• アンデッドアンラック 23巻

    『来るよ 不運が』

     魂を切り離して飛ばし、不運を付与する。魂の理解によるバージョンアップ。

    「不正義がお前にループを託したのはこの為か たしかに不正義や不死では辿り着けないものだ」

     何か納得するUMAビースト。

    「なら遊びは終わりだ 今ここでその意義を断たせてもらう」

     フェーズ3に進化するビースト。古代生物を自在に復活させ、不壊も付与して暴れさせる…!

     風子は不壊に対抗する為、ハルカに自分の魂を探らせる。

    「否定者は神ではなく 先代の否定者が後継を選んでる」

     否定者の魂の中に歴代の否定者たちが眠っている、と。ハルカの中には歴代一心の魂がある!

     果たしてハルカの中に先代一心…じい様の姿が。

    『一心の不壊は一代にて成らず ワシらは獣ではない 人間だ 使え!ただ生き終わる事のない人間の魂の力を!!』

     ハルカはトップの鎧の不壊を重層化、ビーストの不壊を蹴り破ります!

     不壊十二単衣 走の装

    「お前の敗因は人を 人の魂をナメた事だ」

     UMAビースト…撃破!

     魂の強さとは繋がりの強さ。魂を受け継ぎ、成長していく事こそが神にも届きうる道。死なないから代替わりしない不正義=ジュイスは自分が到達しえないそこへ届く為に第一席を譲った。不運=出雲風子に。 その策は見事当たり、風子は魂のルールの理解に至った!

     やらなくちゃいけない事がある、と風子。これから出雲風子がやる事は一つ、とUMAソウル。

    「「魂のルールを仲間に伝える」」

     ユニオンメンバーで魂の感覚を共有しマスタールールに対抗する!

     その為に戻る途中、突然言葉が出なくなる…。

     UMAランゲージの能力! 全地球で言語が使えなくなる!

    「キミはそっちにいる魂の理解が進んでいる否定者 イチコ=ネムリを殺せ」

     ニコとイチコがいるラボに侵入するのはUMAランゲージその人!

    「忘れなかったよ ニコ=フォーゲイル アナタと同じように46億年 あの屈辱を ただの一時もね」

     そう、前ループでニコはランゲージを完封していました。それは彼女にとっても屈辱だったようです。否定能力不忘は完全にランゲージをメタっていて…。

    「!? え!?能力は!? 不忘はどうしたの!?」

     ニコはまだ能力覚醒前。しかしランゲージにしてみれば不忘のニコを倒さなければ意味がない。

    「なってもらうよ 今 ここで」

     イチコの心臓が一撃で貫かれる! 幽体離脱でとりあえず即死は免れましたが…すぐ治療を始めなければどうなるか分からない。

    「さぁ始めよう しりとりを」

     どうしても逃がしてくれそうにないランゲージ。勝負するしかない。そしてその勝負内容は全言語を使用したしりとり。一ターンに一度、使用言語が増えていく。日本語訳して「ん」がついたら負け。

    「互いに使った言語をイメージし具現化してぶつけ合い …どちらかが死ぬまで言葉を紡ぐ 全言語死理取りだよ!!」

     ランゲージの一手目はしりとりの「り」から「流星」。 言葉と共に出現した隕石!

     このゲームは言葉からイメージされる物を具現化しぶつけ合う勝負! ダメージで死ねばそこで負け!

     ニコは「い」から「イージス」を出して受けるが…風子から聞いたイメージだけでは完璧には程遠い…。 

     そしてUMAの耐久力は人間の比ではない…死のリスクはこちらだけ!

     だがイメージだけで作られた物…伝説の武器とか幻想種とか…は壊されたときにプレイヤーにダメージが入る事がわかり…ランゲージの呼び出した神龍に対抗してイチコが呼び出したのは…

    「不老!!」

     ファンを出した!? 本物?

     神龍をこともなげに破壊するファンw

    「新たなルールを追加する ここからは2単語を連続で発言する 心して紡ぎなさい どんな言葉が遺言になるかしらね」

     フェイズ3に進化したランゲージの逆襲。

    「ラテン語追加 Sol(太陽)とLuna(月)」

     …UMAソルとルナ? おそらく本物ではないでしょうが…それでも生半可では通用しないのはわかります。

    「絶対零度!!」

    「東風弾道脚!!」

     ニコが動きを止めたところにファンの必殺技! …えらい都合のいい名前の…。

    「阿呆 即興だ この技は世に残り 言葉として刻まれる」

     即興かw それでちゃんと効果が上がってるのは流石。

     しかしそれでもサンとルナにとどめを刺すには足りない。 イチコは自分の魂をかけてニコに「不忘」を宿らせる、という一発逆転の策を提案します。

    「大丈夫 ニコならできるよ」

    「だって だってさ 科学しか興味なかった私が初めて好きになった男なんだから」

     イチコが魂をかけて残した言葉は「アポカリプス!!」 

     消滅するイチコの魂。

    「ズリィぞ…イチコ… その言葉だけは言わねぇ約束じゃなかったのかよ お互い…全部終わるまではって思ってたのによ 忘れろったって忘れねぇぞ その言葉も思い出もオレは魂に刻んじまったからな!!」

     UNFORGETTABLE -不忘- 発現

     アポカリプスの情報攻撃を受け切り、全ループの記憶を持った不忘!

    「惚れ直したわ ニコ」

    「悪いな 先約がいる!!」

     ループを重ね、繋いできた積み重ねの意味。一足先にニコが体現しましたが、おそらくこれがリメンバーを使った時の効果であろうと思います。ループの中で磨かれた各否定者の能力が発現する…。最終的に魂のルールにも到達するんじゃないでしょうか。

     ただそれは今のループのそれぞれの人格を押し潰してしまう事に間違いなく、「皆が幸せになる」という風子の目標には沿わないものになってしまうんですね。だから風子はリメンバーの使用に慎重だった、と。

     RTAしながら敢えて最高効率ルートを外すとか…無理ゲーやってんな風子…。

  • 神作家・紫式部のありえない日々 5巻

    「神回 まごうことなき神回…ッッ」

     小少将さんお墨付きw

     源氏物語新作「須磨」を読んでの感想です。

     帝と彰子が仲良く…まぁそのなんだ、夜可愛がってもらえるようになって…それが周りにバレバレなのはいろいろどうかと思いますがw

    「うおおおおおお キュンキュンするんじゃ〜〜〜!!!」

     押しカプの進展で養分を得た藤式部、驚異的なスピードで原稿が進み、完成した「須磨」をお隣の小少将に一番に読んでもらった…と。

     ただ、これで小少将が萌えたポイントと言うのが…。

     官位を剥奪されて須磨に蟄居した源氏。その源氏をわざわざ訪ねてきた現宰相頭中将。

    「君がいないと都がつまらなくてね…」

     この場面を「源氏が恋しくて宰相の仕事おっぼりだして会いに来た」と脳内変換して萌えるw

    「来たんですけど!? 来・た・ん・で・す・け・ど!!?」

     書いてないことまで妄想してそりゃもうエラい状態でw

    「式部さん 一生のお願いです…!! 写本を…写本を作らせてくださいっ!!!」

     活版印刷が発明されるのも800年近くも未来の話、本を増やそうと思えば全文書き写すしか方法はありません。すげぇ面倒だしそうそう作る慣習でもなかった。 それをどうしても手元に置きたいから、と小少将は頼んできたのですね。

