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新九郎、奔る! 17巻

丸子方…龍王、新九郎の軍と駿府方…小鹿軍の激突。 丸子方が押されているように見えますが、狼煙でタイミングを合わせた別働隊の襲撃、調略による駿府方の離反(福島家の親族まで!)、更に駿河湾を舟で渡って駿府の後ろを突く新九郎…。
開戦する前から勝敗が決まっていますね。
「どうやらーー京で生きてきた侍のえげつなさを甘く見ていたようだ」
手薄になっていた新五郎の居館、駿府館に突入する新九郎!
離反者福島彦四郎の軍が暴れる館内に攻め込む!
既に大勢は決した頃…。
「新九郎殿への使いを頼まれてくれ 逃がしてやりたい者らがおるとな」
新五郎からの提案です。館に滞在していた猿楽師一行と戦に関係ない女中たちを外に出したい、と。
「惜しい これだけの気配りができて何故この事態を招いたのだ…新五郎殿!」
嫡男孫五郎を逃がすこともなく、ごく全うに戦闘を再開。 …生真面目すぎる。戦の大将なんざスカして騙して誑かして、が普通だろうに…。 器ではなかったのかなぁ…。
その孫五郎も負傷、新五郎の前まで戻っては来ましたが、そこで事切れ…。
「悔しうございます伯父上… 悔しう…」
もはやこれまで、と館に火を放つ新五郎。
「よろしうござるな御屋形様」
『最後くらい好きにしろ お主がこの家の主だ』
「頼りない主人でごさった」
『まったくだなぁ 柄にもない夢を見たかと思うとすぐに揺れ動く 行くなら行くでガーっと行かねば』
「私には向いていなかったのでござるよ」
亡き主君、今川義忠…の幻と仲良く話す新五郎。
…このおっさんが早逝しなければ駿河の状況は大分マシだったんですが。新五郎も身の丈に合わない野望をもつこともなかったでしょうに。
焼ける館の中を進む新九郎。
「新五郎殿!こちらか!?」
「おお 新九郎殿! 二度とお目にかからぬまま往くつもりでござったがーーお会いできたらそれはそれで懐かしうござるな いやはやーー思わぬ形での宴になってしまいました」
…小鹿新五郎は切腹。 同孫五郎は討ち死に。 両者の御印にて今回の騒乱は手打ちとなりました。
小鹿家は御取り潰しとなりますが…
「お、お、お叔父上! た、た、竹若は儂に従うと申しておる!小鹿家を潰さずとも…」
丸子に身を寄せていた孫五郎の弟、竹若丸に情が移った龍王が小鹿家の安堵を主張。 新九郎としては後顧の憂いを断つためにも小鹿家は潰しておきたい。 後始末は駿河から居なくなる自分がやって、憎まれ役も引き受けておいた方がいい…。
…龍王は竹若と泣きじゃくって小鹿家再興の言質を口走ったり、新五郎の奥方むめさんは自害しようとするし、駿府方について不利益を被った国人衆が反乱を起こしたり、次から次へと問題が発生。
ついに京の伊勢亭に居た伊都さんが丸子入りw
「先主 今川義忠になり替わり、駿河今川家、家長として皆に命じる! 諸将、力を合わせ速やかに謀反を鎮めよ!!」
強権発動で強引に騒乱を鎮火w
ようやく京に帰れる、となった新九郎ですが、堀越公方 足利政知に分かれの挨拶に訪れたら…。
「伊勢新九郎盛時ーーそちを我が奉公衆に加えることにした」
…本人の承諾も何もなく?! 「京に帰る」と断ろうとしても「むしろ京で清晃を将軍位につけるために動いてもらいたい」とか調子のいいことを言われ…。
断りきれず引き受けて京に戻ってみれば
「今帰ったぞ ぬい」
「はて…どちら様ですか?」
奥さんからの強烈なカウンターw
まぁ、一〜二ヶ月で帰る、とか言いながら一年と二ヶ月も放ったらかしなら、さもありなんw
新九郎がいない間に新右衛門さんが亡くなったり、将軍義尚は六角攻めにかこつけて近江に陣を張って居着いており…。
「あれは『陣』などという物ではない 『御所』だ」
でその「御所」で何をしているかと言うとただ飲んだくれてるだけという…大分ダメな人だ。
「御所様は今年に入ってからすでに二度お倒れになられた 先日御子が生まれたがまたも女子だ」
執事の貞宗からすれば、いつ嫡男もいない状態で義尚が身罷ってもおかしくない…それは避けねばならない!…と考えても無理はなく。
「そのために堀越殿様の御子息を用意すると…」
「他に適任の者がおらぬ そのためにお主も堀越殿様より御恩を蒙ったのではないか」
…裏できっちり話が通ってた…てか目が怖いよ貞宗様。
で、御所様もその辺の事情が入ってこない程暗愚ではなく
「伊勢新九郎殿ーー御所様はお会いにならぬとのことだ」
近江の陣地に報告の為に赴いてもケンモホロロって状態。 大御所と御所と大御台がバラバラで好き勝手やってる…もうこの幕府ダメなのでは?
勝手やってるといえばまさしく将軍家を諌めるべき立場の吉兆家、細川右京太夫政元が山伏のカッコして陣所に潜り込んでたり…。
「この陣には邪気が満ちておるのでな 我が法力で討ち払って進ぜようと思ってな!」
…あんたもっとやるべきことがあるだろうが!?
