• 逃げ上手の若君 15巻

    「雑魚に用はねえ! 桃井直常様の恋路を邪魔する奴は撲殺あるのみ!」

     恋愛と戦をごっちゃにして力ずくでどうにかしようとする桃井。亜也子と直接打ち合うのはちょっと違うと思うんですが…w

     顕家の援護射撃で桃井を参道の下まで追い落とす亜也子。

    「さて 桃井の転落突撃で…一糸乱れず登ってきた時行軍の隊列を大きく乱した これが一手目です」

     家長の策略。桃井が負けて山を下る事まで計算に入っているとは…神算鬼謀て奴ですね。

    「そして二手目」

     家長が出してきたのは…北条泰家その人!

    「叔父上ぇッッッ」

     時行が雌伏していた間も反乱を手引していた泰家。 しかしついに家長に捕らえられ、人質として使われてしまいました。

    「降伏せよ北条時行! さすれば泰家の命だけは助けよう!」

     時行にしてみれば生き残ったただ一人の血縁者。動揺しないわけがありません。軍の勢いが止まり、家長がその隙に攻める!

     時行を守る小次郎には、更に強化された改造人間長尾景忠が!

    「どうすればいい!? せめて時間を 考える間を!」

     フリーズする時行に長尾が迫る…!

    「お久しゅうごさいます狐次郎殿 時行様 新しい旦那様 どうかシイナにご命令を」

     そこに間一髪割り込んだのが…正宗の元で新しい武器を得たシイナ! 足に付けた巨大な刃で長尾と渡り合う!

     将を止める事で何とか持ち堪えている時行軍。もう一手…泰家の救出さえできれば形勢は変わる…それを果たしたのが顕家と玄蕃たち!

     顕家の剛弓で泰家が吊るされている柱を折り…。

    「泰家の旦那を吊る柱ごと…三人の重みで滑り落ちろとよ」

    「無茶苦茶だ あの公家」

     玄蕃と夏が泰家を乗り物にしてw石段を降りる!

    「受け止めよ」

    顕家麾下の武士たちが無理矢理止める! …正に無茶苦茶ですが泰家救出は成功!

    「あっはは こりゃダメだ この戦力差じゃとうしようもない」

     援軍が集まってきて不利と見るや撤退を命令する家長。上杉憲顕に軍を任せ、自ら殿を引き受けます。

    「私の頭脳は遠い未来まで読む事ができる 百ある策の見せ場はここからです」

     その策とは…自身が死ぬ事で敗走の全責任をとり、上杉に後を託す…というものでした。

     彼の凄まじいところは複数用意した策のひとつとして普通に自分の命も駒として組み込んでいるところ。そして時行と相対したときの己の感情…怒り、復讐心までも利用しているところ。

     「銀河英雄伝説」のオーベルシュタインか「刀語」のとがめか…ってとこですね。

     一騎打ちは上を取った時行が「二牙白刃」の応用…敵の視線が集まる位置で相手の場所を知る「千眼白刃」で家長を仕留める!

    「全てを防ぐ鉄壁の盾も 全てを貫く軽い刀も 師から教わった逃げ上手の技はどんな対策も飛び越える!」

     …生まれた時代が違えば幸せだったのか、少年と言える年齢で重責を担って戦うのは不幸なのか。

    「…なあ時行 いつの時代を生きるのが幸せだ? 何歳で死ぬのが幸せだ? 僕は今だ 十七だ」

     斯波家長という男が精いっぱい生きた事は間違いないと思います。

     足利の関東勢力を下した時行たち。再び鎌倉の地を踏みます。そして南朝の軍として北畠顕家と共に京へ向かいます。

     正宗に再会して武装の強化を図ったり、人間関係を再確認したり。

    「若様を正室に獲られる前に…二人で山分けしちゃおうよ」

     …十二〜三くらいだよね亜也子ちゃん?! 条例に触れるよ…いや南北朝時代に条例は無いか…?

     尊氏の手をことごとくすり抜ける時行に徐々にイライラを募らせる…。 バケモノを”人“の領域に落とす、という目的は進んでいるようです。

     ピンチには必ず助けが現れる時行ですが、その助けは降って湧いたものではなくどこかで積み重ねたもの…時行自身が引き込んできたものです。人の繋がり…絆こそが人の力であるなら、時行こそ神の力の収束である尊氏を止めるにふさわしい者なのかも知れません。

     ですが尊氏と戦う前に高師直…いや師冬もとい吹雪と対戦しないといけないんだよなぁ。

  • 僕のヒーローアカデミア 40巻

     黒い強化服にサポートビークル…まんまバットマンwなオールマイトが表紙の40巻。 終わりは近いです。

    「肉体の大きな損壊を繰り返すと寿命が加速していくとするならばーー あの“個性”で一気にーー」

     装備を壊しながらもAFOの攻撃をいなすオールマイト。

    「笑顔が消えてるぞ!それじゃあ臓腑の欠けた只の老骨だ 若者の”個性“を上っ面だけ模倣し自身を介護させてるだけの!」

     圧倒的なパワーでオールマイトを叩き伏せる! 衆人環視の中で平和の象徴を壊す…。

    「わかっちゃ…いないな…!! 親友…!!」

    「人は明滅するのだ 私の灯が消えようとも 私の灯を受けた誰かが照らすーー」

     その光に照らされた者は自らも輝こうと足掻き…。

    「彼らの光により強く追い縋れる…! 輝きたいと腹の底から思える!!!」

     青山が光る。葉隠がレーザーを集約!

    「待ってたぜ!!ヒーロー!」

     あぁ、葉隠の個性は“光の屈折”…青山との相性は最高だ!

    「そうして闇がりは照らされ!私もまた瞬けるのだ!! 負ける気がしないぜ!! AFO!!」

     装備を次々壊し、それでもAFOにダメージを与えていくオールマイト。とっくに限界を超えていますがほぼ精神力だけで保たせています。

     しかしAFOも若返り続け…。

    「笑顔を忘れたな 親友」

     攻撃を加えようとしたAFOの身体が…止まる!

    「血は等しく赤い 征け!! オールマイト!!」

     …ステイン! 歪んだ正義だがオールマイトを認め、手助けに来た!

     しかしAFOは即座に対応!「抗原変態」血を書き換える…そんな事もできるのか!

     個性「凝血」を奪うついでにステインに一撃、返す刀でほぼ装備のなくなったオールマイトに一撃!

    「俊典!!まだ紡がれてるぞ!がんばれ俊典」

     お師匠…志村奈々が、サー・ナイトアイがオールマイトを励ます。 …幻覚だ。

     サポートアイテムも脚ももう使えない もう戦えないよ

    「でも まだ死んでない」

     這い上がる…!

