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暗号学園のいろは 6巻

暗号学園メタバース地下一階。爆弾フロア最後の大爆発を“爆弾型シェルター”に逃げ込むことで避けたいろはと小芝井。
不自然に爆発物処理に長けているいろはに疑問を持つ小芝井。それはいろはの思い出したくない過去に関わっていました。
爆発物取扱免許。海外で野盗に監禁されていた時、修得させられた…いつでも死んでいい「トラップ避け」として。
「過酷でもなかったよ 爆発物の解体くらい チア部の男子が目の前で嬲り殺しにされるのを応援させられたことに比べたら」
…絶望と言うのも生温い状況…。
「応援(たすけ)に来たぜ カワイコちゃん」
そんないろはを助けに来たのが当時のチア部部長、夜鳴鶯アンヴィシャス。
「頼むよ! あたしをリフトできる奴 もうオメーしかいねーんだ!」
えーと、テロリストがうようよする中に単独で殴り込んでいろはを助け出した…?中学生の女の子が? あぁ、まぁ西尾作品なら割といるかな、こういう娘…。
それがいろはが立ち直るきっかけとなり、彼が今またその行方を探している人物でもありました。 「現在のいろは坂いろは」を構成する大事なパーツですね。
話しながら攻略していくいろはたちに縁沙が合流。
一方、夕方多夕と縊梨慕はカジノフロアでしなくてもいい勝負を…。因縁ゆえ仕方ないのですが、学園追放をかけてのしりとり対決「エンドレス・クラップス」が始まります。
「…ルールが難しいな このルールでオマエを傷つけずに勝つことが難しい」
破滅的に運のない多夕が終始押されますが、最終的に慕を逆転…せずに同点引き分け。…狙ってた?
仲裁に入った夜鳴鶯アンヴァリッドと3人で再度攻略に戻ります。
「不正プレイヤーを発見しました これより駆除します」
珍しく管理AI溺愛ちゃんが仕事している相手は…まぁ予想通り匿名希望w 眼鏡兵器の能力で個人情報を消し、別人になりきることでダンジョンをすり抜けて一直線に最下層を目指す…!なんでもありも大概にしろw
デバッグされそうな匿名希望を助けに入ったのが要塞村鹵獲! 要塞村の説得でふさわしい暗号能力アリと認められ、そのまま通常攻略に入ります。
しかし匿名は普通にスタートしても100階スタートくらいは可能だった模様。それをわざわざ個人情報を誤魔化して一階からスタートする理由は…東洲斎先生によれば「ズルをしたくなる性分」なんだとか…。 厄介だなオイw
いろはチームは雀荘フロアで雁音嚇音、華衣謬と軍法麻雀勝負。ひらがな、カタカナ、漢字の三種の牌で役を作る変則麻雀。3文字の言葉ならいくらでも面子が作れるので難易度は大分高い!
トップのみ勝ち抜けて下へ行けるルールなのですが、これを利用して次々プレイヤーをメタバースから追い出していたのはなんと雁音。
「『誰が勝ってもみんなの勝ち』 なるほど素敵な思想だけれど私の哲学は少し違う 戦争だろうと迷宮だろうと 生きておうちに帰れたら勝ちよ」
能力的に劣る者をダメージが少ないうちにメタバースから追い出す為に雀荘フロアで張ってた…? 超保護者だな。
手の動きからあらゆる情報を読み取る雁音に対し、いろはは表情を読ませて作戦を「通す」ことで裏をかく!
オーラス三倍満直撃で雁音をラスに落とす!
「伝達ミスなく作戦を瞬時に送信できる生存能力…暗号兵としてそっちの方が強みでは?」
雁音が消えた後で全員で先に行ける裏技を閃く予定、と事もなげに言い切るいろは。
「できればあなたとも一緒に閃きたかった」
一方、更に深層、法廷フロアでは
「それではこれより戦争犯罪人東洲斎享楽の軍事裁判を開廷するんだよー!」
己の罪と向き合わされるこのフロア、享楽の罪とは9歳の時に開発した「子供でも撃てる拳銃」「銃眼」のことでした。メンテナンスフリー、弾丸はそのへんの砂利でOK。 この極限まで簡易な銃で一国が崩壊した…。
しかし!その国は子供を奴隷として売り払うことで維持されている国でした。「銃眼」は「奴隷」たちに渡され、革命の原動力となったのです。
「死んだ数」と人権を与えられ、奴隷から人に「生まれた数」。差し引きプラスであるとして享楽は無罪を勝ち取ります!
しかし享楽自身は子供でも扱える武器をばら撒いた責任は感じていて。
「世界中に拡散したすべての『銃眼』を処分する廃丁令 を暗号皇帝への即位と同時に発令するわ」
…享楽にもまた譲れないものがありました。こればかりは退くわけにいかない。それがいろはであっても。
取調室フロアでの「囚人のジレンマ」対決、絡繰屋敷フロアの「箱入り娘」…スライドパズル、大統領専用機フロア(!)で何故か硬貨を使った「翡翠リヴァーシー」。
協力したり対立したり、徐々に人数を減らしながら生徒たちは下へ下へ降りて行きます。
見事なくらい各員に進まねばならない理由があって、それだけに道を譲る決断が短いながらも重さを感じさせます。
いくらでも話が拡げられそうなキャラたちを惜しげもなく落としていくスタイルは流石西尾先生。普通のマンガの5〜6本分くらいのアイデアが詰まっているんじゃないでしょうか?
「化物語」なんかもそうだったんですが、それぞれで主役が張れそうなポテンシャルを持ったキャラを一つ所に突っ込む事で大きな変化を齎す…アイデアの物量作戦ですねw
この怒涛のアイデア洪水も次巻で完結です。終了までに全部のネタを回収できるのかw 決着を見守りましょう。
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あかね噺 10巻

ギャンブラー、今昔亭ちょう朝。
「ちょう朝君 出番前にサイコロを振ってなかったかい? 彼はその時出た賽の目で演るネタを決めるんだ」
八正師匠の解説。つまりちょう朝は高座に上がる直前にランダムに演目を決めたはずなんですが…博打の噺「看板の一」を客を巻き込み一気に展開する!