それぞれの立場で平和にしよう、幕府をどうにかしよう、と動いているんですがすべて噛み合っていない。 命数が尽きる、というのはこういう事なんですかね。
その負債を新九郎が被っていく感じでしょうか…。 真面目な奴ほど貧乏くじを引くのはいつの時代も変わりませんね。
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これ描いて死ね 6巻

「俺は一匹狼のルゥ・ガルゥだァーーッ!!!」
って感じで6巻のメインは同人作家ルゥ・ガルゥこと王島南高校漫研新入部員森咲 麗ちゃんw
コロコロコミックで連載中の大人気漫画「ハッピーハッピーダンジョン」にドハマリした麗ちゃん。
…「ファントムバスターズ」の時も思ってましたが、出版社が同じなのをいいことに版権使い放題ってのは最近の流行りなんでしょうか?w
登場キャラクターの一人、人狼忍者デネボラに感情移入して同一化しちゃってる麗ちゃんですが、学校では女の子には「それ男子が好きなやつでしょー」で話ができない。 男子には「女子は仲間にしねーの!」で話ができない…。 で、冒頭のセリフを叫びつつ独りで(保護者として父親を引っ張り出しましたが)七畳島を探検してその体験を絵にしていく日々を送っていました。
「そっか! この冒険の記録…漫画だったんだー!!」
同人作家ルゥ・ガルゥ誕生の瞬間でした。
そして王島南高校に入った麗。
「あ 麗ちゃん読んでるのハピダンの新シリーズ」
「し、知ってるのか〜!?」
「大好きだよ〜 だってそれ…」
「ハピダンおもしれーよな!!」
子供向けだろうが男の子向けだろうが面白いものは面白い!と言い切れる仲間と出会えた麗、鼻水たらして喜んでますw
『ここから先は君の物語だ!』
「まんが甲子園」出場のための準備を始める漫研メンバー。カラー原稿の練習、予選のお題に沿ったネタ出し、そこからの更に思考のブラッシュアップ…。 考え続け、エウレカ…別のものが結びつくことによる思考のレベルアップ…を起こした麗のネタが見事採用! 鼻水たらして喜ぶ麗w 「まんが甲子園」出るのが彼女の夢だったのである程度は仕方ないw
相のコミティア用新作。麗をモデルにした「おおかみ番長」。どうしたらもっと面白くなるか、手島先生に相談します。
「…面白いって何でしょうね」
相にしか描けないものを描いた時に面白くなるのではないか。
「今までそれを伝える基本技術はお教えしました 安海さんもそろそろご自分で羽ばたけるんじゃないんですか?」
おお、突き離して自由にやらせようとしている。
もう一人、ギャップのあるキャラクターを出す、という線で悩む相。
エウレカを起こして作り出したのは…ねこ番長! おおかみ番長とほぼ同じキャラでいちいち張り合う!モデルは相自身w
「モデルの麗ちゃんと友達で考えたら一番私がギャップが少なかったけど、私をやる気にさせてくれる麗ちゃんが一番大好きだから」
夜、七と祝杯を上げる手島先生。もう相たちは大丈夫。
「お疲れ様」
「いや…もう少し」
手島先生が指導できる事は残り少ないようですね。それはこの作品の終わりでもあると思います。
前作「金剛寺さんは面倒臭い」でも顕著なんですが、とよ田先生はかなり構成をカッチリ決めてくるタイプ。ラストの展開も既に決まっているのだろうと思います。それももうそう遠くない。
それは「ロストワールド」を見ても明らかです。
「ロボ太とポコ太」終了後の手島に、なんと週刊連載の話が来ます。週刊誌に異動した元担当・金剛寺さんの引きなんですが…。
「作品の質が一番で 売れる事をバカにもしてたけどそうじゃない 売れなきゃ読んでもらえないんだ」
やりたくないファンタジーバトルものの企画を練り始める。
「分かる人には分かる そう信じて描いてきた でもそれだけじゃ駄目なんだ 『誰か』じゃなく『みんな』に届くものでないと」
私の下らないエゴなんていくらでも殺す。
売れ線のストーリー、ウケてるキャラをパクる、繊細な心情?そんなの誰も読まない。
抵抗する自分を殺し、殺し…本当にコレ面白いのか?
好きに描いて駄目だったんだ。もうあんなのは嫌だ。こっちで行くって決めたんだ。
「これ描いて死ね」と言い聞かせて描き続ける手島先生。 …言葉の意味が変わってきてます。
ついに連載決定!既にメンタルズタボロっぽいですが、とにかく仕事場の確保など準備に入る手島先生。
「でも ここが私の漫画家人生のピークだった」
…不穏なモノローグでエピソードが終わってます…。
まあ、ここまで「週刊連載作品」の話が一切出てこない辺り、何をか言わんやなんですが…。 手島先生の挫折と「まんが甲子園」がオーバーラップしていくのでしょうか。
手島先生も相たちと過ごすことで癒されている感はあります。漫画家復帰まで行かなくても彼女が前を向いて生きていける終わりになるのでしょうか。
畜生、みんなみんな幸せになれ!!
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ファントムバスターズ 3巻

「霊魂が20体…少ない… 頑張った方ですが霊感仲間さんありきですね…」
歛に無理矢理喰った霊を吐かされ(清酒飲んでひたすらゲロるという…一応未成年ですよw)、ヘロヘロのモガリ。 ただこれはモガリの為でもあるそうで…。
純血の宍喰野は肚の中で霊を浄化し祓う事が出来るが、今のモガリにはまだ難しい。悪霊を肚に溜めすぎると命が危ない…。
消化できるようになるには霊を食いまくり霊力を高めるしかない。 …つまり食っちゃ吐き食っちゃ吐きして徐々に胃を大きくする、と。 ローマの貴族かw
ただファンバスって結構当たり…マジ霊障案件を引いてまして。
カラオケ行ってみれば呪いのルームがあったり。
「…歌下手な奴 許さない!!」
霊障発見猫、除丸と知己になったり。
「だってアイツ視も聴きも一匹でできるんだぜ!?」
「確かにこの中で一番霊感のスペックが高いことに…」
それでも千体はおそらく厳しい。
「宍喰野の人は最初からモガリが千体除霊できるとは思ってないんじゃないかなぁ」
コレシキが状況から推理します。
「だって視も聴きもできないモガリを一人で出して除霊しろって無理があるじゃん できなかったでしょーって連れ戻す口実なんじゃないかなあ」
宍喰野本家の思惑をほぼ言い当ててます。すげぇな…。
そして達成できない条件だからこそ数をこなそう、その方が抗議しやすくなる、と。
さて、ファンバスの中でもモガリの次くらいに問題ありそうなザキの家。ありがちな話で、霊が視える体質の子供が産まれてしまって家族がおかしくなる…という奴。
「産んでごめんね」
ザキを責めるでなく自分で悩んでおかしくなっていくお母さん…最悪ではないがザキ本人にとってもキツイ。
しかも自分の霊力のせいで家に霊が集まっている疑惑があり、ザキは実家を出てお姉さんのマンションに居候していました。目の傷も追い詰められて自分で付けたようですね…。
お姉さんからザキの事情を聞く3人。実家の除霊をしよう、という話に。
祓ってもどんどん霊が寄ってくる、自分の霊力が原因だから。
「うっせえなわかってんだよ!! でもしょうがねぇだろ!! お前に言ったって意味ねぇんだよ!! 霊喰ったって沸いてくんだよ!!どうせ!!また!!」
「言えよ 意味なくても 友達だろ」
そういうどうしようもない事でも気軽に曝け出せるのが友達なんじゃないのか。
…いい関係になってきましたね。
歛も巻き込んで調べた結果、近くの鎮守の森が廃れて霊の通り道が変わり、ザキの家に霊が集まるようになった事が分かります。
廃神社の霊を祓うしかない、とモガリ。
「死にますよ?」
祀られていた神が悪霊になっているとしたらそれは通常の悪霊とは比較にならない怨霊と化しているはず…。おそらくモガリには浄化しきれない。
それで解決するなら構わない、とモガリ。
「もし俺が死んだら俺の霊魂を回収してお前の手柄にすればいい その代わりあいつらだけは絶対に守ってくれ 除霊を手伝えとは言わねえ! せめてそれだけは頼む…!」
森にいたのは遊女の怨霊。駆け落ちした男に裏切られた遊女「月里」がその恨みで悪霊となり、これを鎮めるために祀った結果土地神として機能していた…それが拝む者もいなくなって忘れ去られた結果また怨霊に戻った…ということらしい。
モガリ、ザキ、タモン3人がひと睨みで金縛りにあい、霊感0のコレシキが抱えて逃げるしかなかった…!
