黄泉のツガイ 7巻

「陰陽ちゃん やっちゃって」

 …アサのなんだか洒落にならない宣言で…異空間に放り込まれる偽アサとアザミ。 まぁ滅多なことはしないよなぁw

「言いたい事は山ほど! 山っっっっほどある!けど!! とりあえずおとなしくここにいて 私の仕事が終わったら出してあげるから」

 ユルにちゃんと説明しろ、と言い残して外へ出る。

「…お願いだから兄様には嘘をつかないで」

 …複雑なところですね。

 制圧の方はもうゴンゾウさん一人でお釣りがくる程w

「無理無理無理!! こんなの勝てないって…」

 その様子を見守るダンジとリトルグレイのところに合流するユルとデラさん。

「ユル…来てくれた…」 ガン泣きダンジ。

「ばっ…ばかおまえ…べべべべつにおまえを助けに来た訳じゃないからな!!」

「消去法でこっち来ただけでおまえを助けに来た訳じゃ  なに笑ってんだデラさん!!」

 わかりやすいツンデレだなw

 アサとも合流。 アザミと…片割れである偽アサを保護している事を知ってダンジは

「アサちゃん!ありかとう!」

「べっ…べつにあなたのためにやった事じゃないし!! 兄様のためにやった事だし!!」

「ユルとアサちゃん似てるよな」

 …その通りw

 一方、夜道のチカンこと与謝野イワン。刀のツガイを使っているとはいえ左右様を相手取って一歩もひかない! コイツも大概バケモンだな。

 アサたちと一旦離れて再度戻ってきたユル。新郷が影森に潰された事を宣言し、

「おまえらの取り引きに乗ってやる義理はもう無い 俺の両親の事 何か知ってるんだろ? 洗い浚い吐け」

「OK 俺ももうあのおっさんに義理立てする必要が無くなったから話してもいいかな ーーて言うかユルの両親の事 新郷さんは全く無関係だから ミネとナギサを斬ったのは俺だ 首を刎ねた」

 動きが止まるユル。

 一瞬の隙に小刀を左様に投げる!

「ユルがすんなり『封』を手に入れられるように 死んどいてくれ左さん!」

 …刀は確かに左様の胸に刺さったけど…それで左様…死ぬか?

 一時怒りのままに矢を射たユルでしたが父の忠告(死は心の乱れの隙を突いて襲ってくるぞ)、そしてアサの姿を思い起こして抑える。

「この目で確認するまで信じない」

 取り囲まれたイワン。

「しょーがない これあんまり使いたくなかったんだけどな」

 大刀を自分の首に当てる。左様の胸の小刀から泡のようなものが出る。同時にイワンの首にも!

「左の!! そいつを放せ!!」

 小刀を弾き飛ばす左様。しかしそのまま倒れ込み…。

「少しまずい」

 逆に動きが鋭くなるイワン。ユルの矢を切り裂き、左右様を同時に圧倒し、デラさんのライフル弾さえ弾く! 精気を吸収して自分のものに出来るのか、そのまま逃げ切ってしまう…。

「僕が新郷のスパイだとばれると父に殺されるので…目撃者のこいつは口封じに殺しましょう」

 ニッコリ笑って物騒なこと抜かすアスマさんw これだから誤解されるんですよw

 新郷を襲ったツガイ使いを始末する振りを見せて…風神雷神が離れた隙を狙って夜桜が新郷を抑える!

 新郷はアスマの母方の実家らしい。…で、お母さん実家で大分雑に扱われたようで。

「貴方たち新郷一族に粗末に扱われた僕の母にとって影森家は天国だった 救いだった その影森家を双子の力を手に入れて乗っ取ろうとしている貴方を僕個人として許せないだけです」

 新郷に入れ知恵した者がいるはず、と問い詰めるアスマ。 そこへ転移で現れたイワン。

「あー 状況把握 だから言ったろ新郷さん 甥っ子に油断しちゃだめだって」

 軽〜い物言いで近付いて…そのまま夜桜と新郷を一緒に叩き斬る! 風神雷神も細切れに!