「客席の空気を捉える落語界随一の”読み“と 場の流れを掴み一気に掌握する“豪腕”を武器に博打に興じる高座の上の”勝負師“ 天遊博徒 今昔亭ちょう朝」
打ち上げ飲み会の場(ちょう朝のおごり!もちろんあかねはジュースですがw)、
「師匠に稽古をつけて欲しいんです!!」
切り出すあかね。同席したからしも入り、
「俺の流儀 わかってるよな?」
丁半博打で自分に勝ったら稽古をつける、とちょう朝。チップ代わりのトランプをやり取りしますが…。
「持ち札全部“丁”で」
「私…分かっちゃいましたから 師匠のからくり だって相手は今昔亭ちょう朝だから”丁“!!」
いくら丁ばかり出るからってそれはどうなんだあかねちゃん…。
「もうよくないですか? 振らなくても結果は決まってるでしょ」
からしも別ルートで気付いたようです。
そう、ちょう朝が使っていたのは特殊サイ。目が2、4、6の3種類しかない…あぁ、「カイジ」地下チンチロで大槻が使ってたイカサマサイ! あっちは1,2、3しかなくて高確率で一二三の目が出るヤツでしたが、こっちは必ず丁の目になるヤツです!
ヒリつく勝負でこそ人の本質は炙り出される、と持論を展開するちょう朝。
「少ない情報から勝ち筋を見つけられる冷静さと頭 理屈はバカだが進退の懸かった場でテメェの意見に全賭け出来る度胸 どっちも俺の好みの気質だ!!」
二人に稽古をつける約束をするちょう朝。同時に朝がおの二ツ目昇進の準備の為の勉強会を手伝う事に。
月一ペースで開かれる勉強会、披露目までに会場の落語喫茶を札止めにしろ、がちょう朝からのミッション。キャパ50人ですが宣伝はしちゃいけない、何故なら「前座は修行の身 その芸は商品未満」だから。もちろんSNSでの告知もNG。
なので最初の勉強会は客数4人。
「4人もいる」
「0じゃない 0じゃないなら次に繋がる」
これが現在位置。それは認めて進むしかない。魁生は二ツ目昇進早々この会場を満席にした。
「私の落語で」
「俺の計略で」
「「この会場を札止めにする!!」」
…で、あかねの思いついた策が着ぐるみ着ての(あかね…狸 からし…狐 朝がお…馬)らくご動物園w 落語には動物が多数出てくるから! 割と動物のチョイスが合ってるのが笑えるw
「でもここまで突き抜ければ逆に…アリ?」
あのからしが判断に迷ってるw
なんとこれ当たりまして、客数は確実に上がっていく。
あかねは狸の着ぐるみで「狸札」のネタやったり。
「男に比べて高く明るい女性の声は動物系の演目がよく映える!! 今じゃあガンガンネタ下ろししてますよ!! 動物系の演目をね!」
「そりゃ似合うか アイツ狸っぽいし あぁ…よく“化ける”」
激励に来た禄郎がオトします。 …おあとがよろしいようで。
志ぐま門下もあかねに触発され、それぞれに奮闘しています。 ぐりこは芸の幅を拡げる為、大阪…上方へ修業に。出囃子ひとつから違う土地で新しい芸を探します。
こぐまは持ち前の知識を活かし、既に演者のいない古い演目「擬宝珠」を掘り起こし脚光を浴びます。
「知識は外付けの自信だ 不安を埋める支えになる 役に立たないなら役に立つまで極めればいい」
かつて志ん太に言われた言葉。演ずる度胸を得る道はいくつもある。
「変わりたくても人はそう簡単に変われない ならせめて胸を張って言いたい 積み重ねてきた知識が 僕の武器だと」
その志ん太…あかねの父。普通の会社員をやってる彼にちょう朝から電話が入ります。ちょう朝と現阿良川四天王の一人、大看板阿良川泰全、そして志ん太に繋がりがあるようで…。
志ぐま門下4人はもちろん、からしやひかるも着実に力を付けてきています。己の”仁“に沿った修業をやっと始めたwあかね、これからの成長が楽しみですね。
ここまで顔出しを避けていた志ん太が徐々に出てくるようになってきました。おそらくあかねが父、桜咲徹ではなく落語家、阿良川志ん太と向き合う展開の為の助走であろうと思いますが…「弱さを認める落語家」である志ん太と天才型のあかね…どう落とし所を設けるんでしょうね?
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バイちゃ 鳥山明先生追悼

去る3月1日、鳥山明先生が亡くなったそうです。享年68歳。現代においてはまだまだ先のある年齢でした。新作映画の企画も動いていた…とのこと。惜しい、もったいないという言葉が止まりません。
「DRAGON BALL」は世界の共通語となり、MANGAを広めるための最初の一手となりました。この作品がなければジャンプ黄金期は訪れず、歴史が変わっていた事は間違いありません。
思えば初連載作「Dr.スランプ」。ド田舎に住む天才発明家のおっさんが作った少女型アンドロイド…がめっちゃ強い! 村なは動物型人間とか宇宙人とか(スー◯ーマンも!)いてワイワイ騒いでる…ウンチもあるよwというコロコロコミックみたいなセットアップw
シノプシスだけ見たら半年くらいで打ち切りになりそうな作品ですが、鳥山先生独特のテンポと描き込みセンスは「Dr.スランプ」を一気に人気漫画に押し上げました。口開けて歯の並びまで描き込むアングルは他で見ませんよw
メカ描写も半端ではありませんでした。「スター・ウォーズⅡ」でしたか、連載中に公開されると作中のエアバイクそっくりのプロップに千兵衛さんが乗って来たりして。読み切りでも絶妙にディフォルメされた戦車や航空機を出して来て、その揺るぎないセンスは他にないものでした。
あるとき、鳥山先生が中国旅行をしてからでしょうか、中華的モチーフが作中に散見されるようになり…ペンギン村に中国人発明家摘さん一家が出てきたり…もともと先生が「燃えよドラゴン」シリーズが好きだったこともあり格闘描写も多くなって行きました。
そして「Dr.スランプ」が終了した後、次の連載として西遊記をモチーフに取った「DRAGON BALL」が始まったのです。
…正直最初「ダッセェ」と思ったのを覚えています。「ボール」って何よ、「龍の宝珠」とか「ジュエル」とか、もうちょっとカッコイイ言い回しがあるだろ…いやまあ典型的厨二病なんですがw
七つ集めるとどんな願いも叶うドラゴンボールを巡るロードムービー。軽妙なギャグにちょいエロも挟んで、他にない描画センスもそのままに。結構無茶なわりに説得力のあるバトルシーンにはシビレました。
特に、ついに呼び出された神龍! なんで紙の上であんな立体的になるの?!どっかで実物見たんですか鳥山先生?!
