-
メカニカル バディ ユニバース 1.0 2巻

「…ダサいわね」
「私は良いと思いますが…」
「え〜〜〜!? かっこいいじゃん!!」
「まるで冴えないバンド名だねぇ」
コーディリア警護任務を受けたブラウとレイニーが遭遇した中型ドローン…といっても見上げる程の大きさなのですが。
コロニーに影響を与える前に叩くべく、コーディリアは「伝手」に連絡を取ります。即ち狙撃ドローンを背負ってスナイパー「ホークアイズ」と拡張戦車を操る老女「泣き女」!
中型ドローンに小型…リペアセルドローンが寄生した大分最悪に近い形態には、これ程の猛者たちでも単独では撃破は難しい。そこで作られた即興チーム。
「巨大な鉄の怪物 不死たらしめる鉄の眷属 立ち向かうは人機一体の最強チーム連合 さあっ メカニカルバディユナイツ(MBU)結成だ!!」
このコールサイン(MBU)…考案者レイニー…に対する全員の評価が冒頭のヤツで…散々ですねw ちなみにブラウは「部隊名などどうでもいい」…別方面で酷いなw
リベアドローンを個別に引っ剥がし丁寧に破壊! 残った中型ドローンはダリアが叩き潰す! 手数と連携さえしっかりしていれば倒せない敵じゃない。
生き残ったリペアドローンを一体、口裂け女…「怪異」が保護して逃がしたりしてますが。
「ああいう子達がいるから世界は混沌で楽しいのに それを掃除して綺麗にしたつもりでいるなんて 嗤ってしまうわ」
ドローンの反応消失を確認してチームMBUは解散…ですがレイニーの提案でコールサインだけ残しておくことに。
「チームを組むなんて堅苦しい話でじゃなくて 今回みたいにたまたまでもいいから手伝いあったりして 貸しを返し返されてってだけでもいいから それだけの繋がりの印ってことじゃダメかな?」
で、暗躍している「怪異」…口裂け女たち、コーディリアお嬢様のお屋敷にカチコミですw 妹さんからハッパかけられたらしい。
「いい表情(かお)堪能させてもらったし 餌の与え時ね」
…どうもいろいろ不真面目ですね。
「別に止まらなくていい 引き返すこともなあ このお屋敷に無断で入り込んだ以上ーーーお前らはこの庭の肥料だ」
立ち塞がったのは「庭師」。仕掛けた罠を活用する系統か。
「へぇ?そりゃあ庭を手入れしてるアンタ(おれ)もかい?」
庭師の姿をコピーするのっぺらぼう。庭師の慌てぶりから見て中身…罠の制御権までコピーして割り込みかけている感じか…。
てけてけには対物ライフル抱えた執事ギュスターヴが。しかしほぼ体が無いてけてけに銃弾は分が悪い!
「家主さんは御在宅かしら?」
口裂け女に対するのはシゥ。物も言わずに銃をぶっ放す!
「まぁいいわ 自分で探すから それとも従者を潰せば出てきてくれるかしら」
「失せろ このお屋敷はお前のような獣が近付いていい場所ではない」
「そこまでよ」
激しい銃撃戦に割って入るお嬢様! …結局この人が一番強いんだっけ…。
「こうなった時点であなた達の負けよ 私に尻拭いをさせるなんて」
「そうか…そういうことね だからそのメイドはわたしを見ても『化け物』呼ばわりしないのね」
「わたし達は同類よ お友達にならない?」
コーディリアに呼びかける口裂け女。実験の結果機械と生物の境が曖昧になった自分とコーディリアは同じだと。
彼女は自分自身を『材料』にしてコーディリアを作った…!
「気付いていないのね あなたのその異常なまでの精巧さ 徹底したサンプリングをしないと再現出来ないレベルよ? それこそ生体パーツにでもならない限り」
まさにイカれてます。自分の死期を悟ったからといって自分を材料に後釜を造るとか…。
「ねぇ…まだ哀れで美しい人形を演じるつもり?」
「黙りなさい」
荒れるコーディリア。
「アハハハ よかった そんな『顔』も出来るんじゃない」
電撃でメチャメチャになる庭。 不利を悟って撤退する「怪異」たち。
「何故…止めに入ったの…?」
「…あのように取り乱すのはお嬢様らしくありません」
「らしく…ね どちらのかしら…」
アイデンティティが揺れる「コーディリア」。こんな自信無さげな姿は初めてですね。
「私は! 私が…お支えしたい心に偽りはありません!お嬢様…!」
人間と機械の関わり合いの負の面が出てきました。 …元来こっちの方が圧倒的に多いケースなんでしょうが。
その極北が「怪異」なのですが、それが多分レギュラーメンバー内でも一番そのテに脆いであろうコーディリアに揺さぶりかけてきました。 …ダリアならそういう揺さぶりなんか物ともしないだろうし、リーカもレイニーも多分深く考えないw(おふくろ〈ホークアイ〉がそんなこと考えてる訳ない、とかで終わるでしょう)
人でも機械でも、一人の人間(シゥ)にこれだけ想われているのは幸せなことなんですが、それがコーディリアに伝わるのはもうしばらくかかりそうです。
-
転生したらスライムだった件 26巻

「おやおやぁ いいんすかぁ? 今ので覆面が破れちゃってるっすよ〜?」
武闘大会準決勝。ライオンマスク対ゴブタ。ルールギリギリの手段でライオンマスクの覆面を破くゴブタ。実はライオンマスクの中身は元魔王カリオン。 武闘大会にお忍びで出場するにあたり、「正体がバレるのだけは阻止するのだ」とミリムから厳命(?)を受けており…w 覆面を引っ剥がそうとするゴブタw
「ウルサイっすよ!世の中勝ったものが正義っす!リムル様だってそう言ってたっすから!!」
卑怯だ…w だがそれも強さの形のひとつ。
「…ま 潮時だな 今回はお前らの作戦勝ちってことにしといてやるよ」
ライオンマスクは自らリングアウト。これによって決勝は勇者マサユキ対ゴブタとなりました。
「どこまでやれるか自分の実力で試したかったっすけど 使わせてもらうっすよ 新たに得た究極の力をッ」
満を持して繰り出したゴブタのスキルは「魔狼合一(ヘンシン)」…なんとランガと合体! 直立したランガの様な姿に。
…なんか智慧之王先生が何かしたっぽいですが…ともかくゴブタ超強化! …は良かったんですが、その強化された能力を制御しきれず、直進を止められずリングアウト…。マサユキほぼ不戦勝w
「この勝負 僕の負けかな」
ゴブタの動きを見切れなかった自分は未熟。優勝などおこがましい…。
実際は魔王リムルと戦って生き残る自信が全くないからw 本人、スキル「英雄覇道(エラバレシモノ)」の効果に自覚があったようで、周りに引っ張り回されて綱渡りのように勇者を演じていた様子です。 どうにか魔王との直接対決だけは避けたかったw
「マサユキ様は魔王に猶予をお与えになったのじゃないか?」
ギャラリーは大分無理のある納得の仕方をしています…全部スキルの効果か?すげぇな「英雄覇道」。
究極能力持ちには下位スキルは効果がない…とのことでリムルには「英雄覇道」は効果なし。 マサユキひとりだけ呼び出しぶっちゃけ話に持ち込むリムル。同郷wなのもあって一気に仲良くなります。特にリムルの記憶から再構成した漫画にご執心で…転生者ってオタクしかいないんですかね?w
さて、日を改めて開国祭のもうひとつの目玉、地下迷宮のお披露目です。
ラスボスヴェルドラの魔素でガンガン湧いてくるモンスターにラミリスの加護で迷宮内で死んだ者は蘇生可能…というよくあるダンジョンRPGのようなシチュエーション。
モニターはマサユキ一行、武闘大会に間に合わなくて力を持て余しているパーティー“轟雷”、何故かエレン達3人w。ついでにゴブタ…もといランガにやられていいとこ無しだった”流麗なる剣闘士“ガイ。
各パーティーに樹妖精(ドライアド)が着いて中継しつつの攻略。スポーツ観戦のノリですね。無理せずアイテムゲット(エレン)、割と貧乏くじ引きつつどうにかトントン(轟雷)、想定超えて準備している最深部…十階層の階層守護者に挑み、勝利しちゃう(マサユキ)…戦ってるのは仲間ばかりw
ガイはマサユキパーティーが倒した後のボス部屋に制限時間ギリギリでたどり着き…時間内にリスポーンはない、とドライアドから説明を受けたのに
「貴様が無能なのは理解したが、この俺がそれに合わせる理由などない! さっさとボスを復活させやがれ!!」
やりたい放題でドライアドにも暴力を振るう始末。絵に描いたようなモンスタークレーマーです。
「…そうですか ではこれより刑を執行します」
ドライアドの魔法でガイの首が飛ばされ、地上で蘇生…迷宮内で獲得したアイテムは没収!