     しかしAFOは死柄木とのドロワープ圏内へ。

    「弔に『僕の個性(ふくせいひん)』を譲渡する事で 彼は僕を超えた僕となる」

     泥ワープで緑谷と格闘中の死柄木を引き寄せようとする。

    「先生…邪魔するなよ」

     植え付けたAFOの意識は既に呑み込まれている。

    「ならば出向くまてさ」

     瀕死のオールマイトをぶら下げて飛ぶ…。

    「オールマイト助けなきゃあ!! 緑谷出久!!」

     緑谷がオールマイトを助けないわけがない! …しかし溢れそうな涙を堪え…『OFAの面影が緑谷出久の中で一足先に別れを告げた』

     ヒーローとして、すべき事を。

     オールマイトもまたすべき事を。

    「平和の…象徴に…」

     AFOに掴みかかるオールマイト。

    「もっかい死ねば せめて幼稚園児くらいにはなるかぁ!?」

     腕に残った最後のギミック…しかしそれも爆発には至らず。

    「やっと出し切ったな! 手負いのヒーローの怖さは散々教わった 君には何も果たさせはしない」

     今度こそ指一本動かせないオールマイト。高空から地面に叩き落とそうと…もう誰も間に合わない?!

     その時、軟着陸しようとする雄英の上に現れたのは…爆豪!!

     緑谷の元へ飛ぶ…緑谷は「変速」で加速して爆豪をAFOの元へ! オールマイトを無理矢理引っ剥がす!

    「爆 豪 少年…!」

    「勝つぞ!!!」

     爆豪の身体はエッジショットが繕って動けるようになっているが、動くたびに激痛が走るはず…。

    「わーってる 生かしてくれてありがとう先輩」

     ニトロを含んだ汗粒を任意の場所で爆発させる事で加速を得てAFOに追いつく!

    「俺がラスボスだAFO!! OFAに拭えねーもんはこっちで拭うってなぁああ!!」

     ズタボロながらもAFOを追い詰める爆豪。

    「こいつが手を差し伸べなければ 僕が最も憎いのは」

    「おまえのせいだ駆藤!!」

     AFOの記憶が混濁する。

     OFAの初代…双子の弟、与一に手を差し出した2nd駆藤。彼と爆豪が似ているのは偶然なのか。

    「”譲渡“を成立させる為 余力を残しておかねばならない…と思っていたがもういい… お前を殺すのもゴールも譲渡も…一括だ」

     全因解放“全ては一つの目的の為に(オール・フォー・ワン)”

     全力の攻撃を爆豪に向かって叩き込もうとするAFO!

    「爆ぜろ」

     AFOの口の中で爆発!

     ニトロの汗粒を普通の汗粒でコーティングして時間差で爆発させる…土壇場でなんという応用…!

     怯んだところに爆豪の連射!

     身体が幼くなったせいか個性の支配力が弱まり、爆発のダメージに耐えられなくなる…! 皆が与えてきたダメージと苛立ちが実を結び、遂に倒れる!!

     地に伏せるAFOの姿は既に赤ん坊… それでも進む。死柄木を支配すればOFAを奪える。あと少しーー。

    「まだ…消えねーのかよ…」

     立っているのがやっとの爆豪。 大丈夫だ…放っておいても消える 倒れようとする…足を支える。

    「っぶねえ…! 完全に勝たねーとなァ!?」

     倒れない爆豪に恐怖したか、AFOは咄嗟に刺を出す個性で爆豪を刺す。母から奪った最初の個性。

    「オネンネの時間だAFO」

    「嫌だ 感情に支配されていたんだ こんなの僕じゃない…嫌だ」

     AFOの姿は胎児に…更に戻って…消滅。

     長い長い、個性社会の始まりから続く邪悪との戦いに決着が着いた瞬間でした。

    「ああ くっそ オールマイトのスタンディングしたかったのに」

     倒れ込む爆豪。

     ナイトアイの見た未来では、オールマイトはサポートアイテムを破壊されて空中から叩き落され、死んでいた…はずでした。 沢山の人が少しづつ積み重ねる事で運命をひっくり返したのですね。まさにバタフライエフェクト。

     「これは僕の物語だ」と嘯くAFOに「そうじゃねェ」「これは俺たちの物語だ!!」と叩きつけるのが爆豪なのは象徴的ですね。 最初は一人てなんでもできる…ある意味孤独な、AFOと同タイプな人間だった爆豪が緑谷はじめ沢山の人との関わりで変わり、一人の力では到達出来ないところに至った…彼も「最高のヒーロー」に辿り着いたのではないでしょうか。

     そして最後の一人、死柄木弔との決着をつけるのは緑谷出久の役目です。「奪取」の個性を使えるようになった死柄木は、放っておけばAFOへと成長する危険な存在となりました。緑谷は彼を倒す…もとい救う事ができるのでしょうか?

  • ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース  14巻

    「ハッハハハハハハ! 攻撃せよ!攻撃せよ! さあ攻撃せよラオモト・チバよ! 父の仇がここにおるぞ!攻撃するがいい! この領域侵犯者とこのニンジャスレイヤーを!」

     ネオサイタマ境界の橋の上、アマクダリの戦力に包囲されるニンジャスレイヤーとワイルドハント。

    「ジゴクで…会おう… そう遠い再会でもなかろう! イ…イヤーッ!」

    「バンザイ…ザイバツ・シャドーギルド バンザイ!」

     自らの腹に手刀を突き立てるワイルドハント。ナムアミダブツ!ハラキリである!

     それを合図とするかのように一斉にコウゲキを始めるアマクダリの攻撃へり、ガンボート、モーターヤブ改善にクローンヤクザ! 全方位からの銃弾…をヌンチャク一本で防ぐニンジャスレイヤー!

     さすがに防ぎきれぬところにアンタイ・ニンジャ・ミサイルまで放たれ、さしものニンジャスレイヤーもこれまてまかと思われたその時…。

    「捕まれぇええええ!」

     デッドムーン駆る武装霊柩車ネズミハヤイDIII!

     間一髪でニンジャスレイヤー脱出!

     タマリバーに沈む鉄橋。 中間管理職の悲哀を全力で表現したワイルドハント=サン…。ザイバツとアマクダリの抗争をも利用した最期の攻撃でしたが…空振りに終わりました。 サラバ ワイルドハント=サン!

     ネズミハヤイには意識を取り戻したナンシーも同乗。コトダマ空間に近づきすぎた己の一部を切り離したおかげで現実空間に復帰できたとか。

    「コトダマ空間の正体を知ることが私や貴方の今後に深く関わってくると…私は思う 多分ね」

     様々な謎を秘めたコトダマ空間。いずれはその最深部 黄金の立方体に挑まねばならないのでしょうか。

     ですが今は

    「キョートに戻る 直ちに 何もかも彼の地に残したままだ 何ひとつ解決していない」

     そう、タカギ=ガンドーの死の真偽も確かめねば。

    「私も行く とことんやる気なんでしょ? 私も乗る 結局今となっては私も貴方同様ザイバツに狙われてるわけだし逃げ回るのは性に合わないの」

     ナンシーも同行するキョート再侵攻。

     その為にはユカノの記憶を取り戻してもらわなければ…。

     しかしユカノが匿われているニチョーム・ストリートのゲイバー「絵馴染」にザイバツの魔手が迫る!

