転生したらスライムだった件 27巻

「ですから支払いは必ず行いますので 落ち着いてお待ち下さい!」

 ミョルマイルが必死に窘めます。魔国連邦開国祭が好評のうちに終了し、今日は支払いの日。古代金貨での支払いになる、と通達していたのに一部の商人たちが流通量の多いドワーフ金貨の支払いにしか応じない、と言い出してトラブルになりかけています。

「何せここは魔物の国だ 金貨代わりに受け取った証書が葉っぱにドロンなんてことになったら笑い話にもなりゃしませんからねぇ」

 …そこまで信用ない相手となんで取引しようと思ったんですかねぇ。

「まぁまぁまぁ皆の者 少し落ち着いて話そうじゃないか」

 ガストン王国のミューゼ公爵なる人物が割って入ってきました。取りなす感じですが要するにドワーフ金貨での支払いを強行する方向に持って行く…。

「どうだろうミョルマイルよ その方の“事情”の解決法だが幸いにしてワタシに心当たりがあるのだ 少し個別で話をせぬか?」

 はい答え合わせ来ましたー。ここで古代金貨とドワーフ金貨の両替をして恩を売ろう、と。

『相手を従えたい場合 恐怖や威圧といった強硬的な手段よりも恩を売るほうが何倍も成功率が高いって話』

 エルメシア皇帝が読んだ通り、魔国連邦を傀儡に仕立て上げる為の第一歩ですね。

「どうせそいつは本当の仕掛け人の操り人形にすぎないんだから トカゲのしつぽだけを掴まされて満足しないようにねぇ」

 さらに続く忠告の通り、ミューゼのバックにいるのは西方諸国を裏から支配するマフィア、ロッゾ一族。一国の公爵を使いっ走りにする辺り、その権力は確かなものです。

「せっかくだがその必要はない」

 満を持して現れたリムル。各所の協力を得て用意できたドワーフ金貨と共に。

「さて もうよろしいかな? ではあまりお待たせするのも悪いので速やかにお支払いするように」

 現金の前に口先三寸は虚しいだけ。粛々と支払いは進み…更に食い下がるミューゼ。西方諸国評議会への参入の口利きをしよう…と。

「いや 別にいいかな」

 評議会が対等な関係を築くつもりがないならそんなところを通さず自由組合に頼んだり各国と個別に取引する。 …何よりこれだけ陰謀を巡らせて失敗したミューゼはもう失脚する…。

 更に支払いを受けて安堵した商人たち。

「君たちとの取引はこれで終わった 次はない ということだよ」

 信用とはお互いが相手を信じる事で成り立つもの。最初の契約をひっくり返して難癖をつけた商人たちをこちらが信用する事は出来ない…。

 慌てる商人たち。 これから発展し、流通の中心になる事が約束されている魔国連邦から締め出される訳ですから、そりゃ必死になります。

 で、リムルが去った後でミョルマイルが「特別に口を利いて取りなしてやる」と…。

 逆に恩を売ってるw 抜け目ないなリムル様w

 ミューゼはロッゾの手で早々に始末されてしまうのですが。明暗分かれますね…。

 そのロッゾ一族は年端もいかぬ少女マリアベルに実質乗っ取られていました。

「心配しないで 私はマリアベル ”強欲“のマリアベル 全てをこの手に掴む者 この世はロッゾ一族のものなのよ」

 彼女も転生者でした。そのユニークスキルは「強欲者(グリード)」。相手の欲望が視え、それを刺激する事で意のままに操る事ができる。

 このスキルの恐ろしいところは「相手がそれと気付かないうちに操り人形にすることができる」事。これでロッゾの首魁、グランベル・ロッゾまでも手中に納めてしまった。

 マリアベルはリムルを飼い慣らせない脅威と認識し、排除に動き始めます。

 そしてもう一人のリムルの敵…ユウキ・カグラザカ。中央道化連を使う等、裏から手を回す方向で回りくどくリムルの邪魔をしてきましたが、ついにリムルに“敵”の確信を持たれました。 とは言ってもそれぞれの立場もあって当面二人の直接対決はなし。当面の敵は西方諸国評議会…ロッゾだし、地下迷宮の運営に関して自由組合から冒険者への宣伝を頼んでいるしw it’s a ビジネスw

 その地下迷宮ですが、ヒナタが売り言葉に買い言葉で本気で攻略しちゃって、地下100階に到達w

 さすがにラスボス・ヴェルドラには勝てませんでしたが、負傷したボスモンスターたちの穴埋めや構成見直しのため、リムル、ミリム、ラミリス、ヴェルドラが時間稼ぎをする事に…流石にそのまま出張る訳にはいかないのでノーマルモンスターに魂を移して冒険者たちの相手をする事になるのですが…それでも相当強い! 

 更にアンデッド・アダルマン強化のため、”信仰と恩寵の秘奥“を授ける事に。それは「霊子に干渉可能な存在を信奉する見返りにその力を借りる」事。簡単に言えば「リムルを信仰する事で神聖魔法が使える」…!? 神側は信者の脳を自身の演算領域として使う事も可能…という、宗教が信者を増やす理由も説明されてしまう…これ世間に知れたら大混乱ですね。そりゃ隠すわ。

 てかリムル様、ほぼ神と同等の事が出来るようになった訳で…それって本当の神々はいい気がしないのでは?世界から狙われるのでは…。 ん?その場合刺客は勇者?

 

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