後で聞いた話では、この頃の「DRAGON BALL」はそこまでの人気ではなく、この後バトルに振ってから人気が爆発したそうです。天下一武道会ですね。
以前でもギャグからバトル展開に変更になるのは「キン肉マン」などあったのですが、これ以降テンプレ化が進む事になります。他にも強さを数値化する「戦闘力」の発明、強化形態として主人公その他の姿が大きく変わる、等後のジャンプ漫画の基本の多くがこの作品から出る事になります。
後に味方になるピッコロ、ベジータ等のライバルキャラ、強大な悪、フリーザ等、他の作品にもオマージュキャラが多数出る事になる、以後のアーキタイプとも言えるキャラクターたちの誕生も外せません。
またそのデザインセンスはコンピューターゲームにも発揮されました。 そう、「ドラゴンクエスト」です。
まさに骨格から考えてるんじゃないか、と疑ってしまうドラゴンの存在感もさることながら、このゲームの白眉はやはり「スライム」ではないでしょうか?
「ドラクエ」以前のスライムって、不定形でダンジョンの天井とかにへばりついて冒険者を待ち伏せし、一度張り付かれると剣では斬れない…火で炙って引き剥がさないと体を溶かされてしまう、ヤベーモンスターだったのですが…。
それが最弱ながらも涙滴型の可愛らしい姿で「僕、悪いスライムじゃないよ」?!「ドラクエ」前のスライムだったらこんな事喋っても袋叩きに遭って終わりですよ?!
不世出の才能と言っていいでしょう。手塚治虫先生が漫画の始祖なら、鳥山明先生は漫画をメジャーの地位にまで押し上げ、大量のフォロワーを生み出した漫画文化の中興の祖と言えるかも知れません。
先生が描くあの世は何だかとても楽しそうなところでした。先生自身も楽しくやっておられることでしょう。悟空みたいにこんな事を言っているかも知れません。
「じゃあな皆、死んだらまた会おう!!」
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SPY×FAMILY 13巻

「ダメ元でもう一回頼んでみるけど こいつを殺されたくなかったら銃を捨ててもらえるかい?」
気絶しているロイドを人質にとるウィーラー。フィオナに否やはありません。即座に銃を捨てる…どころか踏み壊すw
この仕事をする以上、誰も信用するべきじゃない、世界を俯瞰して見ろ、とウィーラー。
「だからオレは強い おまえやこいつではオレに勝てない」
ロイドを踏みつけたウィーラーにフィオナがキレる!
…殴りつけた腕の骨が折れるくらいに! 火事場の馬鹿力って奴ですか。 尋常じゃない顔してますw
「弱い人 死ぬのが怖くて裏切られるのが怖くて 誰も信じることができないのね」
反論するフィオナ。
「私は恐れない 私は信じてる 私はその人のことを考えて考えて考えて考えて考えて考えて だから私は強い アナタでは私に勝てない」
それはどっちかと言うとストーカーでは…?
外れた腕をぶん回してウィーラーに叩きつける! 結果ウィーラーをノックダウンして確保に繋げるのですが…見てる方が痛ぇよw
ロイドに担いでもらって撤退とか、一応フィオナにとってのご褒美はあったみたいなので彼女的にはokなのかも。無表情で狂喜しているのが一周まわってカワイイw
重症状態でも何食わぬ顔で自宅に帰って来たロイド。何だかわからないけど怒っていたヨルをどうにかしなければ…と覚悟しての帰宅でしたが…。
「普通を演じるための不満づくり」が目的だった、とぶっちゃけてしまうヨルさんw
一気に力が抜けるロイド。完璧でなくていい、たまには頼ってほしいと続けるヨル。
だが完璧でなければ裏の世界では生き残れない。今回の件を通して再度気を引き締めるロイド。ですがそれはこの仮初の家族を守りたい、この関係を壊したくないが故ではないでしょうか。
そんなこんなでロイドがひっくり返っているうちに迫ってきたのが「期末テスト」。このテストの結果で後期のレベル別クラス分けが決まる…つまり赤点(トニト)を取らない事はもちろんですが、成績次第でダミアンとクラスが別になってしまう…ぷらんBの成否に関わるw
心を読んでのカンニングも思ったよりうまくいかない事がわかり、自力でガンバるしかない、と覚悟するアーニャでしたが…まぁ無理かなw
ここで新しくフォージャー家の隣に引っ越してきたオーセン夫妻の登場です。夫ジークムント・オーセンと妻バーバラ・オーセンの老夫婦。ジーさんバーさん…しかもジーさんの方は少々痴呆が入ってきているんですが…大学教授もやっていたそうで、アーニャの勉強を手伝う事に。
何故か古語はそれなりの成績を取るアーニャに、コミックなども取り入れて上手に興味を引きつつ教え込んでいくジーさん。 仲々できる人だ…時々「何してたっけ?」とか言い出す人ですがw
「君はテストで1等賞になって “皇帝の生徒”になってその先何がしたい?何を目指す?」
「んと…せかいへいわ!」
ロイドは「アニメの見すぎだ」とか言ってますが…アニメの影響も確かにあると思いますが、メインは多分、ロイドの心を読んだからですね。「カッコいい嘘つき」は間違いなくアーニャのヒーローなんですよ。
「君のような子は国の宝だ 健やかに育て」
このオーセン夫妻、ロイドに疑惑がかかっての逆スパイ要員かと一瞬思いましたが、アーニャが心を読んでもただのボケ老人…間違いなく一般人かw ワンチャンアーニャと同じ機関から派遣された超能力対策を完備した人員…というセンがありますが…。
あれ?アーニャが古語に堪能だったのって多分超能力者養成機関で使われてたからで…ジーさん古語専門だったのは偶然?