違反行為への対応まで見せて、デモンストレーションとしては完璧!w
開国祭最終日は無事終了。
あとは小売商への支払い…共通金貨での支払い以外応じない、との圧力をかけられて金貨をかき集めないといけない!という番外戦。
より価値の高い星金貨は充分持っているので、そちらでの支払いを認めないのはほとんどただのイチャモンなんですが…。 ガゼル王にも手伝ってもらい、最終的にエルフ王朝サリオンのエルメシア皇帝のポケットマネーwも出してもらってなんとか用意。
「金貨の用意が間に合わなくても 多分協力を申し出る人物がいたと思うわよぉ?」
「相手を従えたい場合 恐怖や威圧といった強硬的な手段よりも恩を売る方が何倍も成功率が高いって話」
さすが海千山千のエルフ皇帝、含蓄が深い。これから出てくる奴らの中に少なくとも首謀書の手先がいる、という事ですね。
万全の準備は出来ました。さぁ敵の尻尾を掴まなければ!
マサユキ、思ったよりはいろいろ考えてました。それでもどうにもならない辺り、スキルというものの強力さが分かるというものですが。
しかし召喚元の世界って全部一緒なんですね。ていうか日本人ばかり呼ばれているw この偏りに意味はあるんですかね。
「盾の勇者の成り上がり」なんかでは4人の勇者がそれぞれ別世界から召喚されていましたね。「一万円札の肖像画」と言われて全員違う名前を上げて「誰だよそれ?!」となったのは上手いと思いました。
…まぁ世界が複数あってもあまり意味はないかなぁ。転生者同士で元の世界の話で盛り上がれるのならその方が絵になりますし。
-
アナゲ超特急サザンクロス

相当長かったです…「アナゲ超特急」続刊。1話8Pの上掲載誌が季刊「GMウォーロック」、というw そりゃ年一冊出ませんわ。
えー、最初の設定では小説家、舞句水乃が「アナログゲーム擬人化小説」を書く為にイラストレーター、西田凡にアナログゲームを紹介して貰う…という話でしたが、既にその建前は崩壊w
毎回のお題に沿って凡ちゃんが出してくるゲームを水乃とその仲間たちがダラダラ遊ぶ…というある意味無敵のワンパターンが完成してます。
そして参加者が作家ばかりなので知識量及び即興の話の作り込みがハンパない!
「その声は我が友、李徴子ではないか!?」
…「山月記」ネタを天丼使いするとか、「文豪ストレイドッグス」でもやりませんよw
「真言カルタ」(真言を読み札、仏像を取札とするカルタ)という僧侶じゃなきゃまともに出来そうもないゲームを何故かガチプレイ出来たり…。
「オン マユキラデイ ソワカ」
スパン! 「孔雀明王」
…いやこれは80〜90年代を過ごした古手のオタクなら基礎知識でした…。 待てこのキャラたち何歳だ?
中身オッサンにとりあえず女の子のガワだけかぶせた感がハンパありません…。 その証左の一つがキャラクターのマンチ具合w
ルールで規定されてなければ何してもいい…それこそ「『ゲーム盤をひっくり返してはいけない』とルールに書いてないからひっくり返しました」と言いかねないゲーマーを「マンチ」と言いますが、他者がカードに書いた内容を推測するゲーム「ゲスクラブ」で
「タウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテケアポカイフェヌアキタナタフ」
…世界一長い地名をさらっと出してくる水乃にそれをメタって完全に読んでくるメガネっ娘小学生…。 ちょっと普通の人にはついていけない領域ですね…。
それぞれ用意したワードを一文字づつ当てていく「あいうえバトル」で「ンヤダク」とか誰も知らなそうなファンタジーのモンスターを出してきて…一発で見抜かれるwとか。
プレイヤーのマンチぶりもさることながら、そのマンチを潰してしまうマンチが居る、という…魔境? 理想郷?
で、ゲーム自体も深いものを紹介しているのですが…奈良時代の日本に実際に存在した変形バックギャモン「加利宇知」とかもあるんですが、白眉は『将太の寿司「あ…」神経衰弱』!
あの名作料理漫画『将太の寿司』の主人公、関口将太が驚愕するシーン「あ…」だけを抽出して神経衰弱を作りました…という狂気の設計!作中200シーン以上ある「あ…」…そんなん判別つく訳ない!
「これはウニの握りで柏手を受けたときの『あ…!!!』じゃない?」
「いや、外・会場内共に寒い事と藤吉の寿司に込められた心配りに気付いたときの『あ…』でしょコレ?」
…からの何故か全員「将太の寿司」ガチ勢だったw これには製作者の原作者・寺沢大介先生(!)もニッコリだ!