「おまえらがフユキのツガイに捕まったら情報取られちゃうからな ここで死んどけ アスマさんさぁ 新郷さんから何か聞いた?」

「ーーいえ 何も聞いていませんが 誰か入れ知恵した人がいるのではないかと思っていてですね どうやら伯父さんより貴方を問い詰めた方が話が早いようだ」

 ナイフ投げたりするアスマですが…ツガイと渡り合うイワンには分が悪い。しかしイワンの方も調子悪そうで。

「…すごいな…左さんの精気は…とんでもない反動だ…」

 そこへゴンゾウたちも到着。不利を悟ったイワンは撤退…アスマの方が助かったのか。

「峰山 今どこだ」

 イワンが呼んだ助けは…女子高生?コスプレ?

「がんばってくださいね 肉団子になったイワン様を『西の村』に持ち帰るとかかんべんですよ」

 …新ワード出ましたね。「西の村」。東村の対抗勢力でしょうか。東村や影森はその存在を知っているのか?

 さて、陰陽ちゃんの中はユル、アサ、ダンジ、偽アサの四人水いらず…やべえw

 偽アサの本当の名は「キリ」。二人で「ザシキワラシ」。家族をいっぺんに亡くしたキョウカの心の支えに、とデラさんの父ロウエイが引き合わせた。 しばらくは平和な日々を過ごしていたのですが、ユルとアサが生まれ一気にきな臭く…。

 キリは父母と一緒に逃げ出したアサの代わりに座敷牢に入り、ダンジはさりげなくユルの護衛兼監視役に。

「でもずっとユルは優しくて…毎日会いに来てくれて…たわい無い話するの楽しくて…この関係がずっと続けばいいなって…ずっと…ずーっと頭の片隅で思ってた…!! ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい」

 …ひとりになったユルにとってダンジとキリが心の支えだったのは間違いない。

「たとえそれが偽者だったとしても生きる力を与えてくれたのはあいつらなんだ もう俺はこれ以上あいつらを責められない」

 とりあえずザシキワラシたちは許す方向で。

 更に与謝野イワンが父母の情報を何か持っている事もアサに話します。イワンが彼等を斬った、と聞いて動揺するアサ。

「信じるな!! この世は信用できない者ばかりだ!! 自分の目で見るまで信じるな!! 父様も母様も元気に生きてるっておまえ言ったろ!」

 イワンから情報を引き出すにしてもまずは彼から刀のツガイ…大凶小凶を引き離さなければ。

「兄様 次に見つけたらそいつを私の近くにおびき出して」

 「解」で無理矢理契約解除する気か。

「視界に入りさえすればどんなに遠くにいても仕留めてみせる」

「おう 左右様が奴の血のにおいを覚えた 狩り場に追い込むのは俺たちに任せろ」

 さあ第三勢力「西の村」が出て来ました。イワンはここの所属の様子。ユルとアサの親…ミネとナギサをおさえているのはここ…いや違うな。おそらくナギサさんの故郷・沖縄に網を張ってるのが「西の村」であるならミネとナギサの身柄はここにも無い事になります…。3勢力の捜索を掻い潜って逃げてる?まさか。

 しかしこのお話、いわゆる“諸悪の根源”が見当たらないですね。「鋼の錬金術師」の”お父様“みたいな。

 紛うかた無きヤクザな影森家もアサをはじめとする行き場のないツガイ使いたちを保護してる事になるし、東村が裏で相当えげつない事やらかしてるのは作中で描写されてます。西の村も良い面悪い面あると思われます。

 誰かが全ての糸を引いているわけじゃなく、いろんな組織の思惑がからまって惨事が起こっている感じ。言ってしまえば現実と同じ事態の進展の仕方をしているのではないでしょうか?

 各キャラクターが何考えているのか、どんな方針で動いているのか、それが設定できていればこその力技ですが、物語上「こいつ倒せば終わり」というキャラがいない事になります。非常に物語の進め方、終わらせ方が難しいと思いますが、どうするんでしょうか…?

“黄泉のツガイ 7巻”. への1件のコメント

  1. Hang their swords on the wall, and marry a daughter from their warring tribe?

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