     快く承諾した式部は小少将と二人で写本を作成…「限りなく公式に近い写本」が完成しましたw

     お礼も兼ねて式部の「彰子サロンを作る」という目的に協力したい、と申し出る小少将。

     でも自分に何が出来るのか分からない小少将に式部は

    「あっ!! ありますよ! ”褒め“です!!」

     新刊を読むと小少将はとにかく褒めてくれる、それでとても元気づけられる、だから

    「『彰子さまを褒める』っていうのはどうでしょう」

     長年、定子と比較されてきた彰子には自信というものが欠けている。小少将が彰子のいいところを見つけて褒めることで彰子に自信を持たせられれば…。

     これが当たり、彰子は少しづつ積極性を出すようになっていきます。

    「あ…あのね藤式部 私に漢詩を教えてほしいの 特に白居易の詩を知りたくて」

     源氏物語には漢詩や漢文が散りばめられているので、これを深く知る事で帝の考えている事もより深く知れるようになりたい、と。

     当時、女性が漢籍を読むことはよろしくない、とされていたのですが…それでも学びたい。 藤式部に否やはありません。

     これも積極性の発露…と言えるでしょうか。

     これを機に彰子サロンの更なる充実化を図りたい藤式部。「若くて気概のある歌詠みの女房」が欲しい、という結論に。 最終的に道長に言う事聞かせる為に…寝所に生霊のフリして乗り込む、という斜め上の策が実現w

     なんとこれが上手くいき…まぁ政治と呪術が不可分だった時代ですし…道長が歌詠み探しに本腰入れてくれるようになったのですが、それと反対に赤染衛門のサロン改革は遅々として進まず。

     この時代ではごく普通の「殿方と歌を交わす」ことさえ嫌がる…という、まぁ超お堅い職場。

    「確かにあなたの歌は素敵で倫子さまには重宝さらていたようですけど ここにはここの作法というものがあります あなたがこちらに馴染んでいただかないと困るわ」

     …あー、典型的なお局様…。

     小少将による彰子の意識改革等など、サロン完成まではまだまだ道が長いようです。

     さて、そんな中でも政争は進んでいきます。道長側の情報を伊周にそれとなく流しているスパイ…謀略家? 道長の妻、明子の兄権中納言俊賢。これが藤式部に粉かけて来ます。

    「お尋ねしたいのだが あなたが書いている『源氏物語』…人によっては光源氏のモデルは伊周様ではないかーーとの噂を聞いて」

    「もしや意図的に源氏を貶めて伊周さまを彷彿とさせる話にせよ… そう道長さまから指示されているのでは と思ってね」

     この人、金峯山の件で式部が書いた文も把握していまして、どうも式部が道長陣営の参謀のような役割を果たしているのではないか、と邪推したようです。

     「源氏物語」は帝に彰子の元に通ってもらう為に作ったものでそれ以上でもそれ以下でもない、そもそも道長にそんな思惑があれば源氏ではなく藤原氏を讃える内容にさせるだろう…。

     そう言って俊賢を納得させる藤式部。

     そこで油断した俊賢の身の上話…父が政争に敗れて左遷、共に都落ちして復帰の為、下位の者が通う学校に入らねばならなかった…。

    「人の辛かったであろう 悲しかったであろう話を聞いた時『可哀想に』『気の毒に』と思う前に『面白い』と感じてしまう 物語に取り入れたい 早く書きたい早く早く早く」

     …人は幸せだけ感じて生きていく訳にはいかない。悲しい、辛い、悔しい、楽しい…いろんな感情を、刺激を受けないと生を感じることが出来なくなる…のでしょう。だからこそ悲劇やバッドエンドにも存在価値がある。 つまりそういう話を書きたい、という衝動を持つ作家が存在する事になります。 ただそういう衝動を作家本人が好むかどうかはまた別の話な訳で…。

    「いずれ 地獄に落ちるのではないかーーと」

     そんな中、ひとつの噂が宮中を密かに包みます。

    「彰子さま ご懐妊…」

     道長陣営にとっては待望の世継。しかしこれで定子の子、敦康の立場が危ういものになる…次の政権を待ち構えていた定子の兄、伊周は黙っていないでしょう。 せっかく家族としてまとまった皇家は引き裂かれて政争の道具にされる道が確定しました…。

     そしてこのとびきりの悲劇を作家、藤式部は放置しておけないでしょう。彰子と帝の押しカプが崩れていく様を人間、藤式部は悲しみつつ…。

     悲劇の予感しかしないな。所詮平安貴族なんでぐちゃぐちゃの陰謀劇になってしまうのは仕方ないのですが…コミカルな描写も入れ込んでいってもらいたいなぁ…。難しい?

     

  • 今朝も揺られてます 1巻

    「…俺には好きな人がいる 名前はまだ知らない」

     登校途中の電車で出会う名前も知らないあの娘。話しかけたいのに出来なくて。いつ会えなくなるかも分からない。仲良くなりたいけど話しかけて「キモ!」とか言われたらどうしよう…。と悩む高校生…を見守ってほしいキュンキュンしているモブ乗客たちw どっちかと言うとこっちか主役wというヘンなマンガ「今朝も揺られてます」、待望の第1巻です。

    「ホントわかりやすいなぁ…顔真っ赤じゃん」

    「見てるだけで若返るわぁ…!!」

    「どうしてそこで話しかけないんだ少年っ!!」

     少女の隣に座れて、でも何も言えずにドギマギしている少年の様子を乗客たちが話し合う…LINEでw

     グルーブ作ってるのか君等…仲いいなw

     メンバーは主に大学生、OL、部長の3人。、…っても全員自称なんでホントにその身分かどうかも分からないw 確実なのは毎朝電車に乗って一定距離を移動し、少年と少女を観察している、ということだけ…結構ヤバい集団だな。

     オンラインゲーム『願神』キーホルダーを少女が付けている事に気付いた少年。

    「…そ…そのキーホルダー…『願神』0好きなんですか…?」

     勇気を奮った!少年!

