-
シャングリラ・フロンティア 〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 18巻

ルルイアスの封将の1、魔法無効の封将を倒したサンラク。対角線上にいる封将2は物理攻撃が無効…。
ならばあと2つの角…封将3と4の特性は?
「剛弓魔法弓を問わず無効化されたが、時折急にダメージが入る時もあった」
「プレイヤー側が有利な時は攻撃が無効化されたが、不利な状況となると魔法物理共に有効となった」
「クナイ投げても魔法撃っても無効化されたけど突然ダメージが入ることがあった」
封将3に対するルスト、モルド、秋津茜の証言。
ここからサンラクは封将3は「遠距離攻撃無効」、それと対角にある封将4は「近接攻撃無効」である、と予想。 チーム内で情報共有しようと連絡を取りますが…。
「そういやなんかルスト数日発言してないけど ヤケに静かだな」
「あぁ…えと…GGCでネフィリム・ホロウの新作が発表されたことで今ちょっと…まともじゃないんだよね」
「世界マジエクセレント 来年まで死ねない」
へ…平和だw 別に世界の命運とか誰かの命とか掛かっている訳じゃない、純粋に好きでやってるゲームなので個人によって向いてる方向がバラバラなんですね。
で、その意味では少々不純な動機でゲームに向かっているサイガ-0…玲ちゃんですが、成り行きとはいえギルド「黒狼」になんの断りもなくリュカオーン(の分体)を倒してしまった事でギルマスにして実の姉サイガ-100…百さんと大喧嘩w しばらくシャンフロにログイン出来ない状態に。
「確かに今までは姉の言う通りにしてきましたけど…!! 今の私は…!! 陽務君と一緒に遊ぶ為に『シャンフロ』をプレイしているんです!!」
言い切りましたw 玲ちゃん『最大火力』とまで呼ばれるシャンフロ廃人の一人なんですが…よっぽどシステムと相性が良かったのかw
クターニッドとの接触はおそらく7日目限定。その前に封将を倒し切っておきたい。
サイガ-0を欠いたまま封将3「遠距離無効」に対峙します。メンバーはサンラク、ルスト、モルド。チーム『ネフィリム・ホロウ』!
サンラクが張り付いて封将の攻撃を避け続ける内に二人に近距離判定…3m内に入って攻撃をさせる。剛弓の零距離射撃w
危なげなく封将3撃破となりましたが、こいつが持っていたカトラスに赤鯨海賊団のマークが入っており…スチューデの父親の持ち物だったということですね。
「こっ…これは!! パパの剣だぁあ…!!」
スチューデはクターニッドとはまた別でイベント進行するようで。
「何でもかんでも一人で抱え込む事を強さだと思うな」
ロールプレイ苦手なルストが頑張って説得してるw というか会話を受けて思考を変えるって、どんな思考エンジンだ…しかもこの少し後ですが、スチューデがアラバと独自に話し合って考えが変わったりしているし。 これプレイヤーのいないところで勝手にイベントが進むことになるのでは?
「近距離無効」の封将4には全員で。
タネさえわかれば、前衛が撹乱している内に遠距離から当てる…あれ?やってることは3とあんまり変わってない?
人数多い故に連携がうまく噛み合わない事も…まぁありましたがw問題なく封将4撃破!
続いて最後の「物理無効」封将2に向かう途中で、サイガ-0も合流。 なんとか立ち直ったかw イライラしすぎて咄嗟にサンラクに斬り掛かったりしましたが。
「『邪魔』は全て…片付けマシタから…!!」
いやそのカオでそのセリフはコワイよw
封将2は2体コンビ。メンバーをどう割り振るか、ですが…。
「コレまでのお詫びも兼ねて…片方の封将は私一人に任せて下さい」
という訳で一体はレイ氏が抑え、その間に全員でもう一体を叩く!という段取りに。
『焔よ猛れ 其は熱波で喉を震わす猛獣の咆哮』
ところがレイ氏、封将の攻撃を捌きながら呪文の詠唱を始めました。
シャンフロにおいて呪文に詠唱は必須ではありませんが、唱える事で効果や火力を高める事ができる要素。しかしクソ長い呪文を少しでも間違えれば発動失敗となる為、通常は戦闘前などに書かれた文章を読み上げる事で成立させます。
しかし一部の卓越したプレイヤーは戦闘の最中に一字一句間違えずに詠唱を完了し、魔法を発動する!
『焔よ 獣となりて猛れ』
【ビースト・ドゥームフレア】
一撃で封将の片割れを撃破! このサイガ-0こそそのへんた…もとい凄まじいスキルを誇る「シャンフロ廃人」の一人であったのでした…。
かくして封将は全撃破。最終日にしてルルイアス中心部、クターニッドの居城へ討ち入りとなります。
ルストからの提案でチーム名と作戦名を決めよう、ということになって…いやそういうのってもう少し早めに決めない?…まぁ本人たちが納得してるならいいんですが。
で、揉めに揉めた結果、
「チーム『不俱戴天』!! オペレーション『クターニッド撃破作戦』を開始する…!!」
…無難なとこなんじゃないでしょうか?
つくづく思うんですが、『シャンフロ』ってゲームエンジン…物理演算システムとかは最高ですが、シナリオギミックには多分に問題を孕んでいる気がします。3千万人とも言われるプレイヤーがほぼ関わらない…ほんの数人のプレイだけでワールドストーリーなるものが進んでしまう…というのは絶対に不満が出ますよね。これまではほぼ誰でも受けられるクエストばかりだったので問題が顕在化してなかっただけ、みたいな。
いずれ批判に晒されるんじゃないか、と思いますがどうなんでしょう?
それとは別に、サンラクの存在が世間にバレ始めましたw 「電脳大隊」が業務用VRシステムを「陽務楽郎」宛で送り付け…これ高いブツ贈って強制的に貸しを作る、所謂「マフィアのやり方」だよなぁw
それとは別にライオットブラッドのメーカー「ガトリングドラム社」から試供品が大量に届いたり…。
本人も「GGCで暴れ過ぎた」認識はあるようで「住所とか個人情報ダダ漏れ怖!」とか言ってますが…それどころじゃないw
彼のゲーム能力とスター性を考えると、プロゲーマーチーム間でのサンラク争奪戦とか発生しかねないですよw 今までの作風見るに…やりそうだよなぁw
-
怪獣8号 13巻

「言ったはずだ8号 お前はここに来れナい なぜならオマエは見捨てラれない」
怪獣9号の言う通り、避難民たちが入るシェルターや傷ついた隊員たちを見捨てられずあちこちで足を止めて大怪獣を相手するカフカ。 確かにここではカフカ以外に大怪獣に対処出来ない!