プランA・正面突破は失敗。プランB・機嫌を取って神に戻ってもらう…でいろいろ貢物を出したりするんですが(クッキーとか高級化粧水とかw)、結局
「若い男たちが血みどろになって殺し合うところが見たァい♡」
とか言ってザキを操ってコレシキを刺させようとする始末。 悪霊から戻る気はない、ということか。
「悪い皆 作戦変更だ プランCでいく」
仲間に手を出した時点でモガリの怒りは頂点に達しました。3人を歛に連れて逃げさせると共に、少しだけ霊力を借りて悪霊に挑む!
今度は金縛りも効かない。
「要らねえだろがそもそもォ!! 恩恵のねぇ神なんてよォ!!」
喰い殺す、と襲いかかった次のシーンで
「除霊完了!! 超余裕〜〜!」
とか言って帰ってきたのでどんな戦闘したのかはわかりませんが、それなりに有利に終われたと思われます。
喰い過ぎたら死ぬ話はどうなったんだろう?
ともかくザキの実家の霊は消え、母親とも改めて話せるように。
「お母さん全然視えないし 薫にばっかり辛い思いさせてるよね お母さんが代われたらいいのに…ごめんなさい」
…いい人じゃん!
「…別に 今は俺がいねぇと部活動成り立たねぇっぽいし…ちょっとだけど…視えるのも悪くねぇかなと思って…る…」
口下手だけどちゃんと思いを伝え合う。家に上がる。
「ただいま」
モガリの素質…というか本来持ってる強さが見えてきている感じです。外から霊力をもらえば実は大分強い、って状態ですかね。そもそも喰った霊を霊力変換できるなら自分で霊力作れる理屈なんですが…消化器が止まってるから体にエネルギーが回らなくて力が発揮できない、ということ?
これファンバス全員で宍喰野本家に乗り込む展開になりそうですね。てかネゴシエイター・コレシキがいないとモガリとか簡単に丸め込まれそうだしw
シリアスもいいですが高校生らしい生活に絡めた除霊も見ていきたいですね。 カラオケボックスの霊とか彼らでなければ祓えなかったでしょうしね〜。
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アンデッドアンラック 22巻

「クエスト オープン!!」
13席まで増えた円卓。 アポカリプスの宣言が響く。
UMAバーンの捕獲
UMAサマーの捕獲
UMAビーストの討伐
UMAランゲージの討伐
…出ました。上位十理の二つ、ビーストとランゲージ。
「いいのか パスをすればペナルティ…UMA公転(レボリューション)を追加する」
地球が公転を始め、そのまま徐々に軌道を落とし、最終的に太陽に突っ込む…事実上のゲームオーバー宣告です。 パスは出来ない…!
「受けるよ ごめんねアポカリプス」
風子なぜ謝る?
「私迎えに行くよ 前回のループ第一席 不正義ジュイスさんを!!」
ジュイスの否定能力”不正義“が上位十理特効だから、ジュイスは100回ものループを超えてこられた。
「やっぱりジュイスさんに闘ってほしくない?」
…あー、ループ100回一緒に過ごした訳ですからね。そりゃ情も移ろうというもの。
「ヴィクトルさんはジュイスさんに笑ってほしかった だから闘いから降りて普通に生きてほしかった でも ジュイスさんはそれを望んでないよ」
「何故 言い切れる」
「わかるよ 同じ不死を好きになったんだもん」
アンディの弾丸が飛んだイギリス・ロンドンへ飛んだユニオンメンバー。
といっても具体的な手がかりはなし…。 ロングヘアーのクール系美人、優しい笑顔、フェンシングに秀でる…風子の上げる特徴、もうちょっと特定できそうなものないの?w
そこでたまたまテレビに映った「フェンシング大会初優勝 ジュリア=U=スティティア」
「おった…」
「クールか?こいつ」
「いや…この子です」
「でも髪も全然ロングじゃ」
「いや この子です」
「でもよぉ」
「この子なの!!」
確定らしいw
時同じくしてジュイスを探して否定能力発現前に始末しようと現れたUMAゴールド。 …まぁほぼ相手にならないんですがw
「あの!! ジュイスさんについて教えてください!!」
夢でジュイスの記憶を断片的に見ていたらしい。
「じゃあ決闘です!!私が一本取ったらジュイスさんの事教えてもらいます!!」
逃げてる最中にこれ…。
「受けてくれないなら食べられちゃいますよ!!」
とんでもねぇ弾丸娘だこいつw
UMA自体は瞬殺、ジュリア対風子でフェンシング対決することに。…が、一瞬で風子の一本!
「アイツ フェンシングもいけんのかよ」
「っていうよりフィジカルでゴリ押ししてる感…」
ですがへこたれないジュリア。
「100本お願いします!! 内一本ても取れたら私の勝ちで!!」
…目的の為に手段を選ばないタイプだなw
100本負け寸前、風子の肌に触れて不運を発動するジュリア。不運の効果で体育館が壊れ、どさくさで風子から一本!
「や…やったもんね」
ジュイスもこうだったんですかね…。
ジュイスは自分の憧れの人だった、と話す風子。彼女からたくさんおそわり、育てられた。
「ジュリアちゃん 今度は私の番なの 今度は私があなたを導く」
ジュリアを連れて向かうのはブラジル。次に仲間にするのは不停止・トップ!
今ループのトップは既に能力発現、そのスピードを活かしてスリなどの悪事を働いていました。
お母さんが感染性の病気に罹って町を追い出され、誰も信用出来なくなったらしい…。
「弱い奴はルールに従ってちゃ喰われるだけだよ ならオレは弱くならねぇしルールにも従わない」
その割に止めに入って来る春歌とは仲よさげだったり。不壊の靴とか作ってもらってるしw
「アナタが人のルールから外れたいなら獣のルールで話し合おう」
力づくで屈服させる道を選んだ風子。
しかしその戦闘中に突如現れるUMAビースト!
「降りて早々オレの前で自然破壊たぁいいご身分だな 器共 テメーの相棒にゃ借りがある テメーを狩ってその首 土産に持ってってやるよ 不運」
ビーストは他の獣を食べてその能力を得る能力を持っていました。 それどころか春歌に噛みつき、不壊の能力を手中に…!