しかし今巻で一番意外だったのがメリンダ夫人。退役軍人への慈善活動も単なるポーズじゃなく結構本気でやってるっぽい。ダミアンにも良き母として接している様子だし…。
以前にアーニャが覗いた心の闇とかけ離れすぎてるんですね。あの描写がある以上、メリンダとヨルが仲良くなってデズモンド家に接近する(仮称)プランCはイマイチ乗り切れない…。
これを突き詰めて行くとメリンダさん凄え複雑怪奇な人格になる気がします。純文学とかに出てきそうな。少年マンガでそっち系統出して大丈夫か?いろいろとw
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ONE PIECE 108巻

ルルシア王国が”消滅“した影響か、全世界に物理的に震動が襲います。一瞬で大きく陸地が失われた反動でしょうか。
エッグヘッドにはバスターコールを超える戦力が集まり、「海獣兵器」と「パシフィスタ」で守りを固めた島と海軍の睨み合いになっていました。
「ーーまさかあんたがパンクのおっさんを消しに来るとは」
「“空白の100年”の研究は…庇いきれねェよ戦桃丸君 わっしは社畜だよ」
海軍大将黄猿 ボルサリーノとエッグヘッド立て篭もり側の戦桃丸です。 二人は知り合いのようですが…。
表向きは「麦わらの一味がDr.ベガパンクを人質にエッグヘッドに立て籠もったので、海軍を動員しての救出作戦」。
実際は「”オハラの真実“に迫ったベガパンクとそれを知り得る者たちをまとめて始末」。 …手段を選んでないな、世界政府。
秘密裏に“五老星”ジェイガルシア・サターン聖まで出張ってきている辺り、世界政府側は完全に本気です。
「もしもし あたい”ヨーク“!! ひどいじゃない!!何であたいも殺す事にしたの!?「ステラ」の裏切りを教えてあげたのに!!」
裏切り者、ベガパンク“ヨーク”から「権力の間」五老星への念話。 あれ?ルフィたち撃退したの?
抗議するヨークに五老星が口を挟みます。
「マザーフレイム」…ルルシアを消し去ったアレ…の製造を条件にヨークの生命を保証する、と。
「あたいと研究所は傷つけないと約束して」
「わかった」
「あたいを天竜人にして!!」
「そうしよう」
「交渉成立!! ーーだったら今すぐ!! あたいを助けてェ〜〜!!!”麦わらのルフィ“に殺される〜〜!!!」
「こいつら全員叩き潰して〜!!!」
画面外で麦わらの一味に脅されていたw 裏の事情を探る為とはいえ大胆だなw
「守る物は3つだ…『ヨークの身柄』 その脳である『パンクレコード』 マザーフレイムを生む『融合炉』!! それ以外は失っていい…!!」
サターン聖が言い切ります。人間の命など“虫”だと思え、と。
逃げ出す算段をするルフィたち。全員でサニー号に乗り込み、巨大ロボット「ベガフォース01」で飛び出し、更にサニー号の”クー・ド・バースト“で一気に包囲を抜ける!目指すは巨人の島、エルバフ! ルフィとウソップは喜んで踊ってますw
ドームを解放する為に、ヨークが変更したコードをステラたちが解読している間に船を確保に向かうルフィ。父くまの記憶を覗いたボニーも一緒です。
「うん…もうベガパンクは殺さねェ」
「よかったよ 夜泣いてたよな お前」
「泣いてねェ!!」
…ただ海軍がそれを放っておくわけもありません。
「“八咫鏡”」
ピカピカの実の能力で一気に島内に入り込む黄猿。目指すは戦桃丸!
「誰か来た!!! 強ェのが!!!」
ルフィが気付いたのは見聞色の覇気の力か。
「…すまん戦桃丸!!その戦いは酷すぎる!! 逃げても責めぬぞ!!!」
…戦桃丸を見出したのは黄猿…ボルサリーノがベガパンクの護衛をしていたとき。村から追い出された戦桃丸を拾い、ボルサリーノ自ら鍛え上げた…。
師弟の戦いは師ボルサリーノに軍配が上がり、光たる彼はバリア素通しで研究層まで…!
「傷つけちゃいけねェ物……!!”融合炉““パンクレコード””ヨーク“…!! そして…本当は“親友”…と」
「消さなくちゃならねぇもの…”Dr.ベガパンク“」
…ベガパンクをどうにかして生かしたいようですが…。
黄猿を止めに来たのは…ルフィ!
「行儀が悪いね」
「黄猿!! おれ達は2年前の100倍強ェぞ」
弾き飛ばされるルフィ!そのまま光線でベガフォース01が破壊される! あっという間にステラに迫る黄猿を後ろから掴む巨大な手!
「あ〜熱かった よくも下まで飛ばしてくれたな 2回もバリア通って死ぬかと思った…!!」
ついに出した“ニカ”!!パワーでは黄猿を遥かに凌ぐが、黄猿はピカピカの実の力と老獪な技術でのらりくらりと逃げる!
地上ではパシフィスタの威権が戦桃丸→黄猿→ベガパンクと二転三転して混乱していたのですが…。
「止まれ…『パシフィスタ』
サターン聖がエッグヘッドに上陸し、再度命令を上書き。五老星はパシフィスタ威権最上位…!
一般兵は見ることすら許されない…目があった瞬間殺されてしまう!しかも巨大化して虫みたいな足も生えて…人間がどうか怪しいぞサターン聖!
そのバケモノにボニーは刀を突き立てる!