「オマエはそこを動けナい」
その9号に一撃入れるミナ。無事だった…!
「今ここでお前を討伐して私が全て撃ち抜く」
だが、ミナは砲撃特化。
「距離を詰めてしまえば 並のタイチョウに劣る」
ミナを捕える9号。
「今日東京を陥す そしてここ(東京)を拠点に国を陥す 最も多くの人間が死んだ6号災害が表すようにキミタチ(人間)は識別級の大型怪獣にはめっぽう弱イ 亜白ミナ。吸収し怪獣群に組み込めば凄まじい砲撃性能を持った6号クラスの大型怪獣集団となるダろう 亜白ミナがいなくなった人類に 止める術はナい」
電波ジャックして宣言する9号。同時にミナを食い尽くそうと…!
「8号…!!頼む!!行ってくれ!! 俺たちが死んでも代わりはいる!! あの人を…亜白隊長を失うわけにはいかない!!」
しかしカフカがここを離れれば大きな被害が…!
「先輩」
周囲の大怪獣が一気に凍りつく。
「行ってください ここは俺が引き受けます」
市川! 識別怪獣兵器6号を纏い…
「誰が動いていいと言った そこで大人しくしてろ」
大怪獣の動きを封じる強力な冷気。
「市川お前…来てくれたのか…」
「先輩 俺だけじゃないです」
「第3部隊 古橋伊春!! 長野より現着!!」
解放戦力を一時的に上げる“瞬間適合者”となった伊春。
「第3部隊 出雲ハルイチ 神楽木葵 現着」
付毒兵器(トキシナイザー)によって怪獣の動きを鈍らせるハルイチ。
その隙に強力な攻撃を叩き込む葵。
助けてくれる仲間たち!
「もう御免なんですよ 先輩に全部背負わせてただただ守られるのなんて 俺が道を切り開きます 先輩は亜白隊長の下へ!」
「目ぇ覚めたぜ ここは頼んだ 相棒」
俺にはーー背中を預けられる仲間がいる!
吹っ切って走る怪獣8号…カフカ。9号と亜白ミナの下へ!
その亜白を吸収せんとする9号。その精神を折るための侵食か。 大量の防衛隊員の死体の中に放り出されている小学生姿のミナ。怯えるミナに声をかけるカフカ(小学生)。
「もう大丈夫だ 行くぞ あっちに行けば死体はない」
「私…何か大事な事忘れてる気が…」
「いいんだ 全部忘れた方が楽になるぜ」
明らかにおかしいカフカに連れて行かれそうになるミナを…引き止めるのは伐虎。ミナの騎獣!
「あー… 邪魔が入ったか 飼い主を取り返シに来るとは 忠誠心の強い奴ダ」
伐虎は怪獣のなりそこない。9号との力の差は歴然!
「そうだ 全部思い出した ここにいる人たちは私が助けられなかった仲間たち 私につなぐために犠牲になった部下たち」
身動き出来ない状態で歯噛みし、涙を流す…。
「な 言っただろ 思い出しても辛いだけだ 忘れて楽になろうぜーー…」
「黙れ 忘れたりしない 忘れてたまるもんか」
拘束を千切る。
「悲鳴も 苦しみも 死も 責任も 全て背負って戦う」
銃を構える。
「私は…亜白ミナ… 防衛隊第3部隊隊長だ」
カフカの顔をした9号を撃つ!
しかし倒れない9号。
「イサオもそうダった 君のように最後まデ抗った けどね 止められないんだよ 君にも イサオにも そしてボク自身にもね」
大量の怪獣と…人間?
「逃れたものは一人もイない どの時代のどの最強も 歴史上ただの一人も」
一気にミナの意識を吸収にかかる9号。
「やっぱりダメだね私は」
「一人で頑張ってみたけどダメだった カフカ隊の副隊長失格だ」
「一人は怖…いよ…カフカくんーー…」
「大丈夫だミナ 俺が隣にいる」
カフカが笑う…これは9号の擬態じゃない!
「あーー…?お前… なんで来られた?」
仲間が送り出してくれた…そしてたどり着いた! 本物の怪獣8号…日比野カフカ!
人間の絆の力が怪獣を追い詰めます。しかしまだまだソコノ知れない9号。
…いや今巻の描写を見るに、9号は多くの怪獣と…人間をも融合吸収している節があります。これ9号ではなく0号…オリジナル怪獣ということでしょうか? 9号はキノコモチーフの寄生増殖型のようですし…どうなんでしょう?9号を倒せば終わるんでしょうか?
更に言えばカフカが怪獣化したのは小さな怪獣が体に入ったからで…これ寄生じゃないですか? 8号と9号、大分近いんじゃないですか?
-
あかね噺 12巻

「”こうなって欲しい“がそのまま返ってくる 今まで以上にお客さんがついてきてくれる!! ヤバい 何コレ めちゃくちゃ気持ちいい」
二ツ目への推薦がかかった一席。観客全てを巻き込んで場を作り上げるあかね。ここは全員味方…会場がホーム!
更に世界を拡げる。賭場の壺振りがまんじゅうを怖がったり、サイコロに化けてる狸が札に化けたり。他の噺を自由自在に持ち込む落語のマルチヴァース…。
「世界が広がった今 もっと遊べる!! なんだって出来る!! この…落語動物園なら いやっ 落語ヴァースなら!!」
乗りに乗っているあかね。しかしこの席は朝がおの二ツ目御披露目の前座。時間をオーバーは許されない!
「残り一分半を切りました」
「これ以上 噺を膨らませられたら会の進行がっ…」
「ひっきし」
あかねを正気に戻したのは小さなくしゃみ…志ん太!
「そうだ 私はーー」
数回壺を振るところを急遽ラスト一回に持ってくる。
メインコメディアン加藤茶か、ボイスドラマで志ん太の声を当てた山口勝平氏か、という見事なくしゃみが脳内再生されますw
「梅鉢梅鉢天神様! いいな!?俺の大好きな天神様よ!! どうか出てこい! 天神様ァ!!」
なんとか狸に出目を指示しようとして天神様の社の鬼瓦に梅鉢の紋(つまり五の目)を伝えようと…。
…あかねの目指す道に重荷を課してしまった、と内心悔やんでいた志ん太。
「生半可な道ではないし俺が言えた義理じゃないのは分かってる それでも嘗ての俺がそうだったみたいに朱音にももっとーー」
「壺を開けるってぇと天神様の格好をした狸が出てきた ご存じ“狸賽”の一席でした」
見事時間に収めた!