    「ドーモ カワイイニンジャ=サン 私はメンタリストです」

     ユカノと彼女を護衛するヤモトが潜む地下室に突如現れるニンジャ・メンタリスト!

     メンタリストが指差すとヤモトの膝に極彩色のスリケンが刺さる!…軌道も何もなかった?

     次の瞬間、メンタリストに向かって飛来するスリケン!ニンジャスレイヤーによるスリケンアンブッシュだ!

     しかしスリケンはメンタリストの身体を水のように透過…。

    「そのなりはニンジャスレイヤー=サン フム であればワイルドハント=サンはすでに… ドーモ 私はザイバツ・シャドーギルドのメンタリストです」

    「ドーモ ニンジャスレイヤーです」

     メンタリストの身体が水飛沫めいて飛び散り…光るマネキネコに。

    「マネキネコは光りますか? おかしいと思いませんか? あなた」

     遠ざかっていくメンタリストの声。

     ニンジャスレイヤーの意識が鈍化していく。

    「…何があった? ここですべきことは…」

     ユカノがいたはずのベッドには光るマネキネコ。

    「…ユカノは先程までそこにいたはすだ…」

     精神を統一し、記憶を整理する。

    「分かる ここは絵馴染の地下室だ」

     …地下室にいたのはニンジャスレイヤーとヤモトのみ。ユカノが連れ去られた?!

     ザクロが受けた電話にはやたら正確な情報を知る者が。

    「私の名は便宜的にディープスロートとでもしておこう お前がまごまごしている間にドラゴン・ユカノが…」

     ユカノはすでに空路でキョートへの護送中だと。

    「危険だが先回りする方法が一つある アンバサダーというザイバツニンジャを探せ いいか ネオサイタマにはアンバサダー キョートにはディプロマットだ」

     この双子が持つポータルの力を使えば2箇所を一瞬で行き来出来る。しかしポータル通過者の3割は途中で超自然現象に巻き込まれ…死ぬ。

    「その賭けにお前は乗らねばならん…いいかニンジャスレイヤー=サン アンバサダーを探せ!」

     …さて、このディープスロート、正体はタカギ=ガンドー本人w キョートにてザイバツに潜り込む為、「ジャッジメント」の姿を借りて暗殺仕事を請け負ったガンドー。その暗殺対象が双子の兄、ディプロマットであり、「ザイバツをぶち壊す」という目的のもと、二人は意気投合していたのでした。

    「…俺はザイバツに入りたいんだよ 手柄を立てて… たった一人ではザイバツに立ち向かおうとするバカのためにな」

     その能力故にマスターニンジャ「イグゾーション」に騙され、親を殺されながらそのイグゾーションの元で修業していた…体よく騙されていた事がザイバツ離反の原因でしょうか。

    「イグゾーションを殺したのは俺だ」

     ガンドーの告白。腹を割って話す、という約束を愚直に守るガンドーを信じる事にしたのでしょうか。

     弟アンバサダーが得たユカノ誘拐計画の情報をテレパシーでディプロマットが共有、ガンドーに話し、ガンドーはユカノの護衛にニンジャスレイヤーを送り込む事を思いつき正体を隠して連絡…ややこしい事してるなぁw

     しかしユカノはザイバツの手に…。

     ネオサイタマにいるアンバサダーの元には早くもメンタリストが!

     目的を達成したのでキョート撤退の辞令を渡しに来る…との触れ込みでしたが…まるで信用できない!

     何せメンタリストのジツとは、幻覚をみせて現実を誤認させるゲン・ジツ!その力場の中ではカラテ防御も役に立たない…。

     ゲン・ジツを破るには、力場内に出現する『幻の兆候』を発見し自覚で幻覚を打ち消す…しかない!

     戦う覚悟を決めるアンバサダー。

    「まずは辞令を受け取れ アンバサダー=サン 本物かどうか確かめては?」

     …ふと見ると道場に飾られたフクスケがタキシードを着ている? ゲン・ジツだ!

    「何か御戯れをなさっているのでは…」

    「はて?」

     …フクスケがカミシモを着ている。 ゲン・ジツが解かれた!

     殺すつもりなのかふざけているだけなのか、ジツと言葉両方で虚実入り交じる…一瞬も気を抜けない対峙!

    「ほら あのダルマ なぜダルマが素足で立っているのだろう」

     ゲン・ジツに囚われている! いつのまに?!

     ポータルの能力を持つ二人をゲン・ジツに取り込んで、ムーホンの可能性なく完全に管理するつもりか。

     キョートの兄ディプロマットの元にもひとりのニンジャが。

     護衛の名目で茶室に上がり込んだニンジャチェインボルト。

    「熱いチャだ 早く」

    「…ドーゾ」

    「いや 今思ったがやはり冷やしたチャがいい やり直しにしろ」

     「先輩」のホログラフィをこれ見よがしに輝かせ、矢継ぎ早に無理難題をおしつける…これはテレパシーに気づいていて対応をさせない為?双子の能力にザイバツが気づいている?!

     その頃、アンバサダーは助っ人に現れた炎のニンジャイグナイトの火炎で道場ごとメンタリストを焼き尽くす!

    「…アァ?面倒クセェーッ!」

    「焼いちまえば同じだろうがっ!」

     ビルのペントハウスドージョーが燃え上がる!

    「殺した とお思いかな? 建物の崩壊ごときでマスターニンジャを倒せますか?あなた」

     無傷のメンタリスト。

    「カラテの使い手を倒すにはカラテをもってせよ 違いますか?」

    「同感だ」

     上空から大上段カラテチョップを叩き込む!

    「カラテの使い手を倒すにはカラテをもってせよ つまりオヌシをカラテで殺す ドーモはじめまして ニンジャスレイヤーです」

     ゲン・ジツの兆候となるものを片端から潰していくニンジャスレイヤー。

     ニンジャ…殺すべし!

     ゲン・ジツはマンガと非常に相性がいいですね。「幻の兆候」をいくらでも用意できるんですから。ドラマとかでやろうとするとひとつひとつオブジェクトを用意しなければならないw

     連載ではゲン・ジツのネタバレしているのですが、見返してみるとキチンと能力の伏線が張られているんですね。

     「メンタリスト自らがところどころ『幻の兆候』を指摘している」…んですから。

     そうでもしないと穴がなさすぎますもんね…。

     

  • 終末のワルキューレ 21巻

    「おいで…『アルテミス』」

     糸を巻いた手甲を解き、影から何かを呼び出すアポロン。

     その女神像こそアポロンの神器“アルテミスの月影”!

     ”アポロンとアルテミスの双子神ーーー 金の弓を遣いて巨人族を斃せし也“

     アルテミスが糸を使って練り上げたのは…巨大な弓!