不壊を自在に使いこなすビーストに春歌は疑問を持ちます。
「不壊の力は…何年にもわたる修業…その果てでこそ成り立つ能力…奪ったとてあぁもすぐものにできるとは思えない…」
いろいろなヒントから風子が気づきます。 人は魂で生きている。その魂を喰らうことでビーストはその記憶、経験値ごと手に入れる事が出来る!
「お前は言った 最初は大地と人だけだったと お前が言ったんだ 魂が置かれ始まったと この世界の最初の理は魂(ソウル)!! その後に生まれたお前たちはこの理を自分の能力に利用している」
地味に第一理は魂で確定しました。アンディも魂に目覚めて、自分の魂を鎖にして十理を縛り付けていたんですね。
そして魂を自覚した風子が放つ不運弾はアンディのような強烈な光を発し…。
『ありがとう ここまで生きてくれて キミを選んで本当によかった』
風子の周りに立つのは…歴代不運の継承者?
「…お前…気づいたのか 奴らに」
今まで否定能力の継承は、いわゆる“愉悦部”のルナが最悪の発現タイミングを選んできたと思われていましたが…歴代能力者の魂が次の犠牲…能力者を選んでいたとなるとちょっと話が変わってきますね。
ただ、この後の展開を見ているとやはりルナがタイミングを定めているのは規定路線。加えてUMAに対抗する為には否定者を以てするしかない事を考えると…神に届く一縷の望みを賭けて”否定能力の継承“という苦渋の選択を取らざるを得なかったんじゃないかなぁ…と思います。 その辺の苦悩もルナの大好物っぽいし。
普通にクズだな、ルナ。
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僕のヒーローアカデミア 41巻

本誌では感動の最終回を迎えた「ヒロアカ」ですが、こちらはもう少し前…ラスト前41巻です。
『坊主!! 四ノ森さんがーー”危機感知“が奪われた!!』
継承者たちがいる精神世界の“部屋”まで手を伸ばした死柄木。AFOが届かなかった場所にいとも簡単に…!?継承者たちを超える意志力!
「『泣いてた』!?『見なかった事にはしない』!? おまえまだ敵(おれ)を人間扱いしてンのか!? まだそんなとこにいるのか緑谷!!ちゃんと見ろ!! そこに俺はもういない!!」
”危機感知“を早速使いこなして攻め立てる死柄木。出久は既にギリギリ。
触れられたら今度は全て奪われる、逃げよう…。
「見えてるぞ幽霊!逃げる算段でも話し合ってたか!?」
全て聞こえているのか? 逃がしたら強くなって戻って来るから逃さず壊す。
「逃げる場所も壊す 俺がつくる“地平線”をさ…スピナーが楽しみにしてたからさ 富士壊してから沈める」
いつの間にか追い込まれていた富士の裾野。 ここで”伝播する崩壊“を使おうものなら富士山噴火まである…!
それはAFOの『支配のための破壊』ではなく破壊のための破壊。死柄木のオリジン。
「それも全部 連なっているんだろ お前の中の…どこかに…!」
バケモノではない。彼もまだ
「人だよ」
寂しい過去を見ないフリしようと心に蓋をして。
傷んだ上から蓋をして。
「その蓋ブッ壊れるまで殴るのを止めない」
“宿敵をも救けたい”という出久の願い。どんな人間にも等しく人の心があるのだと信じたい…。
その願いに二代目が答えます。
「おまえに賭けるよ九代目 OFAを手放すんだ」
死柄木の中にあった不満や怒り、憎悪が凝り固まって鉛のように凝った精神。それが蓋。
その蓋を壊すため…
「ワン・フォー・オールを譲渡という形で傷にぶつける」
スターアンドストライプの個性によって付けられた傷に!
黒鞭で筋肉を無理矢理動かしてようやく死柄木に食らいついている出久。もう後はない!
”譲渡“の意志をこめて血液を死柄木の傷口に叩き込む!
二人の記憶が交錯する。
荼毘、轟、スピナー、トガ…戦いながら二人の精神も混じり合っていく。
死柄木の心の一番奥、かつての志村家に辿りつく出久。“譲渡”でも弾き返された七代目…志村奈々と共に。
「知ってどうする 過去を暴いて何が変わる」
どこか禍々しい出久…の姿をとった死柄木か。
「わからない! でも知らないまま終わるのは嫌だ!」
「死ね」
「おじゃまします」
父に虐待される志村転弧のビジョン。
「あれはおばあちゃんじゃない 子どもを捨てた鬼畜だ」
奈々が付けた傷が回り回って死柄木になったのか。 …殴ろうとする父、弧太郎に縋り付く奈々。
「ごめんね お迎えに行けなくて」
消えていく二人。
転弧に向かう出久。
「僕もうやだよ モンちゃん」
飼い犬に対して初めて”崩壊“が発動するシーン。
ここだ! 転弧の手を掴む出久。
「なんで…!」
自身をぶつけろ!
「だって 泣いてる」
「手を 離せ…!」
「僕は手を 手を掴んでもらって安心したから だから…来たっ」
崩壊を始める転弧。オリジンが揺れ始めているのか。
「たとえ憎しみを…打ち砕かれようと からっぽになろうと 敵(あいつら)のヒーローにならなきゃ」
それが死柄木弔の辿り着いた境地か。怒りと憎しみと復讐に凝り固まった怪物は、かけがえのない仲間たちを得て…皮肉にも世界から爪弾きにされた者たちを守るヒーローを目指す者となりました。
しかしその体は既に崩れ始め…。
「弱いまま強くあろうなど ああ愚かな志村転弧 おまえは今まで何一つ選んでなどいないのに」
AFO! 死柄木か弱った事で復活したのか…それはともかく、死柄木を作った?
OFAを奪還ために必要な強靭な意志力を持つ個体を作り出すため、オールマイトに関係する家族の幼児からまだ見ぬ因子を抜き取り、頃合いを見て個性を与えたーー。
「ドクターの施設にあった“個性”からーー可逆性を取り払い破滅にのみ突き進む粗悪なコピーを 君に与えた」
…流石にこれは。死柄木は事の始めからOFAを取り返すための道具として仕立て上げられていた、という事で…ここへ来ての超胸クソ案件です。
「悲劇も試練も否定も肯定も僕が与えた 全部だ!! 何が”遷ろわない“だ!? 恥を知れ! 僕の身体から消えろ!!」
この「恥を知れ」というフレーズを使う人というのは、どうにも「お前が言うな」と返される人格であることが非常に多い印象があるのですが…なんなんでしょうね。少なくともその身体は死柄木のものです。
死柄木の精神が崩壊し、主導権がAFOに移る。
AFOから見たら用意した器の意味はほぼ失い、求めていた弟…与一も失った。ほぼ生きる意味はない。
「虚しき最終目標へ移行する 則ち世界へ」
それを止めようとする出久は両腕を失い。
「緑谷あ!! 助けに来たぞ!!!」
止めを刺そうとするAFOを静止に入ったのは瀬呂! 砂藤、尾白!