    「えっ…?好きでござるが…?」

     …正面に座っていたおっさんが反応w あんたじゃねぇ。

     ヘンに盛り上がるおっさんw

    「あれ?そのキーホルダー… お嬢さんも『願神』好きでござるか?」

     少女に振った! ファインプレーだおっさん!

    「は…はい 大好き…です 始めたの最近だし動機も不純っていうか!流行ってるから始めたミーハーですけど…」

     少女受けた!

    「一緒に『願神』プレイしてみませんか…? これも何かの縁っていうか…」

     少年、勝負をかけた〜!

    「えっ…そんなに拙者と一緒にプレイを…!?」

     あんたじゃねぁよおっさん!! …乗客たちと読者の叫びがシンクロした瞬間w

     ほら少女の方が勘違いして引っ込んじゃった…。

    「…てっきり私が話しかけられたと思ってはしゃいだり…一緒にゲームてきるって舞い上がったり…めっちゃ恥ずかしい…!!」

     …ってあれ?これ脈あり?

     てな感じで二人が両片思いである事が乗客に知れたり、いわゆる「これだけでご飯3杯食える」展開が続きます。

     二人の仲を進めるために可能な限りサポートに回る乗客たち。…って言ってもほとんど何も出来ないのですが…精々二人の席を死守するために気づかれないように周りを固める、とかその気はないけど邪魔しちゃう人々が近づかないように邪魔するとか…あら、結構あるな出来る事。

     その甲斐あって少女が少年の生徒手帳を拾い…そう、少年の名前を知った!

    「あれ?なゆじゃん なにしてんの?」

     手帳を返すところで少女の友達が偶然声をかける…つまり!

    「「あの人の名前…」」

    「“なゆ”っていうんだ…」

    「彦一くんっていうんだ…!」

     ついにお互いの名前を知る! これが1巻ラストw

     

     いやもううれしはずかしプラトニック…学生時代にしかできないようなのがてんこ盛りでw 1巻かけて名前知るだけって何でしょうかこれ…てかここまでやっておいてまだ両片思いですよこの二人w

     あのLINEグルーブ是非入りたいw 絶対楽しいですよw

     作者の増田英二先生は、「実は私は」など特殊なキャラクターがぶつかり合う事で実は彼らの中にあるなんでもない「普通」を映し出す…というような話が得意でした。それが今回は完全に普通のボーイミーツガール…。 いやキッチリシチュエーションにこだわってきてるし乗客の皆さんのキャラはしっかり立ってる訳ですがw 

     ともかくある意味誤魔化しの効かない真っ向勝負で来られました。この勝負、是非見届けたいと思います。

     

  • 異世界ありがとう 6巻

     シイナとギルバートンの歌で船は人魚の襲撃から一晩持ちこたえ、霧の朝を迎えます。霧が晴れれば風も吹き始める、とのことですが…。

     怯んだはずの人魚たちが霧に紛れて船員たちを襲う! 何体か倒した人魚は胴体が長〜く…。

    「人魚じゃなく別に本体があるらしい」

     チバがファイヤーボールの軌道を無理やり曲げて船の周りを一周させ霧を払う。

     現れたのは…山のように巨大な魚…? 触手の先に人魚のような身体がついている!

     大魔術師レゼーネがつけたその生物の名は「テラステオス」。 人魚のふりをした触手で船乗りを海に誘い、引きずり込む…アンコウのようなものか。 恐ろしい声で吠える!

    「ああ…怒ってんのか…」

     あまりに巨大過ぎる敵に人は抵抗する意志すら失う…。されるがままの船員たち。

    「ロアン 来い この船はもう終わりだ」

     早々に見限り、船を脱出しようとするベイルード。一人だけ逃げようとしている船長を殺して小舟を奪い、脱出しようと…。 船長も大概ですが、ベイルードも手際が良すぎる。何度か似たような事をやってますね…。

     結局ロアンは一緒に行かず。もったいつけていろいろ言ってますがチバたちを見捨てて行けなかった様子。

    「おまえは最後まで甘っちょろいところが抜けなかったな せいぜい後悔しろよ」

    「そうかい…そうかもな オレはお前の航海の無事を祈るよ 甘ちゃんなんでな」

     テラステオスに怒りを上回る恐怖を与えて逃げ出させる! その為に上級魔法を唱えようとするチバ。一発は撃てるはず…! しかしMPが足りない?

    『はっはは おまえさ、そんな簡単に上級魔法が撃てるわけないだろ?』

     現れたのは幻…高校時代のチバ?

    『消費MP60とか舐めたこと書いてたからーー120に書き直してやったんだよ 高校の時に 覚えてない?おまえ高校の思い出、黒歴史化してるのか全然忘れてるな』

    『強力な魔法を使いたかったらそれ相応の代償を払わないとリアルじゃないよな』

     なにかあったはず、と悩むチバ。

     そこへシイナがアサルトライフルw抱えて乱入!虚無の袋から出したらしい。

    「ほら、あの!お互いが死んでも…ってヤツ!?おれ今あれの心境だわ! わはは チバに追いついたかも」

     使ってない魔法とかあるなら使っちまえ、とか焚き付けて…そのまま人魚に攫われる!?

     海に引きずり込まれたシイナ。へたり込むチバ。

    「シイナを返せよ…バケモン」

     吹っ切れたように立ち上がる。

    「我が寿命を二百年捧げる」

     それは上級魔法の更に上、禁断魔法。

     周囲で魔法が発動出来なくなるほど魔力をあつめ、光すら引き込む…!

     次の瞬間、テラステオスは跡形もなく消滅していた!

     …すごいけどチバ、その体借り物…。

     何とか船は夜の大陸の玄関街、ウナの街に到着。

     生存競争に負けたオークが街まで降りてくるとかヒトに擬態したモンスターが街中…浴場まで!…入って来るとか、さすが夜の大陸はレベルが違う。

     更に禁断魔法の副作用でチバが弱体化。シイナに「旅をやめよう」と言い出します。シイナを護れる自信がないから…と。行き違いから揉める二人。

     呪術師のおっさんやロアン、ギルバートンに焚き付けられて本人同士で話し合う事に。

    「いやいや 逆に今までがおかしかったんだって! 性能に差がありすぎというかさ!むしろこれで対等じゃねーか!」

     逆に喜ぶチバ。こういうとこだな、チバのいいとこは。

    「行こうぜチバ 夜の大陸最深部目指して… おれはこの旅でチバが死んでも後悔しない…!」

    「…わかったよ 俺もシイナが死んでも後悔しない…!」

     いつか何もかもが変わるかも知れない。この約束も意味を成さなくなるかも知れない。それでも今この瞬間通じ合った心は嘘じゃない。

     戦力的には弱くなり、でも心はお互い強くなって二人は旅を続けます。

     …とはいえ夜の大陸で生きていくには心許ないのも事実…。どうするのかな。二人のこっちでのツテといえばそれこそロアンやおっさん、ギルバートンくらいしかいないんだけど…こいつらとパーティー組む? …ギルバートン君が生殺しだw