    「受けてみよ…このポイボス・アポロン 至高の技を」

     弓につがえたのは光。

    「至高ォ?面白ぇ 撃ってこいよ神野郎」

     構えたレオニダス。しかし次の瞬間、レオニダスの体に穴が空き、一直線上の闘技場の壁にも穴…反応できない! まさしく光の矢。

     血を吐きつつ改めて盾を構えるレオニダス。

    「まったく頑丈だな キミは」

     輝ける流星の黄金矢(アポロン・エピクリオス)

     アポロン、光の矢の連射! 盾で弾くレオニダスですが全ては無理…己の血溜まりの中に立つ…。

    「ここまでよく耐えたと讃えるよ… だかるこそーー…もう苦しませない 終わりにしようーー」

    「終われるかァーー!!」

     ほぼ勘で光の矢を正確にアポロンに弾き返すレオニダス!右手を負傷したアポロンはもう弓を引けない…。

    「ったく…讃えるだの苦しませないだの下らねぇこと言い出しやがって…そんな神サマのお言葉を俺様がありがたく頂戴すると思ったか? てめぇの相手してんのは誰だ!? この俺様だぞ!!」

    「全くひねくれ者め それでこそキミだ!! 大嫌いだ!!」

     …なんかすげぇ通じ合ってます。

    「少しは…美しくなったがね…」

    「てめぇこそちったぁ漢前になったゼ…」

     レオニダスが構えた盾は光り輝く姿から古ぼけた円盾に。

     真実の盾(マリーシア・スパルタ)

    「スパルタの代名詞ーー“重装歩兵密集方陣” その本質は防御に非ずーー 止まることのない前進 槍の如く突き進みーー敵陣を圧し潰すことにあるーー」

     アポロンは弓を解き、アルテミスの両手の間に太い綱として張り…。

    「ポイボス・アポロン 太陽の如く美しく輝きし刻ーーアルテミスの弓に自らを番えーー”銀の矢“と成りてアルゴスの防御わ撃ち崩せし也」

     自身を矢として突っ込まんとするアポロン対スパルタの意地を構えるレオニダス!

     同時に踏み出す二人。中央でぶつかり合う!

     ファランクス・Λ!

     魂を射抜く銀矢(アリュギュロトクソス)!

     結果…。

    「全く…相変わらず…腹立つ面ァしてやがる…」

     砕けたのはレオニダス!

    「お前ら ちゃんと見てたか…」

     試合を見ていたスパルタの軍。

    「はい…レオニダス様…あなたは…出会ってからずっと…ずっと…最高にかっこいいスパルタでした」

    「そうか…安心したぜ スパルタは最強だ」

     とてつもなく強い背中を見せながら消えていくレオニダス。それを支えるアポロン。

    「オーライ…ビューティーズ… キミたちは…最高に美しかった」

     ラグナロク第9回戦 勝者アポロン!!

     外見はともかく、中身は似た者同士な二人。最後には不思議な友情にも似た感情で通じ合った二人。その試合は凄惨ながらもどこか爽やかなものが残る結果となりました。

     その試合を見て呟く男がひとり。

    「…うらやましいなぁ ぼくも最期は…思う存分闘って…散りたかった…」

     沖田総司。新選組一の剣士と言われながら労咳に侵され、晩年は隊を離れて静養するしかなかったとされています。

     4勝5敗。あと2敗で人類滅亡が決定する…次の闘士の人選に悩むブリュンヒルデに沖田は自ら名乗りを上げます。

    「ボクが往きます ボクは誰にも負けませんから」

     神側。エジプトのアヌビス神が次に出る、と騒ぐ中

    「少し待てや…次は己だけェ」

     日本の素戔嗚命です。

    「あれ スサノヲも次出たかった? ざんねーんちょい遅かったね おいらの番ってさっき決まったとこなんだ!!」

    「そうか…じゃけど…次は己だけェ」

     まっったく話を聞きませんw アヌビスが根負けして順番を譲ることに。

    「次の相手が最強の“人斬り” ”沖田総司“って聞いたんでな?」

     次の試合…ラグナロク第10回戦は…

     剣術の始祖 天界最強の“神斬り”素戔嗚命! 対

     剣が活きた最後の世代 人類史上最強の”人斬り“沖田総司!

     幕末の京都を再現した闘技場で、最初と最後の剣士が激突する…!

     ラグナロクも終盤。神側一歩リードですがシーソーゲームでここまで進んでいます。 …ただ、このまま注文通りに進む訳は絶対なくw…こういう武闘会系はひっくり返されてナンボですよね〜。

     そもそもブリュンヒルデの目的が、人類存続よりは恋人ジークフリートの救出の方がメイン。しかしそのジークフリートの幽閉を決定したオーディンが何か別の目的を隠しているようで…。

    「例えば…『宇宙の始源(アルケー)』ーー『原初神の復活』とか?」

     ベルゼブブの指摘。「アルケー」というと最初にあったもの、宇宙の始まり…という意味であちこちで使われています。

     …が、このときのオーディンの狂気を孕んだ笑顔…絶対真っ当なものじゃないw

     他の作品ですが、北欧系の神様はラグナロクを起こして世界をリセットするのが本能みたいなものになっている厄介な連中…というネタがありまして。 で、宇宙を始めるには今ある宇宙を一度破壊しなければならない…要するにループ思想みたいなものがあることもちょくちょくあり。

     この辺を考え合わせると「ラグナロクを起こしたくて仕方がないオーディンが、宇宙を一度リセットする力を持つ原初神を蘇らせようと画策している。その鍵がジークフリート。ブリュンヒルデも他の神々も人類もオーディンに利用されている」という予想が成り立ちますが…どうなんでしょう?

  • 聖☆おにいさん 21巻

    「時が来たーーー… 私のかわいい子… 一刻も早く天界に帰ってくるのだ…」

     父さんこと神様の御使い…鳩が立川までやって来てイエスに助けを求めます。 まさかハルマゲドン勃発か!?

    「きゅ…急に… Wi-Fiが繋がらなくなってしまったのだ…」

     息子に助けを求めるお父さんかよ! …いやそのままかw

     相も変わらず神のパワーで強引に一般生活を送る救世主二人。「聖☆おにいさん」21巻、刊行ペースが異様に長いのも救世主ベースの時間感覚のせい?!

     その時間感覚のせいだか知りませんが妙に時間の流れが早かったり。

    「このコインランドリー… セブンから転生してる…!!」

    「ほんとだ このタイルに前世の面影がある!!」

     いやこれは普通にあるあるw

     更にブッダのお気に入りだったカフェが潰れてコインランドリーになってて、ネットを見たらその店が酷評されてて、

    「あの店が潰れたのは私のせいです…混むのか嫌で誰にもあの店のことを教えなかった… 独占欲…それを消し去るまでここで座禅をくみます…」

     思ったんですけどブッダって苦行に逃げてるだけでメンタルそんな強くないですよね?