相変わらずオタネタ満載で笑えないページがないのはすごいところ。間に挟まれているTRPG作家友野詳先生のコラムも濃くて楽しい。こっち方面に造詣のある方なら最後まで楽しく読めることでしょうw
てか「超特急」だからって2巻じゃなく「サザンクロス」と持ってくるとか、本当に一般の理解を求めていない!商業的に大丈夫なのかコレw
-
バーサス 3巻

「勇者のお兄ちゃん どこ行くの?」
「ゼイビィっていう髪の長い男の人に『マゾクのお兄さんが来た』って伝えてきてくれるかな」
大魔王軍幹部キヴァの接近を察知し、一人砦を出るハロゥ。
「どうせ狙いは俺なんだろ だったら俺とここで一対一で勝負しろ 俺が勝ったらこの拠点には今後手を出さないと約束約束してもらう」
「いいでしょう約束します どうせ…そんなことは万に一つでもあり得ないですからねぇ…」
「あの妙な鋼の無視どもをけしかけてこの私を虚仮にした罪を… その身をもって贖ってもらいましょう」
「俺もちょうど戦いたい気分だったんだ やってやるよ」
“部位解放”して襲いかかるキヴァ。しかしハロゥはなんなく捌く! ”全解放“したキヴァにも負けていない!
迷いがなくなったハロゥってこんなに強かったのか…。
「出ておいでなさい 腹ペコの皆さんに私が許可します 勇者を喰ってヨシ!!!」
埒が明かないと見たキヴァは伏せていた魔族に号令を。
『俺がもっと頼れる勇者であったならーー…!!』
「かかってこい魔王軍!! お前ら全部俺がぶった斬ってやる!!」
…これは迷いがないというか暴走では?
そのとき入ったのがケイラ隊とギュウタ隊の援護射撃。そして巨人界のパッキァ!
「バチバチ戦うのは構わねぇ… だがな ヤケクソで命を無駄にすんな それはブラギンテたちへの裏切りだろーが!」
もっと脳筋かと思ってましたが…結構常識人だw
「…お前の言う通りだ 悪かった だけどとうしても…っ 今はただ! 自分の不甲斐なさが許せないんだッ」
「俺もだよバカヤロウ!!」
二人して正面から魔王軍を相手し始める。
あぁ、根っこ一緒だこいつらw
一転、総力戦の様相を呈して来ました。ですがまともに戦える人類は多くない。このままではジリ貧だ…。
「宇宙空間に兵器を配備している…という情報があるのだが これはどういうものかね?」
ガラスプ将軍が一縷の望みをかけて尋ねる。天鬼界の施設で衛星軌道からレーザーを打ち下ろす無人衛星砲台がある、と。
それを使えば決め手にはならずとも情勢を変える一手になり得る! しかし天鬼界スーアは使用を渋ります。使えば衛星砲台の位置がバレて撃墜されるだけでなく…
「この場に“奴ら”が来てしまうかもしれないのだ…!!」
そう、天鬼界の”天敵“、マダラー星人!
「…来てもらわねば困る」
「ああ…是非お招きしよう」
ガラスプとゼイビィが笑う。 …ぶつける気か!?
果たして最大出力で放たれるレーザー。次々狩られていく魔族たち! しかしその攻撃もすぐに止み…戦場のど真ん中に落ちてくる物体…!
「…来たのか?」
「ああ 来てしまった 後戻りはできんぞ」
落ちてきた物体はそのまま変形し、シンプルな人型に…これこそがマダラー星人!
魔族をこともなげに虐殺していく…。
「ちょっとお前たちに訊きたいことがある 質問に答えられるごく一部だけは生かしてやらんでもない」
魔族に対する人間の如く、魔族を傍若無人に扱うマダラー星人。
マダラー星人にまるで歯が立たない魔族たちにゼイビィがしたのは…
「さすが魔族だな 魔力を注ぎ込めば自前の再生能力でみるみる回復していくぞ…!!」
天敵たる魔族…キヴァに補助を…!
再生が終わった途端にゼイビィを殴り飛ばすキヴァ。
「おいおい…殺気を向ける相手が違うだろう よく考えることだ せっかく戻った体力を無駄にするつもりか?」
「…貴方がたのようなゴミが何を企んだところで いつでも消せる!! あの邪魔者を黙らせた後でね」
キヴァ意外に冷静です。人間のバックアップがある内に戦おうと。更に彼が只者ではない証拠に、即座に魔王軍幹部クラスに救援を求めました。彼我の戦力差を的確に把握し、プライドと秤にかけて取りうる策を弄する…これができる人が真に強い者だと思います。
そして策を練る者がもう一人。
「巨人族侵攻の際…作戦の失敗に備え 砦内に仕込んでおいた緊急脱出手段 “大転位魔法陣”を発動させてこの地を脱出する!!」
魔族vs宇宙人の戦いに決着がつく前に…!
「お前たち 我々と”戦っている“つもりだったのか?」
呼び出されたのはマダラー星人の母船…。 その巨大なエネルギーにキヴァも絶望の表情を見せる。
「号令 “地表浄化” 舟撃 開始」
…しかしその瞬間、母船が粉砕!
「この匂い…この匂いパネ 一番ヤバい匂いがやってきたパネ…!!」
その巨大な姿は…大凶界の天敵、大怪獣!
「ダイコクザンだぁああああ!!!」
大凶界のマサヨシが名を呼ぶ。
これがまたマダラー星人をも歯牙にかけないくらいに強い! 輪をかけて混乱する戦場! 魔族、マダラー星人、大怪獣の三つ巴の最中、大転位魔法陣が発動する!
目的地は天敵が同じ人間”無法者“である無法界!