     てかシイナって戦闘以外ではわりと有能ですよね。スキマ商売思いついたり、虚無の袋に「空気」入れておくとか小知恵が回る印象。 ただ人生の時間で考えると殺し合っている時間より普通にしてる時間の方が圧倒的に多い訳で、ベイルードが言うよりシイナって必要な人間なんじゃないかな、と思います。

  • 転生したらスライムだった件 27巻

    「ですから支払いは必ず行いますので 落ち着いてお待ち下さい!」

     ミョルマイルが必死に窘めます。魔国連邦開国祭が好評のうちに終了し、今日は支払いの日。古代金貨での支払いになる、と通達していたのに一部の商人たちが流通量の多いドワーフ金貨の支払いにしか応じない、と言い出してトラブルになりかけています。

    「何せここは魔物の国だ 金貨代わりに受け取った証書が葉っぱにドロンなんてことになったら笑い話にもなりゃしませんからねぇ」

     …そこまで信用ない相手となんで取引しようと思ったんですかねぇ。

    「まぁまぁまぁ皆の者 少し落ち着いて話そうじゃないか」

     ガストン王国のミューゼ公爵なる人物が割って入ってきました。取りなす感じですが要するにドワーフ金貨での支払いを強行する方向に持って行く…。

    「どうだろうミョルマイルよ その方の“事情”の解決法だが幸いにしてワタシに心当たりがあるのだ 少し個別で話をせぬか?」

     はい答え合わせ来ましたー。ここで古代金貨とドワーフ金貨の両替をして恩を売ろう、と。

    『相手を従えたい場合 恐怖や威圧といった強硬的な手段よりも恩を売るほうが何倍も成功率が高いって話』

     エルメシア皇帝が読んだ通り、魔国連邦を傀儡に仕立て上げる為の第一歩ですね。

    「どうせそいつは本当の仕掛け人の操り人形にすぎないんだから トカゲのしつぽだけを掴まされて満足しないようにねぇ」

     さらに続く忠告の通り、ミューゼのバックにいるのは西方諸国を裏から支配するマフィア、ロッゾ一族。一国の公爵を使いっ走りにする辺り、その権力は確かなものです。

    「せっかくだがその必要はない」

     満を持して現れたリムル。各所の協力を得て用意できたドワーフ金貨と共に。

    「さて もうよろしいかな? ではあまりお待たせするのも悪いので速やかにお支払いするように」

     現金の前に口先三寸は虚しいだけ。粛々と支払いは進み…更に食い下がるミューゼ。西方諸国評議会への参入の口利きをしよう…と。

    「いや 別にいいかな」

     評議会が対等な関係を築くつもりがないならそんなところを通さず自由組合に頼んだり各国と個別に取引する。 …何よりこれだけ陰謀を巡らせて失敗したミューゼはもう失脚する…。

     更に支払いを受けて安堵した商人たち。

    「君たちとの取引はこれで終わった 次はない ということだよ」

     信用とはお互いが相手を信じる事で成り立つもの。最初の契約をひっくり返して難癖をつけた商人たちをこちらが信用する事は出来ない…。

     慌てる商人たち。 これから発展し、流通の中心になる事が約束されている魔国連邦から締め出される訳ですから、そりゃ必死になります。

     で、リムルが去った後でミョルマイルが「特別に口を利いて取りなしてやる」と…。

     逆に恩を売ってるw 抜け目ないなリムル様w

     ミューゼはロッゾの手で早々に始末されてしまうのですが。明暗分かれますね…。

     そのロッゾ一族は年端もいかぬ少女マリアベルに実質乗っ取られていました。

    「心配しないで 私はマリアベル ”強欲“のマリアベル 全てをこの手に掴む者 この世はロッゾ一族のものなのよ」

     彼女も転生者でした。そのユニークスキルは「強欲者(グリード)」。相手の欲望が視え、それを刺激する事で意のままに操る事ができる。

     このスキルの恐ろしいところは「相手がそれと気付かないうちに操り人形にすることができる」事。これでロッゾの首魁、グランベル・ロッゾまでも手中に納めてしまった。

     マリアベルはリムルを飼い慣らせない脅威と認識し、排除に動き始めます。

     そしてもう一人のリムルの敵…ユウキ・カグラザカ。中央道化連を使う等、裏から手を回す方向で回りくどくリムルの邪魔をしてきましたが、ついにリムルに“敵”の確信を持たれました。 とは言ってもそれぞれの立場もあって当面二人の直接対決はなし。当面の敵は西方諸国評議会…ロッゾだし、地下迷宮の運営に関して自由組合から冒険者への宣伝を頼んでいるしw it’s a ビジネスw

     その地下迷宮ですが、ヒナタが売り言葉に買い言葉で本気で攻略しちゃって、地下100階に到達w

     さすがにラスボス・ヴェルドラには勝てませんでしたが、負傷したボスモンスターたちの穴埋めや構成見直しのため、リムル、ミリム、ラミリス、ヴェルドラが時間稼ぎをする事に…流石にそのまま出張る訳にはいかないのでノーマルモンスターに魂を移して冒険者たちの相手をする事になるのですが…それでも相当強い! 

     更にアンデッド・アダルマン強化のため、”信仰と恩寵の秘奥“を授ける事に。それは「霊子に干渉可能な存在を信奉する見返りにその力を借りる」事。簡単に言えば「リムルを信仰する事で神聖魔法が使える」…!? 神側は信者の脳を自身の演算領域として使う事も可能…という、宗教が信者を増やす理由も説明されてしまう…これ世間に知れたら大混乱ですね。そりゃ隠すわ。

     てかリムル様、ほぼ神と同等の事が出来るようになった訳で…それって本当の神々はいい気がしないのでは?世界から狙われるのでは…。 ん?その場合刺客は勇者?

     

  • シャングリラ・フロンティア 〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 19巻

     クターニッドが潜むと推定されるルルイアス中央の城に乗り込むチーム「不倶戴天」。

     広大な城のなかにはモンスターの一匹もおらず、ほぼ素通しで入った広間には…。

    「オイオイマジか…!! 早速お出ましかよ…!! 七つの最強種『深淵のクターニッド』…!!」

     その姿は繋がれた巨大なタコ! …動かない?弱っている?