     煩悩の元だからアクセサリーはつけないようにしてるとか言いながら数珠に異様にこだわってウンチクかたむけ、

    「どう考えても本式ムクロジこそ至高… この黒くマットな輝き…マイプレシャス…」

    「めちゃくちや煩悩うみだしてるけど!?」

     ゴラムかよw

     育ちとしてはイエスの方が苦労しているはずなんですが、ブッダよりよっぽどぽややんなのは…お父さんに過保護されてるからなんですかね? ブッダの方は割と教団やら親戚のやらかしを自分でフォローに回ってる…苦労性が身についてる感じw

     で、ブッダの母マーヤーさんの下界の別荘で、イエスの母マリアさんと二人でバカンスしている、と聞いて

    「いやマーヤーさんはお姫様だから普通だろうけど…うちの母さんは大工の嫁…一般市民だよ!?」

     六本木ヒルズが別荘なんてドセレブな生活、ストレスで死ぬ…!? とか心配していたらどうも二人共やつれていて…。

     どうもマーヤーさんの健康サプリの食事をマリアさんは苦行と勘違い、マリアさんの推しの「きよし」に会うためのダイエット(まだやってたんだ…)をやはりマーヤーさんが苦行と勘違い…。両方とも気を使って言い出せず。

    「え…じゃあ私達…勘違いでこんなにダイエット成功したの…?」

    「すっごいラッキーよね!!!」

     …イエスの方も身内のやらかしは一緒かなぁw

     そのマリアさん、聖人としてメジャー過ぎて願いが全部マリアさんのとこに行ってしまい、そこから専門の各聖人に振り分け…しなくて

    「えっ鍵があかない?ペトロの担当…なんだけど急いでるわよね いいわ私が… えっ あなたは料理が上手になりたくて…あなたは足が速くなりたいのね? 全部専門じゃないけどいいわ!!」

    「聖母 パンク寸前のコールセンターみたいになってる!!」

     面倒見がいいのも考えもので…。

     んでミカエルが企画したのが「守護スク」…守護聖人のサブスク! 見守っている天使たちが契約者の状況に合った聖人をセレクトして守護! 何考えてんだw

     お試しで入ったイエス。

    「イ…イエス大変だよ!! 洗濯物の生乾きの臭いがしなくなったんだよ…重曹でもどうにもならなかったジーンズが…!!」

     クリーニングの守護聖人ヴェロニカがついたらこの御加護…小市民過ぎない?!

     とりあえずこれでマリアさん昼休憩がとれるようになったそうですがw

     おそらくこれを描くために仏典や聖書を読み込んでいる中村先生ご苦労様ですw

     松田さんとこの畑の草むしりに弟子たちを動員したり、竜二さんの娘、愛子ちゃんの小学校通学を心配しすぎて神の奇跡使いすぎたり…だんだん天界関連の使い方のハードルが下がってきている気がする、そんな昨今。 ご近所の方々が緩いので問題になってないだけだなコレw

  • 神作家·紫式部のありえない日々 4巻

    「道長さまを 暗殺…!!?」

     たまたま伊周の道長暗殺計画を聞いてしまった藤式部の弟惟規。

     どうしたらいいかわからなくてとりあえずお姉ちゃんに相談…いや姉ちゃんもただの女房だから…。

    「お 落ち着こう 私も今考えるから…っ」

     道長は帝の子宝祈願で金峯山に参拝中。

     必死に道長のとるルートを想像し、策を練る。書付にしたためて

    「とりいそぎ詳細書いたから あんたはこれを信頼できる上司に渡しなさい できるね?」

     気が気じゃない一夜を過ごした藤式部ですが…明くる朝

    「そういえば式部さん聞きました? 伊周さまたちが道長さまを暗殺しようとしてるって」

     噂になってる〜!!

     …どうも伊周側からも噂を流している模様。そもそも伊周は現皇太子敦康親王の母、故中宮定子の兄。現皇后中宮彰子の父道長との次の皇位(東宮)を巡る権力争いな訳ですが、ライバルを追い落としたなら早めに周知して味方を増やした方がいいので、それとなく話を通していた…のですかね。

     ただ、道長一枚上手でした。 道中で文を受け取った道長。

    「どうやら 今頃都が騒ぎだしたようですよ 道長さま」

    「伊周と隆家か あーあ子供の頃は可愛かったのにな ボクは悲しいよ 甥っ子たちから命を狙われるなんてさ〜」

     全部分かってたっぽいです。仕掛けて来やすいタイミングで出掛け、兵を伏せているであろう場所をきちんと避けて…。

     さあこれで道長が生きているとなると対応を迫られるのが伊周陣営。

    「どうやら! 根も葉もない噂が飛び交っているようですねえ?」

     公に自分たちは暗殺など企んでいない、いくらても身の潔白を証明する、と宣言。デマである、としました。

     …これで伊周側は道長側に手を出しづらくなりました。権力争いとしては道長に大分有利になりますね。

     道長本人は

    「とに!かく!孫の顔!!が〜〜見たいぞおおおお!!!」

     とか言って山道を走っていましたがw

     注目すべきは藤式部が書いた策が道長がとったのと同じてあった事。それが道長やその側近に知れた事。周りの見る目が少しづつ変わって来ます。

     ひと騒動収まったところで再び彰子サロン構築の為に動き始める藤式部。赤染衛門を倫子の元から引き抜くべく交渉に入ります。

     赤染衛門本人も乗り気なこの人事。

    「くうぅ〜… やっぱりダメかなぁ 私みたいな一女房の提案を受け入れてくださるか? もしくは『代わりに源氏物語新作を一日でUPせよ!』って言われたりして…」

     結構失礼なこと考えてるw とはいえ貴族社会は上のものが絶対。藤式部の言う事なんか倫子は一顧だにしなくても全然構わないのですが…。

    「彰子が入内して長い間 子に恵まれんのは周囲の環境のせいであったやもしれん 帝にお渡りいただく機会が増えるなら私も本望じゃ」

     快く承諾する倫子。道長陣営としては彰子が少しでも早く帝の子を身籠る必要がありますから。流石参内しているだけあって倫子も政治的感覚に長けているようです。

     その政治的駆け引きの中心…帝とその子敦康、そして彰子の家族。イマイチギクシャクしていた彰子と敦康の仲が、敦康が病気で倒れた事で変わっていきます。

    「僧たちに読経を 医師(くすし)も呼びなさいっ」

     これまでの彰子にないリーダーシップをもって敦康の治療を指揮する彰子。心配して寝所に現れた帝にも

    「…私が看ます」

    「えっ?」

    「私が看ます」

     この強い意志は赤染衛門が女房に入った事による変化でしょうか。

     看病の甲斐あって目を覚ます敦康。

    「ずっと そばにいてくれたのですか…?」

    「あ…ごめんなさい こんなことしかできなくて…」

    「ううん 嬉しい…」

     わだかまりなく笑い合う二人。

     しかし敦康の実母、定子のようには出来ない…。

    「私はダメだなあ…って 何をやるにも自信がなくて 定子さまみたいにできなくて…今だって私 あなたの母になれて…るのかしら…」

    「私を産んだ母は定子さまです でも今の母はここに 今そばにいてくれる 中宮彰子さまです!」

     二人の何かが通じ合った瞬間でした。

     それは帝との仲にも変化を与え…

    「敦康は君を母だと認めているのに 君をただの表面上の妃として扱っている自分を恥じた そして気付いた 朕は定子への想いに囚われて君を知ろうとしなかったことにーーー」