「緑谷 待たせてごめんな」
黒い霧を通して現れたのは…相澤先生!
黒霧の再起動に成功した相澤たちは戦えるヒーローをかき集めて最後の賭けに出ました。
出久の元に相澤が持ってきたのは壊理ちゃんの角。これで僅かに巻き戻せる!
「私 お歌したいの 先生 私デクさんたちに楽しくしてもらったから 今日終わったらデクさんにお歌するの」
精一杯の壊理ちゃんの応援は出久の時間を巻き戻し…腕を取り戻す!
「お歌 聴くまで死ねないぞ」
「皆もきっと…オイラと一緒だよな… もう動けねーって思ってても…緑谷かわ頑張ってっとよォ 体動いちまうんだよなァ!!」
峰田!そしてA組メンバー!
「オイラたちが 来た!!」
歴代の“個性”はなくしたが出久の身体にはパワーは残っている。
「オールマイトがそうだったように まだ残り火があります」
無茶苦茶な攻撃力をばら撒くAFOを抑えるヒーローたち。出久の拳だけがヤツに届く。皆に助けられ、走る出久。
「頑張れ」「がんばれ」「ガンバレ」「がんばれっ」
出久を見て皆が立ち上がり、皆が出久の背を押す。
「緑谷!!! おまえの弱さが オールマイトにはなかった弱き強さが こいつらを何度でも立ち上がらせているのだ おまえがその足を止めぬ限り」
その拳は…巨悪に届く…!!
全てを奪って一人立つ者より皆を繋げ、奮い立たせる者の方が強い…なんというおとぎ話!ファンタジー!
世界は強い者が強いのであって弱者はただ奪われるだけ。それが当たり前ではあるのですが、そんな理不尽に泣く者たちを助ける者がいれば…そして立ち上がる勇気を与える者がいれば…世界は変わるのかも知れません。 おとぎ話を現実に持ち出す者、それこそがヒーローなのでしょう。
緑谷出久が最高のヒーローになるまでの物語。ラスト1巻を静かに待ちましょう。
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ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース 15巻

暗黒カラテ技サマーソルトキック!
メンタリストを攻め続けるニンジャスレイヤー。
瓦礫の隙間から生えていたヒマワリ
ワータヌキ陶器
ドラゴン・コケシ
床下に生えるサボテン
メンタリストを攻撃すると同時にゲン・ジツの起点たるオブジェクトの歪みを破壊していく。
「ゲン・ジツを破るにはオブジェクトの歪みを見出し それを認識せねばならぬ」
このままでは返り討ちだ…とアンバサダー。
しかし、徐々に押し始めるニンジャスレイヤー。
ゲン・ジツ破りのBasic・メソッドに則ったアンバサダーの方がメンタリストに手も足も出なかった…。
「そうか ニンジャの高速カラテ戦闘においてオブジェクトの歪み探しに心を砕くなど後手も後手 到底立て続けに繰り出されるゲン・ジツの波状攻撃に反撃を挟むことなどできなくなる…」
ああ、まさに『負けを待って無駄死に』!ミヤモト・マサシの兵法に記された筆頭悪手!
…えーっと、「ごちゃごちゃ考えずに怪しいもん片っ端から壊せ」?
しかしこれがゲン・ジツ破りの最善手。オブジェクトを確認するというベーシック・メソッド自体が、平安時代よりダマシ・ニンジャクランの者たちによって流布された誤謬!
つまりゲン・ジツを有効活用する為に間違った解法を広めた…途中で多少は負けて見せたりして効果を信じさせたりもしたんでしょう…何だそのMMORPGのメタゲームみたいなの。
フジキドのこの対応もナラク・ニンジャからのアドバイスあってのものですが。
これはアンバサダーが無意識に避けていた対峙。 対抗すべきザイバツのあまりの巨大さに対決することを避けていた。突きつけられた事実に立ち向かう決意をするアンバサダー!
「兄さん 兄さんいるか!」
テレパシーでキョートにいる兄ディプロマットに連絡。
破壊された道場の惨状に駆けつけたマッポ…ネオサイタマポリスデパートメントがニンジャに無差別攻撃を加える中、ゲン・ジツ破りに覚醒するアンバサダー。手の回らなくなったメンタリストに遂にニンジャスレイヤーの拳が入る!
「夢など醒めれば所詮は夢… だがオヌシの痛みは本物のカラテ傷だ ハイクを詠めメンタリスト=サン」
混乱の中、アンバサダーがゲートを開く。
「ニンジャスレイヤー=サン! 急ごしらえのポータルは長く保たぬ!」
マッポの銃弾が降り注ぐ中、ポータルに飛び込むニンジャスレイヤー。 いざ、キョートへ!
キョートでは邪魔者チェインボルトに一服盛って眠らせたディプロマットがポータルを開けて待つ。
が、そこにポータルを渡って現れたのは…メンタリスト! 銃弾の中を掻い潜ってポータルに逃げ込んだか。とても正気とは思えない形相!
「アイエッ!? メンタリスト=サン!?」
目を覚ましたチェインボルト。しかしメンタリストはチェインボルトを気にせず逃亡…!
そして続いて現れたニンジャスレイヤーに一撃のもとに葬り去られるチェインボルト! サ・ヨ・ナ・ラ!
やっぱり権力構造の末端でふんぞり返ってるようなのはダメだなw
ザイバツへの復讐を口にするディプロマット。ニンジャを悉く殺してきたニンジャスレイヤー…フジキドの拳が解かれる。ディプロマットに手を出さず、キョートの街へ消えるニンジャスレイヤー…。
彼にはもう一つ、キョートで片付けねばならない事がありました。 そう、タカギ・ガンドーの生死。
「よぉ 久しぶり…という訳にはいかんよな」
死んだはずのガンドーが目の前に。
「ドーモ ニンジャスレイヤーです」
「ドーモ ニンジャスレイヤー=サン 俺の名はいくつもある… 俺はディテクティヴ ディープスロート カラス・ニンジャ… そしてタカギ・ガンドーです」
ニンジャ殺すべし。ニンジャソウルに目覚めた者なら全て殺してきたニンジャスレイヤー。しかしガンドーに関しては…メンボを外す。
「フハァー…ッ 感動の再会で本当に殺されるかと思ったぜ…」
「…オヌシの魂がニンジャソウルの闇に呑まれた時 躊躇はせん」
お互いに変わった…と感じている両者。
「…誰か オヌシの側で嬉しそうに笑ったような気がしただけだ」
瓶底メガネのボサ髪少女。探偵がニンジャの闇に堕ちない絆。
フジキドの方は…ナラクニンジャとの関係も微妙に変わり、ただニンジャを殺すだけの存在ではなくなった、一度捨て去ったヒトとしての何かが戻って来つつあるのかも知れません。 それが幸せに繋がるかどうかは別にして。
ザイバツに潜り込む為、ニンジャスレイヤーが取った手段。それは暗黒地下格闘トーナメント シャドー・コン!