    「チャンスですわ!!」

    「ゆくぞ!!ネレイス!!」

    「パパの仇を討ってやる!!」

     ここぞとばかりにクターニッドに襲いかかろうとするNPCたち。しかしサンラクは不信感を抱きます。

     最強種…ユニークモンスターには共通してある特徴がありました。

    「遭遇した瞬間の圧倒的威圧感…!!脳に直接訴えかえる様な『強者』という威圧!!」

     しかしクターニッドにはそれがない。それどころか…。

    「…成程 こりゃひでぇや…」

     即時撤退の指示を出すサンラク。

     不満をぶちまけるメンバーに説明します。

     最強種には必ず存在する「圧倒的強者の威圧」。それが今回のクターニッドにはなかった。つまり…

    「クターニッドの能力で『威圧が反転』していた」

     クターニッドに相対した者を強制的にリラックスさせ、「勝てそう」と思わせる。不用意に襲いかかるプレイヤーは返り討ち…。 「反転」がテーマのギミックといったところでしょうか。

     で、そこから導き出される仮説。

    「恐らくこの『シャングリラ・フロンティア』ってゲームは俺達の感情をコントロール可能なんだ」

     …フルダイブ型VRは脳に微弱な電流を流すことで擬似的に感覚を構成する。そこからもう一段階進み、シャンフロはプレイヤーの「感情」をもコントロールする事が出来る…!

     これ、かなりとんでもない技術です。人は理屈で納得しても感情が伴わない事も多い。そして感情を優先してしまう者は思いのほか多い…。その感情をダイレクトに操れたならそれは人間を自由に操れると言っていい。 …ていうかこれ「洗脳」ですよね? 

     サンラクはVR反対派が横槍を入れる材料にされる、とか懸念してますがそれどころじゃありません。テロ組織とか独裁国家とかが喉から手が出る程欲しい技術のはずで、運営会社自体が揺るがされる可能性すらあります。 …正直、感情コントロール技術なんて持ってても使おうとは思わない(ヤバすぎるw)と思うのですが…ゲームのリアリティの為に使っちゃったんだろうなぁ…文字通り「イカれてる」。

     クターニッドがこのような手順を踏んでギミックを破らないと倒せない「ギミックボス」である可能性を考慮し、ヒントを得る為に城内を捜索するチーム「不倶戴天」。

     見つけたものは大きく二つ。一つは書物。ルルイアスは『青』なる者に侵食され、それに対抗するためにクターニッドに協力を仰いだ、という…。つまりクターニッドはルルイアスを救った?! しかも『青』は必ず再侵攻してくるから島を海の底に持ち帰り守る…今もクターニッドはルルイアスをまもたている?!

     もう一つはその書物に記述のあった「要の碑」。玉座に座るクリスタルの像。これが王の権威の象徴であり、これに王冠を被せることでクターニッドに譲渡していたルルイアスの王権が戻される…その予想を元に像に王冠を被せようとした瞬間、上下が反転!

     クターニッドは戒めの鎖を断ち切り、その真の姿を現し始めました!

    「我が名はクターニッド 深き淵に座する者 神ならざれど神なる力を振るう者」

     反転する城。その中央にあるのは「圧倒的な威圧」を放つ…正に最強種!

    『ユニークモンスター 深淵のクターニッドに遭遇しました』

    「あぁ…これだよ やっぱお前らは…他とはワケが違う…!! 楽しくなりそうじゃねえか…!!深淵のクターニッド…!!」

     「示せ 継がれし遺志を」の言葉と共に始まる戦闘。まずは触手攻撃!触手に直接攻撃してもダメージが通らない。太い触手から枝分かれした細い触手は切り落とせるので全部斬れ!

    「届かぬ高みはなく されば至りて後に人は何処へ征く 信ずる己を見出せ」

     魔法陣が変形し、聖杯を持ったタコの姿を取ったクターニッド。聖杯が光を放つ!

    「世界が変わり果てようと 根幹は揺るがず」

     光を浴びたサンラクは身体が小さく…いや

    「んなっ…なんじゃあこりゃぁああ!!」

    「完全に女になってるじゃねぇかぁ!!」

     性別が反転してる! サンラクは美少女、ルストはイケメン、秋津茜は…髭面オッサンw サイガ-0は女性アバターになって喜んでますがw

     ただステータス自体は変わっていない様子。単純に混乱してるだけですね。

     この効果はクターニッドが持っている聖杯の効果らしく、それぞれ効果が違うらしい。

     性別反転はまだデメリットが少ないですが、他の効果として「色調反転」…見える光景が変わる。混乱はするが慣れれば何とか。 …ここまではまだ良かったのですが次が「ステータス反転」。どうやらランダムに能力値を入れ替える…これはまずい。武器の使用条件に抵触したりするし、サンラクなんか幸運が下がって耐久がガン上がり。…ただHPは変わっていないので食らったらヤバいのは変わらず。

     武装が使えなくなったサイガ-0を咄嗟に庇うサンラク。

    「レイ氏 役割を反転だ 今度は俺が守る!!」

     出来たらサンラクに守られるシチュエーションを体験したかった玲ちゃんには理想のシチュとなりましたw 玲ちゃん乙女な顔してますw

     「最強種は敵じゃない」可能性が出てきました。クターニッドは明確にプレイヤーを試そうとしていますし、リュカオーンのマーキングも目ぼしい者を選んで鍛えている感があります。ウエザエモンは…ある意味狂っちゃったんだろうなぁ…。メインストーリーを進めていくと真の敵が明らかになる感じでしょうか。

     さて、「シャンフロ」の「一部のキャラだけで重要なイベントを進めてしまう感覚」、何処かで見たことあるな〜と思っていたのですが、思い出しました。

     PBMってご存知でしょうか? 「プレイバイメール」…TRPGを大規模にした感じで、プレイヤーはマスターに郵便でアクションを送る…マスターはリアクションをこれまた郵便で送り返す…アクションリアクションの1ターンが一月、一年でワンゲーム終わる…という現在から見ると非常に悠長なゲームだったんですが、インターネットも発達していない当時、「ネットゲーム」と言えばコレだったんです。「蓬莱学園」シリーズと言えばご存知の方もいるかも…。

     で、これが数百人から数千人規模でいくつものイベントを同時進行でこなしていく事になります。事前情報も多少はありますが、行ってみないとイベント内容は分からないので重要イベントを数人で解決してしまう事もよくありました。

     これがなんで成立していたのか、と言えばイベントの結果を物語形式で配布する「リプライ」というものが発行され、それがほとんどの場合受け取ったプレイヤーから他のプレイヤーに広められたからです。方法としてはコピーを繋がりのあるプレイヤーに送付または手渡しw、それをまたコピーして配布…超アナログですね。 