「ちょっと!!何!? 楽しいだけって感じの噺だったじゃない」
眼を拭う志ん太に妻真幸が突っ込む。
「だからだよ」
娘が境遇に負けず”楽しんでいる“ことが伝わったか。
そしてあかねの噺を受けての泰全。
「二ツ目昇進か 推薦の件だがーー」
「はぁいストーップ」
泰全の師匠、全生!? タイミングを外さないな。
「命令は守らなきゃだよね?」
「あかねに推薦を出すな」の命令の念押しに来たのか…。
「師匠…私の意志は変わりません 私は阿良川あかねに二ツ目昇進の推薦を与えます」
「…彼女は成り得ます 一生師匠をも唸らす“真打”に」
志ぐまも現れ、どうにかこの場は引き下がる全生。
朝がおの昇進披露の一席は大成功。表向きは全て丸く納まり…。
「少し話せるか?」
あかねと志ん太も数年ぶりで落語の話が出来るように。
「落語家になったんだな 朱音」
「…変わんないよ 目指してるトコも 通したい意地も 毎日必死…でも 楽しいよすっごく」
さて、このお話の縦を結ぶ糸であろう”志ぐまの芸“。 ちょう朝、泰全、志ん太の世代と更にその前の世代…一生、柏家三禄、志ぐま(禄ゑん)、うらら(!)の世代も絡む話になるようですね。
「今日初めて高座を聞いたが 託したくなる訳だ あの自由さ 語り口 よく似ている 先代“志ぐま”…柏家生禄に」
”志ぐまの芸“の大元がついに出てきました。…相変わらずどういうものなのかはわかりませんがw あかねが受け継いで一生にぶつける感じになるんでしょうか。
直近のイベントは兄弟子まいけるの真打昇進試験。審査員は阿良川四天王…つまり全生と正面衝突! そもそもここ数年出ていない真打…なれるのかまいける兄さん!?
-
逃げ上手の若君 16巻

監禁生活でボロボロの体になっていた泰家。時行は彼を母・覚海尼の元へ帰します。これで泰家は歴史の表舞台からは姿を消す事になりますが、おそらくは心穏やかな晩年を過ごした事でしょう。戦乱の世で血と謀略に沈むのとどちらが幸せなのか…それは本人のみ知ることでしょう。
「宿命の戦の続きは…全て甥にお任せを!」
修羅の道を行く時行と顕家軍。その顕家軍に如何ともしがたい現実が襲いかかります。
即ち『兵糧不足』。足利残党のゲリラ戦術で補給を削られ、思うように進軍出来ません。
「現地調達するぞ この近くに南朝の荘園がいくつかある」
…略奪? 半済…蔵の米を半分供出せよと命じ、反抗すれば
「半分では足りない 全部下さい」
虐殺込みの略奪に切り替える。
結城宗広が活き活きと殺して回っていますが…わざとの面も大きいようです。
「兵糧の問題が解決し…配下たちは『大将軍のお役に立てた』と喜んでいます」
後醍醐帝によって準備も整わぬ内に軍を起こさなければならなかった顕家の苦しい内情を慮っての行為であったようです。
「我らは所詮野蛮な東夷 大将軍のため どんな汚れ役も引き受けます」
そもそも奥州では米は多くは収穫出来ず…本来コメは温帯〜亜熱帯の植物、品種改良もされていないコメが東北地方で育つわけがない…地頭の要求する年貢を納めるのは大変。
この辺の奥州の事情を帝はまるで感知しておらず、顕家は逆賊尊氏討伐の功績をもって帝に嘆願し、施策の修正を願い出るつもりであったのでした。
「余が変えてやる 地方の事は地方で決め 忠臣の働きを正しく評価し 才能が無駄に散る事の無い新しい世に! 汝らの声を余が天下に届けてやる 行くぞ!!」
京へ抜けるのに必ず通らなければならない盆地、美濃国青野原…今で言う関ヶ原。足利軍はここで顕家軍を迎え撃ちます。
上杉、小笠原等名だたる武将が集まり、顕家軍包囲殲滅の策を練っていましたが…
「却下」高師直配下の超武断派、土岐頼遠か割って入ります。真正面からぶつかる、と強引に決定し、布陣も無理矢理決めていきます。(くじで決める、とか言いながらくじを持つ配下の指輪を折って順番を盗み見る、とか…)
「なんなのだこいつは!? さっきから自分の世界でしかしゃべっておらぬぞ!?」
小笠原をしてこう言わしめる傍若無人。しかし皆時行に一敗している故に強くは出られず。
そして開戦する青野原の戦い。
まずは弧次郎対長尾の因縁の対決。上杉が膨大な経験則から免疫機能を理解し、長尾に死骸から奪った筋肉を増設した異形の姿。
対して純粋に鍛え上げた肉体に正宗謹製の攻防一体の太刀「鐵柳」を振るう弧次郎。
長尾がかち上げる力も逆用して斬り下ろし、長尾の大刀とともに改造した腕までも弧次郎が断つ!
「あんたの研究すげーと思うんだけど 雑魚ならともかく長尾とかは…下手に改造しない方が強いと思う」
…頭でっかち上杉w
ともかく豪傑への道を進む弧次郎。
そして時行は小笠原と弓の引き合い。
「貞宗の弓は全て理に適っていて…真似るほど見るほどに理解が進む ああ! 貴方を目指します 貞宗殿」
戦の最中、敵から学ぶ…豪胆にも程がある。
「認めよう時行! 我が最強の技を学んで死ねい!!」
その最強の技とは、馬の突進力まで乗せた…馬の頭さえ貫通して乗り手の胴を射抜く一射!
死んだかと思われた時行ですが…亜也子の金棒「四方獣」で咄嗟に貫通だけは防いでいた…更に同時に時行が射た矢は小笠原の首筋をかすめていた!
「今の矢だけは…逃げるわけにはいかなかった 皆に全てを委ねてでも…貞宗の奥義を学びたかった」
「逃げ上手の若君」が最後まで逃げなかった! その成果は尊氏にも通じるかもしれない奥義…。
「親離れして志ある顔に変わっておった どこぞの神も胡散臭く笑っておろう」
主も郎党も一回り強く。もうお飾りとは呼ばせない。
「どのみちこの戦は俺の戦だ 突撃」
局面に構わず真正面から顕家に迫る土岐。
配下の雑兵を「ぶん投げて」顕家軍の陣を崩す…! あり得ないがその圧倒的な力で強引に通す。その理外の戦術が顕家に届く!
