終末のワルキューレ 22巻

 ラグナロク第十回戦。”剣神“スサノヲノミコト対“剣鬼”沖田総司!

 撃剣対決は総司の突進から幕を開けます。

「神相手にナメすぎだ 瞬で終わるぞ」

 策も何も無い正面衝突…しかしスサノヲの間合いに入るその瞬間、あり得ない方向に飛ぶ総司。

「想像を遥かに超える疾さだけぇ…抜く間もなしとはエゲツねえなぁ…」

 総司の嵐のような攻撃! 極限の高揚状態に達した総司の体は急激に生命を燃焼させ、超人的な身体能力を発揮する。その時、彼の瞳は紅い光を発する…曰く”鬼子“。

 そこから繰り出される極限の技!

 一、ニ、三!

 天然理心流奥義 三段突き!!

 体制を崩しつつも三撃受け切ったのはさすがスサノヲ。 しかし構えた剣にはヒビが…。

「いいえ…破壊されたのはーー…鞘です」

 そう、スサノヲの刀といえば

「天界最高の神器のひとつ 『天叢雲剣』か…!!」

 しかしその姿は…日本刀? 時代的に直刀じゃない?

 それもそのはず、この刀は天叢雲剣を溶かし材料として神と人間の刀鍛冶連合…伯耆安綱、三条宗近、粟田口国綱、金屋子神、ヘパイストス…が鍛え直した究極の刀!

「これぞ古今東西天上天下で“最上の大業物”…名付けてーー鬼切天叢雲 こいつを…使う日が来るとはのう ”鬼子“を斬るにはふさわしい刀だけぇ」

 神器って作り直しとか出来るんですね…歴史的意義とかは…野暮ですかね。

「さあて…この刀に恥じぬ闘いをせんといかんけぇ…」

 スサノヲが取ったのはきれいな正眼の構え。

 しかし剣を修めた者の目にはそれぞれ全く違う構えに見えて。

「あの構えは…“全て”だ」

 小次郎が呟く。まさに究極の構え。

 神羅八百万

「これが今の己が持つ剣の全てだけぇ… あんたも全てを視せてくれ 沖田総司!」

 総司の撃ち込み全て打ち払う…まさに無限の型。

「参ったなぁ…めちゃくちゃ楽しいや」

 一瞬の油断で死に至る戰場で総司が屈託なく笑う。それこそが新選組。『死合』こそ『日常』…。

 そんな鬼子が取った構えは…無型。

 構えを解き、そのまま進む。

「おうおう いいねぇ… こりゃ沸くぜぇ」

「…ボクもです 往きますよ」

 無人の野を往くかののような歩みからの一撃!

「”起こり“が見えねぇ!!」

 血風吹き荒ぶ京で死線をくぐり続けた総司が到達した境地。殺意なき殺意! その剣はスサノヲに膝をつかせる!

「沸くぜぇ」

 怯まないスサノヲ。左手を前に、後ろ手に鬼切天叢雲を構える異様な型をとる!

「面白い構えですね 間合いに入れば真二つ…ですか? でも…僕には当たりませんよ」

 スサノヲの構えを居合と見切り、無型で間合いの境目を出入りする総司。

「恐れず近付いてきたのはさすがだけぇ 沖田総司… だが“これ”に間合いの読み合いなど…無駄だけぇ…」

 横薙ぎに刀を振るうスサノヲ。その衝撃は総司を吹き飛ばし、そのまま京の町を破壊する!!

 奥義 天魔反(あまのまがえし)

 強い剣をただ力任せに振るっていたスサノヲが、人の生み出した刀を扱う術…剣術に魅入られ、神の地位を失ってまで学び続けた。…素戔嗚尊の高天原追放のエピソードをこう使いますか…。

 古今東西の剣術を学んだ末に編み出した奥義!

「やっぱりこの”死合“を…受けてよかった あなたのおかげでもっと…もっと…もっと…“熱く”なれそうです!!」

 総司の瞳はさらに紅く。

「驚いただけぇ… 鬼子の”向こう側“があったとは…」

 剣神もまた笑う。

「滾るぜぇ」

「散れ」

 剣の事ばっかり考えてる二人が全力でぶつかり合い…血まみれなんですが何だかすげぇ楽しそうです。今までのラグナロクの中でも一番喜んで戦ってるんじゃないでしょうか?

 で、そんな仲良くケンカしてる奴らの裏でシャカ、ベルゼブブ対オーディンの問答が。

 どうもオーディンが身を捧げる事で原初神が蘇るらしい…マジで世界を混沌に戻すつもりかオーディン神? 

 更にここにジークフリートがどう関係してくるんでしょうか? 

 謎が解けてるようで何も進んでないな…。

 

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