     まぁこのようにして多くのプレイヤーが一次情報を共有できたのです。

     …しかし「シャンフロ」の場合、キョージュがサンラク達に直接話を聞きたがった事とか見るに、ムービーとかログが公開される訳でもないようだし…。 この辺の擦り合せ無いと不満全開、炎上必至だと思うんですが…。

     

  • 黄泉のツガイ 8巻

     ハルオとそのツガイ、ウサギとカメが表紙です。オシラサマだったり手長足長だったり…ツガイを見て伝承が出来たのか、伝承を元にツガイが作られたのか。本編とは別に気になるところです。

     陰陽のハラの中、影森家の保護を受けるようユルに勧めるアサ。

    「普通の感覚でいたらこの界隈ではすぐ死体になる」

     確かにやり方は荒っぽいですが、ツガイ使いは世間と折り合いが付けられない者も多く、彼らを守る為には暴力も辞さない組織が必要なのも事実。

     実際アスマの母イオリは偶然ツガイを手に入れた事で周囲から変人扱いされ、身投げしかけていたところをゴンゾウに拾われていました。

    『あなたと似たような境遇の仲間もたくさんはたらいてるしツガイ使いもそこらじゅうにいる 誰にも気兼ねなく暮らせるだろう ツガイ連れは大歓迎だ!』

     それは集団を維持する為には外に辛く当たる、ということで…。

    「座敷牢に入れるか?」

     …成り行きで東京まで連れてきてしまった東村の子供、アザミに対してはゴンゾウも厳しい態度を崩しません。東村に戻されても外の世界を見過ぎたこの子はおそらく…。かといってここで命を断つのは忍びない。 ギリギリの判断なんでしょうけど。

     その流れは勿論裏切り者アキオにも。

    「危険分子を残しておけばおまえたちの命を危機にさらす事になる アキオを生かしておく事はできない」

     ハルオとナツキがアキオの助命を求めますがジンは一蹴。警察はじめ公権力も、自分たち以外の何物にも頼れないのですから厳しくなるのは仕方ないことです。

     アキオは生来痛みを感じない…いわゆる無痛症。自分の痛みも相手の痛みもわからない、つまり止まらない止められない。容赦がない。

     裏稼業で生きていくしかない彼が影森に入ったのは幸運だったと言えるでしょう。

     しかし親と思われる人物と連絡がつき…。

    「その人があんたに何か吹き込んだの!?」

     まるで気にしていない風で呟くアキオ。

    「ヤマノカミは今すぐ逃がしてやってくれ 頼むよ ヤマノカミが壊されてしまう 死んでしまう」

     果たして本尊状態に戻っていたアキオのツガイ、山風と谷風が…爆発!くっついていた粘菌のようなものが原因か。

     騒ぎに紛れてアキオは逃亡。

     迎えに来たのが例の「お母さん」らしいのですが…。

    「これからはずっと一緒だ アキオ」

     …なんか胡散臭いぞ。これヒトに化けられるツガイだったりしない? バックにいるのが例の「西の村」のようだし。

    「四百年待った この貴重な機会を逃す訳にはいかない 今度は西が勝つ」

     …この騒ぎでユルは結局デラさん家で静養する事に。アザミちゃんも引き取る流れ。

     これでデラさん家に厄介になっているのはハナちゃん、ユル、アザミ、ケン、犬…ツガイが左右様、ザシキワラシ、リトルグレイ、ハナのツガイの犬猫…ついでにオシラサマw

    「これ生活費どーすんですか!! デラさん山賊とケンカしちゃったからもう東村界隈の仕事来ないかもしれないんスよ!?」

     家計の危機w…ですが東村関係者に招集がかかります。差出人は「山賊」。

    「これ絶対フジムラヤマ倉庫の件でデラさん吊し上げてユル君差し出せってやつでしょ」

    「ですよねー」

     『全員シメればいいのか?』とか物騒な事言ってるユルを抑え、出たらどう考えてもややっこしい事になるデラさんもバックれ、ハナだけが何も知らないテイで出席する事に。

    「東村を裏切ったんスね!? きっと『封』の子を手に入れて自分の欲のために使う気っスね!? サイテーっスね!!! 見つけたらシメとかないとあのウンコ先輩!!!」

     ここぞとばかりに言いたい放題のハナちゃんw

     下界の東村関係者をまとめる「社長」は、東村が影森に襲われてほぼ機能停止している今、下界は自分の主導でスピーディーに動かないと対応しきれない…と主張します。

     …「解」と「封」を独占して全部牛耳りたい気持ちを隠してないな〜。

     しかしこの辺の情報は全部西の村にもダダ漏れでした。集会場に仕掛けられていた未契約のツガイ本尊。

    「あそこに集まってる東村の人たち何も知らないみたいだ ユルの居場所もわからない」

    「使えねー奴らだな! もういい 役に立たねー奴らは潰しとけ」

     筋骨隆々のジイさんの命令で粘菌を手に付けた少女が手を握り込む。

     本尊…粘菌…爆発!!

     あの粘菌もツガイか!

     爆煙も収まらないうちに後始末に駆り出される女子高生峰山。そういう繋がりか。

     スマホで喋ってる峰山の後ろに立つ影。

    「学生さん? なんでこんな時間にこんな所うろついてんの」

     ハナ! この子も荒事に強いのか。

    「いやあ〜 塾の帰りに道に迷っちゃってえ♡」

     第三勢力「西の村」が具体的に活動してきました。こちらは伝統的にツガイをあまり大事にしない習慣のようで。ツガイを爆弾代わりに使う事に躊躇がない。隣人としてツガイを大事にしている東村…影森とは対照的です。『ツガイよりもヒトを大事にする』みたいな主義なんでしょうか。

     結局、ツガイよりもそれを使うヒトの方がはるかに怖い…と散々描かれた巻でした。同時にそんな人間が人を…友を大事に思うのも確か。 

     聖者ならぬ我々は傷つきながら生きていくしかないのですかね。

  • SPY×FAMILY 14巻

     期末テストの結果発表。アーニャは168位…前回から上がった…!

    「ふっ…アーニャのじだいきちゃった」

     いや、そこまででは…。

     古語のテストでアーニャは2位。 …つまり星獲得!

    「…わ…わああああ」

     本人が一番慌てていますw

     ところがそのアーニャが数学で赤点…雷!