「ハロゥーーーッ!! 転位が始まるッ!! 早くこっちへ来い!!」
「兄ちゃんッ!!」
最後まで砦外で踏ん張っていたハロゥとパッキァ。魔法陣の発動に間に合わず取り残され…。
人類側のリソースがガンガン削られていきます。これそのうちネームドキャラいなくなるんじゃないかな…。
それにしても天敵の間にも明確に力の差がありますね。 ここまでの状況から推察するに、個体数の少ない種族の方が戦闘力は高い傾向にあるようです。
雑に魔族〈マダラー星人〈大怪獣なんですが、中には「神が敵の世界」とかあったはずですね…。これが多分個体数が一番少ないはず…。
で、これ「人間の強さが基準」という可能性がありまして、それはつまり「人間がいたから天敵が生まれた」という話になります。 人間が自ら天敵を作ったのか別の誰かが人間専門の敵をあちこちにばら撒いたのか。
ん〜、確証はないけどONE先生ならこういう仕掛けしそうな気がするなぁ…。
-
新九郎、奔る! 16巻

「首までは取らぬ! 疾うこの地より去ねいっ!!」
焼津の代官所を襲撃、強引に代官を追い出してしまった新九郎。 そのままぶつかり合いに発展するかと思いきや。
「そこで次は引いてみせる」
あと三ヶ月、代官の更迭を待つ、と小鹿側に通告します。事を荒だてるつもりはないから年内には条件を達成しろ、と。
「なに、三月と言わず半年でも一年でも履行を引き延ばしてやればよろしかろう あちらに何ができようか」
強硬派の福島なんかはこの猶予に自軍の足場を固める事しか考えていないようですが…。
「おう!その通りじゃ!! 既成事実を作ってしまえばそのまま通る!昔ならばいざ知らず、室町殿が討伐に来るわけでもあるまい!!」
しかしそんなこと言ってる内に近江六角に向けて将軍義尚の親征が開始。 これ自体は政所の貞宗にも相談なしの…言ってしまえばあんまり考え無しの軽挙なんですが、このお陰で幕府に逆らう形になっている小鹿一党は討伐対象となる可能性が否めない事に。
浮足立つ駿河。ただ病の重い新五郎自身は養子・孫五郎に家督を譲る為に一戦交える覚悟は決まっている様子…。
「い、戦にしてはならぬ!」
龍王丸の方はまだ戦にならない方法を見つけたい様です。
「み、右腕が左腕を切り落とすようなものじゃ! お、小鹿を失えば駿河は弱くなる!」
「わ、儂は怖がりの弱虫じゃ 駿河を強い国にしとうても一人では無理じゃ」
度胸はないしトロいし…しかし大事なところを分かっている。 …ただ知恵も足りないのでどうしたらいいのかわからない…。
どうにか穏便に事を収めたいと思っているのは龍王だけではないようで、秘密裏に新九郎に接触してきたのはなんと新五郎の奥方、むめさん。自身を人質として差し出す事で小鹿側が簡単に戦端を開く事が出来なくなり、また龍王側も人質を取った事で家督相続の期限を猶予する条件を守らなければならなくなる…。両陣営を縛る一手です。
「駿府にこのことを知らせる」
対して新九郎はこの状況をさらに利用しようと。 新五郎が人質を出してきた、と触れ回れば新五郎に強硬姿勢を期待していた国人衆からの人望は地に落ちる。
…新九郎悪い顔です。
水面下の地固めが続きます。小鹿は上杉からの助力を得られず、浅間神社…寺社勢力も「小鹿への義理は果たした」と中立宣言。
さらに龍王側は国人勢の問題を解決してじわじわ味方を増やして…有り体に言って時間をかける程龍王側が有利になっていく感じ。
「お、会うてみたいのじゃ 新五郎殿に!」
なんと龍王から新五郎との直接会談の提案が出ました。 むめや一緒に来た養子・竹若の話からその人柄を察し、腹蔵なく話せる機会がほしい…と。 …考えてるよ、ちゃんと。
両勢力の中間、得願寺で会談か実現。
「し、新五郎殿 わ、儂には父がおらぬ この国の事もよう知らぬ 本日これより父のように儂を支えてくれ!」
新五郎をまるごと抱え込もうとするような龍王の弁。頼りなくはありますが。
「よほど器が大きいのか…それともやはりただの愚か者なのか… もしも前者であればーー孫五郎は龍王丸殿の許で働く方が幸せかも知れぬ…」
館に帰り、方針を変えようかと考えた新五郎ですが、その直後に昏倒…。病気の進行なのでしょうが、一服盛られたのでは?という疑惑はどうしても拭えず。 また福島が焚きつけるし…。
「卑劣な…奥方様や竹若を人質に取った上 御屋形様に毒まで盛るとは…赦せぬ!!」
後継者候補、孫五郎がその気になってしまいました。
孫五郎は今川家の家督相続の祝宴を開く、と各地に知らせ…その話は当然新九郎の耳にも入ります。
「家臣全員をここに集めよ! 軍議を行うーー」
孫五郎自身は戦にまでする気はなかったようですが、福島たちに持ち上げられてもうやるしかない、という状況に持ち込まれてます。龍王側との取次を務めていた堀越源五郎も討ち取り、もう後には退けません。
ここまで状況が進んでしまってから新五郎の意識が回復。 …もはや他に道はない、と覚悟した新五郎。
「丸子を落とせ! 道はそれしかないと心得よ!」
見た目新五郎側の方が勢力は大きいのですが、万全の準備をしていた龍王側はよく耐え…てか調略も結構済んでるんだろうなぁ…。
戦況が膠着する中、新九郎率いる部隊は駿河灘を船で越え、清水湊へ!
「丸子攻めの兵を呼び戻せ! いやな予感がする!!」
咳き込みながらも指示を飛ばす新五郎。 …しかしもう間に合わない?!
新五郎は目覚めた時に手遅れを予感したのではないでしょうか。だから敗けた時に責を負う為…あわよくば孫五郎の命を安堵する為に大将を取ったのでは…。
いや、主君義忠への憧れでしょうか。どうせ死ぬのなら一瞬でも天下を目指してみないか…義忠のように。罪な男だ。
ある意味下克上。今川新五郎は早すぎた戦国大名だったのかも知れません。
-
劇光仮面 5巻

「今 僕が見ているのは特撮じゃない ワンカットで起こっている現実なんだ 呑まれるな 正確に測れ 相手の造形(かたち)を」
人龍の正体を現した鹿角を前に必死で冷静を保つ実相寺。 攻略の糸口を探す為喋り続ける。 …やろうと思うと割と何でも出来るんですよね、実相寺。特撮関係ない事やろうとしないだけで…。
「鹿角さん 『肉に死して霊に生きよ』ってどういう意味ですか? 映画の中で空気軍神が最後そう言い残すじゃないですか? あれってどういう意味なんですかね」
クラウチングスタートのような体勢から踵のシリンダーを圧縮空気で伸ばし、スチールプレート入りの膝で鹿角を狙う!
爆芯踵正座打ち!
實相寺の膝は鹿角の顔面を砕くが、鹿角はそのまま実相寺の胴を締める!
「何者だ二矢工房? おまえの仲間も変身するんか?」
仲間を締め上げて聞き出す、と嘯く鹿角。
「侮るな 我々は劇光仮面だ 甘く見るな怪人」
腰の射出器を直接ぶち当てる! 肺に刺さる大ダメージ! 動けなくなった鹿角から離れ、警察に通報しようとする実相寺。
しかし鹿角は肺を引き抜いて実相寺に突き立てる! 不死身かこの男。 そして体を離れた肺は膨れて…爆発!
実相寺は仮面のバイザーを破壊され前が見えない。肺の再生で動けない鹿角から這いずって離れる。
しかしその前に現れたのは鉄仮面を被った武装少女…伊栗鼠。もう一人の「人龍」。
フレイルを振り回し、実相寺の仮面を破壊!
