
クターニッドが潜むと推定されるルルイアス中央の城に乗り込むチーム「不倶戴天」。
広大な城のなかにはモンスターの一匹もおらず、ほぼ素通しで入った広間には…。
「オイオイマジか…!! 早速お出ましかよ…!! 七つの最強種『深淵のクターニッド』…!!」
その姿は繋がれた巨大なタコ! …動かない?弱っている?
「チャンスですわ!!」
「ゆくぞ!!ネレイス!!」
「パパの仇を討ってやる!!」
ここぞとばかりにクターニッドに襲いかかろうとするNPCたち。しかしサンラクは不信感を抱きます。
最強種…ユニークモンスターには共通してある特徴がありました。
「遭遇した瞬間の圧倒的威圧感…!!脳に直接訴えかえる様な『強者』という威圧!!」
しかしクターニッドにはそれがない。それどころか…。
「…成程 こりゃひでぇや…」
即時撤退の指示を出すサンラク。
不満をぶちまけるメンバーに説明します。
最強種には必ず存在する「圧倒的強者の威圧」。それが今回のクターニッドにはなかった。つまり…
「クターニッドの能力で『威圧が反転』していた」
クターニッドに相対した者を強制的にリラックスさせ、「勝てそう」と思わせる。不用意に襲いかかるプレイヤーは返り討ち…。 「反転」がテーマのギミックといったところでしょうか。
で、そこから導き出される仮説。
「恐らくこの『シャングリラ・フロンティア』ってゲームは俺達の感情をコントロール可能なんだ」
…フルダイブ型VRは脳に微弱な電流を流すことで擬似的に感覚を構成する。そこからもう一段階進み、シャンフロはプレイヤーの「感情」をもコントロールする事が出来る…!
これ、かなりとんでもない技術です。人は理屈で納得しても感情が伴わない事も多い。そして感情を優先してしまう者は思いのほか多い…。その感情をダイレクトに操れたならそれは人間を自由に操れると言っていい。 …ていうかこれ「洗脳」ですよね?
サンラクはVR反対派が横槍を入れる材料にされる、とか懸念してますがそれどころじゃありません。テロ組織とか独裁国家とかが喉から手が出る程欲しい技術のはずで、運営会社自体が揺るがされる可能性すらあります。 …正直、感情コントロール技術なんて持ってても使おうとは思わない(ヤバすぎるw)と思うのですが…ゲームのリアリティの為に使っちゃったんだろうなぁ…文字通り「イカれてる」。
クターニッドがこのような手順を踏んでギミックを破らないと倒せない「ギミックボス」である可能性を考慮し、ヒントを得る為に城内を捜索するチーム「不倶戴天」。
見つけたものは大きく二つ。一つは書物。ルルイアスは『青』なる者に侵食され、それに対抗するためにクターニッドに協力を仰いだ、という…。つまりクターニッドはルルイアスを救った?! しかも『青』は必ず再侵攻してくるから島を海の底に持ち帰り守る…今もクターニッドはルルイアスをまもたている?!
もう一つはその書物に記述のあった「要の碑」。玉座に座るクリスタルの像。これが王の権威の象徴であり、これに王冠を被せることでクターニッドに譲渡していたルルイアスの王権が戻される…その予想を元に像に王冠を被せようとした瞬間、上下が反転!
クターニッドは戒めの鎖を断ち切り、その真の姿を現し始めました!
「我が名はクターニッド 深き淵に座する者 神ならざれど神なる力を振るう者」
反転する城。その中央にあるのは「圧倒的な威圧」を放つ…正に最強種!
『ユニークモンスター 深淵のクターニッドに遭遇しました』
「あぁ…これだよ やっぱお前らは…他とはワケが違う…!! 楽しくなりそうじゃねえか…!!深淵のクターニッド…!!」
「示せ 継がれし遺志を」の言葉と共に始まる戦闘。まずは触手攻撃!触手に直接攻撃してもダメージが通らない。太い触手から枝分かれした細い触手は切り落とせるので全部斬れ!
「届かぬ高みはなく されば至りて後に人は何処へ征く 信ずる己を見出せ」
魔法陣が変形し、聖杯を持ったタコの姿を取ったクターニッド。聖杯が光を放つ!
「世界が変わり果てようと 根幹は揺るがず」
光を浴びたサンラクは身体が小さく…いや
「んなっ…なんじゃあこりゃぁああ!!」
「完全に女になってるじゃねぇかぁ!!」
性別が反転してる! サンラクは美少女、ルストはイケメン、秋津茜は…髭面オッサンw サイガ-0は女性アバターになって喜んでますがw
ただステータス自体は変わっていない様子。単純に混乱してるだけですね。
この効果はクターニッドが持っている聖杯の効果らしく、それぞれ効果が違うらしい。
性別反転はまだデメリットが少ないですが、他の効果として「色調反転」…見える光景が変わる。混乱はするが慣れれば何とか。 …ここまではまだ良かったのですが次が「ステータス反転」。どうやらランダムに能力値を入れ替える…これはまずい。武器の使用条件に抵触したりするし、サンラクなんか幸運が下がって耐久がガン上がり。…ただHPは変わっていないので食らったらヤバいのは変わらず。
武装が使えなくなったサイガ-0を咄嗟に庇うサンラク。
「レイ氏 役割を反転だ 今度は俺が守る!!」
出来たらサンラクに守られるシチュエーションを体験したかった玲ちゃんには理想のシチュとなりましたw 玲ちゃん乙女な顔してますw
「最強種は敵じゃない」可能性が出てきました。クターニッドは明確にプレイヤーを試そうとしていますし、リュカオーンのマーキングも目ぼしい者を選んで鍛えている感があります。ウエザエモンは…ある意味狂っちゃったんだろうなぁ…。メインストーリーを進めていくと真の敵が明らかになる感じでしょうか。
さて、「シャンフロ」の「一部のキャラだけで重要なイベントを進めてしまう感覚」、何処かで見たことあるな〜と思っていたのですが、思い出しました。
PBMってご存知でしょうか? 「プレイバイメール」…TRPGを大規模にした感じで、プレイヤーはマスターに郵便でアクションを送る…マスターはリアクションをこれまた郵便で送り返す…アクションリアクションの1ターンが一月、一年でワンゲーム終わる…という現在から見ると非常に悠長なゲームだったんですが、インターネットも発達していない当時、「ネットゲーム」と言えばコレだったんです。「蓬莱学園」シリーズと言えばご存知の方もいるかも…。
で、これが数百人から数千人規模でいくつものイベントを同時進行でこなしていく事になります。事前情報も多少はありますが、行ってみないとイベント内容は分からないので重要イベントを数人で解決してしまう事もよくありました。
これがなんで成立していたのか、と言えばイベントの結果を物語形式で配布する「リプライ」というものが発行され、それがほとんどの場合受け取ったプレイヤーから他のプレイヤーに広められたからです。方法としてはコピーを繋がりのあるプレイヤーに送付または手渡しw、それをまたコピーして配布…超アナログですね。
まぁこのようにして多くのプレイヤーが一次情報を共有できたのです。
…しかし「シャンフロ」の場合、キョージュがサンラク達に直接話を聞きたがった事とか見るに、ムービーとかログが公開される訳でもないようだし…。 この辺の擦り合せ無いと不満全開、炎上必至だと思うんですが…。
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