    「わあああああ わあああああ」

     星と雷同時に取るとかそう居ないらしいw

    「“努力が報われると嬉しい”ということを”知る“ことができたな それが星にも勝る財産となるはずだ」

     ジーさんにはそう言われて褒められてます。

     これでアーニャは星取得3、雷取得3。どちらも学年トップw

     良くも悪くも目立つ、強烈な印象を残す。こういう子が台風の目になるんですね。実際アーニャ・フォージャーの名を知らない者は学園に居ないでしょうし。

     終業パーティー。将来の社交パーティーの予行演習も兼ねて男女でダンスを踊るんですが…、

    「じなん アーニャとだんすしよう!」

    「すすすすすするかバーカバァアアアカッ!!!」

     …脈がない訳でもないんですがねぇ…。

     実はダミアンのダンスパートナーは競争率激高。なんだかんだで「ダミアンさまにふさわしいダンスパートナー選考会」が急遽開催w

    「あの…あと10分でダンスタイム始めるけど…いい……?」

     ロイドの影ながらのサポートと超能力で見事(いや、ほぼズルなんだけどw)ダンスパートナーの座を勝ち取るアーニャ。

     ガチガチながらも踊り始める二人。

     ダンスをちちに習った、と話すアーニャ。

     自分はダンスの先生に教わった、とダミアン。

    「いいな おまえんちは」

     お、ちょっと態度が柔らかくなった?

    「つーかおめーは何でオレんちに犬がいるとか池があるとか知ってんだよ オレの心でも読んだのかコラ!」

    「そう アーニャこころよめる」

     ボロッと言ってしまうアーニャ。こっちもガードが下がってるな。結局ダミアンは信じませんでしたが。 …プランB結構順調?

     後半はダンスパーティーでちょつと踊っていたヘンダーソン校長とマーサ…ベッキーの家の執事のお話。 この二人、イーデン校の3年違いの先輩後輩。

     惹かれ合った二人。教師を目指すヘンリーとバレリーナを目指すマーサは束の間幸せな時を過ごしますが、戦争の影は確実にここにも伸びて来て。

     教育が社会の争いを止める、と主張していたヘンリーは教育の無力を嘆き、マーサの目指していたバレエ団は慰問先で爆撃に巻き込まれ解散…。

     国防婦人軍に志願したマーサ。

    「奪われちゃうんだよ!!抗わないと!! 夢も!!いつかきっとあなたも!!必死に守らないとヘコんでなくなっちゃうんだよ!!」

     ヘンリーとケンカ別れのような状態で別れてしまう。意を決してダンスパーティーでヘンリーに告白しようとするマーサでしたが、空襲警報に邪魔され果たせず。そのまま前線へ。

     戦況の悪化により手紙でのやりとりすらままならないうちにマーサの所属する部隊全滅の報がヘンリーの元に届きます。荒れるヘンリー。

    『ヘンリーが講義をしてて それを聞いてみんなが仲良く握手を…』

     マーサが手紙に書いていた夢の光景。それをゆめのままにしてはならない、との一念で教師に復帰する。彼女は手紙で続けて『私の手はドロドロで輪に入れなくて泣いてる』と続くのですが…象徴的過ぎて泣けてきます。

     終戦してしばらく。マーサの生還を諦めたヘンリーが親の勧めを断りきれず結婚した頃…西国の片田舎でマーサが目を覚ます…!

     もう悲劇しか予想できないお膳立てです。しかも非常によくある悲劇。戦争とは一部の悪党が仕掛けるものではなく、本来無数の人々が良かれと思って動いた結果…より良くしようと足掻いた結果だったりするのです。 であるからこそやりきれないのですが。

     そしてその後に続く冷戦を終わらせよう、戦争再開させまいとする者たちが暗闘を続け、その手を汚し続けなければならないのもまた悲劇。

     こういう状況を早く終わらせないと、何が正常なのか分からない人間が増えていくんじゃないでしょうか。例えばデズモント総裁。過去編に出てきた少年デズモントは多少サイコパス気味ではあっても普通の人格でした(ヘンリーの授業を「楽しい」と評する等)。

     しかし現在の彼は何か心の病を患っているんじゃないかというくらいの状態。更にその家族もおかしくなっていっている様子。放っておけばダミアンも変になっていくと思われます。 こういう世相全てがロイドたちやヨルたちの相手であり、正すべき対象なんでしょう。敢えて『敵』とは言いません。

     …う〜ん、この辺を敷衍していくならやっぱりフォージャー家は一回バラバラになってしまう気がするなぁ。

     

  • ルリドラゴン 2巻

     復活の「ルリドラゴン」、なんだかいろんな賞にノミネートされてて…正直忘れられてるかと思ってたんですが、そんな事なかったですね。感無量です。

    「わ…わたし電気出せんのか どうしよう何だこれ…!!」

     教室で突然放電を始めたルリ。すぐ収まりはしましたが…まぁドラゴン絡みですよね。お母さんに確認したところ今すぐどうにかなってしまう、というものではないらしい。

     一応最後まで学校にいたんですが、流石に嫌がるクラスメイトも…。

     結構ショック受けてるルリ。翌日、お母さんとお出かけ。

     …龍には雷を落とす能力があるらしい。んで今のルリの状態を見るに、体内に電気を溜める体質があるのだろう、と。問題は「勝手に電気が漏れる」こと。要はコントロール出来ればいい。体機能の調節が上手くいってないのなら上手く行かせればいい。

    「体機能の調節を司るのは血流 血液が全てを支配する! つまり運動!!」

    「よーし遊ぶぜー!!!」

     強引だなおい!w

     とりあえずスポーツセンターでいろいろやり始める青木母娘。これが効果あるのかどうかは正直分からないのですが、ともかくモヤモヤを発散できたのは間違いない。それだけでも意味はあったのでは。 …しかしお母さん運動神経いいなw

     そのおかげなのかどうか、放電の制御には成功。 で学校行ってみると

    「”体育祭実行委員“やってみない?」

     先生からの提案です。近日開催の体育祭、ルリは角あるし出たら危ない種目もあるだろう。 なら裏方として活躍できれば良い思い出になるんじゃないか? …割と考えてるのかこの先生。

    「青木みたいな面白いのがいたらみんな体育祭への関心上がるでしょ」

     いや面白がってるだけかw

     しかし委員会に出席してみると…クラス代表のもう一人がこの間拒否反応を示していた娘…前田さん。 やっばり仕組んでるのか先生?