     皇家であるがゆえに家族として在ることが出来なかった三人が、ようやっと当たり前の幸せを掴もうとしています。

     しかしバックグラウンドから考えると彰子と敦康はゴリゴリの政敵。これで帝と彰子の仲が良くなって子を授かることにでもなれば…それこそ家族同士で血で血を洗う政争に発展しかねない訳で…。殿上人とはある意味哀れな存在ですね。

     「源氏物語」で彰子を支えていく、という覚悟を決めた藤式部の執筆ペースが上がったり。ただ家庭教師役として、同人作家としての彼女だけでなく、その知性に注目する人も。 藤式部自身もこれまでと違う立ち位置を求められそうです。

     いや彼女本人は押しカプに萌えるのが主目的のままなんですがw

  • よふかしのうた 20巻

    「ナズナに最近 血吸われてないよな」

     ハルカ直球で聞いてきます。

    「その状態は今後も続くのか? つまり…お前はナズナの眷属にはならないのか? それともなれないのか?」

     チャランポランな癖にわりと本質を捉えていますね。

     ナズナは血を飲まなくなって明らかに弱って来ている。

    「お前がいるからか? お前がナズナを殺すのか?」

     いきなりコウをぶん投げるハルカ!

     ピアス穴を開けて咄嗟に半吸血鬼化、対抗するコウ。

    「ムカついてんだよ俺はずっと せっかく好きになれたのに血ィ吸ってもらえないことにもォ!! 知ったような口で説明不足のお前にもォ!!」

     あぁ、コウくんもいろいろたまってたんだなぁ…。

     本音を聞けてちょっと治まったのか大人しくなるハルカ。結局コウの顎揺らして意識刈って勝ちは確保するんですがw

    「お前ナズナのこと好きって言ったろ じゃあもう俺からはなんも言えねぇよ」

     ただそれでも吸血鬼にとって血を吸えないのはかなりきつい。自分を好きな人間が近くにいてそいつの血を吸えないのはなおさら。

    「…考えとけよ 別れのアイサツくらい」

    「わかってんのさ〜… そんなことは〜…」

     

    『だめだ もうコウ君とはいられない』

     きっちりあの話を聞いてたコウ。わかっていた…。

     普通に昼、学校に通う夢を見ているナズナ。あぁ、そうだよな、経験ないんだ…。

    「ほら 約束したじゃん 少し早いけど行かない?海 最後にさ」

    「ぜ、ぜったい いぐよぉ〜…」

     夜の海。はしゃぐ二人。いろんな事を話す。これが最後だから。

    「コウ君の血は吸えない お互いどうなるかわからないから」

     しばらく会わないだけでコウへの吸血衝動が消えるかはわからない。

    「だから コウ君への気持ちがなくなるまで会わない あたしはこらからきっと遠いところで人の血を時々吸って行きていく 嫌だけとまた会うためにそうする 友達として いつかまた会おう」

     朝 始発の電車で別れようとする二人。…結局二人共乗ってしまう。

    「はは…下手だね…あたしら…」

     不意打ちのキス。

    「心残りナシ! コウ君!! 短い会いたちのだったけど楽しかった! 君に会えて良かった! バイバイ!」

     走り出した電車から飛び出すナズナ。

    「コウ君!! 大好きやで〜〜〜!! わはははは」

     それきり、ナズナは居なくなった。

     …学校に通い始めたコウ。普通に勉強し、さっちゃんともいい感じになったりw、割と早めに帰って来たwwアンコの助手をやってみたり…。

     世界をフラフラしているナズナ。

    「恋とは呪い」

    「誰にかけられるの? さあ…神じゃない事だけは確かね」

     北の国の一軒家に転がり込んでいるナズナ。途中、人間に恋をした吸血鬼に出会ったり。彼女は恋人に会わないよう山奥に隠れるように住んでいた…50年間。

    「あたしは呪いを受け入れることにした 会えないのはさみしいけど仕方ない だってこの恋心は簡単には消えてくれないのだから」

    「あーーいたいた!良かった〜〜!」

     コウくん何探し当ててんのw

     1年経って会いに来なかったから探した、と。 アンコの助手で高校生探偵みたいな事をやっている、と。

     腕っぷしも強くなって、吸血衝動に負けて襲いそうになったナズナをきっちり制圧!半吸血鬼化もコントロール出来るようになった様子…。完全無欠すぎない?最終回だからってw

    「もしナズナちゃんが会いたくないって逃げるなら 仕方ないしまた探すよ」

     相手が何しても全て受け入れます宣言w 究極の愛情表現ですね。

    「コウ君」

    「ん?」

    「死ぬまで追いかけっこしようね」

    「いやっ! うーーーん…!」

     ひとりの行き場のない少年が夜に居場所を見つけ、昼に帰って行きました。 実に上質なジュヴナイルを見せていただきました。

     「吸血鬼」という存在が必ずしも悲劇の元ではない…ぶっちゃけて言ってしまうと「結構楽しくやっている」のは良かったですね。原義的にはどうしても“神に反する”要素が入ってしまうので”呪われている“側面がピックアップされてしまうんでしょうね。

     吸血衝動は…人間にだって飢えによって正気を失うことはあるだろうし、太陽に弱いのもアレルギーの酷いのと言えるかも。

     人間と好きあったら危険なのは…結婚に障害があるのはよくある話ですね…ちょっとこじつけが過ぎるか。

     いい奴がいて、変な奴がいて、危険な奴もいておっかなびっくりバランスをとりながら生きている…そんなただの隣人な「吸血鬼」が普通に暮らす世界はちょっと面白いかも知れません。

     コトヤマ先生、お疲れ様でした!

  • すだちの魔王城 7巻

     ★5を目指して奮闘中のすだち屋。リラの宣伝効果もあって客足は増えていますがなかなか…。

     ジャバラは道具屋審査員初級試験に…追試w 道に迷って試験会場に着けなかったのですが、間違って入った建物がヤクザのアジト。 反社組織検挙の功績を考慮して追試の恩情…。

    「…『実は審査に訪れた店が悪徳道具屋で、突如襲いかかられても瞬時に対応できる不殺の戦闘技術』…か なるほど 難しい試験だった!!」

     ないから、そんな試験w

     マダム=シンメトリーに合格証書を見せる!…とか結構可愛らしい事を考えていたジャバラ。しかしそのマダムは行方不明。

     根を詰めすぎて寝込んでしまったムラビトが夢に見たのは斬りつけられ、血を流して倒れているマダム…。魔王の能力のひとつですかね?

