり漫画階にも存在を示し続けてほしいですね。具体的には次回作をお願いしますw

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