    「アタシさ 青木さんのこと嫌いなんだよね 分かると思うけど」

    「そっか…だよね 何でそう思うの?」

    「他人に無関心だから」

     ひとしきり騒いだ挙げ句、嫌いな理由を言い放つ。売り言葉に買い言葉でキツい言い方になっただけみたいですが。

    「前田さん今日一人? お昼一緒食べよ」

     関係改善の為か距離を詰めるルリ。 この子人見知りっぽいんですが一旦動き出すと歯止めが効かないと言うか…動き出すまで長い代わりに動くと止まらない、ダンプカーみたいだなw

    「じゃあ わたしの嫌いなところもっと詳しく」

     …前田さんの事をもっと知りたい、がメインのようですがもうちょっとこう…言い方というものがw

     腹割って話し合った結果、前田さんともどうにか仲良くなった模様。

     しかしルリ、初対面だとヒキ気味なんだけど懐に入り込むの上手いと言うか、友達増やすの上手いんですよねぇ。

     勉強遅れてるルリの為にユカやら神代さんやら集まって勉強会開いてくれたり。

    「あたし ごめんって言われるの嫌いだから 謝礼は『ありがとう』で返して」

     いいですねこういうの。無私の奉仕。好意だけで成り立つ関係。大人になると義務やらしがらみやらが増えて、資金的にはともかく時間や心の余裕がなくてこういう集まりが出来なくなっていくんです。

     特にルリの場合、日常が崩壊する要因がてんこ盛りですので。さりげなく守ってくれる大人たちの存在がありがたかったりします。本人が気づいているかどうかはともかく。

     まぁ龍の能力って9つあるみたいですのでトラブル要素にはまだまだ事欠かないのですがw

  • ドラゴンクエスト ダイの大冒険 -勇者アバンと獄炎の魔王- 11巻

    「オオオオオーーーッ!!!」

     地底魔城に響き渡るのは魔王の断末魔。 それは勇者の勝利を知らせる声でもありました。

     消滅するハドラーの身体。

    「『あの約束』を果たさなければ…」

     スタボロの身体を引きずって歩き始めるアバン。

     しかしアバンの向かうべき先には既にハドラーが…!

     「誓うのだハドラー 余への永遠の忠誠を さすれば復活のチャンスを与えよう 今のままではおまえは永遠にアバンに及ばぬぞ」

     謎の影の超魔力によって一時的に蘇ったハドラー、バルトスに怒りの鉄槌を下す為に現れた!

     下らない正義感や騎士道精神、人間のような情愛にうつつを抜かし、地獄門を敵に通らせてしかも自分は生きている。そんな失敗作は自分の手で始末せねば気が済まない。

     しかし!この魂はハドラーから譲り受けたもののはず。その誇りを忘れたからこそハドラーは勇者に負けた、とバルトス。

    「あなたはあなたらしさを失ったから負けたのです!」

     激昂するハドラー。禁呪により生み出された魔法生物は術者の人格を反映した性格になる…思い当たる事がありすぎるハドラーには少々キツイ返しだったようです。

    「新たなる魔王軍では…おまえのような不良品は絶対に作らぁん!!」

     「ダイ大」のエピソードに着地し、破壊されるバルトス。ハドラーはそのまま肉体を作り変える13年間の眠りにつく事になります。

    「…よかろう 地上の魔王よ ならば今後は余を魔界での異異名で呼ぶが良い 大魔王バーン…と!」

    「ヒュンケル…想い出を…あ…り…が…と…う…」

     ヒュンケルに最後の言葉を残してバルトスは消え、そのヒュンケルはアバンと出会います。

     魔王を倒すことで間接的に父を殺した勇者! その憎しみを隠すヒュンケル。

     その全ての事情を知りつつ飲み込み、少年の憎しみの全てを受ける覚悟をするアバン。

     両者は真意を隠したまま師弟関係を結ぶ事になります。

     喜び勇者を迎えるフローラ姫。「めでたしめでたし」と少しの不安を抱えて凱旋の旅路につくアバンたち。

     一方、魔王軍も既に新たな胎動を始めていました。

    「『死んだらそこまで』 いいことを言うじゃあないか…ザボエラ!」

     あてが外れて荒れるザボエラを訪れたのは…ハドラー?!

     精神体のみ分離して活動できるようにしてもらった…と。 これで寝ながら新生魔王軍の組織固めが出来るw

     気合だけでザボエラを威圧、クロコダインとミストバーンを配下に揃え、着々と準備を進めて行きます。 …てかこの頃からハドラーには甘いな、ミストバーン…w

     解散した勇者パーティーは…ロカとレイラはネイル村に戻り娘マァムと静かに暮らし…ここが一番平和ですね。

     マトリフはパプリカに招かれますが、遠からず王宮内の権力闘争に嫌気が差し、人目を避けて隠居してしまう事になります。

     ついでにベンガーナ王国。各国が疲弊しているこの隙に勢力拡大を狙った首脳部に怒り、鉄拳一撃と共に出奔した刀鍛冶…ジャンク!

    「…よぉし!今度はランカークス村一の鍛冶屋になってやる!」

     そう、ボップの親父さんですね! ボップ自身はまだお母さんの腹の中のようですが…いざという時に思い切りがいいのは父親譲りかw

     アバンはヒュンケルと共にカール王国のジニュアール家な戻り、ヒュンケルにジニュアール家の養子にならないか、と持ちかけますが…。

    「…おれに父親は必要ない おれが欲しいのは…自分を強くしてくれる…『先生』だ!」

     この言葉がアバンの将来も決定づける事になります。いずれ来るであろう次なる危機のため、未来の担い手を育てる。 それが自分の生きる道だ!

    「わかりましたヒュンケル 私は先生になります! まずはあなたのために!」

     世界を旅し、未知の脅威を見つけ出すと共に弟子を…ヒュンケルを育てる、『勇者の家庭教師』!

     あの家庭教師スタイルとなってフローラ姫に別れを告げる。

    「でも忘れないで どんな姿でどこの国で何をしていても…あなたは私のたった一人の勇者だということを!」

     フローラ姫が預かっていたメガネを自らアバンにかけさせて、二人は別れていきます。

     …あー、これ見るとアバン、ちょくちょくカールに顔を出して近況報告してそうなモンですが…本編の描写を見る限り、こっから十数年音沙汰無しっぽいんですねぇ…いくらなんでも朴念仁すぎないアバン殿?!

     またこのまま平穏に「ダイ大」に繋がるとも思えません。「血塗られた魔界最強の武器」を持つ不気味な七人。積極的にアバンを狙ってくる前フリがされています。

    「…叶わぬことと思いつつ願いました… この地上と…そこに暮らす愛する人々の平穏が…永遠に続きますように…と!」

     

     というわけで「獄炎の魔王」、めでたく第二部に続きますw

     アバンが世界を旅しつつ「魔界の武器」持ちたちと戦っていく事になるのでしょうか。

     タイミング的に冥王竜ヴェルザーとの戦いがもうそろそろ終わると思いますので…絡んでくるかな?バランw

     てか魔界の剣士ライゼ! あなた本職武器屋ですよね?角生やしたおっさんにやる気削がれて武器屋としては開店休業中なんじゃないですか? 

     …いや、シルエットがちょっと知ってる人そっくりでね…w