     同時にすだち屋に連絡が入る。

    「大変だムラビト」「マオさん」

    「「マダムが!!」」

     王都の病院に駆けつけるすだち屋メンバー。

    「ぐあああああッッ また外したぁぁーーッ!!!」

     病室で競馬中継見てんじゃねぇですよw

     まぁ王都には聖女シャリテもいますから、VIPのマダムは最優先で治療されますよね。流石に完全復活とは行きませんが。

    「紹介するわムラビトちゃん 私の“元教え子” 現 聖ユーシア王国女王 アンドレイアちゃんよ」

     いきなり女王と引き合わされるw

     教師というか遠慮なく話せる大人…という感じの関係だったようです。

     マダムの負傷の原因は女王からの依頼にありました。

    「私は現在 パヌルゴス前王が装着していた禁止魔道具『瞳』 そして邪竜装備『エクディキス』 これらを父に献上した者を極秘に探らせています」

     マダムだけでなくシャリテやリラも女王からの依頼を受けて動いていました。

    「そして半月前”大陸北部の廃鉱山『ゴルドワーフ山』の麓街にて怪しい闇道具屋の噂を聞いた“ その連絡を最後に音信不通となり やっと安否がわかったのは血まみれの彼女が保護されたという知らせでした」

     更にマダムは記憶の一部を失っており、街に入ってからの事を思い出せない…これは『記憶に作用する類の魔道具』を使用された可能性が高い、と。

     もう一つ、パヌルゴス王も同じような状況に陥っており、邪竜装備を作らせたときのことをほぼ覚えていない…。

     おそらく同じアイテムの効果。暗躍する闇道具屋が見えてきました。

     …無法者の間で規制魔法薬を用いた犯罪や取引が横行している、という話もあり…と言われてイメージする類の薬物とはちょっと違う、「身体能力が向上する魔法薬を服用しての犯罪」といった方向のようですがw いや笑い事じゃないのですが、いかにもファンタジーですね。

     あくまですだち屋を危険から遠ざけようとするアンドレイア。

    「女王様 ぜひ『すだち屋』に手伝わせて下さい もし『一般国民』がダメなら 同じ師を持った級友として」

     そのまっすぐさに動かされた彼女はすだち屋にもゴルドワーフ山へ向かうよう依頼します。

    「そうでした! 貴方はあのクソ親父を殴り飛ばしてくれたのでした!!」

     気に入ったのそこかw

     マオは「自身が知らない竜“邪竜”の正体を確かめるため」、アッシュは「姫の立つべき場所と責任を奪ってしまった落とし前」で、それぞれゴルドワーフ山へ向かいます。

     そのゴルドワーフ山。かつて鍛冶の種族『ドワーフ族』が栄えた山ですが、現在は鉱山も閉鎖…。

     人間魔族問わず武器防具を供給する永世中立…と言えば聞こえはいいが、実際はその職人気質で納得いく相手に納得いく出来のモノしか売らない…要するに納得いかなければ永遠にリテイクを繰り返す、というw なんだそのアーティストw

     ずっとそんな事やってたのでついに資源を掘り尽くしてしまったとか。

     そんな彼等が今運営しているのが『ゴルドワーフ玩具工場』。

    「その世界一の製作スキルで子供達を喜ばせないか?」と提案して一大玩具産業を起こした者がいたのです。

     マダムの後任の調査員、エボルシオン先輩と共に廃鉱山の管理をしている玩具工場に入山許可を取りにいく。

    「そうそう 実はちょうど”本社“からも視察が来てまして! ってことで許可してもよいですかな? アキード社長」

    「なんでムー君がいるんだぁ?」

     アキ君!w 玩具工場作ったのはラ・ストヤーデかw 手広くやってるな。

     何を嗅ぎつけたのか鉱山調査に同行すると言い出すアキード。

    「どうだった?俺が建てた世界一の玩具工場は? 見て学んだことが活かせるならいいけど! かえって心が折れたりしないでくれよ?」

    「遠く及ばない…凄い工場だったよ… 商品の生産量と質の向上を両立しつつドワーフさん達が食べていけるように仕事を提案するなんて… 本当に凄い!! 天才だよアキ君!!」

    「褒めるのかよーーー!!!」

     メンタル面ではムラビトの勝ちw

     更にここでほぼ素顔で「勇者アーサーの強火ファン」アキードに見つかる事になったアッシュ。

    「クオリティは認めるけど 酒くっせぇ体臭で『勇者』様のパーフェクトヴィジュアルを模倣するとかやめてくれないか? とっても痛くて不愉快だよ オッサン」

     全否定w

    「…へぇ〜〜 つまり俺の方が『パクリ』だと ははは… 俺が先(オリジナル)ですが?」

     いらん小競り合い勃発w

     具体的な第三勢力の動きが見えてきました。直接対決も近いですね。

     それはともかく、アッシュ身バレしたくないなら大人しくしとけよw 変なプライドだけ高いな〜。

     

  • 生徒会にも穴はある! 6巻

     海水浴旅行。ようやく海に入る一行。

    毎度の事でガチャガチャしながら楽しくやってるんですが…会長はTシャツ姿で海にも入らず。 あぁw

     人間を海に放り込む危険なゲームで会長も海にぶち込まれ

    「ぷはっ やっ…すごい…つ なんというか…すっごい気持ちよかった!」

     会長…Tシャツ脱げて…お母さんの水着着てたんすかw

     はしたない姿wを見せた会長、BBQの裏方に回って失態を取り戻そうと甲斐甲斐しく働きます。サーロインやら伊勢エビまである豪華なBBQ…伊勢エビは有栖が釣ってきたらしいですが…。

     洗い物やら一人でやってる会長を梅が探しに来て

    「星が…星が綺麗だったんです」

     三枝が開けたビールの酒気だけで酔った有栖が草原に寝っ転がって天の川を見つけて。

    「それはまさに銀の浪のようで 身たことがないくらい綺麗でした」

    「だから…そのーー会長も一緒に見ませんか?」

    「あっ…や…でも… すぐ終わらせる!先行っててくれ!」

     なんかいろいろ抱え込んで一杯一杯の会長。

    「もうっ 気を遣いすぎですよ!」

     ちょっと怒る梅。

    「気持ちは分かります…が そんな…何か頑張らなくても一緒に笑ってくれる人もいるんだって僕はあなた方に教わったんですよ? みんな…いや僕も…古都吹先輩のこと大好きですから 安心してください」

     あぁ、最初は梅も肩ひじ張ってましたもんね。

     そんなに無理しなくていい、みんなを頼れ…逆に梅に教わった会長。二人の距離もちょっと縮まったか?

     …そこで終わらないのが「生穴る」なんですがw

     言葉の綾で「水着がすごいHでした」とか口を滑らせた梅。会長がこれを意識しちゃってw

    「でも…もし ホントにそういう目で見てくれてるとしたら…」

     ざこ寝してる梅の股間が盛り上がってるのを見て…”それ“であるのか“違う”のか確認しなければならない、という謎の使命感で動き出す会長! それを暴走と言います!