「伊栗鼠 そいつに気い許すな そいつは劇光仮面 味方じゃねんだ」
追ってきた鹿角。もう再生が終わったのか。 二人は戦前の生まれでした。敗戦が近づく中、逆転のための秘密兵器として日本軍に改造を受けた人間兵器…それが彼らの正体。
…にわかには信じられない話ですが、目の前で人龍の能力を見せられてはもう信じるしかありません。
「帰ろうや伊栗鼠 終わってんだ とっくに戦争は」
「戦争は敗けてもわしらが受けた命令は取り消されとらん」
戦時中から老いる事もなく生きてきたのか…。
再度二人から距離をとった実相寺。手分けして捜索のはんいを拡げた二人。
伊栗鼠はキャンブしているはずの実相寺に差し入れついでに劇光服の馴らしに来ていた芹沢(アヤミユーリー)、真理(ベーアサーダ)、いちる(ネビュラブッディ)の3人と出くわします。
「おめーら劇光仮面の仲間じゃろ 亜門から聞いたで 劇光仮面はわしらの敵じゃ」
容赦ないフレイルの一撃で芹沢が昏倒。携帯の電波が攪乱されているため、警察への通報に電話ボックスまで走るいちる。足止めする真理も仮面に一撃受けダウン!
「おめーの面 どっかで見たことあるのう! おめーは怪物と見りゃあ何でもかんでもぶち殺してしまう銀色のバケモンじゃ!」
ネビュラブッディのモデルがウルトラマンならこういう印象抱かれても仕方がないですね…。
電話ボックスごと滅多打ちされるいちる。
フレイルを掴むことができ、手に仕込んだスタンガンを起電! 予想以上の大きなダメージを受ける伊栗鼠。まるで電気が弱点であるかのように。
「ネビュラブッディ その少女から離れて!」
合流する実相寺。そしてもう一人。
「い…り…す」
頭部を破壊された鹿角! 身動きも出来ない伊栗鼠を抱きかかえます。
…実相寺は鹿角と対峙し、鹿角が落としたピストルで圧縮空気ボンベを破裂させての共倒れを狙っていました。
「特攻です」
「知らんだろ 本当の“万に一つ”」
不確定要素の多い策を特攻に例えて万一に賭ける実相寺と、軍上層部の『万に一つ』の賭けに実際命を張らされた鹿角。
「”万に一つ“を願うやつは 九千九百九十九を殺すやつだ 覚えとけ小僧!」
しかし撃たれたボンベはあらぬ方向に弾け飛び…跳弾して鹿角の頭部に命中! 皮肉にもとてつもない低確率で最大の弱点である頭部にクリーンヒットをもらってしまいました。ツキに見放された、とはこのことか…。
この場の誰よりも強いはずの二人が包囲され、滅びかけている。
「もしかしたら私たちが“間違ってる”って可能性ないかな?」
言い出したのはいちる。 ネビュラブッディの…外星人の視点から双方の行動を判断したい、と。
仮面を脱ぎ、素顔で伊栗鼠に近づく…人間爆弾に!
「怪獣と見れば何でもかんでも殺してしまう銀色のバケモノ それって誤解だよ」
そう、ネビュラブッディ…ウルトラマンとは超越した立場で異生物同士のトラブルに介入し、怪獣を保護する者。
「アモン イリス お逃げなさい」
伊栗鼠を抱えて去っていく鹿角。
「法を超えた”赦し“もまたヒーローにしか出来ない そう思うのは僕たちがまだ子供だからだろうか」
独白する実相寺。確かに真っ当に各自の利益とかを考えた場合、取ることの出来ない手段です。それをやってしまえるのは『ヒーロー』である所以なのでしょうか。
ただ、鹿角と伊栗鼠の兄妹は人知れず滅んでしまいます。不滅の人龍と言っても脳神経は保たなかったようで、伊栗鼠は痴呆症ののうな症状を見せ始めていました。今を戦後すぐと感じ、進駐軍に乱暴される少女たちを救うべく夜な夜な街を徘徊していたのです。 『炙り少女』の都市伝説の真相がこれでした。 自身も負傷して満足に動けなくなった鹿角は伊栗鼠を抑えきれないと判断し、共に自爆する道を選びました。
「長い戦争(いくさ)だったな…」
潜伏していた空き家での自爆…遺体は巨大イソギンチャクとして残ってしまうので遺体とも認識されないでしょう。本当に寂しい最期…実相寺たちに知れればやり切れないでしょうね。
そしてまた新しい展開。人龍の事件のショックで右目を失明してしまった真理。その劇光服である「ベーアサーダ」を纏って犯罪を犯す者の存在。今度は真理が事件の中心か。
鹿角兄妹にはバックはないっぽいですね。二人きりでずっと逃げ隠れしていた…と考えると哀れです。救いないな〜。
以降の怪事件も過去の遺産がらみになったりするんでしょうか。
で、真理の劇光服「魔改特捜ベーアサーダ」。阿部定モチーフに美少女仮面ポワトリン方面をプラスしたかと思っていましたが、まさかの「けっこう仮面」要素も入ってましたw 何この悪魔合体。事故が起きる未来しか見えないw 放送当時一体どんな騒ぎになったのか、是非見てみたいw
-
宙に参る 4巻

ソラと宙二郎を乗せた宇宙船「ニイノ」はコロニー「ジヒ」を発ち、次の寄港地「シアッカ」へ。
「というか港毎にお祖母ちゃんにお土産買う感じ?」
「お義母さん用じゃないぞ 葬式の名簿でシアッカに『伊能』って居たろ あれ私の育ての親でな」
そういう大事な事は先に話しておけw 宙二郎くんでなくても怒るよそれは。
つまり世話になった人に挨拶に行く訳で。 そこから始まるソラの過去話。
ソラはとある小さなコロニーで産まれました。父母はおらず、親代わりのリンジン「お母さん」が居るのみ。人工子宮ぽいものから出て来てますので、遺伝子から調整されている…所謂デザイナーベイビーではないでしょうか。 電波障害で外部との連絡が取れず、「お母さん」とソラのみでの生活が続きます。 …えーっと、バレたらヤバい実験とかしてて露見しそうになったからコロニーごと破棄された…?
ともかく、「お母さん」とソラの生活は続いていきます。普通の親子とまるで変わらない、穏やかな日々。
「私が与えられる物なは限りがある」
ヒトはヒトと暮らすべき。
「きっと きっと この子にもいるはすだ 私以外の誰かが 遠くてもきっと」
「お母さん」が出し続けていた救難信号にようやく反応したパイロット…伊能に小さなソラを預け、「お母さん」はコロニーに残ります。「私はここを離れられない」と。 …ホストコンピューターに紐付いてるとか?