「お前が…父を殺したんだサターン…!!」
「”くま“か…あいつは生まれながらに奴隷階級… かつて世界に対して大罪を犯した一族の末裔…!! 絶滅種…“バッカニア族”の生き残り…!!」
…ソルベ王国に生まれたバーソロミュー・くま。バッカニア族だということで父母とともに4歳で天竜人の奴隷にされていました。両親はすぐ殺され、数年後彼の姿はゴッドバレーにありました。
そう、”ゴッドバレー事件“の当事者だったのです、バーソロミュー・くまは。
資源のある島を囲い込み、そこに住む人間を天竜人の人間狩りゲームの駒として殺戮する、という狂気のゲーム。これに巻き込まれたくまやイワンコフ(!)が外へ情報を発信し、ロジャー海賊団やロックス海賊団を引っ張り込んで大混乱に陥った…これが「ゴッドバレー事件」の真相でした。
この戦いでカイドウは“ウオウオの実:モデル青龍”を手に入れ、くまは”ニキュニキュの実“を食べ、生涯の友イワンコフと将来の妻ジニーを得る事になります。
天上金支払いのためにとんでもない差別政策を施行した王に反抗して捕らえられたくまを「革命軍」が助け出し、イワンコフの引きで彼はそのまま革命軍に参加することに。しかし共に参加したジニーが天竜人に攫われます。
…彼女は数年後、くまの元に戻ってきます。自然光で体に青い宝石のようなものが浮き出す奇病“青玉鱗”に罹り、死体となって…!その上彼女は娘、ボニーを残していました。
「ジニー 安心してくれ… この子はおれが育てる」
ここまででも相当の悲劇なんですが、更にボニーも同じ病気に罹ります。10歳になるまでは生きられないだろう…と言われながら。
革命軍を離れ、ボニーと共に暮らす道を選ぶくま。しかしソルベ王国はまたも差別政策を強行…怒り狂ったくまは今度こそ王家を打倒、ソルベ国王となります。
…が、世界政府を後ろ盾に戻ってきた先王はくまを王位を簒奪した大悪党として報道、先王の軍は退けたもののくま自身は逃亡するしかなく、海賊にして”暴君“バーソロミュー・くまの汚名が知れ渡る事に。
それでもボニーの病気を治す手段を探すくま。ついにDr.ベガパンクと巡り会い、治療の目処がつきます。
「こんな人間がおるのか!!」
「おれも今そう思っていた…!!」
金はかかるが、くまの血液とクローン兵を作る許可をくれれば手術費はゼロでいい、と切り出すベガパンク。
既に世界政府お抱えの科学者だったベガパンクですが、ボニーに関しては政府に秘密で進める予定…だったのですが結局バレ、サターン聖からボニー治療について条件を出されてしまいます。
一つ、バーソロミュー・くまは“王下七武海”に加盟すること。ちょうどジンベエが七武海を抜けたところだったそうで。
もう一つはくま自身が海軍の兵器となること。自身を改造して万に一つも世界政府に楯突くことがないようにする。
3つ目は更に最終的には一切の「思考」と「自我」を捨てろ、と。
これが犯罪者の娘の命を救う条件だ、と。
承諾するわけないと思いましたが
「ありがとう ボニーの病気が治るなら おれはどんな運命でも受け入れる…!!」
これを笑って言う…聖人すぎるだろ、くま!!
その上裏切りの可能性を最小限にするために、術後はくまはボニーに会ってはいけない…鬼か。
ボニーが手術を受ける日…つまりくまが彼女に最後に会う日。
「ありがとうボニー 生まれてきてくれて!!」
ボニーには意味がわからない別れの言葉。これを残して去っていきます。
…(泣)
元国王にして革命軍所属の王下七武海、しかも自分のクローンを軍に提供している…という、何考えてるのかわからない経歴に見事に説明がつきました。優しすぎる男には”死んだ方がいい世界“は辛過ぎたようです。
彼が血も涙もないように見えるならそれはきっと世界の方が間違っているのでしょう。
…またその元凶たる五老星、魔法陣とかこれまで全く出て来てない技術を使ってきていますね。空白の100年の前に由来するものなんでしょうか?サターン聖の変身も今まで同じようなものが出て来ていない気がします。悪魔の実の変身ともちょっと違うし。何だろう?
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気になってる人が男じゃなかった 2巻

確定申告めんどくさっ…。 e-taxなら簡単とか言ってたのに無茶苦茶時間かかった…。もう嫌だーっ!w
てな感じでそういう税とか関係ない世界を見たい! からの「気になってる人が男じゃなかった」の2巻です。
「まずさぁ マジで古賀さんって 古賀さんって こがっ…」
怒ってるんだけどみつきの部屋に勢いで上がり込んで『推しの部屋だーーー!!!?』とか内心喜んでるあやw
ライブチケット別の人に渡しちゃうとか、ようするにデートのすっぽかしwな訳で、そりゃ怒っても仕方ないんですが…。
「私のせいで2人が仲悪くなるなんてーー」
結局全員(あやの友達ちづる含めて)自分以外の2人に仲直りして欲しい、という… いいからもうお前ら幸せになれw
この辺をきっかけに、あやのいるスクールカースト上位グループと距離が縮まっていくみつき。
そこにちょうど修学旅行が。班分けであやたちの班に半ば無理矢理引っ張り込まれたみつきw
「古賀さんに修学旅行をめいっぱい楽しませてやる!!」
張り切るあや。友人連中に成田くんも一緒になって『みつあや見守り隊』を名乗っだりw
沖縄ではしゃいだりガールズトークしたり、皆他の部屋へ遊びに行った後の部屋で2人サブスクのロックを聞く…。
「…これこそ ガールズナイトだーーー!!」
…修学旅行ということは彼女たちは高3。つまり進路に悩む時期なのですが…。みつきちゃん何科目か追試発生w
皆でテスト勉強手伝ってくれるのですが…あんまり結果はよろしくない。落ち込んでる…ように見えるみつきですが。
「…全然違うこと考えてると思う あれは」
なんかオリジナル曲作ってました。それどころじゃない状態のはずなんだけど音楽に没頭してしまう。
「いまあいつは音楽以外なんも見えなくなってる」
…叔父さんのCDショップ店長ジョーさん。自分にも覚えがある状態。もともとジョーさんの高校時代の姿がみつきの「おにーさん」姿とそっくりで…中身も大分近いらしい。
「俺みたいに衝動に任せて人生決めちゃあーー」
ミュージシャン目指して高校ドロップアウトでもしたか。
ジョーさんの元カノ、カンナさん。ロスでスタイリストやってる、と言いますが。
「…みつき 海外のが合いそう」
みつきをアメリカに連れて行こうとしている? ジョーさんは以前誘われたときに「みつきを置いていけない」と断った経緯があったとか…そういえばみつきの両親って?彼女CDショップに住み込みみたいだし…。
音楽の世界にはまっているみつきを「遠い」と感じているあや。それはカンナがジョーに抱いていた感覚と同じ。
「私はそれが寂しくてめっちゃ喧嘩したわ …ねぇ あやちゃんなら『待てる』?」
「待てる」と返すあや。…つらい日々はみつきの呼び出して唐突に終わります。
朝、誰もいないライブハウス。
「良い音で聴いてほしくて」
「ーー大沢さん 聴いてくれますか? 私のロック」
2人だけのライブ。
「自分が聴きたい曲を作っただけというか…自己満なので もう充分です」
あやに聴かせただけで満足、と終わらせようとするみつき。
しかしあやは不満げ。
「古賀さん この曲は世界を繋ぐんだよ!! 聴かせよう みんなに!!」
「ーーは はあ?!」
さてこれ、みつきは音楽方面に進むんでしょうか。アメリカでメジャーデビュー? そんな大きな舞台になる話じゃない気もするんですが…。
高校卒業しても続けられるストーリーではあると思います。その時にはみつきのバンド活動にあやが必死でついていくかたちになるのかな。
みつきの両親とか不自然に出てこないんですが、このまま完全に触れずに行くのもアリですね。やるとなればガッツリページを取らなければなりませんから。「事故か何かで亡くなってジョーさんとこに世話になっている」で終了でも舞台装置としては充分ですし。
あんまり重い話にはならないで欲しいなぁ…。
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ドッグスレッド 1巻、2巻

2ヶ月連続刊行だったか…油断していたw
「ゴールデンカムイ」野田サトル先生最新作はアイスホッケーもののリベンジ、「ドッグスレッド」です。
走れ!! 走れ!! お前たちは橇をひく犬だ!! 走れ!! もっと速く!! 狂った犬のように走れ!!