「いかん 顕家卿が 朝廷の至宝が!!」
迫る土岐の剛剣を止める弧次郎と亜也子!
「遅参お許しを 我ら野蛮な東夷 獣のごとく顕家卿をお護りします!!」
…略奪回は相当アンケートが悪かったそうですね。ですがこの作品は少年マンガであると同時に歴史モノでもあるわけで。補給の大切さと切実さを表現するのはアリだと思います。
大河ドラマ「平清盛」でも「衣装が汚い」とか文句を言ってた人がいたそうですが…そりゃ初期の貧乏平氏を表現しようとすればそうなりますよ…。平太がピカピカの着物着てちゃモチベーション持てないじゃないですか。
特に歴史モノではこういうストーリーに関わるリアリティにイチャモンはつけて欲しくないなぁ…と思います。
アニメ「逃げ若」はカラフルな着物着てましたが…これは幕府トップの人達なのだから当然w てかどちらかと言うと…頼重の胡散臭さが当社比1.5倍なのがw
-
ONE PIECE 109巻

王下七武海としての任務を果たしながら…裏で海賊を逃がしたり革命軍の手助けをしたりw わりとやりたい放題やってるバーソロミュー・くま。
ただ五老星との約束通り、娘ボニーとは会えず、何十通と書いた手紙も看護師のフリしてボニーを監視しているCP8のエージェント アルファに握りつぶされ…。
「時間がある限り伝え続ける おれはボニーを愛してる あと一年で一生分の想いを綴るつもりだ」
ベガパンクに改造され、徐々に自我を失うなかでそれでも手紙を書き続ける…(泣)
「9歳になったよ? お父さん… 手紙くれるって言ったじゃん…」
青玉燐も完治したボニー。アルファたちが政府の諜報部員である事を知り、脱走を決意します。コニー王太后や荒くれ漁師たちの協力で海へ出る。
追いかけるアルファを迎え撃つのはトシトシの実の力。
「”ゆがんだ未来(ディストーションフューチャー)“!!」
「“ニカ”みたいな未来!!!」
ゴムゴムの実のような”伸びる拳“で殴る!
そのまま逃亡したボニーは漁師たちと海賊団を結成…弱冠10歳のボニーを頭に担ぐ“ボニー海賊団”。トシトシの実の力で年齢を調整して…。
「海賊らしくあるための鉄の掟!! 欲しい物は奪い取れ!!(悪者から) 人助けはするな!!(なるべく)」
…子供だ…。ボニー海賊団の目的はくまと「ニカ」の捜索。それとくまの方から見つけられる様に有名になる事! …くそぅ 泣ける…。
ですが会うわけにいかないくまは逃げ回ります。こうなるとニキュニキュの実って便利だな…。逃げながらルフィを気にかけ、シャボンディ諸島で麦わらの一味をバラバラに飛ばす…まだ力足りない彼等を鍛える為に…!
「まだ来るな お前はいつか世界を救う男だ」
そしてくまの改造は進み、ついに自我を取り去る段階に。
「口答えするな 雇われのしがない科学者よ」
サターン聖の命令に逆らえず、自分を抑えて作業を進めるベガパンク。
「ーーそれを終えた後…プログラムしてほしい任務がある」
この後の任務が”白ひげ海賊団“との戦い…頂上決戦…になるだろう、という話を受け、くまがベガパンクに頼んだのは“麦わら”の船…サニー号を、一味の誰か一人が帰ってくるまで守る事でした。彼等の家を死守したい、と。
ルフィの行動に心が震える。
「ニカはただの伝説だ でもおれはボニーに教えた… 解放のリズムに乗って人々を笑顔にする戦士がいると!! もしこの海を大きく変えるヒーローが現れるとしたら…!! おれは…彼だと思う」
”研究素材“として自身の記憶を弾き出す。
「これがおれの“人生”か…どれだけの人に迷惑をかけたろう」
「迷惑!! 生きるとは確かにそうじゃ!! ……!!お前を愛した人間の数だけ!!お前の死は迷惑である!! ええか くま お前こそヒーローじゃ!! ボニーの!! みんなの!!」
涙でぐしゃぐしゃのベガパンク。 …以前「ベガパンクは自身の能力を振るう事が第一の冷酷非情」なのではないか…と私、書きましたが…これもっと酷いな。 能力ゆえに世界から意に沿わぬ行動を強いられ、泣きながら友を切り刻む。 彼もまた悲劇の男でした。
「ーーなァベガパンク ボニーを救ってくれてありがとう ボニーに会ったらこう伝えてくれないか… 『10歳の誕生日おめでとう』」
この期に及んで恨み言のひとつも言わない…最後の言葉も「ありがとう」に「おめでとう」。 まさに聖者でした。
「悪いのは全部…こいつだ!!!」
くまの記憶を全て見たボニー。サターン聖にその怒りのすべてをぶつけます。
「”ニカみたいな未来“!!!」
しかしその一撃はまるで効かず…。
「その能力は私が与えた」と結構な爆弾発言するサターン聖。
「その能力はいかなる未来にも変身できるが 現実を知る度に選べる未来が狭くなっていく能力」
つまりボニー自身が「ニカなどもういない」と思い始めている…という。
更に畳み掛けるサターン聖。ジニーに薬物実験を施したのもサターン聖。その副作用が青玉燐。それは子供にまで遺伝し…。 娘を治すためにくまはその張本人に己の全てを差し出した! …救いとかないのか?!
「あたしもう…このまま死んだ方が…楽かもしれない… ごめんねお父さん」
心折れるボニー。
サターン聖に握り潰されようとするボニーを助けたのは…くま! 自我を失い、ただ命令に従うだけの人間兵器になったはずのバーソロミュー・くまが…。全てを乗り越え、我が子を助けに来た!!
五老星を殴り倒し、ボニーを抱きしめる…。
「みんなが“暴君”なんて呼んでも…お父さんが誰よりも優しくて誰よりもかっこいい人だった事…!! あたしが忘れないからね!!!」
意外なスピードで再生し、くまに襲いかかろうとするサターン聖。
「ボニーちゃんが悲しむことすんじゃねェクモジジイ!!」
乱入するサンジ、フランキー! 更に割り込む黄猿!
「心が持たんか 悲しい男じゃのう黄猿…」
「みっともねェよな…もっと濃いのをかけて来るんだったよ サングラス」
サターン聖はエッグヘッドに”バスターコール“を発動! 「正義の名の下に全てを焼き尽くす!!」と宣言!
