これ描いて死ね 6巻

「俺は一匹狼のルゥ・ガルゥだァーーッ!!!」

 って感じで6巻のメインは同人作家ルゥ・ガルゥこと王島南高校漫研新入部員森咲 麗ちゃんw

 コロコロコミックで連載中の大人気漫画「ハッピーハッピーダンジョン」にドハマリした麗ちゃん。

 …「ファントムバスターズ」の時も思ってましたが、出版社が同じなのをいいことに版権使い放題ってのは最近の流行りなんでしょうか?w

 登場キャラクターの一人、人狼忍者デネボラに感情移入して同一化しちゃってる麗ちゃんですが、学校では女の子には「それ男子が好きなやつでしょー」で話ができない。 男子には「女子は仲間にしねーの!」で話ができない…。 で、冒頭のセリフを叫びつつ独りで(保護者として父親を引っ張り出しましたが)七畳島を探検してその体験を絵にしていく日々を送っていました。

「そっか! この冒険の記録…漫画だったんだー!!」

 同人作家ルゥ・ガルゥ誕生の瞬間でした。

 そして王島南高校に入った麗。

「あ 麗ちゃん読んでるのハピダンの新シリーズ」

「し、知ってるのか〜!?」

「大好きだよ〜 だってそれ…」

「ハピダンおもしれーよな!!」

 子供向けだろうが男の子向けだろうが面白いものは面白い!と言い切れる仲間と出会えた麗、鼻水たらして喜んでますw

『ここから先は君の物語だ!』

 「まんが甲子園」出場のための準備を始める漫研メンバー。カラー原稿の練習、予選のお題に沿ったネタ出し、そこからの更に思考のブラッシュアップ…。 考え続け、エウレカ…別のものが結びつくことによる思考のレベルアップ…を起こした麗のネタが見事採用! 鼻水たらして喜ぶ麗w 「まんが甲子園」出るのが彼女の夢だったのである程度は仕方ないw

 相のコミティア用新作。麗をモデルにした「おおかみ番長」。どうしたらもっと面白くなるか、手島先生に相談します。

「…面白いって何でしょうね」

 相にしか描けないものを描いた時に面白くなるのではないか。

「今までそれを伝える基本技術はお教えしました 安海さんもそろそろご自分で羽ばたけるんじゃないんですか?」

 おお、突き離して自由にやらせようとしている。

 もう一人、ギャップのあるキャラクターを出す、という線で悩む相。

 エウレカを起こして作り出したのは…ねこ番長! おおかみ番長とほぼ同じキャラでいちいち張り合う!モデルは相自身w

「モデルの麗ちゃんと友達で考えたら一番私がギャップが少なかったけど、私をやる気にさせてくれる麗ちゃんが一番大好きだから」

 夜、七と祝杯を上げる手島先生。もう相たちは大丈夫。

「お疲れ様」

「いや…もう少し」

 手島先生が指導できる事は残り少ないようですね。それはこの作品の終わりでもあると思います。

 前作「金剛寺さんは面倒臭い」でも顕著なんですが、とよ田先生はかなり構成をカッチリ決めてくるタイプ。ラストの展開も既に決まっているのだろうと思います。それももうそう遠くない。

 それは「ロストワールド」を見ても明らかです。

「ロボ太とポコ太」終了後の手島に、なんと週刊連載の話が来ます。週刊誌に異動した元担当・金剛寺さんの引きなんですが…。

「作品の質が一番で 売れる事をバカにもしてたけどそうじゃない 売れなきゃ読んでもらえないんだ」

 やりたくないファンタジーバトルものの企画を練り始める。

「分かる人には分かる そう信じて描いてきた でもそれだけじゃ駄目なんだ 『誰か』じゃなく『みんな』に届くものでないと」

 私の下らないエゴなんていくらでも殺す。

 売れ線のストーリー、ウケてるキャラをパクる、繊細な心情?そんなの誰も読まない。

 抵抗する自分を殺し、殺し…本当にコレ面白いのか?

 好きに描いて駄目だったんだ。もうあんなのは嫌だ。こっちで行くって決めたんだ。

「これ描いて死ね」と言い聞かせて描き続ける手島先生。 …言葉の意味が変わってきてます。

 ついに連載決定!既にメンタルズタボロっぽいですが、とにかく仕事場の確保など準備に入る手島先生。

「でも ここが私の漫画家人生のピークだった」

 …不穏なモノローグでエピソードが終わってます…。

 まあ、ここまで「週刊連載作品」の話が一切出てこない辺り、何をか言わんやなんですが…。 手島先生の挫折と「まんが甲子園」がオーバーラップしていくのでしょうか。

 手島先生も相たちと過ごすことで癒されている感はあります。漫画家復帰まで行かなくても彼女が前を向いて生きていける終わりになるのでしょうか。

 畜生、みんなみんな幸せになれ!!

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