伊能のホーム、シアッカに辿り着く。ソラにとっては初めて見るもの聞くものばかり。
「…遠いです!!」
いやまあ元のコロニーに比べたら確かに広いですから…つってもリング型なんで地平線とかには遠く及ばないですが。
「お前の母さんと約束した あそこへは連れ帰らない」
伊能の宣言。最初からそういう話で連れ出したんですね。
シアッカの養護施設に入る事になったソラ。「お母さん」と通信可能なユニットを持たされて。さすがにリアルタイムは距離的に無理で、メールのやり取りみたいなものですが。
ソラ 外の世界はどうですか
おかあさん 優しい人がたくさんいます 美味しい物もあります だから大丈夫です
…ただそれで飲み込める訳もなく。
「…お母さんに会いたいです」
夜中に泣きながら伊能を訪ねるソラ。
「言ったろ 俺ぁ約束した 連れてく事は出来ん …だがお前が行くのは勝手だ」
学校行って資格を取り、金稼いで船買って行け…最短で20才前半ってとこか。
伊能を手伝いながら勉強を始めるソラ。メキメキと技術を身に着けて行きます。
操船、工作、航法等など…。
で、No.1企業ユニバーサル宙航に速攻就職を決めw ここでマダンとも出会っていますね。LGBTの壁をものともしないのはこの頃からかw
「ソラ 貴方には貴方の人生があります もう私の所へは来ないでください ここに来るには代償が大きすぎます 私の事は忘れて下さい」
「お母さん」から返事が届かなくなり…彼女の身に何かあったと感じたソラは予定を前倒し。急遽中古宇宙船を手に入れてコロニーに向かう事に。 途中で鵯宇一(後の旦那さん)に出会うのですが、それはまた別の話。
コロニーにいたのは停止した「お母さん」。昔ソラが描いた落書きの前で。
摩擦限界。記憶の堆積によりAIが稼働できなくなる、リンジンの「死」。
「お母さん」の停止の原因はこれでした。つまりどうしようもない類のもの。
「記憶領域は残っている 例えばここに『ソラは もう来なくていい の意図を理解していた』 そう書き込めば良い話でもなくって 一度止まったリンジンは戻らない でも一言だけ」
セキュリティを突破するもまるで奥に辿り着かない。いい加減ぶっ倒れたソラに
「やあ」
いきなり「お母さん」が起き上がって声を掛ける!
「挨拶が遅れて申し訳ない 同定手段がなかったものでね」
それは明らかに「お母さん」ではなく
「リンジンの一番奥の部分 『底(ボトム)』と言うべきか」
「相談がある」とソラに持ちかけるボトム。
リンジンはネットワークを構築していて、ボトムは原初からその根底にいてリンジンの倫理や安全に一役買っているのだ…と。
ボトムそのものの摩擦限界はネット上のリンジンから演算能力を少しずつ集める事で限界を先伸ばしにしてきたのだ、と。
だがそれもリンジンの生産数が頭打ちになった現在、余裕がなくなりつつある。
「…つまりリンジン(我々)はじき飽和限界を迎える」
…これ地味に世界崩壊の危機では? リンジンなしでこの世界の文明が維持できるとは思えません。
考えられる対策は…リンジンシステムに代わるものの構築、ボトムの交代、ボトムの記憶を整理して寿命を延ばす…あんまり現実的じゃないな。
ソラがリンジンを操れるのはここでボトムと何か契約したからと思われます。ソラ本人にも素養はあるんでしょうが、どっちかと言うとリンジン側からソラを認識して命令を聞いている形だったんですね。
デカい話になってきましたが詰み具合もハンパない。事態解決の道が見えないなぁ…てかソラの出自、大元の謎は全然解けてなくない?!
-
The JOJOLands 3巻

ハワイ島。溶岩の効果を確かめる為にドラゴナとウサギが時計店に行っている…その間に待っていたジョディオとパコのところに置かれた包み…の中身はスタンド猫の首!
「こういうのはなジョディオ つまりマフィアの手口だぜ」
自分の掟だけをほのめかして脅してくる。
猫たちの飼い主なのにほんの少しの愛情だって持っていない。こいつは別荘からずっと追ってきたんだ!
「あの『溶岩』の為か あの『溶岩』はそもそもがこいつのモノだったのか…!?」
もともとの目的だったダイヤだけ確保して溶岩は返そう、と主張するパコ。
「パコ…ねえ…心を決めなよ…どちらかハッキリと決めなくては進めない時がある」
ジョディオの反論。露伴先生が溶岩を調べていたのをこいつは見張っていた…つまりこいつも溶岩について何も知らなくて、露伴先生が結果を出すのを待っていた! 溶岩はこいつらのものなんかじゃあない。
「おまえ〜〜っ 『溶岩』を渡さないつもりか?」
「渡したらダイヤも取られるんだよ それだけじゃあ済まない こいつらがもしマフィアというならきっと消される 家に帰る前までにな」
「オレたちはもう…立ち位置として只のケチな空巣や売人なんかじゃあない 心を決めなきゃ…もう前には進めないんだよ パコ」
あぁ、ただのチンピラを脱する意思と覚悟。変わる為の一歩目です。
時計店で溶岩の効果を確認したドラゴナとウサギが合流。その効果とは…溶岩に触れさせて「自分の所有物である」と認識した「価値あるもの」は一度手放しても必ず所有者の元に戻って来る。その方法は…人の無意識に干渉し、偶然を装って繋げていく。 ダイヤも、金も、時計店で溶岩に触れさせた8万ドルの高級時計も…。
「お待たせぇ…ちょっと向こうまで行っててよォ ジョディオ」
トレイを持って戻って来たパコ…パコ?
ジョディオが振り返った先にいたパコの顔から何かが剥がれ…
「『溶岩』返すつもり無いんだな? 知り過ぎる前にチャンスをやったのにな」
敵は砂のようなものを身体に纏う事で違う人物に成り切ったり、保護色のように周りの景色に溶け込む事ができる! 果ては「鳥が高級時計を運んでくる」様子を身体に映し出してドラゴナに近付き、溶岩を奪う!
すぐ近くにいても分からない完璧な隠蔽!
溶岩を持って行った事で時計やダイヤが「敵」の後を追う。それを頼りに海まで追いかけるジョディオたち。
「こっちから探すっていうのはもう無理かもな だが追い込むのは出来る アイツの方からオレたちを攻撃して来る様にすればいい」
溶岩を持って逃げるならそうせざるを得ない、とジョディオ。
その予想通り、波に紛れてパコを襲いに来る! ジョディオが抱えて海へ落ちる!畳み掛ける『ノーヴェンバー・レイン』!