     いやまあ、たんが梅の布団に寝ぼけて入り込んで変な絡み方してただけなんですがw

     一歩進んで二歩下がる展開で旅行は終了w

     新学期が始まると生徒会の通常業務も再開。 と言ってもトラブル処理が大半なんですが。

     化学室を占拠した生物部とロボ研の合体…生ロボ研wをどうにかしたり。いやそれ対有栖の為だけのコラボですよね?

     ホスト部なるもののトラブル処理を依頼されたり。

     …なんでそんな部があるの?しかもこれ、「一般生徒がホストに嵌められて借金まみれ」って話ではなく…いやマネージャー名乗ってる生徒が女生徒をホストに見立てて「嵌められてるロール」をやってるという、相当ややこしい状況なんですが…。

     梅談「過去一かもだ コイツら…」

     ここのトラブルというのは

    「博打に敗けて食券50枚分の負債を背負わされたんです とある部活によって…!!」

     その部活とは。

    「学園の裏で闇の賭博を行う秘密組織ーー裏カジノ部」

    「またですかぁ…」

     …知っているのか有栖!

     なんと公式の部活らしい「裏カジノ部」。

    「社会勉強と言えなくもね〜しな〜」

    「節度弁えるならま〜」

     とか言って平塚先生がハンコ押したそうで。通称「闇の顧問」w

     いつも思うんですが、マンガの高校って部活バラエティ豊か過ぎませんかね? オカルト研究会なんかは序の口、お散歩研究会とかフルコンタクト書道部とか聞いたことありますよw

     全員で裏カジノ部へ向かう生徒会。

    「ちょっぴり気をつけてくださいね トップがそこそこ”やり手“ですから」

     …有栖さんどこまで知ってるんですか?

     有栖、裏番みたいな事をやっていたのは察せられましたが、どうも人助けで立ち回った結果嫌われる相手も増えた、という感じだった模様。 何その青年マンガムーブw

     たんと共に複雑な背景がある様ですね。作中でどこまで発表されるか分かりませんが。はっきり描写されなくても充分ストーリーは進むと思いますし。

     …あ、会長はめんどくさい事考えてるだけで過去的にややこしい事はなさそうてすねw そこは安心w

  • おたがね¥〜オタがため カネはなる〜 3巻

     仮面コスプレイヤーさんを庇ってケガした小日向さん。

     入院しているところに「ニッチ四天王」の仲間が見舞いに来たり。

    「なんかキミ普通になっちゃったねぇ」とかヒドい(?)こと言っていましたが、結局は小日向さんを心配していた様子。

    「ボクもキミが同人活動をやめた事に少し腹を立てていて… キミの趣味は理解できないがキミの本は好きだったよ」

     それを受けて同人活動を再開する宣言をする小日向さん。

     ただ、同人活動はファン活動であり儲けもほとんど出ない…という事で著作権面税制面でお目溢しを受けている面があるのですが…。

    「いや 儲けようという場ではないんだ というかたぶん売れない」

     やりたいからやる、楽しいからやる。

    「今を充実させつつ将来に備える 真のオタリア充を目指そうと思う」

     おお!生きがいのための活動! ひとつの答えではありますが…現実問題これからカネ要るんでしょう? 大丈夫?

     んで、小日向さん意中の仮面レイヤーさん。 …会社の同僚でしたw 経理の南 波美さん。 狭いな世間w

     しかもこの南さん、小日向さん見舞いに来て「仮面コスプレイヤーに惚れた」話を漏れ聞いて顔真っ赤にしてたり…脈あるぞこれ!

     互いにオタバレを防ぎあったりw 共犯意識で仲良くなっていく二人。リモート会議の画面に一瞬コスプレ仮面が映っちゃったおかげで南さんの正体が小日向さんにバレちゃったりもしましたがw まぁそれでテンション上がりきって

    「お会い出来て光栄であります!! 私 小日向明と申します!!」

     二回目の自己紹介w

     絶対にオタバレしてはならない、という共通認識のもと、変装して会ったりする二人。…何か違わない?

     その間にも株に手を出してみたり…株式優待でもらえるオタグッズ目当てでとんでもない量の株を買おうとしたりw

     FXで資金溶かした大山田さんをどうにかしようとFXに手を出して大火傷したり。

     なんてことしている間にトキちゃんの引っ越しが決まり、姪ロスwで弱った小日向さんは「自分が仮面美少女フェチてある」ことをカミングアウト。

    「小日向さん 恋愛において『実は私のは◯◯なんです』といつ後出し情報は 一発で破局を招く最大の悪手です!!」

     「ねこ婚」の山白さんにいわれていたのに…!

     自分にとって神聖な存在である仮面に性的な目を向けられるのは…。

     変態なのはお互い様、と一旦収まりかけるも

    「でも仮面美少女フェチは生理的に無理です」

     …生理的に無理じゃあしょうがないなぁ…。

     一人になってしまった小日向さん。今まで通りにフィギュア風呂(!)をしても何か満たされない…。

    「生きることはお金を使うこと それはたくさんの人達とつながっているということ そしてオタクは経済の供給がなければ5秒で心が餓死してしまう生き物」

     オタクこそ一人では生きていけない、と南さん。真理ではあるけど辿り着き方が非常に嫌だw

    「正直私には仮面美少女フェチはわかりません でもあなたを一人にはしておけない 勝手な言い方ですけどあなたの近くにいていいですか?」

     すごい愛の言葉ですが、小日向さんが寂しさの余り呼んだデリヘル嬢と出くわしてw これが初めて?ホントか小日向さんw

     結局引っ越したマンションが水道管破裂で使えなくなったトキちゃんと、嫁さんが妊娠してつわりがヒドいから、と家を追い出された大山田さんが転がり込んで小日向さん家は元通り。

     で、即売会イベントで小日向さんの仮面美少女本を買いに来た南さんw

    「あれから反省しました もっと小日向さんの趣味に歩み寄る努力をすべきだったと だから…もし許してもらえるなら 勉強のために1冊買わせていただけますか?」

     が、店番していたのはトキちゃん。

    「おじさんも同じこと言ってました 自分も南さんの趣味に歩み寄るべきだって なので今おじさんはコスプレして会場にいます」

     「君の名は」並のすれ違いw

     イベント終了まで出会えなかったw そこは会えるもんだろ〜。

     終了後にようやく出会えた二人。勢い余って接触…メガネがw

     そこはラッキースケベだろ〜。

     しかしメガネの当たる音はまさに祝福の鐘の音…「おたがね」のタイトルをちょっとひねって回収w

     「私の人生これでいいのか?」の疑問に真摯に向き合い、100%の解答はなくても自分なりの答えを出した小日向さん。

     オタクだって幸せになれる…もとい、趣味と幸せを両立できる! 人と関わり合いを持たないことなど出来ないんだから世界との現実的な関わりを考えようよ、という年食ったオタクならほぼ全員通る問題への解答を示してくれているんじゃないでしょうか?…違う?

     ともあれ小野寺先生、お疲れ様でした!