寂れたドージョー「グリズリー穴」を構えるモミジ・ヤンガにコンタクトを取ったフジキド…もといイチロー・モリタ。 ニンジャ同士の格闘興行、シャドー・コンに最短で参加する為、彼を利用するとハッキリ言うイチロー。 彼のワザマエを見たモミジは彼に惚れ込み…
「シャドー・コンに出る 畜生…っ 今度こそアンダーがイオンを逆から上ってやるんだ シャドー・コンでよぉ!!!」
ザイバツに潜入し、行方不明のユカノの手がかりを掴もうとするニンジャスレイヤー。 まずは細かいこと考えずにカラテを振るうw
てかナンシー=サン…一緒にキョートに来るとか言ってたのに、フジキドがポータルなんてインチキで来ちゃったもんだからネオサイタマに置き去りですよ! どう責任とるんだフジキドw
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終末のワルキューレ 22巻

ラグナロク第十回戦。”剣神“スサノヲノミコト対“剣鬼”沖田総司!
撃剣対決は総司の突進から幕を開けます。
「神相手にナメすぎだ 瞬で終わるぞ」
策も何も無い正面衝突…しかしスサノヲの間合いに入るその瞬間、あり得ない方向に飛ぶ総司。
「想像を遥かに超える疾さだけぇ…抜く間もなしとはエゲツねえなぁ…」
総司の嵐のような攻撃! 極限の高揚状態に達した総司の体は急激に生命を燃焼させ、超人的な身体能力を発揮する。その時、彼の瞳は紅い光を発する…曰く”鬼子“。
そこから繰り出される極限の技!
一、ニ、三!
天然理心流奥義 三段突き!!
体制を崩しつつも三撃受け切ったのはさすがスサノヲ。 しかし構えた剣にはヒビが…。
「いいえ…破壊されたのはーー…鞘です」
そう、スサノヲの刀といえば
「天界最高の神器のひとつ 『天叢雲剣』か…!!」
しかしその姿は…日本刀? 時代的に直刀じゃない?
それもそのはず、この刀は天叢雲剣を溶かし材料として神と人間の刀鍛冶連合…伯耆安綱、三条宗近、粟田口国綱、金屋子神、ヘパイストス…が鍛え直した究極の刀!
「これぞ古今東西天上天下で“最上の大業物”…名付けてーー鬼切天叢雲 こいつを…使う日が来るとはのう ”鬼子“を斬るにはふさわしい刀だけぇ」
神器って作り直しとか出来るんですね…歴史的意義とかは…野暮ですかね。
「さあて…この刀に恥じぬ闘いをせんといかんけぇ…」
スサノヲが取ったのはきれいな正眼の構え。
しかし剣を修めた者の目にはそれぞれ全く違う構えに見えて。
「あの構えは…“全て”だ」
小次郎が呟く。まさに究極の構え。
神羅八百万
「これが今の己が持つ剣の全てだけぇ… あんたも全てを視せてくれ 沖田総司!」
総司の撃ち込み全て打ち払う…まさに無限の型。
「参ったなぁ…めちゃくちゃ楽しいや」
一瞬の油断で死に至る戰場で総司が屈託なく笑う。それこそが新選組。『死合』こそ『日常』…。
そんな鬼子が取った構えは…無型。
構えを解き、そのまま進む。
「おうおう いいねぇ… こりゃ沸くぜぇ」
「…ボクもです 往きますよ」
無人の野を往くかののような歩みからの一撃!
「”起こり“が見えねぇ!!」
血風吹き荒ぶ京で死線をくぐり続けた総司が到達した境地。殺意なき殺意! その剣はスサノヲに膝をつかせる!
「沸くぜぇ」
怯まないスサノヲ。左手を前に、後ろ手に鬼切天叢雲を構える異様な型をとる!
「面白い構えですね 間合いに入れば真二つ…ですか? でも…僕には当たりませんよ」
スサノヲの構えを居合と見切り、無型で間合いの境目を出入りする総司。
「恐れず近付いてきたのはさすがだけぇ 沖田総司… だが“これ”に間合いの読み合いなど…無駄だけぇ…」
横薙ぎに刀を振るうスサノヲ。その衝撃は総司を吹き飛ばし、そのまま京の町を破壊する!!
奥義 天魔反(あまのまがえし)
強い剣をただ力任せに振るっていたスサノヲが、人の生み出した刀を扱う術…剣術に魅入られ、神の地位を失ってまで学び続けた。…素戔嗚尊の高天原追放のエピソードをこう使いますか…。
古今東西の剣術を学んだ末に編み出した奥義!
「やっぱりこの”死合“を…受けてよかった あなたのおかげでもっと…もっと…もっと…“熱く”なれそうです!!」
総司の瞳はさらに紅く。
「驚いただけぇ… 鬼子の”向こう側“があったとは…」
剣神もまた笑う。
「滾るぜぇ」
「散れ」
剣の事ばっかり考えてる二人が全力でぶつかり合い…血まみれなんですが何だかすげぇ楽しそうです。今までのラグナロクの中でも一番喜んで戦ってるんじゃないでしょうか?
で、そんな仲良くケンカしてる奴らの裏でシャカ、ベルゼブブ対オーディンの問答が。
どうもオーディンが身を捧げる事で原初神が蘇るらしい…マジで世界を混沌に戻すつもりかオーディン神?
更にここにジークフリートがどう関係してくるんでしょうか?
謎が解けてるようで何も進んでないな…。
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古見さんは、コミュ症です。 34巻

「えー今回、サッカー部長身イケメンキャプテンの和貝氏に『ずっと一緒にいてくれ』と言われ『はい』と答えた件ですが、万場木氏のお気持ちをお聞かせください」
…いろいろ追い詰められた和貝くんが試合直後に公開告白、ぐだぐだ悩んでた万場木ちゃんも勢いに乗って答えてしまった。そこを佐々木さんと加藤さん…ついでに古見さんに詰められてる…という地獄絵図w
「後悔は ないでしょうか」
「…うん」
本人たちが幸せなら問題ないんじゃないでしょうかw
さて作中では季節はもう秋。推薦入試はそろそろ結果が出る頃。古見さんの「碧山学院大学」試験結果は…合格! 只野くんに連絡しようと慌てていた古見さんの携帯に…河合さんから「合格おめでとう」LINE。なんで知ってるんだw
で招待される悠修清学校の学園祭…なんで?と思わなくもないですが…
「我が3年α組の出し物は…『古見さん合格おめでとうパーティー』だ」
「硝子さま!!大学合格おめでとうございます!!」とかクラスでお祝いしてくれる…やっぱりおかしいだろ?!