2010年、横浜。フィギュアスケート全日本ジュニア選手権で鬼気迫る演技を魅せ、優勝した白川朗15歳。
しかしロウは優勝が決まった瞬間に暴れ出し
「スポンサーボードだけはやめなさいッ それたまけは絶対にやめなさいッ」
…なんか大人の事情が垣間見えますが、このせいでロウは無期限出場禁止…フィギュア界永久追放!
直前に事故でお母さんを亡くしたせいでしょうか。未来を自分で破壊したその心中を誰に話すことなく、ロウは双子の妹 春名と共に親戚を頼って北海道へ。
ロウたちのおじいさんが住む街、苫小牧。スケートの盛んな街。リンクも多い…どころか近郊の池や沼津にも分厚い氷が張るので天然のリンクとして使える!
早速池のリンクで滑り出すロウ。スケート自体は変わらず好きなようで。
「やっばり好きだ ああ…でもこれからどう生きればいい?フィギュアが生活のすべてだった オリンピックへ行くために全てを捧げてきたのに」
でもそのリンクにはホッケーのゴールが置いてあり…
「そっちの氷に乗ったらぶん殴られるよ 源間弟に」
アイスホッケーインターハイ優勝校、狼之神高校の主力選手源間浩一の弟、源間慶一。彼が自分たち専用の練習場として(力ずくで)確保していたのです。
ホッケーみたいな野蛮なスポーツやって威張ってる奴にデカイ面させていられない、とゴール周りを滑るロウ…いきなり撃ち込まれるホッケーパック!
「お前の血でゴールライン引いてやる」
物騒な事言いながらスティックで殴りかかってくる源間弟!とりあえずスポーツマンシップはあんまりないw
「怖くて逃げる姿は醜い!!」
フィギュアのターンで華麗に避けるロウ!とりあえずそういう使い方する技術ではないと思うw
「アイスホッケーのスケーティングはそんなものか 美しくない!! 日本一のスケーティングを見せてやる かかって来い!! 田舎の野良犬めが」
スケーティング対決が昂じて氷を割ってしまい、ゴールが水底へ沈んでしまう!
怒り狂う弟。居合わせた兄浩一。
「重要な大会のまえにはここで練習するのが俺たち兄弟のルーティンでな… ゴールの周りの氷は弟が毎晩水を撒いて製氷してたんだ ルーティンがどれだけ大事か お前くらいのフィギュア選手ならわかるだろ?」
喧嘩両成敗という事でゴールの件は不問にしてくれた源間兄ですが、弟は弁償しろ、と騒ぎます。ロウも弁償はしなければと考えていますがあてはなく…。
中学の裏に放置されているゴールを見つけたロウ。
「その代わりアイスホッケーの試合に出て下さい」
使ってないなら持っていってもいいか?と聞いたロウに宮森中学ホッケー婦キャプテン土肥は交換条件を出します。試合をするにはあと一人足りないから、と。
いやいやながら試合に出るロウ。しかし対戦相手、北陵中キャプテンが源間弟と知って俄然燃え始めw
「あの源間弟が悔しむなら勝った方が楽しい」
結構いい性格してるなw
選手のレベルの差、そもそも選手数の差でまるで相手にならない宮森中。
もともと宮森中ホッケー部はかなりの強豪だったのですが、廃校が決まり、監督が北陵中に引き抜かれ有力な選手も次々転校…勝てなくなった宮森中の最後の試合が今日でした。
北陵中監督に声をかけられても宮森中に残った男、小杉に対して
「小杉…お前はみじめじゃない!! 美しい!!」
声をかけるロウ。何かが変わりました。
スティックを使えず、まともにパックを保持できないロウですが、スケーティング技術で場を引っ掻き回すw
元ホッケー選手だったおじいさんのアドバイスも受けながらどうにかこうにかついていくロウですが、無情にも点差は開いていく…。
激しい運動量で次々動けなくなる宮森メンバー。
「北陵に一矢報いることが出来たら お前らの時間は無駄にならんのだよな? アイスホッケーが大好きでいられるんだよな? よし…じゃあ息が止まるまで一緒に走ろう」
おそらく自分の「好き」が貫けなかったロウ。…経済的理由からでしょうか、妹ハルナがフィギュアを諦め、一人だけフィギュアを続けてきた…「後には引けない」と覚悟しつつも、「スケートを楽しんで」という母の言葉が虚しく聞こえる…「子供をフィギュア選手にする」のはお母さんの夢だったんですね。
ロウの苦しみと破綻が見えた気がします。そりゃ宮森中を見捨てられないよなぁ。
スティックが使えないロウはパックに乗ってゴール前まで運ぶw
ゴール前もみくちゃになる中、パックは小杉に渡り…シュート! 待望の一点!!
試合は北陵の勝利ですが宮森は勝ったかのような騒ぎでした。
それはまた、ロウにアイスホッケーの楽しさを教える事にもなったのでした。
4月、狼之神高校に進学したロウ、源間弟、土肥、小杉。アイスホッケー部に入部しますが…狼之神ホッケー部、いやホッケー界どころか日本全国を揺るがす事態がこの間に起こっていました。
まずはインターハイアイスホッケー決勝。20連覇を目指す苫小牧狼之神高校が八戸鮫王高校に敗北。高校ホッケーの歴史が大きく動きました。
そしてその八戸で連覇を狙う鮫王高校を、あの災害が襲います。 時に2011年3月11日。東日本大震災。津波に沈む八戸…。
壊滅的被害を被った鮫王高校は復活なるのか?