「私さえ殺せば済む話じゃないのか!?」
食い下がるベガパンクに、“空白の100年”の何かを知った者が万にひとつも逃げ出しては困る、とサターン聖。
「貴様が巻き込んだのだベガパンク!! オハラと同様に法を破り!! 探求の欲に勝てず過去を掘り下げた…!!」
退避を始める”麦わらの一味“。
チューブ状の“真空ロケット”で逃げるアトラス、フランキー、くまとボニー。チューブを破壊され空中に放り出される!
「”パシフィスタ“ ボニーとくまを撃ち殺せ!!!」
サターン聖の命令。一斉にビームを上に向けるパシフィスタ。ボニーが叫ぶ。
「撃たないで!!お父さん!! あたし達をこの島から逃がして〜〜!!」
…パシフィスタ全員がターゲットを変え、軍艦にビームを向ける…!
ベガパンクは極秘にパシフィスタにプログラムを追加していました。 ボニーがくまの手によって殺される…それだけは起きてはならない、と。
「だから私は…くまの姿をした全ての個体にプログラムした…!! たとえ世界最高の権力で任務を言い渡されていても ーーたとえ世界を敵に回しても ボニー…!! 「くま」はいつでもお前の味方じゃ!!!」
もちろんそんな裏切りを許すサターン聖ではなく、ベガパンクを自らの手…針で貫通!
更に黄猿が上空に追いつき、くまごとボニーを斬り裂こうと…。
「あっひゃっひゃっひゃ」
“ニカ”を再起動したルフィが割って入ります。その”太陽のリズム“を見上げるボニー。
「気づいておらんかったのか 私もこの目で見て確信できた くまが目をかけたあの“麦わらのルフィ”こそ”太陽の神“『ニカ』だったのじゃ…!!!」
死にかけのベガパンクが語る。
「『バスターコール』など無駄じゃ 何百年も彼を待ち望んだ者達が 世界中におる!!」
その待ち望んでいる者達の一部がエッグヘッドへやって来ました。
「ガババババ 迎えに来たぞ“麦わら”ァ!!」
「ゲギャギャギャギャ!!! ”太陽の神“よォ〜〜〜〜!!!」
ドリーとブロギー! 巨兵海賊団!! エッグヘッドへ乱入する…ルフィたちを逃がすために!
他のメンツを逃がす為、ルフィは一人でサターン聖と黄猿を引き受けます。
「おまえらは!!! 逃がすわけ…ねェだろ…!!!」
…流れ弾を食らい、ついに命の灯が絶えるベガパンク。その瞬間、世界中の電波がジャックされる。
「世界〜〜世界ぃ〜 応答せよ… 私はDr.ベガパンク しがない天才科学者だ…! ーーこれから残すメッセージに皆驚くと思うが それが世界の「真実」である…!!!」
常々「人の心がない」wと称されている尾田先生ですが、これ逆ですよね。人の心があるからこそ、人がどこでショックを受けるか熟知している。今巻ならお子さんがいらっしゃるからこそ、こんな濃密な親子の悲劇が描けるに違いない訳で…いややっぱり非道いことには違いが無いんじゃないですか…?
巨兵海賊団が加勢に来てもまるで安心出来ない五老星参戦。ここまで進んできた「ONE PIECE」の中でも群を抜いてバケモンなのが恐ろしい。ここへ来てまだ抽斗がある尾田先生も恐ろしいですが…。
五老星の名前がそれぞれ火星、水星、金星、木星、土星に対応しててルフィが“太陽の神”ってことはイム様が月かな…?
-
出禁のモグラ 7巻

さて作中では夏も終わりかけ。「詩魚ちゃんに宿題をやらせる」…いや違うな。本人はやる気充分なんだけど理解する能力がない…という、ほとんど進まないのに本人があきらめないから終われない無限地獄w をメインキャラ総出で終わらせ、続く行事は夏祭りです。
と言っても抽斗通りの奥でやってる物凄く妖しいヤツw
真木と八重ちゃんが見つけた夏祭りのポスター。
「入るのは自由だから止められない だが迷わない方法を知らないと迷うから気を付けろ」
毎度の事ながら脅してくるモグラ。深入りしなければ楽しめる、二人はこういう所を見つけ易くなっているから経験しておくのもいいかも。
二人にお面を渡す。
「祭りで面をつける意味は知ってるか? 『オバケと人間の境をなくして無礼講』ってことだよ」
お面つけた3人で繰り出すお祭り。出店もどこか変なのばかり。でもここで行われている事自体は別に怖いもんじゃない、とモグラ。
「オバケってのは意外と怖くない奴の方が多いぜ 逆に根っから怖いのは神様だ 『触らぬ神に祟りなし』って言葉が有名なこと自体 日本の文化を表してる」
更にモグラが言及するには
「狐面には気を付けろよ あいつらボるから」
いわゆるヤバいもんの象徴らしい。
「お兄さんお兄さん 一曲どう?」
モグラが離れた途端に真木に声をかけてくる狐面…?ルチャドール? ともかく胡散臭い露天商。なんかいろいろしたり物を渡そうどしてくる。 一緒にいた八重ちゃんなんか
「いや いらないです! どうも!」
きっちり断って即離れて行ってしまうw
うだうだしてる真木をモグラが気付いて引き剥がしましたが、憑いてるマギー君が試供品といって渡してきた「線香ビスケット」なる胡乱なアイテムを受け取っていて…。
翌朝、真木のスマホに「心霊駆除システムが作動しました」とかクソ胡乱なメッセージから暗証番号の入力を求められ…完全にワンクリック詐欺の手順じゃん!
まんまと銀行預金を全部抜かれてしまう真木…オバケでも金欲しいんだ?!
「そりゃそうだ! 人間も化け物も欲しいのは金だ! 今日び人間の魂なんかよりずっと汎用性が高い 俺は魂(の灯)の方が欲しいけどな!」
現代に対応してくるオバケ…。
この現代版「狐に化かされた」案件解決のため、もう一度狐面に会って詰める、とモグラ。 祭りは二日間やってる、狐面はカモをナメてるのでおそらく今日も出店してる…。
「つまり 今すぐ行くぞ」
狐面のところに行き、向こうが完全にシラ切るつもりとわかると
「…じゃあその話はもういいや 丁半やっていい?」
暴力なしで金を取るなら賭けだろ、と。
「おっ!そう来る!?いいじゃねぇの! そ〜いう腐れきった考えの厄介 嫌いじゃねぇンよ!」
…結局この勝負はモグラボロ負け。
「でもこれであいつは・ギャンブルに目がない ・取れそうな現金を目の前にすると目の色を変える ・十中八九借金持ち だらしない反面 生活に『緊迫』がないと飽きる そして今日一日中あそこに堂々といるつもりだ ということがわかっただろ」
…プロファイリングしてた!