「さぁ学園祭本番だ!!『修清祭』改め『古見祭』!! 幕を上げろ!!」
学園を私物化してますよね河合さん?!
ただそのリーダーシップと緊急時の対応に何か感じるものがあったようです。
伊旦高校3年1組、文化祭の出し物。3年は任意参加なんですが、なじみのゴリ押しに古見さんも乗る形で…やるのがなんとラーメン屋。
具、スープ、麺全部手作り、とかすごい事言ってます。
「古見さんに麺を踏んでもらったら『古見麺』としてあらゆる意味でおいしくなるのでは…!?」
待て笛地くん。
「天才かよ…ッ!」
お前らも待て。
業務用スーパーのスープの素で作ろうとしている名野田さんと材料からこだわろうとする狐里くんで対立してしまい、古見さんは自分が無理矢理引っ張ってきてしまったからだ、と反省…。しかし狐里くんは鶏ガラ等材料から用意して来てスープの仕込みを開始。
「よーし!みんなでガチスープ作るのだ〜! 狐里くんは取っ付きづらいけど!」
なんとかまとまって再スタートしたスープ班。河合さんみたいにやるのだけが正解じゃない、と只野くん。
確かに強烈なリーダーシップで引っ張るより、皆の意見を聞いて纏めていくのが古見さんのスタイルのようです。
ただ最終的にラーメンのような複雑なものを提供するには保健所の許可が必要で…簡単に言うとその場で調理はほぼ不許可。市販品を組み合わせて作るしかない、と。
「ちょっと待つのだ! 狐里くん泣いてるのだ!」
…ツンツンしながらも一生懸命やってたんだな、狐里くん。
文化祭当日。1組のラーメン屋は大行列。
「硝子先輩のクラスのラーメン、市販のスープを60種類くらいかけ合わせたらしいよ〜」
頑張ったんだ…。 その結果は客数に反映されています。
揃いのTシャツの染め抜きが「らぁめん狐里家」だったりするのが泣かせます。お客さんが食べるのを見て「めっちゃうれしそう」な狐里くんもw
あ、文化祭名物「やたら可愛い女装只野くん」は今回もありましたw
最後、まだ少しギクシャクしながらも文化祭を楽しむ万場木、和貝ペアを見つける古見さんと只野くん。
「もし…和貝くんが留美子ちゃんを不幸にするようなことがあれば…埋めるしか…なくなります…」
「…そうですね 僕も手伝います」
なんかそれぞれ新しい道を進もうとしている感、いいですね。
文化祭の準備を通じて椎名さんとも少し距離が縮んだし、どうなるかと思っていた3年生もいい感じになっています。
ただ、もう卒業まで半年ないんですよね…。 終わりが近いな…。
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生徒会にも穴はある! 7巻

「ひとでなしーー!! これを取られたら私…もう再来週まてまお昼ご飯が食べられない!」
生徒会が向かった旧部室棟には阿鼻叫喚の悲鳴が響き渡り…そこまで深刻でもない?ようなw
話題の裏カジノ部に直談判に行ったのですが…それっぽいと言うか所詮学生と言うか…。
「そこまでカシラに会いたいならーーいい子じゃねぇ(アウトロー)証明でもしてもらいやしょうか」
ホントのワルは悪自慢とかしないw
で、カシラ…臨時部長汐見紫緒と直接対決。ですが何だか有栖が彼等と因縁があるようで。
「あら 本性現しましたね汐見紫緒 さすが…現・藤成の裏番長ってところでしょうか」
「フーー… これを初見で止めるかねぇ そちらこそーーさすが元・藤成の裏番長ってとこですかい」
う…裏番長…そんな恥ずかしい名乗りを本当にしてたのか…じゃなくて有栖さんガッツリ裏カジノ部関係者じゃないですか!?
「アヤもついたしどうだろう ここはひとつ仲直りのためゲームでもしないかい?」
…と紫緒が出してきたのが雀卓w で負けたら脱ぐ「地獄脱衣麻雀」…それガチ勝負ですよね?
しかも
「おっとご無礼 天★和 16000オール」
…半自動卓で一局め天和なんて仕込み以外の何物でもありません。 この調子で梅、会長はトバされ、頼みの有栖もメンタルアタック(胸部の大きさ勝負w)で脱落。
「なんとなくルール分かってきたし それにせっかくみんなで来たから皆で勝ちたい」
しかしルールを覚えたこまのと
「チャックが締まらない理由 それはナイスバディスーツ!」
搦手部分を見破って逆に精神攻撃に出たたん!
紫緒を抑えている内に四暗刻単騎ツモで生徒会の勝利!
「どうしよぉ…カジノ部終わっちゃうよ〜…」
…追い詰められると弱い紫緒さんw
「…お疲れ様でした これで仲直りゲームばっちり終了ですね」
元々有栖は注意だけで済ますつもりだったとか。
「在ってくれた方が助かる面もありますから」
ヤンキーな人たちを纏めてくれるなら意味がある、ということでしょうか。
「はぐれ者の皆さんに随分愛されているようで」
「いや でもそちらも変わったよ 沢山のお仲間に随分愛されているようで」
毎度の事で紆余曲折はありましたがなんとか収まった感じ。
有栖も紫緒も以前とは変わって…しかも良い方に変わってるようです。 有栖も裏番w張ってた頃はあんまりうまく行っていなかったようだし。
紫緒も1年の頃は全部がどうでもよかった…と語っています。成績は良かったので有栖に対抗する為に裏カジノ部に誘われ、クズの集まりだった部の雑務やら何やらやっていく。
「暫くして部長が卒業した 次の部長はしっかり者の汐見だって押し付けられた まぁいいか やった」
「いつのまにか結構たくさんの人が関わる大所帯になった 自分が居ないと困る人がだんだん増えてきた ま いいか やり続けた」
「そしたらいつのまにかーー私の周りは案外大切なもので一杯になっていた」
…立場が人を作るパターンですね。
紫緒は有栖を指して「しょくぱん◯んみたいな人だったな」と称しました。 正しくて力もあって自分を疑わなくて、自分なら悪い人とも分かり合えると思ったんだろう…と。 だからこそかびるん◯んには嫌われる、と。
「なるほとなあ… 汐見先輩はばいきん◯んになれたんだ」
梅は彼女をそう評しました。 世の中に馴染めない者たちの居場所を守る…光の中にいるアンパン◯ンたちに出来ない…やってはいけないことをやっているのですね。
個人的には、古いゲームですが「高機動幻想ガンパレード・マーチ」の主人公速水厚志を思い出します。 ある理由で冷酷な殺人者である彼は負けかかっている学兵部隊に潜り込み、無害な人物を演じている内に周りから頼られるようになり…作り笑いはいつしか本当の笑顔になり、速水は英雄への道を歩いていくことになります。
人は一人で生きているのではない、周りの人と影響を与えあって成長している。だから人は一人ではなく、集団でいるから「人間」なのだと思います。
…考えてみると「生穴る」はそんなキャラばっかりですね。一人で完成しているのは一人もいないw みんな誰かに助けられて生きている。それがこの作品の魅力なのかも知れません。
いや単に下ネタ限界突破してるからだけなのかも知れませんがw
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すだちの魔王城 8巻

「いるんだよねぇ自意識過剰なファンって」
「いんだよなぁ〜〜『勇者(推し)』が全部正しい!皆『勇者』に憧れて当然!って疑わねぁ奴〜〜!!」
アキードとアッシュの不毛な言い争いw
鉱山への山道でワタワタしながらどうにかアキードだけ下山させられないか相談するすだち屋メンバー。
「このままあの若社長についてこられては『じょおうの依頼』が始められんぞ」
「そこ!何をモタモタ登ってる!? 探してるんだろう?『闇道具屋』」
…知ってた!?
