ドッグスレッド 3巻

「山王神社の坂道ダッシュである 2分以内に社殿にタッチすること 一年生のおぼっちゃま達全員で行け!! 誰か一人でも2分を切れば…全員に水をやる!!」

 狼之神高校陸トレ…なんとまだ一日目w

 壁みたいな斜度の坂を登ると二、三年生が上から邪魔する!

「オフェンスとディフェンス!! 負けたほうはペナルティだ 先輩だろうが遠慮なくぶちかませ!!」

 源間弟が全体を見て指示を出し、ロウが隙をついて社殿に触れようとしますが…失敗!

 負けたほうはデカいボッコ「鬼ボッコ」かついでスクワット!

 そしてようやくリンクへ。水を得た魚…というか雪の日の犬のように喜んで駆け回るロウw

 しかしロウはただの犬ではありません。スティックでキチンとパックをレシーブ…! ただそこまで。パスは明後日の方へ飛んでいくw

 揉めるロウと源間に割って入る二瓶監督。

「アイスタイム」

「いまこの氷に乗っている時間は 親御さんたちと狼之神OBが負担する貸し切り代のおかげである」

「そして 東北の選手たちは今もまだ氷に乗れていないぞ 氷の時間を無駄にするな」

 震災の影響の抜けない時期です…。立ち直れていない者もたくさんいます。 またそこに思い至れる二瓶監督、指導者として得難い才能をお持ちのようです。

 一対一の実戦型訓練。ロウ対源間。スティック捌きも様になってきたロウ。しかし源間に一発でふっ飛ばされる!

「やっぱりお前…『軽い』んだよ 『戦士』じゃない『踊り子』なんだ 踊り子のスケーティングが染みついてる」

 しかしロウはその軽さを逆手に取ります。フィギュアのような回転するスケーティングで源間のディフェンスを抜く!

「なんか今のオレ…美しかった」

 源間兄はこの回転しながら相手を抜く技を「スピナラマ」だと教えます。試合でこれ決めて得点しようものならめちゃくちゃ盛り上がる、と。

 次のメニュー、五対五でも当然決めようとするロウですが…

「必殺!!スピ…なまらッ」

 …まぁそう簡単に決まりゃしませんw

 更に練習終わりかけ

「次のメニューは『峠』」

 リンク一往復を一合目として山頂十合目まで全力ダッシュ!

「マジで?まだやるの?」

 終わりだと思っていたところに強烈なメニューを出されて尻込みする一年生。キレる監督!

「今この瞬間がインターハイの決勝戦だと思えと言ってますよね? 決勝戦の途中でも疲れたら帰るんですか?」

「俺は魔法使いだッ お前たちを可憐なお嬢様から棒を持ったゴリラに変身させる魔法使いだ!!」

 名言多いなこのオッサンw

「一合目 登ります!!」

 ボロボロで走る部員たち。 ようやっとこなした十合目…。

「十合目 下ります」

「下ります?」

「峠は下りないと遭難して死ぬだろうが」

 何うまいこと言ってんだ。

 これを一番で駆け降りるロウ。スケーティングの速さはパワーではなく技術!フィギュアの技術を遺憾なく発揮するロウ!

 水を飲ませてもらう…「ピヨピヨ」がある意味栄誉になっているので監督にねだってピヨピヨして貰うロウ…絵面は完全にギャグです。 

 その途中でロウの母アキコと監督が大学時代同期だった…という話にw

「清いお付き合いをした」

「清いとはどこまでの関係ですか?」

「手をつないだ」

 …ガキですか…。

 帰り道でクマに襲われ、二瓶監督のワゴンぶつけてなんとか追い払ったり…波乱万丈の一日目でした。 …これで一日? イベントありすぎだろ!?

 翌日、朝練に出てきた一年生はロウ含めて9人。

 これで「結構残ったな」とか言ってる辺り、毎年こうして篩にかけてるようですね。

 ロウはオリンピックに出るために狼之神を踏み台にする、とかまた傍若無人な事言ってますw

「母から教わったこのスケーティング技術で白川朗は日本の高校アイスホッケーに大旋風を巻き起こすのだ!!」

 その後ろから二瓶監督がボッコ持って追いかけて来たりするんですがw

 狼之神も追いかける立場ですが、王者の方も安穏としてはいられません。 

 八戸鮫王高校。震災をまともに喰らった街。ホッケーどころではなかった部員たちもようやく部活動が出来るように。

 主将兜森の家は漁師の網元。

「10億円の損害だそうです」

 …誘われていた東京の大学チームを辞退して家業を助けたい。 うまくすれば実業団に入ってプロまである道を諦める…おそらくもうアイスホッケーは出来ない。 

 大惨事によって未来まで歪められた者たちが再びリンクに集う。涙をふきながら。

「震災は言い訳にしね!!全国大会2連覇だ わーんど(俺たち)はそれしかいらねぞ」

「どうか最高のまま わぁ(俺)のアイスホッケーを終わりにさせでください」

 堕ちた王者と自然の猛威に晒された覇者。 譲れない勝負が迫ります。

 …そんな中で一人ノリが違うロウですがw、ゴチャゴチャ言いつつも仲間になっていくものと思います。 多分それで「フィギュアを諦めた」と思われた妹と確執が深まって…て感じの話になるのかな〜。

 小ネタをいちいち拾ってられないのが惜しい!書いてたら文字数いくらあっても足らないですからw

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