で、再度祭りに乗り込む事になります。現金を用意するために、回り回って猫附の息子の方に頭下げてw モグラさんちょくちょくこういうブライド投げ捨て系の行動取らされるなw
「さっきの続きだ まず10万円から 同額賭けて勝った方が総取り希望」
柳の葉が一分間で何枚落ちるか…とかたまたまあった双六などで勝負していく…その実は幻術含むあらゆる小細工使いまくっての問答無用勝負!
そして三戦目。モグラが賭け金を積む。
「これで全部 ちゃんと全部本物」
「……!? …カ カネが こんなにたくさん…」
「280万 とあと小銭」
狐面も一瞬呆気にとられる大勝負!
狐面がモグラに手玉に取られてる感ハンパないです…。 まぁモグラさん人の間で数千年間揉まれて来ている訳ですから、この手の駆け引きの経験は圧倒的。 真木がモグラに包み隠さず相談した時点で勝負は見えていました…。
しかし巻末の原作者江口先生と京極夏彦先生の対談、京極先生の推しが葉鶏頭さん、ってのがピッタリすぎてw 両先生の作品って何か似ているのですが、やっぱり通ずるものが多いのですねw
-
ファントムバスターズ 2巻

「男子高校生の日常」…もとい「ファントムバスターズ」w めでたく2巻目です。
何も考えずに「鎌倉で適当に霊喰って遊ぶ」とかゆるい事考えてたモガリですが、よくよく確かめると…
「一年で千体除霊するという約束です…」
「一年で千体て一日ニ・三体っしょ? いけるいける」
…それがどのくらいのペースなのか感覚が掴めませんが、これ言ってるときのモガリの表情から見るとけっこう無理目な目標のような…。
「大丈夫?毎日『祓える』霊見つかる?」
コレシキからは(オカルトなのに)非常に現実的で事務的な懸念が出たりw
で、この話を思い出させたのが十年修行を終えて山を降り、モガリの様子を見に来た宍喰野の傍流、歛(レン)。
しかしこの歛、1巻ラストで「モガリを始末してこい」と命令されてるその人でして…。
ただその暗殺計画ですが
「まず用意した鍵でそっと侵入し…出会い頭に刺す…! シンプルかつ最善…!」
…あぁこの子真面目だけど可哀想な子だ…。
こんな杜撰な暗殺計画が上手くいくハズもなく、それどころか修行以外ほとんど何もしていない歛を遊びに連れて行く事に。
「誰に頼まれた〜?」
二人きりになったところで唐突に歛に切り出すモガリ。 気付いてた?!
しかし暗殺を唆した分家に逆に感謝している、とモガリ。十年修行を回避して高校生活出来るんだから、と。
「おかげで仲間と部活したり テストがどうだったとかくだんねーこと言ったり 徹夜でフラッフラになりながら遊びに行ったりできる そういうのが俺には必要なことなんだよ」
「でももし分家の連中がファンバス(あいつら)に危害を加えたりしたら…俺はお前らをぜってー許さねぇぞ」
激しいところを見せながらも
「他の殺し命じられたことある?」
「…いえ」
「じゃあ他人は殺すな 絶対だ! フツーが欲しくなった時 取り返しがつかねぇ! これは俺からの命令な! 親父の命令に背けとは言わねえけど 俺も殺されるつもりはねーぞ!!」
…つまり自分の命は狙っていい、と。歛の人生とその誇りを否定するつもりはない、と。
どんだけ懐が広いのか…。
「不思議な方ですね… 言いつけ通り貴方を殺すべきか…私は今…とても迷っています」
結局歛はモガリを暗殺は果たさず…モガリにアパートの隣に引っ越して来ましたw
「だってまだモガリ様がいくつ霊を喰ったか確認してませんし…」
「私ももう少し東京や鎌倉を散策したいですし…」
歛くんすいぶん緩くなって…。
というわけで命を狙われながらもファントムバスターズの新メンバーが増えた感じでしょうか。
対抗組織っぽい生徒会も出て来ましたが、これ壱宮生徒会長がガワだけクールなガチオカルト勢だったりしてw これライバル関係にはならないよなぁ。
まぁこれはこれで「なぜかファントムバスターズに都合がいい展開」が続く理由付けには出来るかなw
ファントムバスターズのおバカな高校生活を見つつ、各自の家庭の事情を明かしていく感じですかね。 ギャグ寄りにシリアスのアクセントがいい塩梅なのでこのまま行って頂きたいです。
なんでファンバスと生徒会のそこそこ真面目な対立が大食い勝負に発展するんだよ…w
-
ダンジョンの中のひと 5巻

地下10階へ降りたクレイ。いきなり短剣の封印が解ける。階段の途中でw
この…なんだろう?ベルが関わっているだろうところだけ妙に雑なのはw
で、分かった短剣の能力とは
「溜め込んだ魔力を使い 刹那の間 速度を向上させる」
つまり父…ブランスが消えたように見えたのは、目で追えないスピードで動いたから? 使えればすごい便利ですが、クセも強そうな。
10階の探索は後回しにして一旦戻るクレイ。
で、よく考えるとベルはこのブランスを倒して仲間にしているはずで…。
「ご推察かと思いますがブランスさんはわたしが声をかけて雇いました」
「雇ったのはクレイさんを倒していただくためです」
…最終的にクレイを仲間にするのが目的?
そんなに大事なのかクレイは? ブランスとの契約自体「クレイと対峙するまで」という条件だったらしい…。 クレイ本人はラスボスベルを倒してダンジョン制覇することしか考えていないので気にしていませんが。
モンスターたちの要望調査の一環で鍛錬場にも入りびたるようになったクレイ。ダンジョンで戦った相手に逆恨みされ、対戦を持ちかけられ…
「俺らが勝ったらあんた ここの仕事を辞めるってのはどうだ?」
しかし父ブランスの動きを経験し、短剣の効果も活用したクレイの敵ではありません。
強くなってる…。
装備も新調し、新たに地下10階に挑みます。
モンスターが強いのは勿論ですが、問題は罠。魔法を利用した罠が仕掛けられており、魔力感知等が出来ないとまともに進めない。
「ベルは私に魔法が使えると思うか?」
勢い余ってベルに聞いてしまうw
「あ えと えーと…ですね クレイさんにはクレイさんのできる事というか適性というかそういうですね…」
「できないと言ってくれていいぞ」
魔力を感知できる道具を探して街へ出てみたりもしましたが
「無理だね 宝箱発見器みたいなもんじゃないか」
…確かにそうだ!