禁止魔道具の取り扱い疑惑を受けたラ・ストヤーデ。結局その疑惑は晴れましたが、ゴルドワーフ山の工場長が『竜型魔道具』の設計図を見た、という情報を得てアキードは独自に闇道具屋に見当をつけ、社長自ら調査に来たのでした。
「白か黒か 『ラ・ストヤーデ』の真の”信用“を証明する為に」
完全な信用を取り戻す為とはいえ社長単独とか…フットワーク軽すぎない…?
ドワーフ族そのものが疑われる事を怖れた工場長は詳細を道具屋協会には伏せていたのですが、そのせいで事態はマダム・シンメトリー襲撃までエスカレートしてしまい…。
おそらく『竜型魔道具』を作ったのはその設計図の製作者。アキード社長と手を組んで玩具製作に進む事を良しとせず、廃鉱山の中で孤独に暮らす男。「名は『ルドルフ』 ワシらの中で最も腕の良いドワーフです」
道端に配置された魔物避けの魔力波を出す魔道具が突如ゴーレムに変形、暴れ出す!
ゴーレムが起こした雪崩に巻き込まれ、ムラビトとアキードだけ引き離されてしまいます。
魔王の能力で現地の魔物(フェンリル!)に助けられ、洞窟へ避難。非常食を食べながら救助を待ちます。
「すだち屋を★5にするにはどうしたらいいかわからない…」と悩みを吐露するムラビト。
「どんな道具屋にしたいかを見失うな」とアキード。良い道具屋は『欲しがってる人』がはっきり見えている、と。
「君は見えないの?君の店に訪れるお客様の姿 そして君が自信を持って提供できる『商品』 そのイメージ」
ムラビトに取ってのそれは回復薬。「効いてるのかわからないけど効いてる優しい味」と言われる…お値段も安いw 旅立つ冒険者を応援する「最初の道具屋」!
目指すものが見えてきたムラビト。
しかしそこに現れたドワーフ。
「人間族のガキがここで何をしてる!?」
その男こそ件の「ルドルフ」!
「パヌルゴス王に『竜型魔道具』。製作したのは貴方ですか?」
単刀直入に聞くアキード。そしてリッカロックタウンの『闇道具屋』と関与があるのではないか、と。
「さすがだな そうやって貴様は知ったように我々の行く末を語り同胞たちを洗脳した」
もうほとんど自白してます。今すぐ出ていけ、と凄むルドルフ。
「ルードルーフさーん」
すっとぼけた声をかける新キャラ。飯食いたいけどお湯がない、アキードの持っていた非常食をもらうのに自分の持っている道具を交換で持っていっていい、と見せますが…。
「こんなの僕でも判る…! この箱の中身全部…!!!」
違法素材。つまりこいつが闇道具屋本人!
「あらら? これが『どういう物』かわかっちゃう人? ああ〜…『道具屋(同業)』だったのかよ」
「やっぱ『闇道具屋』って風当たりが良くねぇなぁ」
言いながら鎌を振るう。アキードとムラビトに同時に斬撃! 拘束されて有罪確定ならば全て無かった事にして…!
魔王の能力で攻撃を防いでいたムラビト。
「…貴方は『魔族』ですね!?」
はぐれ魔族?!
「おにいさん攻撃手段ねぇの? ターン終了でいい? じゃあ グッバイ兄弟」
「グッバイはてめぇだぁあああ!!」
アッシュとマオ! 間に合った!!
「マジ…これ折れたって…」
「マダムの痛みはこんなものじゃなかったぞ」
「疾く答えろ 貴様は誰だ!?」
元魔王、マオが怒りと共に問い掛けます。
その横でアキードの傷を治そうと魔法を使うアッシュ。しかし彼は初級治癒魔法しか使えない…!
ムラビトはすだち屋の回復薬をブーストしてエリクシル並の効果のあるものに。材料なら闇道具屋が持っていた違法素材がある!
0.1gの誤差も許されない微妙な調合を手づかみで…!
「一手誤ればてめぇが殺す事になったのに どんな度胸してやがる」
エボルシオンも驚愕する手腕と思い切り。ムラビトもその場に留まってはいない。
“即席万能薬”でアキードはなんとか回復。
闇道具屋が呼び出した改造ゴーレムの乱入でルドルフと闇道具屋は逃亡。
「もえやるしかねぇよルドルフさん きっと新女王様に全部バレたんだ」
ルドルフを焚き付ける闇道具屋。
「…”死刑“は逃れられんか ならばせめて栄光の故郷を掘り起こしてから受け入れる」
ルドルフの夢。 それは“ドワーフの国”を復活させる事。鉱山の最深部に眠る古代都市の遺跡。掘り尽くしてしまったオリハルコンすらそこにはある可能性がある! ルドルフは一人でドワーフの復権を考えていた…。
そのための魔道機械に乗り込むルドルフ。
「巨大掘削魔道獣機『クランプス』…起動!!」
終始ふざけている感じの闇道具屋ですが腕は確かな様子。ルドルフも…パヌルゴス王も手玉に取っている訳で、まだまだ底が知れません。
…てか『クランプス』の操縦系統、『エグディキス』と一緒ですよね? 暴走させる気満々じゃん…!