狼之神新入部員はいきなりの陸トレから。
「自己紹介はまだ必要ない」
「一年後も自らの意思でここに来ている奴が真のアイスホッケー部員だ!! もっとも一年後どころか今日の夜までには自分が狼之神にふさわしいか知るだろう だから自己紹介は必要ないのだ!!」
6キロの重り「ボッコ」を持って監督二瓶利光操る自動車に追いかけ回される!
「なんて危険なことを…昭和かッ」
「走れ走れ!! もっと速く!! お前たちは橇をひく犬だ!! 狂った犬のように走れ!!」
冒頭の叱咤に繋がります。
ただのスパルタに見えて意外と細かく選手をケアしている二瓶監督。全員400m50秒を切らなければ終わらない、という要求は、実は助け合う事を禁止していなくて自然にチームワークが出来上がるように仕向けていたり。彼がかなり優れた指導者であることがわかるようになっていますね。
狼之神の首位奪還…だけではなく鮫王の復活も見どころですね。ロウとハルナの関係の変化も見ていきたい。複数のドラマが並行して展開していくと思われますが、あの「ゴールデンカムイ」の複雑な人間関係を描き切った野田先生、そこはもう信頼しかないですねw
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よふかしのうた 19巻

しばらく風邪ひいてぶっ倒れてまして、久しぶりの更新になります。前は風邪くらい1日2日で治ってたと思うんですがねぇ…。年は取りたくないw
そんな病気なんか縁が無い、何なら寿命も常人とは較べるへくもない、そんな吸血鬼でもあんまり幸せそうじゃなくね? な「よふかしのうた」。 ラスト前19巻です。
「いいじゃないか…偏見でも… ヒマなんだよ先輩は…」
アンコさん、わだかまり消えてからポンコツ化が酷くないスかねぇ?!
最近学校に行くようになってナズナと会う機会が減ってきたコウ。 学校の行事だ、とかいうコウに
「男が仕事を理由に断る時はだいたい女と会ってるものなのだよ」
…と全力でナズナに偏見を吹き込むアンコw
で上記のセリフに繋がる訳です。
無茶苦茶言ってる様に見えて、実はコウくんさっちゃんと歩いてたりw
まぁ何人か集まって期末試験対策の勉強会だったんですが。
そんなラブコメ展開の直後、いきなりシリアスになるアンコ。
「お前 最近血の入手経路探ってるだろ なんでだ?」
「な なんでって…そ…それは…吸血鬼だから」
そう、吸血鬼が血を欲するのは当然。ならば急に血の供給を気にし始めたのは何故か。これまで入手出来ていたところから手に入れづらくなったからだ。…コウの血を吸えなくなった。
「いいか七草 人間はやはり人間と生きるべきなんだよ 化け物とじゃない お前は一刻も早く夜守くんの前から消えるべきだ」
思ったよりあっさり受け入れるナズナ。
「コウ君のことは先輩に任せるよ 先輩の言う通りあたしは消える」
…思い通りに事が運んだアンコ。しかしここで疑問が。
「では夜守コウは 人間か? 化け物か?」
これを確認するためかコウを連れ出すアンコ。
「やぁ夜守くん 七草に内緒でデートをしよう」
夜のデ◯二ーシーっぽいところを何故か二人で歩き回るw
「もう少し七草といてやりなよ」
この先どうなるかわからないから、と。
自身が人間か化け物かを決めるためにナズナとの関係をはっきりさせろ、と言う事か。 ナズナには離れるべきだとか言っておいて…大概ややこしいなこの人も。
その言葉通り、冬休みを二人で遊び倒す。 二人で出かけ、ゲームしてバカやって。でも気付く。
「なんで 血 吸わないんだろう」
冬休み最終日、学校に行くか行かないか悩むコウ。
学校に行きたくない、めんどくさいとかはもうない、とナズナに打ち明けるコウ。
「でもそれじゃナズナちゃんといられないから」
あっさり言うコウ。…だから恋愛感情ない、とか言われるんだよな。
寝てしまったコウににじり寄るナズナ。
「だ だめだ コウ君 コウ君 お願い…寝ないでよ…もっとあそぼうよ じゃないと がまん できない」
血を吸おうとする衝動をすんでのところで止める。
「だめだ…もう…コウ君とは いられない…」
結局眠れなかったコウ。始業式も出ず、夜にナズナを探す。
「だってコウ君はあたしのこと好きになってくれないじゃん」
…え?まだそんな理解なの? などと思わないでもないですが。 友達関係から『好き』に移るハードルをやたら高く設定している二人。
血を吸う吸わないで押し問答してる内に停電が起き、毒気が抜かれて素直になるナズナ。
「あたしはね 君のこと好きになっちゃったんだ だからもう吸えないんだ」
「そっ…かぁーーー… 両想いかぉ〜… マジかぁ〜…」
今そこ確認か…。まぁ仕方ない。お子ちゃま二人だったしw
『血を吸わない』状況についてはコウの納得は得られましたがナズナの吸血衝動はさらに強くなってるようで。 どうも『コウの血を吸わないと収まらない』状態っぽいのですが…そういう習性あったっけ?
コウはまた学校へ行かなくなる事を決め…でもナズナがあの調子だと一緒にはいられない気がするんだけど…。
キクの一件で集まったメンツもそれぞれ別れていく事を決め…でもハルカはコウと二人きりで会いに来ます。
「よォ 話が ある」
因縁のある相手です…けどナズナの方の用事かな?
結局人の道は踏み外す事になりそうなコウくん。…ナズナは喜ぶ…のか? アキラとかお母さんとかは確実に悲しむ事になりそうですが…それでも止まらないことってあるよなぁ。
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マン・バイト 蒼空猟域 5巻

ついに最終巻。マン・バイトの大繁殖の事を世間に知らしめるべく沙と優が向かったのは…月刊ムー編集部。 えーw
「それでは本当に?あなた方が? “天空の目”事件の時に目撃された? ”フライング・ヒューマン“だと? そう?言うのですね?」
疑問符の多い喋りだなw
「私たちはーー真実をお伝えにーー来ました」
ノストラダムスの超演算能力を未来ではなく、過去に伸ばしてマン・バイトの素性と目的を推測する。
マン・バイトの母艦とは宇宙に適応した完全生物。生身で宇宙を亜光速で飛び回り、寿命があるのかすら怪しい…。
「そして奴らの目的はたった二つ 喰うことと増えることじゃ 生物の目的としては正しかろうて ふふふ」
そして大繁殖を乗り切るために『ムー』から広めてほしい、と渡した映像は…マン・バイトの食べ方!?