宝箱の中身の在庫管理も携わるようになって、魔力付与されたものを見分ける必要性も増したクレイ。魔力膜を修めているなら肌で魔力を感じる方が合っているかも、とベル。
「魔力をひっこめるんです」
このよくわからない助言で何か掴んだ様子のクレイ。 やっぱりダダモンじゃないなぁ。
ブランスはギルドマスター レンヒリンジのところへ。
二人は昔馴染みらしく、試合をしたりしてますが…このおっさんブランスと互角!? 今のクレイとも普通に戦えるのでは?
レンヒリンジの奥の手をクレイと同じような動きで避けるブランス。
「今のは俺なりに真似たもんだが『魔力を使った体移動』って感じか?」
魔力を消費するし使い所も難しい…なのにクレイは何度も使っていた。
「なぁ爺さん 問い詰めるとか暴くとかじゃねぇ 知りたいだけなんだが あいつは クレイは何者なんだ?」
ブランス本人もクレイの素性を知らなかったのか…ちょっと意外。
これとベルがクレイ確保にこだわっていた事実を加味すると…クレイってベルの同族なのでは?気づいてないだけで魔力も常人の数倍あるようだし…ベルの懐き方も納得いきます。
クレイとお揃いの髪飾りを貰って涙を流すシーンとか、「同族と心が通じ合った」事を喜ぶ意味もあったのかな…とか。
ストーリーの先も楽しみですがアニメも楽しみですね! もうすぐ放映開始です。 ダンジョン探索ものとか最近は出来がいいですからね。期待してます。
-
巨神姫戦記 3巻

魔神と魔獣がシデ原に集った神と巫を襲う。
このままでは多数の魔獣に押し切られる!
ツチマルはアキツへ救援要請をする為、鸞を飛ばす。
「脱出するんですって!? どうする気!?」
カグルリヒメに策を持ち掛けるツチマル。
「よくこんな神使いの荒い策を思いつくものね」
まぁまぁ武断派のカグルリヒメが鼻白むその策とは…。
「ユガチ巫浮上! 船首回頭廿五進路北西 目標アキツ巫 穿鑿刃順回転 機関最大 最大舟速」
魂の奥に潜む少年が暴れだしそうな発進シークエンスwからのカグルリヒメ全力稼働で…シデ原を囲む山の一角をぶち抜く!
「山が塞げば割って通る 谷が阻めば塞いで繋ぐ アキツまで直進する!! 我に続け 我が進むそこが道だッ!!」
魔神に相対するホムラヒメ。
「お前 お前の荒々しい神威」
「!?」
「お前はーー魔神(コチラガワ)だろう? 何故神の真似事をしている?」
ツチマルが出会った頃のホムラヒメは言葉も喋れず獣之ようで…まさに魔神のごとし。
アキツの領域へ逃げ込んだ巫々の後を追い、逃げ回るホムラヒメ。自分に疑問を持ちながらも、迎えに来たツチマルの姿に顔を綻ばせる。
「あくまで人に支配されるを望むか…人間共の下らん神話を信じるか? 力を抑え込んで何になる 脆い人間も脆い剣も捨て去れ」
ツチマルの鍛えた剣を振るうホムラヒメ。
「ツチマルと私の剣は汝などに負けずや!!」
しかし剣は魔神の持つ赤い槍に叩き折られ…刺し貫かれる!
助けに割り込むツチマル。一瞬で破壊されるツチマルの甲冑!ツチマルの危機に限界を超えて炎を出すホムラヒメ!
「そうだ!!それでいい!! 感情の侭に力を振るえ!!」
喜ぶ魔神。仲間を増やしたいのか。
「退き際か…だが 我は再び臨る 更に数多の獣らと共に」
姿を消す魔神。 倒れるホムラヒメ。
魔神の持つ赤い矛はカヌチが作ったもの。ショウジョウに人を食わせ、魂を固定した赤い鉄をカヌチが鍛えて…。 無理が祟ってカヌチとショウジョウは死滅。つまり魔神の矛はカヌチの最期の作…最高傑作! それを超える剣など打てるわけがない、と落ち込むツチマル。 立ち直らせたのはやはりホムラヒメでした。
我を失って剣も何もかも燃やしてしまった、ツチマルの身も危うくした…と塞ぎ込むホムラヒメ。
「ルリ…私は…魔神なるや…?」
「タケホムラヒメノミコト 貴神を魔神呼ばわりした事 撤回して謝罪する」
カグルリヒメの正式な謝罪。生まれが何であろうとも身を厭わず人を守る為に戦った事は尊い、と。
「ルリ 私は神に成りうるや?」
「もう立派な神よ」
ツチマルの為に神たらんとするホムラヒメ。まるで届かぬ剣を作られ、追うべき相手も既に亡いツチマルを叱咤します。
「汝が怨みの為に剣を打ちしことは知りぬるや されど怨憎のみにはあらざりしことも」
ただ剣を打ちたい。カヌチという名匠を超える剣を打ちたい!
「共に剣を造らむや」
立ち直ったツチマル、アキツに集まった巫々の鍛冶師たちを前に
「これから俺の持つ業を全て明かす あんた達も全て明かしてくれ のんびりと業を盗んでいる暇は無いのでな」
集合知で赤い矛に対抗するつもりです。なんとか剣を鍛え上げるツチマルたち。
新たに魔獣を増やして攻め寄せる魔神。魔獣たちを引き剥がし、魔神にはホムラヒメが当たります。
「まだ普通の鋼を使っているのか?」
「ただの剣などにあらず!ツチマルが!巫々の鍛冶師らが!神達の為に造らえし剣なりや!!」
「人は神達の力を用い新しきものを生み出す 人は私らの神能に意味をもたらす 私はその絡合(ひもろぎ)を守る!!」
激しい打ち合いの中、赤い矛が…曲がる!?
「金属は熱さば柔らかくなる 知らざりや?」
ホムラヒメの炎!
「カヌチ お前は確かに古今無双の矛を造ったーー だがお前が真に職人ならばたった一振りの矛を完成させたことに満足して死ぬべきではなかった 職人はそれを使う者の為に器物を作るのだから」
剣は矛と絡んで吹き飛ばされ…ホムラヒメはルリから託された短刀を抜いて刺す! 倒れる魔神。
魔獣の統率は乱れ、押し返されていく。神と人の勝利です!
