機動戦士ガンダム ピューリッツァー -アムロ・レイは極光の彼方へ- 3巻

 ベルトーチカ・イルマへのインタビューは続きます。

「私がアムロ・レイと初めて会ったのは今のあなたとそう変わらない年頃だったわ」

 巨大輸送機アウドムラに複葉機で乗り込んできたお嬢様。その実、コロニー落としで両親を失い、資産家の義父母に引き取られたみなし子。

 全てを失った幼いベルトーチカにとって、新型モビルスーツを駆ってジオンと戦うアムロはまさしく「英雄」。

 その英雄が戦後7年の幽閉生活で変わってしまった姿を見た時、彼女は思う。

「私が助けるんだって 英雄である彼が戦えないほどに疲れているなら私が元気にしてあげよう 『女』を使ってでも…」

 果たしてアムロは立ち直ります。 カミーユやクワトロが宇宙に戻った後、鬼神の如き活躍を見せ、カラバの勢力拡大、ティターンズを追い詰める決め手となったのでした。

「だとしても…それは『愛』と呼べる関係なんですか?」

 キッカのツッコミ。おそらくそういう次元の話ではないのですが…。 男としてのアムロと英雄としてのアムロ、どちらも必要だったのでしょうし。

 そしてそんなアムロとベルトーチカが別れた理由。 言葉を超えて要求してくるところがあった。アムロにはその経験があったから。一切の誤解なく分かり合う…ララァ・スンとのニュータイプの繋がり…。

 更に戦いの中、日々増えていく自らに掛かる重圧。ニュータイプだなんだとおだてられても戦争にまむわる悲劇を止めることもできない。 まだ若いベルトーチカには受け止めきれない悩みに二人の距離は開いていった、と。

 さて、以後しばらくアムロは存在が大きくなりすぎ、動向が機密扱いされるようになっていきます。

 …メタ的には「ΖΖ」でアムロに目立った動きがなかった事の理由付けw

 キッカはMS開発方面からこの時期のアムロにアプローチしていくことになります。

 アナハイム・エレクトロニクスから供給を受けたゼータタイプに新型サイコミュシステムを載せて試験運用とか。コードネーム「ホワイト・ユニコーン」とか、「evolve」のエピソードまで拾ってますね。

 そのサイコミュシステムの進化の結実…サイコフレーム。現在の時間軸(UC0095)ではアナハイム内で開発が凍結されてしまっている。

「ひとつだけ言えることがあるとすれば サイコフレームに関わるのは危険だということだけ 私はもうこりごりなんですよ」

 νガンダムの開発に関わり、その後中枢から外されてしまった人物、オクトバー・サランの言です。

 アクシズショックとかワケのわからん事態を起こした大元なので、そりゃ製造元としては面倒事を起こしたくないし関わり合いたくないだろうなぁ…とは思います。

 しかしどうにも諦めきれない勢力が存在するようで。

「助手席は空いたままで?」

「前に乗せた子とは馬が合わなくて でも私のプロジェクトに参加してくれるつもりなら乗せてもいいわよ?」

 ベルトーチカの車に乗ってきたのはボッシュ・ウェラー少尉!

 カラバでアムロと出会い、そのままアムロに従い続け、ロンド・ベルまでついて来てアクシズ押し返しをしようとするアムロに従ったという、もうアムロ信者と言ってもおかしくない!

 状況証拠的にはほぼ確定ですが、「プロジェクト」とは闇に葬られようとしているサイコフレームの実物と実戦データの回収。つまりνガンダム機体の捜索、確保。発起人はルオ商会とピスト財団でしょうか。UCやNTに繋げられますね。

 で、νガンダムを探すということはもちろんアムロの行方を探す事になる訳で、そこにカイ、ベルトーチカ、ボッシュが乗ってきた、と。

 キッカも宇宙へ…月面フォン・ブラウンへ向かいます。アナハイムの本丸。いよいよ陰謀と無関係ではいられなくなるか…?

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