追い詰めた「敵」に対してパコが意外な事を言い出します。
「こいつを『仲間』にしよう」
結構いいヤツな気がする、見せつけた猫の頭もスタンド能力による偽装で、袋の中はジャガイモがあっただけだったし。
「下のヤツは『溶岩』の特性について岸辺露伴って漫画家よりも詳しくて近そうだ だからオレたちはヤツとこれから『WIN・WIN』関係になれるぜ」
「敵」の名はチャーミング・マン。溶岩の出処であるハワイ島フアラライ山で弟が行方不明になっていました。警察も不自然な程に取り合ってくれない…途方に暮れていたところ、弟を見失った辺りで金をばら撒く奇行をしていた岸辺露伴に出会い、彼が溶岩を拾っているのに気づく。
「関係があるのか…!?」
ほとんどカンで怪現象の核心に近付いていたんですね、チャーミング・マン。ヒキは相当いいようです。
オアフ島に戻りメリル校長に報告。
彼女はいろいろなところに知り合いがいていろんな情報が入ってくる。
「ところがハワイ島のどこかで盗難事件が起きたとか 別荘に空巣が入って心配だとかいった普通の通報とかが伝わって来ていない 逆におかしいよね …なぜなの? ダイヤが盗まれて6時間以上経っているんだよ」
…さすが悪党の元締めは頭が回る。
ジョディオたちはいろいろ有り過ぎた情報をバラバラと話し始めます。
金庫にしまったはずのダイヤが校長の手元にあった事で(無意識に出してたんだな…)彼らの言っている事が妄想ではない、と確信する校長。
「ドラゴナ待ちなさい 待って皆さん 今考えているから…面白いかもしれない…」
校長まで話が通って、事件の規模が大きくなっていきそうです。
溶岩の出処が私有地である辺り、チャーミング・マンと別口で溶岩の効果を利用している者が居そうですね。彼の弟が消えたのも溶岩の効果であるのなら、やはり「価値あるものを集める」反動とかあるのでしょうか?
そう言えば、高級時計はドラゴナの手元に届きましたが壊れてしまっていました…。
「因果応報」はJOJOの物語を貫く理念のひとつだと思います。この溶岩もそういうシステムの一環なら、手痛いしっぺ返しがあるんじゃないかなぁ…。
-
古見さんは、コミュ症です。 33巻

「…あの… その… こ、この体育祭… …その…勝ちたい、です」
3年、最後の体育祭。1組級長古見さんの檄…檄? 全員分のボンボンも用意した古見さんの勢いにノセられて頑張る1組メンバーw
新顔からおなじみメンツまで盛り上がる中、不器用な蕗 陽くんは障害物リレーでコケまくり、最下位に。
「…ごめん 自分…不器用で…」
「でもまぁ あんだけ頑張られるとねー… 火ぃ着いちゃう人いるんぢゃん?」
最終種目、クラス対抗リレーのアンカーは古見さん。2年の時、2位で終わった悔しさを覚えていて根津野さんに特訓を受けていた!
その古見さん自身にも気合が入った…コンディションは完璧!
更に4組のアンカーはまけるちゃん! でもなんだか様子が違う?
「…分かってる 『引き分け』なんて私が言ってるだけ ホントは全部負けてる」
いつもクラスで2番目に足が速かった。どれだけ努力しても何故か勝てない。そういう星のもとに生まれたんだと考えて。
『もういいじゃん 負けて悔しいフリして みんなが笑ってくれれば』
『だから死ぬほど頑張った!!』
「勝つ 今日 ここで 古見さんに」
…負けなかったんですね、自分には。あんまり中身のないおちゃらけキャラだと思っていましたが、割と深刻な内面を抱えていたようです。
…わずかに速く渡った1組のバトンのリードを守って古見さんが先にゴール!
「負けたーーーーーー!!!」
突っ伏すまけるちゃん。駆け寄る古見さん。
『違う!古見さんには可哀相って思ってほしくない』
複雑な感情を慮ったのか踵を返す古見さん。 まだ負けてない!と立ち上がるまけるちゃん。
「見てろよーーーー!!」
そう叫ぶ彼女の顔は今までで一番いい笑顔で。
永遠のライバルキャラ、矢田野まける。でもその『負けない』姿勢は必ず何かを超える事が出来るでしょう。 目指せイチバン!
お疲れ古見さんが只野くんに癒やされたり、万場木ちゃんが和貝くんの気持ちに答える…自分の目気持ちに踏ん切りつけるために只野くんと1日だけデートしたり…
「好きになってくれてありがとう」
「好きになってみてよかった」
ぐわぁ…なんだこの綺麗な失恋! 清純すぎる! 万場木ちゃん、和貝くんとちゃんと幸せになってほしいですね。 そうなる資格が彼女にはある。
さて、忘れがちですが古見さんたちは受験生。各自の入試も進んでいます。
古見さんは碧山学院国際コミュニケーション学科志望。総合型選抜第二選考…グループディスカッションに臨みます。
複数人のグループで当たられたテーマで討論を行い、その議論の進め方などで評価される…と言うもの。
…喋れないと駄目そうだけど…大丈夫?
「目玉焼きにかけて一番美味しいのは何?」
これ議題?w
へんな議題で…しかもグルーブメンバーが只野(!)さん、「エジプト」とか意味不明の単語しか喋らない鳩堀さん、三重から来た三つ子三湖市さん、…そして古見さん。
まともに議論できそうなのが只野さんしか居ねえw
結局三湖市三姉妹の強引な多数決で『わさび醤油』で結論。あんまりグループディスカッションの意味が…。
次の議題が「世の中から争いを無くす方法とは?」
いきなり話が重くなり、議論もギクシャクしてきた頃…。
「あの…私はケチャップも美味しいと…思ってました…」
いやその話もう終わってるから!
「み、皆さんは…ににに2番目に好きな目玉焼き…にかけるものはななんでででで?」
…いっばいいっぱいだったんですねー。自分で何言ってるか分かってない…。
ただこれで緊張感が解れ、活発な議論が誘発され…ついでに鳩堀さんが喋っているのは簡単な暗号であることも分かり…あれ?趣旨変わってない?
「目玉焼きにかける一番おいしいものはわからないけどみんなの好きなものは分かった」
というなんかすごい結論にw
ただ試験官は
「グルディスって いるんですよね〜 たまに 全員合格にしちゃう子が」
コミュニケーションを誘発し、その場の全員を仲良くさせてしまう。活発な議論で各自の個性を引き出す才能、て事でしょうか。
ともあれ古見さん二次選考合格! 友達を作る努力が実を結んだ形ですね。
夏休みが終わって受験も進んで…確実に時間が進んでいます。それと共に各自が成長している事が分かるのもいいですね。 特に今回、古見さんの将来に繋がるところに経験が活かされました。 1年生のときの古見さんなら確実に出来なかった事が出来ている訳ですね。
こういう成長の実感が、生きていくのに大事なのではないでしょうか。
-
黄泉のツガイ 7巻

「陰陽ちゃん やっちゃって」
…アサのなんだか洒落にならない宣言で…異空間に放り込まれる偽アサとアザミ。 まぁ滅多なことはしないよなぁw
「言いたい事は山ほど! 山っっっっほどある!けど!! とりあえずおとなしくここにいて 私の仕事が終わったら出してあげるから」
ユルにちゃんと説明しろ、と言い残して外へ出る。
「…お願いだから兄様には嘘をつかないで」
…複雑なところですね。
制圧の方はもうゴンゾウさん一人でお釣りがくる程w
「無理無理無理!! こんなの勝てないって…」
その様子を見守るダンジとリトルグレイのところに合流するユルとデラさん。
「ユル…来てくれた…」 ガン泣きダンジ。
「ばっ…ばかおまえ…べべべべつにおまえを助けに来た訳じゃないからな!!」
「消去法でこっち来ただけでおまえを助けに来た訳じゃ なに笑ってんだデラさん!!」
わかりやすいツンデレだなw
アサとも合流。 アザミと…片割れである偽アサを保護している事を知ってダンジは
「アサちゃん!ありかとう!」
「べっ…べつにあなたのためにやった事じゃないし!! 兄様のためにやった事だし!!」
「ユルとアサちゃん似てるよな」
…その通りw
一方、夜道のチカンこと与謝野イワン。刀のツガイを使っているとはいえ左右様を相手取って一歩もひかない! コイツも大概バケモンだな。
アサたちと一旦離れて再度戻ってきたユル。新郷が影森に潰された事を宣言し、
「おまえらの取り引きに乗ってやる義理はもう無い 俺の両親の事 何か知ってるんだろ? 洗い浚い吐け」
「OK 俺ももうあのおっさんに義理立てする必要が無くなったから話してもいいかな ーーて言うかユルの両親の事 新郷さんは全く無関係だから ミネとナギサを斬ったのは俺だ 首を刎ねた」
動きが止まるユル。
一瞬の隙に小刀を左様に投げる!