…マン・バイトはその肉をわさと人類に分け与える事で進化を促していました。 それによって人類を少しずつ、彼らにとって都合の良い“良い食品”に作り変えていた、と。
その過程でマン・バイトと戦える能力を得る者も現れた。マン・バイトを食べれば”力“を得る。
「もし…ある日怪物が空から来て…何らかの事情であなたの目の前に幸運にも死んだ…奴らの“死体”があったなら…忘れないで あなたはいちどだけ”選ぶ“チャンスを手にしたことになります 生か死か? “人”か…”それ以外の何か“かを」
怪物が現れたその時にどうするか考えておけ、と。 人でなくなっても生きのびるかどうかを。
「だ だがどうしてこの情報を“うち”に?」
「あら あなた方の方がそれは詳しいのではないでしょうか? ”パニックを引き起こしかねない重大な事実は、いきなり公的機関からは公表しない…“ まず初めに“都市伝説”として 噂として世間に広める… これをあなた方に託すのは その”情報“の“意味”を理解してくださるから… これが”真実“だからてす」
…いつも自身で言ってる事だから反論できねぇw
ともかく『ムー』に資料を託し、去っていく二人。
彼らはマン・バイトの予想を超えたポテンシャルを持ってしまった人類。特に優は次代を生み出す能力をもつ、ということでマン・バイトの女王…母艦と同等の存在になり得る!
大繁殖で生まれる女王候補たちを倒し、母艦までも破壊する事で大繁殖…人類虐殺を阻止する…!
その為にはより強くならなければなりません。マン・バイトを喰い、じわじわと人でなくなっていく優。それは内面も同じ。小型が全世界規模で人間を襲い始めた時も
「ああーーー始まったのか」としか思わないくらいに。
しかし優は更に強くならなければならない。ファータが持っていった“目”の反重力器官…”竜の心臓“を…いや“竜の心臓を食ったファータの心臓”を手に入れなければならない。
「おそらくそれたけが現状 唯一奴らの母艦を倒す 倒せる”鍵“になるはずじゃ」
悩む優。しかしファータは“竜の心臓”無理矢理取り込み、大繁殖の襲撃を機に動き出します。
優と”教授“はファータを探し、沙とノストラダムスはマン・バイト・イーターの仲間を集めて母艦を叩きに宇宙へ。
ファータは優の通っていた高校の現れました。優と確実に出会って逆に優の心臓を取り込む為に!
人とは思えぬ巨体を曝すファータ。優との戦いが始まります。
「もっとあなたと話をしてみたくったよ ファータ だってもしかしてどこかであなたともわかりあえるかもと思っていたから… だけどもうだめだね だってもう始まってしまったもの」
超スピードのバトルの末、手足を絡め取られ、心臓を抜かれてしまう優!心臓を飲み込もうとするファータを追いかけるように口の中に飛び込む優。
「体がっ!熱いっ! このまま…じゃっ…溶かされちゃうっ!」
掴んだ己の心臓を胸の中へ掴み戻す! 再生し、再度繋がる心臓。
「変…なの 取られた心臓を…自分で くっ…くっつけちゃう…人間なんている?」
ファータに心臓を探して体内を進む。
心臓を守っていたのは…ガーゴイル! ファータは守ってくれていたガーゴイルまで食ったのか!?
普通に結婚して子供がほしかった、と嘆くファータ…の幻かわ見える優。これはファータの記憶か。
「女王になればきっと叶う! 400年前 私が…初めに見た夢! おかあさんに なるんだよ」
円盤であっても産みたかったのか…。
「たとえあなたがどうてあれ 私にだって叶えたい願いがっ! あるんだからっ!」
ファータの腹を食い破って出てくる優。咥えてるのは…ファータの心臓か。
少々様子がおかしい…戦闘の余波で傷つき、死にかけている友達に近づき…
「知ってるひと! お友…達!」
「ごめんなさい 私…もう名前も思い出せなくなってきちゃった」
明らかに精神のバランスを欠いています。人と人でないものの間を揺れ動いているのか。
自身の血を飲ませると友人は息を吹き返す…もう無茶苦茶ですね。
「聞こえるようにしました 私の声 最後にどうなったかだけは伝わるように…」
そのまま一気に宇宙まで飛び上がる。
母艦との戦いでズタズタになっているマン・バイト・イーターたちを一人で助ける勢い。母艦の攻撃で上半身だけになっていた沙も優にかかるとすぐに再生を始める。
「ふふふ はははは! 見よっ!天空の口が災いを吐き出す時! 黄金のイヴがアダムを生み出す!」
母艦と対峙する二人。
「予言者と44人の騎士が 最後にその瞳に映せしものは…」
溢れ出す光。周りのマン・バイト・イーターも溶け出す。
「映せしものは 光…」
残ったのは沙と優。既に違う生き物となった二人は地上に興味もなく、そのまま外宇宙へと飛び出して。
…その食料たるマン・バイトを求めて。
その全てを見た友人はは生き残った岡部ミミたちに経緯を伝え、そして母艦を失ったマン・バイトたちは程なく人類に駆逐され…。
奇跡的に勝利を収めた人類は、結局また軍備を整え戦争を始めようとしています。
「“マン・バイトなどいようがいまいが人類は遠からず滅亡する” いつも仲間の”教授“がそう言っていたよ…」
「だけどもし本当に突然 ある朝それが訪れたとしても… あの二人が夜空のどこかを飛び続けているのだと思うと それだこで あの二人を生み出せたというだけでこの救いようのない人類にも…存在した意味があったんじゃないかってーーそんな風に思えるからーー それはどれほど悲しくても 美しいことのように思うんです」
超存在が宇宙に旅立って終わり、という「幼年期の終わり」を思い起こさせるラストでした。…あちらは人類どころか地球そのものがなくなってますが。
長谷川先生、好き放題描かれたということで…そりゃ「ムー」編集部にガチ超能力者が直接訪問するとか、そうないよ?w
どれだけネタが分かるか勝負みたいなところは楽しんで読むことが出来ましたw
さて、「クロスボーン・ガンダム」の方も終わり、久しぶりに長谷川先生連載がない状態な訳ですが…さあ次は?w
まだ枯れるにゃ早いですよ先生!