人の魂で作られた鋼はホムラヒメの手で焼かれ、消滅していきます。それは人を犠牲にするものではなく、人と繋がり、助け合って作り出すものの方が強いと言うかのように。
二年後、ホムラヒメが自らの巫を構え、船出するところで物語は幕を閉じます。
もうちょっと見ていきたかったですが、「巨神姫戦記」終了となりました。
ホムラヒメとツチマルの関係とその成長は描き切られていて満足ですが、神と魔神の生成、魔獣とは何か…など物語の根幹に関わる設定は明かされずじまい…いくつかは予想出来ないでもないですが、それを話しても詮無い事。
…いや続編の期待もあるか!w
神として一人前になったホムラヒメと長として落ち着いたツチマルが若い神を導く…イイw 期待してますきしだ先生!
-
瀧夜叉姫 陰陽師絵草子 6巻

「まず聴いておきたいことがあるのですがね 此度のことは初めから法師の差し金だったので?」
雲居寺の浄蔵法師を訪ねた晴明と博雅。晴明いきなり切り込みますw
「将門様の首を盗んだのは法師ですよね」
「は 晴やん!! なんちゅうこと言いだすねんな!!」
「うん 儂が盗んだ」
ぶっ込む晴明。慌てる博雅。あっさり認める法師w
首だけになっても喋るなど生者の法にも死者の法にも背くもの。 法師はその首を焼いて灰にして隠していたのでした。
焼く、と言ってもかの将門公です。一筋縄ではいかない。護摩壇に焚べても髪は燃えるそばから生えてくる、皮もろくに燃えない。火の中で笑い続けた首がようやくうめき始めたのが五日目。九日目に堪えきれずに暴れ始めた首を法師の法力が抑え込む!
「今 意味を持った…! あの餓えたように修行に明け暮れた日々が…!! 何故儂ほどの天才がこの世に生を浮受け 本領を発揮することもできぬまま今日まで生きてきたのか…すべては今このときのためであったのか…!! 感謝するぞ将門殿!!!」
いろいろ鬱屈も溜まってたのかな浄蔵法師…。 その全力が明王やら四天王やら召喚する別次元バトルなんで…そりゃ生半可な相手には使えないよなぁ。ほぼ怪獣大決戦ですから。
首が抵抗力を失い、完全に灰になるのに二ヶ月…。 ようやく気を緩め、法師が意識を失った隙をついて護摩壇に侵入する何者か。最後の力を振り絞っての法師の抵抗で不審者は逃亡。 彼らは首を焼いた灰をかなりの量持ち出した様子。
「なるほど…残された灰をうかつに処分できなくなったというわけですね」
残った灰を手元に置くしかなくなった法師。
その後しばらくして、東国のあちこちに他の死体と混ぜて埋められた将門の体が盗まれている、という情報が。
あぁ、それで鬼たちに屍体を集めてこさせてその中から「当たり」を探し出す…1巻のシーンに繋がる訳ですね。
「さて晴明殿 そなたももう気づいていよう」
俵藤太の刀、黄金丸。その能力は「斬られれば二十年間その傷は塞がらない」。
そして将門が黄金丸で斬られて今年で二十年…。 このタイミングで将門の体が集められている。つまり…。
「何者かが将門様の蘇りを企んでいるーー」
さて、重要性がいや増した残りの灰ですが…法師の手元に置いておいても何かと不用心。
…で、たまたま相談に来た(何も知らない)小野道風に預けた、とw
道風は法師作の『尊勝陀羅尼』の札を持っていまして…そのおかげで「鬼の難を逃れた」代わりに陀羅尼の札が焼け切れてしまったとか。 で、もう一筆書いてほしい、と道風が法師の元に来た時に灰も一緒に渡した…。
「これは持つ者を鬼の害から守るものじゃ」
一応別のお札…『大威徳明王大心咒』を入れてある…嘘は言ってないw
中身を知れば験力がなくなる、他人に言っても験力がなくなる、だから誰にも見つからぬところに隠せ…酷えな法師w
で、そもそも道風のお札が焼けた原因が何かというと…
「西ノ京の破れ寺で女と逢うていて鬼の群れに出会ったそうな 可哀想に女は喰われ道風殿のみ助かったというんけだな」
一巻の屍体集めの時じゃねーか! あのとき喰われかけたのが道風か!
因果は巡る…。 こちらの打つ手としては道風の身辺警護強化と同時に灰の回収。既に「道風が何か持っている」ことはバレているようで。
もうひとつ、疱瘡で伏せっている平貞盛が行方不明になった、と。
「先だって“じかん”についてお伺いいたしましたがーー今また同じことを問います 児干について なにかご存じではありませんか」
児干。胎児の肝臓を取り出して喰らう民間療法。悪瘡治療として貞盛か行っていた…。
懐妊した女を攫っては腹を割き、児の肝を取り出していた。それを怒るでも泣くでもなく淡々と為すその姿はすでに人とは思えず。
「…なんだな…人の肝というのは…あれで存外美味いものであったな…」
この児干を薦めた医師祥仙がおそらく興世王。
この児干も徐々に効きが悪くなり、間隔が狭まっていたところ…。
俵藤太も巻き込んで貞盛を捜索する博雅と晴明。 屋敷出入りの炭焼きの妻が身籠っている、という話を聞き、その炭焼き小屋へ。
「…いるな」「はい おられますね」
外には炭焼きの屍体。入口には女房の屍体。囲炉裏端で何かをクラッテいるのは…。
「ち…父上…」
「維時か…? どうじゃ…顔は戻ったか…?」
あばたの拡がったその顔。
「おああおおぅ…か…痒い…」
顔を掻きむしる。あばたが千切れて。
「おお…なんじゃこれは…喰われる 喰われる…喰われ…」
「むうう…そこにおるのは…俵藤太ではないか…? 久方ぶりじゃのう…」
疱瘡頭の下から現れたのは瞳が三つある異形…将門!?
将門復活の贄に貞盛を使ったのか…。祥仙が持ち込んだ塗り薬が灰か…児干は高潔な武士だった貞盛の精神を貶めるための揺さぶりか。酷い事をします。
たくさんの人が必死こいて滅した大怪獣、平将門が外法使いまくりとは言え、割と即座に蘇ってきます。あとは右腕と道風の分の灰が手に入ったら完全復活でしょう。 揃えさせないよう立ち回るのか、完全復活させて晴明と怪獣大決戦と洒落込むのか。
読む方としてはどっちでも面白いなぁw