「ユルがすんなり『封』を手に入れられるように 死んどいてくれ左さん!」
…刀は確かに左様の胸に刺さったけど…それで左様…死ぬか?
一時怒りのままに矢を射たユルでしたが父の忠告(死は心の乱れの隙を突いて襲ってくるぞ)、そしてアサの姿を思い起こして抑える。
「この目で確認するまで信じない」
取り囲まれたイワン。
「しょーがない これあんまり使いたくなかったんだけどな」
大刀を自分の首に当てる。左様の胸の小刀から泡のようなものが出る。同時にイワンの首にも!
「左の!! そいつを放せ!!」
小刀を弾き飛ばす左様。しかしそのまま倒れ込み…。
「少しまずい」
逆に動きが鋭くなるイワン。ユルの矢を切り裂き、左右様を同時に圧倒し、デラさんのライフル弾さえ弾く! 精気を吸収して自分のものに出来るのか、そのまま逃げ切ってしまう…。
「僕が新郷のスパイだとばれると父に殺されるので…目撃者のこいつは口封じに殺しましょう」
ニッコリ笑って物騒なこと抜かすアスマさんw これだから誤解されるんですよw
新郷を襲ったツガイ使いを始末する振りを見せて…風神雷神が離れた隙を狙って夜桜が新郷を抑える!
新郷はアスマの母方の実家らしい。…で、お母さん実家で大分雑に扱われたようで。
「貴方たち新郷一族に粗末に扱われた僕の母にとって影森家は天国だった 救いだった その影森家を双子の力を手に入れて乗っ取ろうとしている貴方を僕個人として許せないだけです」
新郷に入れ知恵した者がいるはず、と問い詰めるアスマ。 そこへ転移で現れたイワン。
「あー 状況把握 だから言ったろ新郷さん 甥っ子に油断しちゃだめだって」
軽〜い物言いで近付いて…そのまま夜桜と新郷を一緒に叩き斬る! 風神雷神も細切れに!
「おまえらがフユキのツガイに捕まったら情報取られちゃうからな ここで死んどけ アスマさんさぁ 新郷さんから何か聞いた?」
「ーーいえ 何も聞いていませんが 誰か入れ知恵した人がいるのではないかと思っていてですね どうやら伯父さんより貴方を問い詰めた方が話が早いようだ」
ナイフ投げたりするアスマですが…ツガイと渡り合うイワンには分が悪い。しかしイワンの方も調子悪そうで。
「…すごいな…左さんの精気は…とんでもない反動だ…」
そこへゴンゾウたちも到着。不利を悟ったイワンは撤退…アスマの方が助かったのか。
「峰山 今どこだ」
イワンが呼んだ助けは…女子高生?コスプレ?
「がんばってくださいね 肉団子になったイワン様を『西の村』に持ち帰るとかかんべんですよ」
…新ワード出ましたね。「西の村」。東村の対抗勢力でしょうか。東村や影森はその存在を知っているのか?
さて、陰陽ちゃんの中はユル、アサ、ダンジ、偽アサの四人水いらず…やべえw
偽アサの本当の名は「キリ」。二人で「ザシキワラシ」。家族をいっぺんに亡くしたキョウカの心の支えに、とデラさんの父ロウエイが引き合わせた。 しばらくは平和な日々を過ごしていたのですが、ユルとアサが生まれ一気にきな臭く…。
キリは父母と一緒に逃げ出したアサの代わりに座敷牢に入り、ダンジはさりげなくユルの護衛兼監視役に。
「でもずっとユルは優しくて…毎日会いに来てくれて…たわい無い話するの楽しくて…この関係がずっと続けばいいなって…ずっと…ずーっと頭の片隅で思ってた…!! ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい」
…ひとりになったユルにとってダンジとキリが心の支えだったのは間違いない。
「たとえそれが偽者だったとしても生きる力を与えてくれたのはあいつらなんだ もう俺はこれ以上あいつらを責められない」
とりあえずザシキワラシたちは許す方向で。
更に与謝野イワンが父母の情報を何か持っている事もアサに話します。イワンが彼等を斬った、と聞いて動揺するアサ。
「信じるな!! この世は信用できない者ばかりだ!! 自分の目で見るまで信じるな!! 父様も母様も元気に生きてるっておまえ言ったろ!」
イワンから情報を引き出すにしてもまずは彼から刀のツガイ…大凶小凶を引き離さなければ。
「兄様 次に見つけたらそいつを私の近くにおびき出して」
「解」で無理矢理契約解除する気か。
「視界に入りさえすればどんなに遠くにいても仕留めてみせる」
「おう 左右様が奴の血のにおいを覚えた 狩り場に追い込むのは俺たちに任せろ」
さあ第三勢力「西の村」が出て来ました。イワンはここの所属の様子。ユルとアサの親…ミネとナギサをおさえているのはここ…いや違うな。おそらくナギサさんの故郷・沖縄に網を張ってるのが「西の村」であるならミネとナギサの身柄はここにも無い事になります…。3勢力の捜索を掻い潜って逃げてる?まさか。
しかしこのお話、いわゆる“諸悪の根源”が見当たらないですね。「鋼の錬金術師」の”お父様“みたいな。
紛うかた無きヤクザな影森家もアサをはじめとする行き場のないツガイ使いたちを保護してる事になるし、東村が裏で相当えげつない事やらかしてるのは作中で描写されてます。西の村も良い面悪い面あると思われます。
誰かが全ての糸を引いているわけじゃなく、いろんな組織の思惑がからまって惨事が起こっている感じ。言ってしまえば現実と同じ事態の進展の仕方をしているのではないでしょうか?
各キャラクターが何考えているのか、どんな方針で動いているのか、それが設定できていればこその力技ですが、物語上「こいつ倒せば終わり」というキャラがいない事になります。非常に物語の進め方、終わらせ方が難しいと思いますが、どうするんでしょうか…?